エキシビションとともに振り返る、激動の2007/08シーズン
2008年03月25日
レディース、エンド、ジェントルマン!
「プリンス座談会」を華やかに締めくくる、
エキシビションへようこそ!
長くも短かった2007/08シーズンも
世界選手権で華やかに幕を閉じました。
氷上の王子たちに興奮し、涙し、歓喜した日々を、
本日は選手たちのリラックスした演技とともにどうぞ思い出して下さい。
さてトップバッターは、ついに、ついに念願の
世界選手権メダルを初獲得したジョニー・ウィアーです!
しっとりと美しく感動的なスローボーカル曲を選ぶことが多いウィアーが、
世界選手権エキシビションで踊ったのは「アヴェ・マリア」でした。
ジョニーのエキシビションではおなじみの
”膝たて → 背中をそらす → 髪の毛氷に触れる”といった
一連の動作や、贅沢に何度も何度も繰り出されるスピン。
瞬きひとつで感情を伝え、音楽が終わってもなお余韻を感じさせる・・・
まさに珠玉の芸術作品としか言いようがありません。
でも個人的に見たかったのは、
今季SP「ユノーナとアヴォーシ」のボーカルヴァージョン・エキシビション。
実はこれ、
2005・2006・2007年と3年連続でロシア杯後のエキシビションで披露しています。
これはロシアの代表的なオペラ楽曲なんだそうですが、
ロシア芸術を愛するウィアーは、ロシアファンの前で踊ることに
特別な思い入れがあるのでしょうね。
それから2006年トリノ五輪後の「マイ・ウェイ by シナトラ」も!
「後悔?そりゃあ少しはあるさ。でもわざわざ言い立てるほど多くはない」
と潔い歌詞にぴったりの、凛々しく、ダンディで、そしてセクシーな演技。
繊細さも素敵だけれど、キリリとした男前のジョニーもたまりません。
さてここで、今季全米選手権でウィアーと同点の244.77を叩き出し、
見事優勝をもぎ取ったエヴァン・ライサチェックにも
登場していただきましょう!
四大陸選手権では銅メダルを獲得し、
世界選手権での活躍が期待されていましたが・・・、
なんと練習中に右足スケート靴の刃が壊れ、
”転倒 → 負傷 → 出場棄権”という残念な結果に終わってしまいました。
ここでは怪我の回復と来季の活躍を願って、
そう、「ビリージーン」を振り返りましょう!
腰ふりふりに氷上ムーンウォーク、膝ガクガクに高速回転。
四大陸選手権ではマイケル・ジャクソンの動きを
それはそれはパーフェクトに再現してくれました。
しかも普段はクールな衣装でスマートに舞うライサチェックが、
ニコニコ踊りまくるギャップが最高!
続いて世界選手権銀メダリストのブライアン・ジュベールが、
氷に上がります。
いつもエキシビションでは速いリズムでステップ踏みまくり、
くるくる回りまくり、右へ左へ走りまくりの元気者ですが、
今回の世界選手権もまさにその通り!
前日のしょんぼり気味から一転、
なんとも楽しそうに速いリズムを刻んでくれました。
最近積んできたヒップホップとタンゴの練習の成果もばっちりです。
それにしても、今季はたくさんのことがありすぎました。
世界選手権チャンピオンとして絶好調でシーズンイン、そして10連勝。
しかしその後は体調不良、冠状動脈肥大の発見、
自分の滑りができなかった欧州選手権(3位)。
世界選手権ショートプログラムでの転倒、
そして思わず演技中にガッツポーズが飛び出すほど最高の出来となった
フリースケーティング。
結果的に優勝は逃しましたが、6位から2位にランクアップしたのは立派です。
「金メダル選手が4回転にチャレンジしなかったのは残念」
と、はっきりと口に出してコメントした4回転の鬼ジュベール。
そういえば以前、エキシビションのアンコールで、
スプリットジャンプを1から10まで(9まで?)
観客のカウントとともに披露した選手もいましたが、体力が続くなら、
あんなふうに4回転カウントエキシビションというのはいかがでしょうか?
(誰だったのか思い出せません。お分かりの方、ぜひ教えてください)
ちなみにフリーで4回転に2回挑戦し、残念な結果に終わった
トマシュ・ベルネルとステファン・ランビエールは、
今頃はすっきりと笑顔を取り戻したでしょうか。
ベルネルは欧州の表彰台てっぺんから世界15位へ転落、
という予想も出来ない終わりを迎えてしまいました。
ふらふら乱舞しているようで、
実はパーフェクトに計算されつくしたドタバタ喜劇のような、
いや、むしろミュージカルのようなエキシビションが最後に見れなくて本当に残念。
去年の「ピンクパンサー」はあのキャンデロロに
「負けた!俺の商売上がったり」と言わしめた完璧な仕上がりでした。
(だから完全引退を宣言したのかも?)
しかし、
今季の「ロックンロール黄金時代」は予想を裏切られるイカレタ楽しさがあるし、
「ボラーレ」はリラックスした楽しさがあります。
来季のエキシビションが今から待ちきれませんよ。
一方、3回目の世界選手権金メダルを狙っていたランビエールには、
5位に終わったことよりもむしろ、
顔色の悪さと眼の下のくまにびっくりさせられましたが・・・。
しかしスイスメディアからは、
「状況をひっくり返せなかったのはなぜなんだ」
「新たな技術練習が必要なのではないか」
「もう終わったんじゃないのか」
と厳しい批判にさらされています。
もちろん来季、ランビエールが新たなモチベーションを抱いて
再びハイレベルな演技を見せてくれることを、ファンは信じています。
そして、いつも以上にひどい寝癖がついた髪形で、
ロマンチックな「ロミオとジュリエット」などをうっとり魅せて欲しいものです。
そして4回転を飛ばない代わりに、その他のエレメントを超ハイレベルに仕上げて
金メダルを獲得したのがジェフリー・バトルです!
母国カナダでは17歳のパトリック・チャンにばかり期待が集まり、
しかもカナダ選手権でそのチャンに負け、
「国内選手権で勝てなかったのに、どうして世界で勝てるわけ?」
などと地元から疑問視されていましたが、
スウェーデンの地で見事に逆境を跳ね返しました。
2010年バンクーバー五輪に向けて、地元カナダのボスはオレなんだ、
としっかりアピールに成功したことでしょう。
でもバトルが今季多用した道化師のエキシビションは、個人的にはちょっと退屈です。
だって本来は今季SP用のプログラム。
つまりエキシビション用に少し手を加えてあるとはいえ、どうしても遊びが少ない。
エキシビションはやっぱり、
エキシビションでしか見られない独特な技や不思議な技、
サービスたっぷりの回転過多にセクシーショット、
そしてはちゃめちゃぶりがなくっちゃ!
そういう意味では、バトルの
「シュッド・アイ・ステイ・オア・シュッド・アイ・ゴー」
なんて面白いですよね?
微妙にバトルの雰囲気にはそぐわない英国パンクロックの名曲を、
さわやかな笑顔で清く正しく美しく踊るのですから。
そして、今季のオオトリを飾るのは、
もちろん、日本の高橋大輔です!
最後の大舞台ではジャンプの失敗で4位に終わってしまったけれど、
今年はプルシェンコの史上最高得点を上回る264.41を叩き出し、
日本のスケートファンに「日本人男子初の金メダル」の夢を見せてくれました。
今回は金メダルへの第1回目の挑戦に過ぎません。
来年も再び、新たなすごいプログラムと、さらに進化したテクニックで、
世界最高の座を目指してくれるはずです!
そして世界王者として、最高のエキシビションを披露する日が
きっと訪れてくれると信じています。
四大陸アンコールで見せてくれた、「白鳥の湖」
(SPの見せ場となったヒップホップステップを抜き出しての)エキシビションも、
悪く無かったですよね。
・・・しかしその来年は、
肉襦袢のプルシェンコが再び男子フィギュア界で
大暴れしてしまうのでしょうか?
シーズンを問わず、
みなさんの印象に残っているエキシビションについてお聞かせください。








予想せよ・・・なんて言っては見たものの、
3月17日開幕の世界選手権に先駆けて、2月末~3月上旬にジュニア世界選手権が開催されました。
もしもフィギュアスケート選手が、
今回のコラムはいつも以上に主観的な内容ですので、最初にお断りしておきます。


2008年全米フィギュア選手権でディフェンディングチャンピオンのエヴァン・ライサチェックと全米3冠ジョニー・ウィアーが、なんと100分の1単位まで寸分違わぬ総合得点をあげちゃいました!
今シーズンはジュベールの4回転 vs. ランビエールの芸術性、ではなくてアーティスティックな戦いになるよ!……と、昨季の欧州・世界チャンピオンのジュベールは確信しているようです。そしてクロアチア・ザグレブで開かれる欧州選手権にて、今シーズン初、この2人の火花散る氷上の芸術合戦が勃発します!