2009年03月の記事一覧
2009年03月31日
ライサチェックの「地元」優勝で華やかな大団円を迎えたロサンゼルスの世界選手権で、楽しかったフィギュアスケートシーズンも幕を閉じました。
「ジャンプキング」ジュベールのまさかのジャンプ失敗、
今季前半絶好調だったアボットの大崩、若く怖いもの知らず(?)のチャンの大胆発言、
日本選手たちの苦戦など、色々とハラハラさせられることも多い大会でしたが、
全ては来季「オリンピックイヤー」のためによい経験だったと思いましょう!
「このミスを五輪イヤーへの教訓としなければならない。
ボクはまだ終わってはいない。明日から、2010シーズンは始まるんだ」
ジュベールもこんな風に言っています。文字通り今この瞬間も、
ジュベールや他の選手たちは10ヵ月半後のバンクーバー五輪本番へ向けて
準備を始めているに違いありません。
・・・でも今からバンクーバーのリンク「だけ」に視線を向けられるのは、
出場「ほぼ確実」なほんの一握りの選手だけに違いありません。
なにしろ気になる五輪の各国出場枠が、世界選手権の結果で決まったのですよ!
●3枠
アメリカ、日本
●2枠
カナダ、フランス、チェコ、イタリア、ロシア、カザフスタン
●1枠
ベルギー、スウェーデン、スペイン、スロべニア、ウクライナ、ポーランド
つまり選手たちは五輪出場前に、母国で代表に選ばれる必要があるのです。
これから先の約9ヶ月間は、おそらく来シーズンの各国ナショナル選手権まで、
出場権を巡って世界各地で華麗な(壮絶な)戦いが繰り広げられる事でしょう。
フィギュアスケーターなら誰しも、4年に1度しか開催されない
世界最高のスポーツの祭典を夢見ているに違いないのですから。
ちなみに「ほぼ確実」と、勇気を持って言い切ってしまえるのは
以下の4選手(ケガや病気、予想外の引退などあった場合は除きますよ)。
★トマシュ・ベルネル
自分ひとりの力で手に入れたチェコの出場枠は2枠。
現在国内にライバルがブレジナのみ。彼の五輪出場になんの疑問もありません。
もちろん現在17歳のジュニア選手がとんでもなく大化けしてしまったら
どうなるか分かりませんが。
★デニス・テン
カザフ始まって以来の大フィギュアスケーターにして、
今ワールド8位という大快挙を果たした選手を連盟が選ばないはずがありません。
そもそもワールドランキングにカザフスタン男子は2人しかランクインしていません。
★ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン
ベルギー1枠=KVDP(Kevin VAN DER PERREN)、これぞ疑う余地なし。
ベルギーには他に、17歳のルーベン・ブロマート選手がいましたね。
5年後に期待しています。
★グレゴール・ウルバス
国際大会で研鑽を積む唯一のスロベニア選手にして、
トリノ五輪では母国に14年ぶりの出場権をもたらした功労者。
一方で、炎上必至の国々もあります。
選手数が多いわりに枠が少なくて大変な状態に陥っているのが
ロシア、スウェーデン、ウクライナ、ポーランド。
特に伝統のフィギュアスケート大国ロシアは、
もしかして、もしかして本当にプルシェンコが戻ってきた場合・・・
一体どうなってしまうのでしょうか!?
トリノ金メダリストにして世界選手権3回優勝の大チャンピオンが
1枠取ってしまうとすると、残すはたったの1枠のみ。
ヴォロノフ、ボロデュリン、バリエフ、ルタイ、グリゴリエフ等々の若手たちが、
壮大な椅子取り合戦を繰り広げざるを得ないのでしょうか。
とにかくロシア方面からは、シーズン序盤から目が離せそうもありませんねぇ。
で、肝心の2008/09世界選手権メダリストたちですが、
ほぼ間違いなく「五輪出場内定」と言えるでしょうね。
でも、彼ら3人の国には、それぞれ激しい国内競争が待ち受けているんです。
3人がその激流に巻き込まれず、自らの勝利の道へ突き進んでくれるよう祈りましょう。
■アメリカ合衆国 3枠
ライサチェックには1988年ブライアン・ボイタノ以来となる
アメリカ男子金メダル獲得へ向けて、思いっきり集中していただきましょう!
・・・では、あと2枠は誰が?
現在2枠に滑り込める可能性がある選手はアボット、ウィアー、
キャリエール、ムロズ、来季から本格シニア転向するリッポンの5人です!
今季前半のまさにエクセレントな成績を考慮すればアボット、
国際大舞台での長い経験と過去の好成績を考慮すればウィアー、
将来性を考えてキャリエール、ムロズ、リッポン・・・。なんとも難しすぎる問題です。
■カナダ 2枠
バンクーバー五輪が開催される地元ですから、
選手たちや関係者は恐ろしく神経質になっているに違いありません。
チャンの口撃も、18歳の両肩にのしかかる、大き過ぎるプレッシャーが原因なのでしょうか・・・。
とにかく地元ファンの期待も、それに対する過剰な反応も、
あまり行き過ぎないで欲しいものです!
チャンと共に母国の大舞台に立つのはレイノルズ、シプール、テンのうちただ1人。
バンクーバー出身のテンは特に気合入れてシーズンインしてくるでしょうか。
■フランス 2枠
連盟は「ジュベールの金メダル獲得のためにコーチ変えろ」と騒いでいるようですが、
とにかく5月から本気始動、9月には100%になると断言するジュベールの心は、
早くもバンクーバーへ向かって猛突進中。
しかし気になるのがポンセロとプレオベル、アマディオという
超個性派揃いのフレンチガイたちの行く先です。
テクニカルな面はともかく、彼らフレンチガイたちの少々個性的なルックスと、
創意工夫のあふれるプログラムは、我々ファンの目をたっぷり楽しませてくれますから、
3人中1人しか出られないというのは少々寂しいですね。
そして一番気になる日本は・・・!?
今年世界選手権に参加したのは織田信成、小塚崇彦、無良崇人の3選手。
ここに2007年世界銀メダリストの高橋大輔が帰ってきます。
南里康晴も中庭健介もいます。
最高の舞台を目指して、どんな戦いが日本選手間で繰り広げられるのか。
我々ファンは見守っていくしかありません!

2008/09シーズンの思い出や印象に残っているシーンをお聞かせください。
また、バンクーバー五輪出場&出場を目指す選手たちへのエールをお寄せください。

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2009年03月24日
今シーズン最後にして最大の競演、
フィギュアスケート世界選手権が
3月22日から29日まで
米国ロサンゼルスで開催されます。
バンクーバー五輪まであと1年に迫り、
五輪メダリストを占う大会であると同時に、
各国の五輪出場枠が決まる重要な大会。氷上での熱戦から目が離せません!
特に男子シングルスは、かつてないほどオープンで熾烈な戦いとなりそうな予感。
なにしろディフェンディングチャンピオンのジェフリー・バトルと
2回王座についているステファン・ランビエールは引退、
昨季3位のジョニー・ウィアーは国内選手権の不振で選外、
2007年銀メダルの高橋大輔はケガで不出場、そして世界選手権で5度の表彰台に登り、
トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコは未だ休養中・・・。
現役選手で世界選手権の表彰台を経験したことがあるのは、
なんとブライアン・ジュベールとエヴァン・ライサチェックの2人だけ。
つまり表彰台未経験者にとってはまたとないチャンスが巡ってきたわけです。
特に若手選手たちの飛躍に期待がかかりますよ!
期待の若手筆頭と言ったら、やはり18歳のパトリック・チャンしかいないでしょう。
先月の四大陸選手権では、男子フィギュア界全体における
今シーズンベストスコアの(しかも歴代3位の)249.19ポイントを叩き出し、
圧倒的な優勝を勝ち取ったばかり。
いや、もはや「期待の若手」などと呼んではいけないのかも?
昨季世界チャンピオンにして、
「彼の存在がボクの引退決定を早めた一因であることは間違いない」と
母国の後輩を大評価するバトルが表現する通り、
「優勝大本命のひとり」という扱いにしなければなりませんね!
17歳でカナダ王者に、18歳で四大陸王者に登りつめたチャン自身だって
こう断言します。
「ボクはすでに他の全選手を破ってきた。だから前向きに考えれば、
ボクは世界チャンピオンにだって、五輪チャンピオンにだってなれるさ!」
今週開催される世界選手権、そして1年後の地元五輪の金メダルを狙うチャンは、
四大陸以降、スピンとトリプルアクセルの練習に力を入れてきたそうです。
さらに四大陸でレベル3を獲得したフットワークシークエンス。
「きっちりクリーンに成し遂げたら、きっとレベル4へと上げることができる」と、
精力的に滑りを鍛えています。
リスクを避けるために4回転はあえて入れてこないそうですから、
この辺は美しいスケーティング技術で世界一になった
バトルの理念と通じるところがあります。
この理念に真っ向から対決するのが、ご存知ブライアン・ジュベール。
昨世界選手権後の記者会見で「4回転はもっと高い得点を与えられるべきだ。
バトルは4回転ジャンプにトライしなかった」と語り、
フィギュア界に4回転論争を巻き起こしたのは有名な話です。
もちろん今世界選手権では、身をもって自らの「4回転最強説」を実証するつもり。
こんなスゴイ宣言も飛び出しました。
「4回転ジャンプはボクにとって非常に大切なものなんです。
世界選手権のフリープログラムでは4回転を3回飛ぶよ!」
フィギュアスポーツの未来のために、4回転を飛び続けたいと語るジュベールですが、
実は3月序盤に右ひざに違和感を覚えて大会を欠場しています。
ただし17日に米国入りしてからは、とんでもなく調子が良いようです。
技術面でも、肉体面でも調子のピークが訪れているとのこと。
メンタル面でも「自分はプレッシャーで崩れてしまうようなタイプじゃないから」と
一抹の不安もありません。
しかも現役唯一の世界チャンピオン経験者。
「この経験を大いに利用したいね。今のボクがなすべき仕事さえすれば、
簡単に負けてしまうことはない。確信しているさ!」
調子のピークを迎えているのは、ジュベールだけではないようです。
世界選手権の開催都市、ロサンゼルスに生活の基盤をおいているライサチェックも、
そのひとり。
「これほどまでの自信を未だかつて感じたことはない。
勢いを手に入れた。自分がすごく強く感じるよ」
かつて2度の銅メダルを手に入れてきた世界選ですが、
初めてのゴールドを手に入れる準備は出来ているようです。
振付師とみっちり合宿を積み、ヨガでメンタルコントロールの方法も覚えたんだとか?
家族や友達が見守る大好きな地元ステイプルズセンターにて、
栄光へのステップを踏み出します!
ヨガではなく、地元アメリカメディアによると
「禅」のような集中力で戦うのがジェレミー・アボット。
実際、アメリカ選手権の滑走前には、
廊下で目をつぶって瞑想のようなことをしていましたね。
「ずっと前から、自分にポテンシャルがあることは分かっていた。
ボクには何かを成しとげられる力があるんだ」
こんな信念を、実際の力に変えることが出来たのは、
この禅パワーのおかげなのでしょうか?
もちろん今年、23歳で生まれて初めて全米チャンピオンに輝いた「少々遅咲き」
(ここ20年では1996年ガリンドの26歳初優勝に次ぐ2番目の遅さ)のアボットは、
ついにやってきた好機をみすみす逃すつもりはありません。
3年前はトリノ五輪に出場したいと願いつつ、夢は果たせませんでした。
グランプリファイナルも手に入れた今季こそ、初めての世界選手権表彰台に登って、
五輪への道を自ら切り開くつもりです。
禅の本場、日本の選手たちだって間違いなく表彰台候補です!
2007年高橋大輔の銀メダルに続けとばかりに、
日本からは小塚崇彦、織田信成、無良崇人の3選手がロス入りしています。
もちろん高橋不在の今年、3選手にはバンクーバー五輪に向けた
「3枠確保」という使命も与えられています。
3枠をキープするためには、上位2名の順位点が
計13ポイント以内(16位までは順位=ポイント)であること。
これが絶対条件です!

大混戦が予想される今季世界選手権で、表彰台を争うメンバーは誰??
みなさんの表彰台予想を、お聞かせください!

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2009年03月17日
アダム・リッポンの2連覇で終わった2008/09ジュニア世界選手権。
プログラム中は美少年、プログラムが終わればなんとも愛くるしい笑顔と巻き毛のせいで
年齢より少々幼く見える彼も、今年の11月で20歳の誕生日を迎えます。
すでにジュニアとシニアを掛け持ちしていましたが、
来季からは年齢制限のためシニアに完全移行。
さらに今大会ランクインした25選手中、2位のブレジナやアモディオも含めて
7人がジュニアを卒業します!卒業おめでとう!
上記に名前を挙げた3人、リッポン、ブレジナ、アモディオは、
シニア大会ですでに良い結果を出したりしていますね。
つまりは5年後のソチ五輪よりも、
1年後のバンクーバー五輪だって早速目指して欲しいなあ。
とはいえアメリカ(リッポン)やフランス(アモディオ)は強豪な先輩たちが揃っているし、
チェコ(ブレジナ)は今のところ1つしかない世界選手権出場枠に
先輩ベルネルが堂々と座っているし・・・。
するとやっぱり、彼らシニア本格転向組の狙いは2014年のロシア・ソチ五輪?
でもせっかくですから、この場では
来季もジュニア世代で成長を続ける選手たちのお話をいたしましょうよ!
(といっても、すでに完全シニア移行を果たし、
シニアで強豪の仲間入りをしているパトリック・チャンのような特別な選手は除きます)
「来季ジュニア世代」の中で、栄えある今季のジュニアワールドトップの座を獲得したのは、
ロシアのアルテム・グリゴリエフ(本来は3位)。
2月末に17歳になったばかりで、ロシア選手権以外は本格的国際シニア大会には
参戦したことがない正真正銘のジュニア選手です。
もちろんロシアジュニアと言ったらワイルドな黒髪が魅力のバリエフと、
ミーシンの秘蔵っ子神童ガチンスキーも忘れてはなりませぬ!
残念ながらバリエフは水疱瘡のせいで、ガチンスキーはインフルエンザのせいで
ジュニア世界選は直前に出場をキャンセルしましたが・・・。
とにかくこの伸び盛りの若き3選手の両肩には、いずれ、
ロシア国民の大きな期待と夢がのしかかって来ること間違いなしでしょう。
なにしろロシア男子は、冬季五輪において現在5大会連続で
金メダルを手に入れてきた超強豪伝統国!
のはずなのですが、プルシェンコが現場を離れて以来、
在りし日の輝きを取り戻せずにいます。
もはやバンクーバーはファンも国民も諦め気味かもしれませんが、
2014年冬季五輪はなんと言っても地元ロシア開催ですから。
その頃20代前半となっている3人は、ソチでは絶対に負けるわけにはいきません。
つまり五輪イヤー後の再来季からは、ファンにとっては目が離せなくなりそうな3人です。
栄えある真正ジュニア2番目の地位を手に入れたのは
(ジュニア世界選手権では4位)カザフスタンのデニス・テン!
カザフスタン男子として史上初めての国際スケート連盟主催大会で
表彰台に上がった選手として有名ですが、
カザフスタンは1991年までソビエト連邦に属していた国ですから、
フィギュアスケート文化は存在していたんでしょうか?
ちなみに大韓帝国の有名な将軍の末裔という噂のテンは現在15歳。
カザフ独立時にはまだ生まれていません。
それにしても美しいビールマンスピンを披露するほどの柔らかな体は
いかにもティーンエージャーという感じなのに、表情はすでに劇画調なほど渋いですよね。
しかもこの苦みばしった大人顔がまさかの白いチュチュをはいて
エキシビションに白鳥を舞ってしまうんですから、
テン君にはそりゃあもう驚かされっぱなしです。
カザフではなくロシアのモスクワを練習の本拠地に置き、
しかもソチへもトレーニングに出かけていると言うのですから、
2014年には手ごわいメダル候補に成長しているに違いありませんね。
今より5つ年を取って、さらに男の渋さも増していることでしょう。
そうそう、2018年冬季五輪の開催地にはテンの故郷カザフスタンも立候補していますよ。
そして世界ジュニア選手権を滑り終えた25選手中、
2番目の若さながら我らが羽生結弦選手は12位に入りました。
20歳近い選手たちに混ざって堂々たる成績です!
美しく豊かな表現力、女子顔負けのビールマンやイナバウワーを繰り出す柔らかな肢体、
どことなくジョニー・ウィアを思わせる雰囲気。
来季、再来季の成長が本当に楽しみな14歳です。
1994年12月7日生まれですから、
2014年2月7日開幕予定のソチ五輪は19歳で迎えます!

あなたの大好きなジュニア選手についてお聞かせください。

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2009年03月10日
キラキラとスパンコールよりもまぶしいオーラを放ち、
銀盤の上で私たちの目を楽しませてくれるスケーターたち。
しかも彼らはひとりひとり個性的で、違った魅力を持ち、
決して2人として同じ選手は存在しません。
しかし、ここではあえて問いましょう。
どんなテクニック + 誰の表現力 + あんなルックス + ・・・
=パーフェクトなプリンス?
非常に不謹慎ですが、もしも究極のスケーターを作り上げるとしたら、
一体どんな組み合わせを選びますか?
★ジャンプ
近年、フィギュアスケート男子シングル界に渦巻いている「4回転論争」。
4回転は絶対不可欠だ、リスクの大きい4回転をあえて飛ばずに綺麗にまとめるべきだ、
4回転よりも表現力こそ必要不可欠なのだ・・・etc.。
ただしフィギュアスケートは「スポーツ」です。
選手の高いアスリート能力の証である4回転ジャンプを(トリプルアクセルも)、
飛べないよりも飛べたほうがいいかも知れません。
現役選手で4回転ジャンパーの筆頭選手といえば、フランスのジュベール。
豪快でキレがあり、非常に安定感もあります。
ベルネルや高橋大輔選手の4回転ジャンプも決まると非常に綺麗ですね。
★スピン
体軸のぶれのなさ、ポジションの美しさ、体の柔軟さにため息をつく瞬間。
オーガンジーなど柔らかな素材の衣装が、
ひときわ美しく映えるのも、スピンの時間帯です。
女子顔負けの体の柔らかなスピンを繰り出す若きプルシェンコ。
滑らかに次から次へと豊富にスピンポジションを変化するバトル。
ランビエールの繊細で柔軟で独創的で、しかも高速なスピンも忘れられません。
そう、スピンで締めくくられるプログラムというのは非常に多いのですが、
肝心のスピンスピードが足りないと、
ふらつくことなく無事に回り終われるのだろうか・・・とハラハラします。
そういう意味でもスピード感のあるランビエールのスピンはいいですね。
★ステップ
難しいジャンプがプログラム前半を盛り上げるエレメンツだとすると、
プログラム後半に登場するステップは会場内の雰囲気を
最高潮まで盛り上げることのできる魅せるエレメンツ。
足を使う複雑なテクニックはもちろんのこと、上半身の動き、表情、音楽、
全てが一体化する至福の瞬間でもあります。
近年、最も世界をうならせているのは、
優雅で滑らかな高橋大輔選手のステップでしょうか。
プルシェンコの氷上を走るように速く、
見たこともないような動きを見せる独創的なステップも魅惑的。
いずれもこの分野で最高難易度のレベル4をもらったことがある選手です。
★スケーティング
上記のようなテクニックは非常に大切ですが、
フィギュアスケートの土台はなによりもスケーティング。
特別なことは何ひとつしなくても、
綺麗なスケーティングで氷上に滑らかな線を描き出すだけで、
ため息の出るような美しい時間を作り上げることが出来るんです。
あるエレメンツから次のエレメンツまでが単なる「つなぎ」にはならず、
よどみないストーリーが続くのも秀逸なスケーティングがあってこそ。
美しいスケーティングの持ち主の代表格といったらバトル。
今季は同じ北米のアボットが滑らかなスケーティングで高評価を得ています。
なんとなく昔は「スケーティングといったら欧州」というイメージがあったのですが、
この点では現在は北米スケーターが優位なのでしょうか。
★コレオグラファー
プログラムの振付師、同時に王子様製造元。
なにしろ素材であるスケーターが本来持っている魅力を引き出すもダメにするも、
振付け次第ですからね。
最新のジャッジ傾向をすばやく理解し、オリジナリティと伝統のバランスを上手くとり、
動きをスムーズに音楽に乗せ、選手の得意分野で高得点を叩きだせるような、
そんな振り付けを編み出す必要があるのです。
最近の勝利請負人コレオグラファーといえば、
やはり「顔なで」のニコライ・モロゾフでしょうか?
ライサチェクに大胆なイメージチェンジを施したタチアナ・タラソワも、
一時は体調を崩し一線から退いていましたが、
フィギュア界の女帝として復権したようです。
★音楽
フィギュアスケートの王道といったらクラッシック。
正統派プリンスを目指したいならやはり古典ですよ。
一方、新たなフィギュアスケート音楽の可能性を提示したのが、
白鳥の湖ヒップホップバージョンを踊った高橋大輔選手。
また津軽海峡冬景色という、誰も考えてもいなかった
日本の演歌を大胆に使用した南里康晴選手のオリジナリティにも脱帽です。
いつの日か、テクノで世界の頂点を取るプリンスも現れるのかも知れません。
★衣装
前回のブログでも物議をかもした衣装問題。
シンプルイズベストなのか、王子様コードに則ってきらびやかな衣装をまとうべきなのか。
それともオリジナルな道を進むべきなのか――。
★髪型
金髪、黒髪、赤毛、栗毛。長髪か短髪かはたまた刈上げか。
ストレートか、ウェーブか、それともクルクルふわふわ巻き毛か。
技術面、プログラム面とは違って、髪型は完全に主観的な好みの問題となります。
でも生まれ持った顔立ちとは違い、髪形や髪の色は衣装と同じく「選手自らが選べる」もの
(それでも髪質ばかりはどうしようもありませんが)。
だからこそ高橋大輔選手は髪型だけでなく眉毛にもこだわりを持つわけですし、
ランビエールはなんとなく寝癖っぽかったと思えば
曲によってはかっちりオールバックで決めてくるわけです。
そうそう、プルシェンコやウィアーの前髪ぱっつんだって、
きっと大切な理由があるんですよ。
ちなみにイラストにも登場するかわいいクルクル巻き毛がトレードマークの2人、
ゲーブルとリッポンですが・・・。
リッポンはストレートのときもありますね。どういう仕組みなのか分からないのですが
(クルクルが地毛なのか、クルクルをあえて選んでいるのか)、
クルクルだとどうしても愛らしさばかりが強調されてしまいますが、
ストレートだとびっくりするほどの美少年風。
いや、それよりゲーブルが近頃モヒカン姿にしていたのは
ファンの皆さん、ご覧になりました!?
意外や意外、とっても似合っていてかっこいいのですよ。
★体型
中性的で線の細いウィアーやアボット、
すらりと背の高いモデルのようなライサチェクやベルネルに、
小柄だけれど非常に全体的なバランスの取れたバトルやランビエール。
四角くてやたらガタイの良いポンセロやら、
思わず白いブリーフ一枚になって歩いてしまうほどの
自慢の筋肉をお持ちのジュベールもいますね。
ブログ筆者としてはウィアーのうなじから背中にかけてのなまめかしいラインと、
ジュベールのお尻のプリプリ感に圧倒されます。
それにしてもみんな、同じスポーツをやっているんですよね。
同じようにスケーティングして、同じようにジャンプを飛ぶ努力をして・・・。
それなのに、ここまで筋肉の存在感に違いが出るものなのでしょうか。
★キス&クライでの姿
演技を終えた安堵感と疲労感、得点を待つ緊張感が入り混じるとき。
そんな大切な瞬間を、テレビカメラはずっととらえつづけます。
それなのにテレビ画面を見ているファンにサービス精神を発揮してくれる選手はスゴイ!
TV画面の向こうの誰かにメッセージを届けようと一生懸命になったり(アボットとか)、
手元に届けられたヌイグルミと遊んだり(ベルネルとか)、
ヌイグルミで汗を拭いたり(ライサチェクとか)。
日本開催の大会では日本語でファンにお礼を言おうと
頑張ってくれる選手もいますね(ウィアーとか)。
高得点に大喜びする姿はいつ見ても嬉しいものですが、
どんなときでも礼儀正しくお辞儀をしてキスクラを立ち去る
小塚崇彦選手の態度には感服させられます。
さらに完璧な王子様を作り上げるための条件は、まだまだたくさん残っています。
★表現力
★顔
★私服 etc...
ただこれ以上はもう主観以上の主観になってしまいそうですので・・・、
あとは皆様の妄想の世界に委ねたいと思います。

みなさんの思う、究極のプリンスについてお聞かせください。

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衣装改造計画――シンプル衣装を華やかにするには?!
2009年03月03日
今シーズン、ある選手のコスチュームにヤキモキさせられているファンも多い思います。
いえ、奇抜すぎるわけでも、似合っていないわけでもないんです。
シンプルすぎるのです・・・。
もちろんあのシンプルさも彼の魅力ですが・・・。
シンプルと言えば、エヴァン・ライサチェックの
「まるで普段の練習着」のようなエキシビションコスチューム?
でも彼は、例年以上に普段の衣装には気合を入れてきましたね。
スティーブン・キャリエールのショートの衣装も、シーズン序盤はかなりシンプルでした。
昨季までは少々不思議なセンスではありましたが、ドラゴン刺繍やらアーガイル柄やら、
どちらかと言うと目に付くカラーやデザインを選んでいましたよね。
ところが今季、グラデーションがかかった薄い紺色に
エンジ色の縁取りがされただけの、超シンプルな姿で登場。
ただし日本のNHK杯に登場する頃には、
無事、衣装にスパンコールがちりばめられていました。
決して派手ではありませんが、
キラキラ感は十分満足できるレベルに達したのではないでしょうか。
ここで話題に上げるのは例の選手。
ショートの衣装は黒の上下で、スタンドカラーに縞のアクセント。
そしてフリーは深い紫の上下。
(シーズン途中からは、首元のボタンと袖口がふんわり&ヒラヒラがついてますね。)
ヒラヒラやらキラキラこそがスタンダードな世界において、
これほど堂々と飾り気の少ない衣装で登場するとは・・・。
ある意味、潔いといいますか、男らしすぎる!シンプルイズザベスト!?
ショートはクールな「テイク・ファイヴ」なのでストレートに
行くのもよいかもしれませんね。
レースやスパンコールで身を包んだら、逆に違和感がありそうですから。
一部ファンからは、せめて渋い色合いのネクタイやサスペンダーをつけるだけでも
ぐっと雰囲気が変わるのに~、との声が上がっているようですね。
確かに、もっと体のラインにフィットしたセクシーなシャツを身に着けるとか、
シャツの素材を光沢のあるもの、または革風にしてみるとか・・・、
色々試してみたらもっと華やかになってリンクに栄えそうですよね。
・・・でも、フリーは仮にも「ロミオとジュリエット」なんです。
甘くて切ない、恋物語ですよ。
華やかな衣装で登場してくれたら、さらにステキになるのに~と想像してしまいます。
そこで!過去のロミジュリ衣装や他選手の衣装を参考に、
今の紫衣装の新デザインを勝手に構想してみたいと思います。
あくまでも妄想です。お許しください。
●高橋大輔選手
2007/08シーズンのフリー「ロミオとジュリエット」衣裳風
いきなり手ごわい見本です。
色合いは同じですが、高橋選手のコスチュームは
これでもかと言うほど創意工夫が凝らされ、視覚に訴えてきましたからね。
左胸に描かれた真紅のハート、それを真っ直ぐに貫く剣は、
ドラマチックなストーリーを見事に表現していました。
右肩から伸びる薄布は、腕を上げるたび、スピンするたびにヒラヒラと揺れ、
はかない美しさを思わせました。
では、例の衣装にどでかいハートを縫い付ける?
むしろあのベルベット素材と同系色の2段使いを見習ってみたらいいかもしれません。
さらには細いラインストーンも少しだけ付けてみる。
派手すぎず、シックでエレガントな雰囲気に変身できそうな気がします。
●ブライアン・ジュベール
2006/07シーズンのフリー「メタリカメドレー&ロミオとジュリエット」衣裳風
真似しなくてもいい。そんな声が聞こえてきそうです。
なにしろジュベールの衣装はジュベールにしか着こなせないのですから。
ムキムキした胸筋と二の腕があって初めて成り立つコスチュームです。
このロミジュリ(というかメタリカメドレー)のときも、
もちろん濃密なジュベールワールド満開でした。
胸元やわき腹、両腕といたるところに「切れ目」が入り、
ご自慢の肉体を思う存分チラ見せてくれました。
そういうわけで肝心の衣装にも、どこか切れ目を入れてみる。
うーん・・・、袖?いや、襟をもう少し高めのスタンドカラーにして、
襟の下から縦にほそーく長く控えめなスリットを入れてみたらどうですかね。
もしくは背中の上部に細く2本くらい。密かにセクシーかも。
●ステファン・ランビエール
2007/08シーズンのエキシビション「ロミオとジュリエット」衣裳風
むしろランビエールの衣装の方がシンプルですね。黒っぽいシャツと黒っぽいパンツ。
それでも無造作にはだけた胸元がやたらに色っぽいんですよ。
白い花一輪を手に、リンクに滑りおりる、そんな演出にも理由があるのかもしれません。
エキシビション以外で小物は使えませんし、
同じシンプル衣装として、参考にはまったくできませんね・・・。
●ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン風
筆者は個人的に彼の衣装が好きだったりします
(アラビアのロレンスだけは「似合わない」と思ってしまいましたが・・・)。
スーツタイプのコスチュームをキャンバスにして
絵や記号を描き上げるお得意の手法で、骸骨になったり、矢印を付けてみたり、
血管のように赤いラインストーンを全身に張り巡らせて見たり。
かと思えば葉脈?みたいな緑色のラインが、うねうねと伸びる衣装もありましたね。
そしてあの選手の衣装は「無地」だからこそ、今からでも遅くないんです。
何かスパンコールで全身に絵を描くチャンスがあると思うんですよ。
まさか「Exit」とは書けないとしても。
●トマシュ・ベルネル風
ピンクシャツに黄緑リボンやら、「勇名トラ」やらで目を楽しませてくれましたが、
今季はなんだか大人っぽい感じに変身してしまいましたね。
だから紫衣装の選手に期待!ピンク&黄緑が桜餅風なんだったら、
紫芋モンブラン風ってのは・・・!? ダメですね。
●ジョニー・ウィアー風
まるで対極ですね。ウィアーにあの紫衣装を一週間預けたら、
レースやスワロフスキー、羽根なんかをたっぷり縫い付けてくれたりしそう。
袖の一本くらいあっさりと引っこ抜いて、オーガンジーやリボンに取り替えてくれたり、
背中の布面積を半分くらい切り取ってくれたりするかも。
ほら、華やかで光り輝く王子様衣装の出来上がり!ってね。

ずはり、みなさんなら、小塚選手の衣装をどんな風に改造してみたいですか?
ほかにも、改造してみたい選手の衣装があればお聞かせください。

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