J1第2節 浦和×FC東京@埼スタ

  • 2010年03月14日 20:14
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

2004年のナビスコカップ決勝でPK戦の末に勝利を収めて以来、なんと公式戦12試合に渡って浦和から勝ち点3を奪うことができていないFC東京。リーグ屈指の好相性を今日も浦和が証明するのか、はたまた東京が忌まわしい呪縛から解き放たれるのか。春らしい陽気に誘われて、スタジアムを埋め尽くした観衆は実に50096人。ホームゴール裏にはハートの中に“12”が浮かび上がり、それを取り囲むのは等間隔の菱形、つまりダイヤモンドのコレオグラフィー。埼玉スタジアムにもとうとうJリーグが帰ってきました。さて、共にボールをポゼッションしていきたいチーム同士の対戦とあって、確かにボール回しにはお互いの意図が色濃く反映されているものの、実際は前への怖さに欠ける展開に。シュートまでなかなか持ち込めない時間が続きます。そんな序盤で東京側が比較的有効に使えたのは右サイド。4-2-3-1の浦和で3の左サイドに入っていた田中は、やはり中央に入っていくケースが多く、柏木や左ボランチの細貝もケアする意識はありましたが、どうしても攻守の切り替え時に東京の右SH中村が空くシーンが頻発。5分には徳永からパスを受けた中村がミドル。6分には山田暢のミスパスを奪った羽生が、素早くフリーの中村へ。鈴木へのスルーパスは長くなりましたが、1つポイントを作っていきます。しかし、結果的に浦和が切り裂いたのも東京の右サイド。19分、「最初からどんどん行こうと決めていた」という左SBの宇賀神友弥が左サイドからエリア内へ侵入すると、対応した森重が倒した形になり、扇谷健司主審はPKの判定。城福浩監督は「ゴールラインを割りそうな状況でPKというのは、僕がこれから勉強して選手に教えなくてはいけない」と皮肉混じりに振り返りましたが、これをポンテが確実に沈め、ホームチームが先手を取りました。すると、ここからは一方的な浦和ペースに。34分には阿部の縦パス1本で抜け出した田中が惜しいシュート。35分には阿部、田中、宇賀神と繋いで、エジミウソンのシュートは権田がファインセーブ。そして38分には右サイドのFK、少し位置をずらして柏木が狙ったキックは左ポストを直撃し、こぼれに反応した田中のシュートは右ポストを直撃。これにはフィンケ監督も「なかなか見ることのできない魅力あるシーン」と称賛するなど、果敢にゴールへ迫ります。さらに東京は39分に森重が早くも2枚目のイエローカードをもらって退場。「前半は優れたプレーをお見せすることができた」(フィンケ監督)「前半は凄くよくて2点目3点目を入れるチャンスがあった」(ポンテ)と2人が話したように、浦和から見れば上々の45分間になりました。前半の終了間際に石川を投入し、平山を最前線に残した4-4-1へシフトした東京。後半も開始早々にエジミウソンのクロスバー直撃ミドルを食らうなど、どうしても苦しい展開を余儀なくされる中、城福監督は59分に椋原を下げて赤嶺を、62分に羽生を下げて梶山を投入。布陣も4-3-2に変えて、松下は右SBに。中盤を右から鈴木、梶山、石川と並べて、2トップで勝負に出ます。すると、ここからはその東京が試合のペースを奪還。特に中盤センターの梶山はさすがの存在感ですぐにゲームへ入り込み、73分にはオフサイドでゴールは取り消されたものの、赤嶺へ絶妙のスルーパスを送るなど、中盤を掌握。「ちょっと守備的になってしまい、相手の攻撃を待ってしまった」とポンテが言えば、「あれだけボールを回されるとは」と細貝も言及。ゲームの流れは東京に傾いていきました。ただ、前半11人だった時から変わらなかったのは、フィニッシュまで持ち込む積極性の欠如。78分に平山の頭を絡めて、石川、赤嶺と相次いで放った2本のシュートが、後半の45分間で記録されたすべてのシュート。最後は鈴木を投入してゲームをクローズさせた浦和が逃げ切るような格好で、今シーズンの初勝利をサポーターに届ける結果となりました。浦和は先制してから前半終了くらいまでの時間帯はシュートの意識が全体的に高かったんですけど、トータルではどうしても回し過ぎる傾向が否めないと思います。その中で、田中の積極性はチームにとって貴重なパーツ。ポジション的に守備も求められるのは仕方ないですが、どれだけ彼を攻撃に向かせられるかが、ともすればボール回しに終始しがちな浦和の鍵になりそうな印象を受けました。またもや浦和に敗れてしまった東京は、ボランチでスタートし、森重退場後はCBに入った徳永が「FWのプレスに行くタイミングと、中盤の行って欲しいタイミングがハッキリしない」と話せば、長友も「SHも守備の意識が高いので下がってきてしまうから、もっと連携取って高い位置に押し出せれば」と語るなど、特に守備時の決まりごとを整理している段階のようです。ただ、個人的には今日の羽生、徳永のドイスボランチだと、展開力に物足りなさが。梶山の完全復帰にもう少し時間がかかるのであれば、森重か今野を1列前に出すオプションがあってもいいのかなと感じました。指向しているスタイルは両チーム共に十分魅力的なモノになりうる可能性を秘めているので、これからの化学反応に期待したいですね   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第2節 草津×愛媛@正田スタ

  • 2010年03月13日 23:42
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

副島博志新監督の下、開幕戦は徳島に1-0で敗れ、黒星スタートとなった草津。今日の相手は同じくホームで迎えた岡山との開幕戦を0-1で落とした愛媛。まだ2試合目とはいえ、浮上のキッカケを掴みたい両チームの対戦は正田醤油スタジアム群馬より。4-4-2の草津に対して、4-3-3を敷いた愛媛の狙いはサイドのスペース。草津からすれば相手の中盤3枚は中央に寄っているため、3トップのワイドとSBの間は一見突き所のように見えましたが、「草津のSHは流動的に中へと動くので、ボールを奪った瞬間にはそのスペースが空くのはわかっていた」とは愛媛の右SBに入った関根永悟。事実、序盤から目立ったのは関根と左SB松下幸平の積極的なオーバーラップ。10分には、小原章吾から素晴らしいサイドチェンジを受けた関根が縦のスペースへ運び、マイナスに折り返して赤井秀一のシュートチャンスを演出。これには草津の右SH廣山望も「中でプレーしてくれって言われていたが、もうちょっとサイドを突いていきたかった」と振り返っています。そしてやはりその姿勢は23分に結実。田森大己のフィードに走り込んだのは松下。エリア内へ侵入すると、草津CBの柴田慎吾はたまらずファウル。愛媛がPKを獲得しました。迎えた絶好の先制機にキッカーとして登場したのは、昨日急遽出場が可能になったキャプテンの福田健二。「今週はずっとサブ組でやっていたのでぶっつけ本番」と言いながら、敵将の副島監督も「福田に収められ過ぎた」と認めた通り、確実なポストプレーや空中戦の強さで圧倒的な存在感を見せていたエースがこのチャンスを逃すはずもなく、GKのタイミングを外して冷静に右スミへ。実に2002年11月24日以来となる福田のJリーグ復帰弾で、愛媛がリードを奪いました。さて、先制を許した草津は「ボールが動いているようで実は全然前に進んでいないし、前線に収まらなかった」と指揮官が語ったように、2トップを組んだ後藤涼と高田保則の動き出しが少なく、中盤の選手が出し所に窮して後ろに下げてしまうシーンもしばしば。前半のシュート3本はすべてセットプレーから枠外に飛んだものと、まったくと言っていい程に攻撃の形を創れないまま、45分を消費してしまいました。何とか流れを変えたい副島監督は、後半開始からダブルチェンジ。廣山と後藤に替えて、山田晃平とラフィーニャを投入します。すると2人が共に自ら仕掛けていくタイプということもあってか、一本調子だった草津の攻撃にアクセントが加えられ、48分にはラフィーニャがミドルを放つなど、少しずつチャンスの萌芽も。また、2人に対処しようと愛媛のDFラインもやや下がったことで、空いたスペースをうまく使えた草津が中盤でも優位に。「流れで押し込む形はできた」と副島監督も言及しています。それでもバルバリッチ監督の処方も的確。58分に杉浦恭平を下げて、「ボールに対するディフェンスが強く、中盤を“掃除”してくれる選手」(バルバリッチ監督)という渡邊一仁を投入。渡邊も「役割はハッキリしていた」と、バイタルを引き締め、傾きかけた流れを引き戻すことに貢献します。追い詰められた草津も85分、松下裕樹のショートコーナーから、佐藤将也がクロスを上げると、ボールはフリーになっていた柴田へ。しかし、直後の選択はシュートではなくトラップ。あえなく潰され、万事休す。0-1。試合終了直後には「決めてた訳ではないが、みんな集まれ集まれって言って」という福田を中心にピッチ上でスタッフも交え、大きな歓喜の輪を咲かせた愛媛が、アウェイで見事に勝ち点3を奪取してみせました。愛媛はシステムのミスマッチを結果としてはうまく突く形でゴールを導き出しましたが、3トップのワイドに入った石井謙伍と杉浦も献身的な守備を見せるなど、状況に応じての自己判断がしっかりできていたように感じます。対する草津は、「クリエイティブなプレーをしなきゃいけないのに、うまく出せなくて歯痒い」(廣山)「自主性をもっと出していく必要もある」(松下)というコメントにもあるように、ややチーム戦術に縛られている印象。「アタッキングゾーンでの工夫がまだまだ出せなかった」(副島監督)という状況の改善はそう簡単なものではないだけに、少し序盤戦は苦しい戦いを強いられるかもしれません。今日に関しては「試合の内容は勝利に値するものだった」というバルバリッチ監督の総括通りのゲームだったと思います。さて、決勝ゴールを挙げ、上々の愛媛FCデビューを飾った福田に、久々にピッチで再会した高校の同級生・廣山について聞いてみました。すると「彼は自分が今日出られるということをものすごく喜んでくれたんです。僕に出場許可が降りたことを喜んでくれるなんて、本当にいい友達を持ったなって思いました」とピッカピカの笑顔。なんか羨ましい関係ですね。フットボールが繋ぐ絆の素晴らしさを、改めて実感させてもらいました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2開幕戦 柏×大分@日立台

  • 2010年03月07日 21:06
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

大分は初昇格した2003年から7年、そして柏は再昇格した2007年から3年、共に守り抜いてきた“J1クラブ”の座から陥落。今シーズンはJ2での戦いを強いられることになりました。それでも日立台へ行けば、そこには最高のサポーターが創り出す、最高の空間が。ここ数年の開幕戦よりは少し高めのテンションと、名曲「ビューティフル・サンデー」がゴール裏を1つにまとめると、お立ち台に登場したのはなんと柏市長!しかも市長はノリもなかなか。戦うステージは変わっても、日立台の日常は変わらないのです。さて、お互いに様子見のような立ち上がりを経て、徐々に攻撃面での連携で上回ったのは大分。東慶悟と現役韓国代表キム・ボギョンのSHに加えて、FWに入ったチェ・ジョンハンを軸に、スムーズなパス交換から柏の守備陣を揺さぶります。16分には東がドリブルから中へ折り返すと、森島康仁が巧みにスルーしたものの、チェの目前でDFがクリア。21分にはスルーパスに抜け出したチェのシュートがわずかにゴール右へ。26分には東のクロスから、森島が競ったこぼれ球をキムが枠外シュート。柏はどうしてもバイタルエリアにスペースを開けてしまう傾向が拭えず、大分がそこをうまく突いていくようなシーンが多かったように感じました。そんな柏は、こと攻撃に関してはどうしてもフランサに依存するところが相変わらず大きく、少し引き気味に位置し、フランサとの距離感を保ちながらよくボールを引き出した澤昌克は奮闘したものの、栗澤僚一とアルセウの両ボランチが効果的に散らせず、なかなかチャンスを創れません。特にアルセウは明らかなウェイトオーバーで、判断も遅く完全なブレーキに。30分くらいまではどちらかと言えば大分が少しペースを握るような展開になっていました。しかし、最初の決定機を生かしたのは柏。31分、田中順也から右へサイドチェンジ、村上佑介は最高のトラップで縦に持ち出し、最高のクロスを中へ。ニアで澤が潰れると、「村上がいいボールを上げてくれた」とファーに悠然と現れたのはフランサ。必殺仕事人の一蹴りで、まずは柏が先制しました。その後は33分に柏が田中、35分に大分がチェと決定的なシュートを放ちますが、それぞれ下川誠吾、菅野孝憲がファインセーブで阻止。終盤はやや柏も落ち着きを取り戻して、前半は終了します。後半も先にチャンスを掴んだのは柏。50分、田中のクロスを澤が頭で合わせるとボールは右ポストを直撃。53分にもカウンターから最後は田中がゴールしながらオフサイドになったものの、いい形を創出。この辺りから、田中と茨田陽生の両SHも2トップとうまく絡み始め、ホームチームが主導権を奪います。すると再び太陽神が降臨したのは63分。アルセウが右に振ると、茨田はすかさずクロス。ファーに流れたこぼれ球を、フランサは魔法の右足で右スミギリギリへグサリ。「当然警戒していたが個人技でやられた」と大分・皇甫官監督も苦笑するしかない一撃で、柏が2点をリードしました。ただ、「2点取った後の戦い方が中途半端だった」とキャプテンの大谷秀和が振り返ったように、ここからの柏はうまく試合を終わらせられず。70分、アルセウのミスパスをハーフウェーライン周辺で奪ったキムが、構えていた柏守備陣のアプローチが曖昧になった隙を巧みに突いたドリブルから、強烈な左足シュートを右スミへ突き刺し、たちまち1点差に。「自分たちのミスで苦しい状況になった」とネルシーニョ監督。柏が自らゲームを盛り上げてしまいます。77分にたまらずネルシーニョ監督もアルセウを下げて、左SBの橋本和を投入し、大谷をボランチに上げる処方。それでも82分には、チェのパスを受けたキムがDF2人の間を擦り抜けて惜しいシュート。住田貴彦、さらに187センチの長身DF柴小屋雄一を前線に相次いで送り込み、4トップ気味にシフトした最終盤の93分、キムがエラシコからパス、小林のパスはフリーの菊地へ。シュートは精度を欠き、直後に試合終了のホイッスルがなり響いたため辛くも逃げ切りましたが、大谷も「最後の時間の使い方は詰めていける所はある」と認めたように、リードしている時のゲーム運びに課題を残しながら、ひとまず柏が開幕戦勝利を手に入れました。負けた大分ですが、チェとキムのコンビは今シーズンのJ2を賑わせるのではないでしょうか。キムは代表遠征でロンドンから帰国したばかりで、皇甫官監督も「少し体が重かったんじゃないかな。フィットすればもっと存在感が出てくる」と言及。これに高松大樹が帰ってくれば、脅威のトライアングルになるかもしれません。一方の柏は「正直ホッとした」という大谷の一言がチームの想いを象徴していた気がします。課題は出たものの、それでも勝ち点3を挙げたことが何より重要。昇格のみを目指して戦う1年。まずは白星発進となりました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1開幕戦 湘南×山形@平塚

  • 2010年03月06日 19:53
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

99年、J2降格。以降、2000年代の丸々10年間を覆った苦難の時代を経て、とうとう“湘南の暴れん坊”がトップディヴィジョンに帰ってきました。記念すべき復帰戦の相手としてホーム・平塚競技場に迎えたのは、一昨年まで何度も何度も対峙していた山形。J1の舞台で果たされた2年ぶりの再会。個人的にも両クラブの昇格シーズンは、過程を追って体感させてもらっていたので、非常に感慨深い一戦となりました。叩きつけるような激しい雨の中で始まったゲーム。まず、目を引いたのは湘南のアグレッシブな仕掛け。「前にボールを運びながら人数を割いて、色んな選択肢を増やしていく」とは反町康治監督の言い回しですが、昨年もなかなか見られなかったような、1タッチ2タッチで素早くボールを回して、相手をずらしていくような崩しを連発します。中でも際立ったのは、確実なポストワークを披露した田原と、右FWに入った新加入の馬場。特に馬場はシンプルかつ正確なボールさばきというアジエルとは異なる特徴で攻撃を活性化させ、守備面でも「少し守備的にゲームに入ってしまった」と本人も振り返る程、献身的な姿勢を貫いて貢献。指揮官も「守備でも足を止めずにやった。良さを全面的に出してくれた」と高評価を与えていました。一方の山形は、「立ち上がりから動きが重い」(小林伸二監督)「試合の入りが少し堅くて、なかなかリズムが取れなかった」(佐藤健太郎)「雨でボールも滑ってやりにくく、うまく試合に入れなかった」(長谷川悠)と3人が声を揃えたように、湘南の勢いにも圧されてか、攻守共に後手へ回る格好に。いきなり劣勢を強いられます。すると、やはり先制ゴールは流れを掴んだホームチーム。19分、CKの流れからこちらも新加入の新居がラインブレイク。坂本のシュートはGK清水が防いだものの、上がっていたジャーンがこぼれ球をプッシュ。クラブ、そして自身にとってもJ1復帰弾となるキャプテンの一撃で、まずは湘南がリードを奪いました。さて、“先輩”としての意地を見せたい山形も、ようやく29分、秋葉、古橋、長谷川と細かく繋いで、最後は宮本のクロスを宮沢がサイドネット外側に突き刺さるボレー。30分にも田代、古橋、宮沢と相次いで3本のエリア内シュートも生まれ、ゴールとはいきませんが、ようやく決定機を創出します。また、湘南も序盤の勢いがやや減退し、少しずつフィフティに近い内容に。そんな「少し落ち着いた形ができてきた」(小林監督)中で、しかしスコアの動きは唐突に。40分、古橋のCK、湘南のGK野澤はパンチング、こぼれを拾った古橋は中へ、再び野澤がパンチングすると、なんと味方の田原に当たったボールがゆっくりとゴールに吸い込まれます。確かにペースはやや山形に傾いていたものの、得点に至りそうな形は正直まったくなかったので、まさに「ラッキーなゴール」(小林監督)。意外にも1対1の同点で前半を折り返しました。後半はまたも湘南がやや攻勢で推移し、57分には田原がDFを吹っ飛ばしてのクロスバー直撃ミドル。スタンドを沸かせますが、勝ち越しゴールは奪えず、ゲームは膠着していきます。そんな中、小林監督の決断は62分。「空中戦ばかりになって単調だったのと、長谷川とのバランスが悪かった」(小林監督)田代を諦め、北村を右SHに投入。古橋がトップに上がり、これで昨年のベストメンバーが顔を揃える布陣にシフトします。結果、湘南の運動量低下とのタイミングもマッチして、これが奏功。北村は交替直後にドリブルでCKを奪うと、佐藤も「キタさんが仕掛けてくれて、前に行く意識を高めてくれた」と語ったように、ボールを積極的に呼び込んで、山形の攻撃を牽引します。81分には湘南が途中出場の中村と阿部の連携で決定機を掴むも決め切れずにいると、83分には北村のヒールパスで抜け出した宮本の折り返しを、マイナスで長谷川が、外れたもののダイレクトでシュート。さらに終了間際の93分には北村がやはり右サイドからマイナスのクロス、ニアで古橋ドンピシャヘッドも、ボール1個分枠の左へ。「勝ち点1取れたのでホッとした」(小林監督)「勝ちたかったが勝ち点1は次に繋がる」(反町監督)と両指揮官。痛み分けというよりはもう少しポジティブなドローといった印象のゲームだったように感じました。山形は新戦力の融合に苦慮している様子。キャプテンの宮沢が「田代をもっとうまく使えるコンビネーションを高めていきたい」と語り、田代本人も「やることがハッキリしていない。全然満足していない」と渋い顔を浮かべるなど、実際に長谷川との2トップは機能せず。交替後にチャンスが増えたのは何とも皮肉です。増田やルーキー伊東俊の登場も90分以降。チーム力のアップを考えるなら彼らの融合は欠かせないだけに、小林監督の腕の見せ所ですね。湘南は、正直チームの完成度で言えば山形の数段上。懸念された田村不在のアンカーに起用された永田も、攻撃の起点にもなるなど機能したと思います。あとは、坂本と寺川がどのくらい攻撃に出ていけるかは1つのポイント。中盤3枚のチームもいくつかはありますが、大半は枚数のミスマッチが起こる訳で、昨年同様にそのギャップを突いて主導権を奪えれば、かなり攻撃面では面白いスタイルを打ち出せそうな雰囲気は感じました。いやー、しかしとうとう開幕しましたねえ。ホント嬉しいですわ。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

FUJI XEROX SUPER CUP 2010 鹿島×G大阪@国立

  • 2010年02月28日 13:27
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

日本のフットボールシーンにとっては恒例行事のゼロックス。このゲームを見るとJリーグの開幕を実感するのが例年の常ですが、今年は鹿島、G大阪共にACLを戦ってから迎えるゲームとあって、西野朗監督も「ACLと2試合セットで考えていた」と明言。多少いつもとは違った捉え方の一戦になっていたような気はします。開始17秒でルーカスが果敢なドリブルシュート。4分には遠藤、ルーカス、加地、二川と繋いで、平井へ。シュートは打ち切れなかったものの、いきなりのラッシュ。「いい立ち上がりだなと感じていた」とは西野監督。G大阪は中2日で懸念されたコンディションを感じさせない、積極的な姿勢でゲームに入ります。対する鹿島も15分には、カウンターからマルキーニョスのパスを、ニアで興梠が惜しいシュート。ボールを回してチャンスを窺うG大阪と、守から攻への素早い切り替えに活路を見出だす鹿島。いきなり持ち味を発揮し合う展開となります。そんな中で、まず試合を動かしたのは西村雄一主審の判定。18分、小笠原のFKは中へ。数人もつれた中でのジャッジはPK。場内もざわつくような判定にG大阪の選手もすぐに抗議。実際、現場で見ていた私は岩政、高木、チョ・ジェジンがもつれたので、そこがファウルの対象かと思いましたが、公式記録を見るとイエローカードは菅沼。ちょっとどこがファウルだったのかはわかりませんが、あの競り合いの中でPKがあった、というのが今シーズンの基準だと、相当PKの多いシーズンになるかもしれませんね。PKをマルキーニョスがしっかり沈め、鹿島が先制ということになりました。ここを境にゲームは膠着。失点を許したG大阪は、なかなか平井とチョを流れに組み込めず、攻撃のギアが上がらない印象。むしろ鹿島が小笠原を中心に、ボールをじっくり回す時間帯もあり、主導権を握ったように見えました。しかし、前半終了間際の45+1分、意外な男が意外な結果を導き出します。ルーカスからパスを受けた加地は、突如ドリブル開始。右サイドからカットインすると、思い切って左足を振り抜きます。これが小笠原の頭に当たり、絶妙なコースへ。曽ケ端及ばず。シュートを打ち切る姿勢が呼び込んだゴール。1-1で前半は終わりました。後半に入ると、お互いに攻撃への比重が高まり、アグレッシブな展開に。鹿島は48分に野沢のクロスから興梠、52分に野沢のFKから岩政がバックヘッドと続けて決定機。それぞれ枠外と、GK藤ヶ谷のファインセーブで勝ち越しゴールとはいかなかったものの、サイドをうまく使い出して、攻勢を強めます。そして鹿島をさらに加速させたのは、65分に投入された遠藤康。その3分前に登場した、G大阪期待の17歳FW宇佐美がほとんど仕事をさせてもらえなかったのに対し、“鹿島の”遠藤は自身の特徴をいかんなく発揮。70分にミドルを放つと、82分にはマルキーニョスのワントラップオーバーヘッドを導く、絶妙のラストパス。84分は藤ヶ谷にファインセーブを強いるミドル。そして91分には、右サイドへ倒れながらスルーパス。素晴らしいターンから放った野沢のシュートは枠を外れ、決勝アシストとはなりませんでしたが、オリヴェイラ監督も「徐々に出場時間も増やして慣れさせている。よくなってきていると評価している」とコメント。ブレイク候補の21歳、要注目です。「ヤットも「後半残り15分はまったく体が効かなかった」と言っていた」と西野監督も振り返るなど、後半はやや苦しいゲームとなったG大阪は、89分に加地のクロスをチョがオーバーヘッド気味のボレーで狙ったのが、ほぼ唯一の決定機。ただ、菅沼と高木の急造CBコンビも最後まで奮闘し、結局1-1。90分間ではドローという結果になりました。PK戦のトピックはやはり「PKは一度も練習したことがないが、いつも練習してるヤツか外してる」と西野監督も言及した、遠藤の失敗に注目が集まりますけど、特筆すべきは鹿島の小笠原、野沢、新井場、岩政、マルキーニョス、5人全員がゴールに向かって右に決めたこと。その真意を問われたオリヴェイラ監督は「ゴメンナサイ」と日本語でかわしましたが、全員が決め切る所に鹿島の強さを見た気がしました。さあ、いよいよ来週からJリーグが帰ってきます!   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

第16回ちばぎんカップ 千葉×柏@フクアリ

  • 2010年02月21日 20:24
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

尊敬と親しみを込めて“世界三大カップ戦”の1つと称されることもある、ちばぎんカップ。今年は16回の歴史上で初めて両クラブがJ2に所属するシーズンとなるわけですが、だからこそサポーターにとってみれば、サポートし甲斐があるというもの。フクアリを黄色に染めた観衆はなんと14567人。「今年に入って初めてサポーターの前でやる試合」(柏・ネルシーニョ監督)とはいえ、完全にタイトルを争うダービーの雰囲気を会場が創り出す中で、キックオフを迎えました。千葉の布陣は4-3-3。GKは岡本、DFは右から坂本、復帰した茶野、益山、新加入の渡邊圭二、中盤はアンカーに山口慶が入り、その前に復帰組の佐藤勇人と工藤、前線は右から深井、巻、アレックスでスタートします。対する柏は4-4-2を選択。GKは菅野、DFは右から小林、ユース出身の2年目・酒井宏樹、近藤、蔵川、中盤はドイスボランチが栗澤と大谷で、右に「突然右サイドと言われたがアルゼンチンやペルーでもずっとやっていた」という澤、左は「小学生の時以来」という新加入の林陵平、2トップは北嶋にフランサ、という並びになりました。ゲームが動いたのはわずかに開始4分。北嶋が左へ展開すると、プレミア好きの林は「ベッカムを意識して」という左足クロス。これをファーサイドに飛び込んだ澤が、頭でねじ込む先制弾。「やっと皆さんの前でゴールを決められた」という、澤の加入後初ゴールで、まずは柏がリードします。ただ、柏はこのファーストシュートが前半最後のシュート。以降は千葉が、今年のスタイルを存分に発揮してみせます。そのスタイルとは、まさに“人もボールも動く”サッカー。序盤はやや狭過ぎるような局面でも、とにかく繋ぎにこだわった攻撃を実行。その中心は、キャプテンマークを巻いた工藤。山口という後ろ盾を得た10番は、それこそ縦横無尽にピッチを遊泳。ここに佐藤、深井、アレックスも呼応し、時には巻まで中盤に下りてきて、ビルドアップに参加。まるで、オシム(父)政権下に戻ったかのようなプレーに、「ポゼッションされてアタフタした」(澤)「前半は相手の中盤が多いミスマッチの状態で守備の負担が大きかった」(林)と、柏の両SHは苦戦を認めています。36分には、エリア内でアレックスがキープ、追い越して受けた工藤のクロスを、巻がボレー。これはGK菅野に阻まれましたが、直後、中盤で軽やかに4本のパスを繋ぎ、最後は深井のスルーパスを、アレックスがニアにズドン。GK一歩も動けず。狙い通りと言っていいような崩しで、見事に追い付いてみせました。さて、「立ち上がりはよかったが、途中で攻撃やパスが単調になり繋ぐ意識がなくなって前にボールを蹴ってしまった」とネルシーニョ監督も嘆いた前半を終えた柏は、北嶋を下げてアルセウを中盤のアンカーに投入。4-1-4-1気味にシフトします。それでもペースは千葉。64分には渡邊に替わって、こちらも新戦力の倉田秋が登場。倉田は左FWに入り、アレックスが左SBへ。さらに70分には深井OUTで復帰組3人目の村井IN。79分には工藤OUTで太田IN。これで倉田が中盤に下がり、3トップは右から太田、巻、村井に。中でも倉田はチームのいい流れにそのまま乗っかり、積極的なボールタッチから惜しい左足ミドルを放つなど、その存在をアピールします。対する柏は60分、61分に相次いで2枚替え。林と大谷を下げ、菅沼と茨田陽生を投入。2人ともそのままのポジションに入ります。こちらで可能性を見せたのは18歳の茨田。落ち着いた捌きや、前への推進力を限られた時間内で披露。81分には蔵川のパスに飛び出し、チャンスを創出。こぼれを拾って枠内にシュートを飛ばすなど、局面に絡みます。柏最大の勝ち越し機は87分、フランサを起点に鋭いカウンター、澤がためてフランサへラストパス、しかしシュートは飛び出した岡本がブロック、リバウンドに反応した澤のシュートもゴール右へ。1-1、カップの行方はPK戦へ委ねられることになりました。1人目は栗澤が決めたのに対し、アレックスのキックは菅野がストップ。2人目は澤、佐藤、共に成功。3人目はアルセウがクロスバーにぶつけ、村井は冷静にハント。4人目はルーキー茨田、倉田と若手がゴール。そして5人目、フランサが左隅を狙ったキックに岡本が素晴らしい反応でセーブ、巻がぶち込んで決着。今年最初のタイトルは千葉の頭上に輝きました。まあ、90分のパフォーマンスから考えても千葉の勝利は妥当。江尻篤彦監督も「運動量多く、攻守に渡って選手が走ってくれたことには満足している」と手応えを語っています。去年のチームと様変わりしたスタイルは、特定の選手に依存しない、おそらく誰が出ても貫けるようなスタイル。ここにミリガン、福元、谷澤、林らも控える選手層の厚さも考慮すれば、かなり面白いチームになりそうな匂いは十分伝わってきました。柏は千葉の好パフォーマンスを差し引いても、特に攻撃面では物足りなさが否めません。前半は2トップにまったく収まらず手詰まりに。後半も栗澤がだいぶ前で触るようにはなったものの、決定的な仕事はできず。指揮官も「色々なことが見えたという意味では非常にいい試合」と微妙な言い回し。ただ、本来はサイドが主戦場の酒井がCBで一定以上のプレーを見せて起用に応えた点と、茨田も確実に決めたPKも含めて存在感を示した点は好材料。ここに新戦力のレアンドロ・ドミンゲスと大津が実力を発揮してくれることを祈りたいと思います。いやはや、J開幕もすぐそこまで迫ってますね。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

さいたまシティカップ 大宮×水原三星@NACK5

  • 2010年02月13日 18:10
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

まだ球春を告げるとは到底言い難い、小雪がちらつくNACK5。明日行われる日韓対決@国立の前哨戦とも言うべき、大宮と水原三星のタイトルマッチを見に、今日は大宮へとやってきました。今シーズンの目標を5位以内に設定したという大宮のスタメンは、GK北野、DFが右から杉山、深谷、マト、村上、ドイスボランチに金澤と橋本、SHは右が藤本で左が内田、2トップが石原、ラファエルという11人。GKとDFには4人の新加入選手を起用してきました。対する水原三星は、監督が“アジアの虎”として有名なチャ・ボングン。ボランチにはウィガンでのプレー経験を持つチョ・ウォンヒ。そして前線には柏や千葉でそこそこ活躍したレイナウドの姿も。かなり楽しみなゲームとなりました。なったんですけど… 「おとといサガン鳥栖と試合をして、昨日移動してきた疲労で体が重い」(チャ監督)という水原三星の低パフォーマンスは序盤から全開。これを2010シーズンの御披露目ゲームとなる大宮が見逃すはずもなく、14分には橋本がショートコーナーから藤本のリターンを受け、そのまま叩き込んで先制。20分にも藤本のサイドチェンジから、ラファエルがエリア内で10秒弱キープした後に、ゴール右スミへ突き刺さる、まさにゴラッソ。2点をリードします。全体的によく動けていた大宮の中でも、出色はやはりラファエル。縦への推進力、確実なポストプレー、鋭いスルーパスと、相変わらずの万能ぶりを発揮。今シーズン、ブレイクの予感はプンプン漂ってましたね。さて、防戦一方の水原三星は、34分にまったく噛み合わないレイナウドを下げて、2002年のワールドカップベスト4メンバーの1人、ソン・ジョングッを投入。直後にCBのジュニーニョが惜しいFKを放つと、以降はボランチに入ったソン・ジョングッの所でボールが落ち着き出しますが、スコアは変わらず、2-0で前半を終えました。後半は開始から、一昨日合流したばかりの水原三星から移籍してきた、「地元が赤羽、妻の実家が浦和で、兄が王子に住んでいるのでライン的に大宮はいいチーム」というアン・ヨンハがピッチに。サポーターも歓声で迎えます。するといきなり一仕事。「いつもと違ってセカンドボールへの反応が緩かった」と見た古巣の隙を突き、拾ったボールを素早く縦へ。ラファエルのラストパスを石原が流し込んで3点目。54分にも、アン・ヨンハのスローインを藤本が中へ折り返し、二アで石原がプッシュ。4-0と大量リードを奪います。チャン・ウェリョン監督は藤田、渡部、青木を相次いで送り込み、アン・ヨンハと青木のドイスボランチ、渡部は右SH、藤田はそのままトップに入ります。すると次のゴールも大宮に。中盤左サイドで青木が粘って縦のスペースへ、石原が中へ折り返すと、走り込んだのは左SHへとポジションを移していた橋本。「結果にこだわってプレーした」と語る、揺るぎない主軸の今日2発目が炸裂し、点差は5点に広がりました。終盤には両SBに、土岐田と新加入の坪内、GKの江角も試す余裕を見せた大宮は守備面も終始安定。89分に水原三星が掴んだFKも、ジュニーニョのキックは“ぺルナンブカーノ”級とは行かず。チャン監督も「非常にいいスタート」と口にした大勝で、大宮が今シーズン“1冠目”を見事獲得しました。水原三星の低調を差し引いても、新加入選手が軒並み好プレーを披露したのは、大宮にとって好材料。杉山と村上の両SBは、勘所を押さえたオーバーラップも絶妙で、「サイド攻撃をやれる選手が入ってきた」と指揮官も納得の表情。村上も「コンビネーションは問題ない」と笑顔を見せながら、チームメイトをイジるなど、順応性をいかんなく発揮していました。今シーズンは果たして、6年連続の残留争いから脱却できるのか、関東のオレンジ軍団に注目ですね。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第51節 水戸×湘南@Ksスタ

  • 2009年12月05日 20:28
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

50試合、4500分が終わっても決着付かず。2009年シーズンのJ2から、2010年シーズンのJ1へと戦いの舞台を移すことが許される最後の1枠を巡る戦いは、51試合目、最終節でその結末を見ることになりました。3位湘南。4位甲府との勝ち点差はわずかに1。ただ、今日勝利さえすれば文句なく昇格が決まります。選手がバスでスタジアムに入ってくると、凄まじい音量のエールで迎えた湘南サポーター。泣いても笑っても最後の90分間は、12時34分、水戸の新ホーム・ケーズデンキスタジアム水戸にてキックオフを迎えました。お互いに主導権を探り合うような立ち上がり。まずは7分の湘南、寺川能人のFKを田原豊が頭で合わせると、GK本間幸司がセーブ。9分は水戸、菊岡拓朗が村松潤からのリターンを受けると、1人かわして右ポストに直撃するシュート。11分は湘南、坂本紘司のスルーパスを阿部吉朗がうまく受けるも、フィニッシュには繋がらず。14分は水戸、村松から森村昴太と回して、SB小澤雄希が惜しいミドル。共にリズムは掴めず、交互に攻め合うような展開も、エリア付近でのスムーズさで上回るのは水戸。すると20分、高崎寛之のポストプレーを基点に奪ったCK、菊岡のキックを中村英之が頭に引き寄せ、二アサイドを破って水戸が先制します。「やっぱりみんな普通の状態ではなかった」(湘南・田村雄三)湘南に続く受難。1分後の21分、菊岡の縦パスを荒田智之が収めて、中に折り返すと二アで森村がプッシュ。2-0と点差は広がります。さらに24分、荒田の右クロスに高崎が高い打点のヘッドを見舞うと、湘南GK野澤洋輔がゴールライン上でファインセーブ。あわや3失点目というシーンまで飛び出し、「ある意味パニック状態」(湘南・反町康治監督)なのが端から見ていても伝わってきます。水戸の2トップを生かすシンプルなフィードと、そのセカンドに絡むべく次々と飛び出してくる中盤の圧力に、湘南はマークを捕まえ切れず後手後手に。この時間帯を振り返ったCBの村松大輔は「どうなるのかと思った」と正直な気持ちを吐露しています。ただ、「2点取られて逆に吹っ切れた」とは田村。「チームのみんなの顔を見たらまだまだイケると思った」とは前述の村松。すると29分、坂本が粘って右へ展開、寺川のクロスを阿部がヘディング、本間が弾いたこぼれ球を冷静に田原。2-1。34分、坂本が粘って奪ったFK、寺川のキックにまたも飛び込んだ阿部のヘディングが今度は本間を撃破。2-2、同点。「戦術的、技術的ミスではない。相手の意地」と水戸の木山隆之監督も認める、昇格への執念を見せた湘南がゲームを振り出しに戻します。さながら後半終了間際のような打ち合いの様相を呈す中、次のチャンスはホームチームに。42分、菊岡の絶妙なフィードは走り込んだ高崎の頭へ。バックヘッド、野澤を越えたボールはクロスバー、跳ね返りに詰める高崎、弾き出す村松。「あそこで流れが変わったかなと思う」と自賛した村松のビッグプレー。シュート数は水戸14、湘南8。ジェットコースターより起伏の激しい45分間は同点で終了しました。後半序盤は水戸の流れ。開始早々の45分、荒田が角度のない所から枠内へ。48分、左右に揺さぶり最後は高崎のヘディング。そして50分、鈴木和裕のFKはスルリとファーサイドへ。どフリーだった中村のゴールまで1mヘッドはまさかの枠外に。湘南命拾い。そして53分、歓喜の時が訪れます。右サイドでボールを持ったのは「今年のウチの良さは最後まで諦めないこと」と語った坂本。得意の左足に持ち変えてクロス。ファーへ走り込んだのは三たび阿部。「最後の試合に使ってもらって信頼に応えたかった」男の、この日3本目となるヘディングシュートは、それまでの2回同様に枠を捉え、そしてゴールネットへ。2-3。「シーズン最初からやってきたことが強いメンタリティになった」と指揮官も称賛した、凄まじい逆転劇。湘南が2分間で奪われた2点を、32分間で引っ繰り返しました。こうなると、もともとボール自体は支配していた湘南に落ち着きが生まれてきます。苦しめられた縦フィードも、相手の精度低下に伴って危険度は激減。71分には、寺川能人から永田亮太へお馴染みの交替で、再度中盤を引き締めに。「CKが結構危険だったので、前に逃げようと」(田村)いう意識も徹底され、60分以降は1本のCKも与えず。田原が収め、坂本が足をつりながらも走り続け、ジャーンが跳ね返す。もちろんそれ以外の選手も自らに課されたタスクを着実に遂行。シーズン最終戦の、しかも最終盤に来て守備の安定感が戻ってきました。そして94分、廣瀬格主審によって吹かれたのは「シーズン最後の笛でもあるし、J1昇格への笛」(反町監督)。3枚目の昇格切符を手に入れたのは、自分を信じ、仲間を信じ、最後まで戦った“緑と青の勇者”湘南でした。思い返せば開幕戦、横浜FCに勝利した会見の第一声で「皆さんはカズがゴールを決めるのを楽しみにしていたんでしょうけど」と切り出した反町監督。「サッカーを見るのも嫌になった」という時期を経て、辿り着いたのは思い出の地・湘南。着実に種は蒔かれ、萌芽の時は迎えたものの、あと一歩がなかなか埋め切れなかった古巣に、1年で見事な大輪を咲かせてみせました。今日の会見での第一声は「思ったよりも人がいないのは、みんなJ1の方に行ってるのかな」。続けて「J1の優勝も決まったし、W杯の組み合わせも決まったので、(この試合は)5行くらいで書いといて下さい。写真もちっちゃくね」。反町監督は最後まで反町監督でした。ソリさん、本当におめでとうございます。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (5) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第50節 湘南×草津@平塚

  • 2009年11月29日 23:23
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

昨日甲府が勝利したことで、ひとまず今日の昇格はなくなった湘南。それでも最終節に向けて、1つでも多くの勝ち点差を付けておきたい所。相手は熊林親吾、松下裕樹を出場停止で、廣山望を体調不良で、後藤涼をケガで、湘南からレンタル中の小林竜樹を契約上の理由で欠くとはいえ、ここまで1分け1敗と相性の悪い草津。ホームラストゲームは今季最多の14080人を平塚競技場に集めて、開始されました。まず勢い良く飛び出したのは湘南。6分、アジエルのスルーパスから中村祐也が抜け出し、1人かわしての折り返しは草津GK本田征治が足でセーブ。8分、トリックFKから最後は中村がボレーを枠に飛ばすも、本田がキャッチ。10分、坂本のヒール、アジエルの折り返し、ニアに中村が詰めて混戦の中からDFクリア。中村がよくボールを引き出し、チャンスを創り出していくと、18分も起点は中村から。島村毅のパスを受けてドリブル開始。本田の飛び出しにシュートチャンスは阻まれましたが、こぼれを拾った坂本紘司は「イチかバチかギリギリのプレー」でエリア内に飛び込むと、藤井大輔と交錯して転倒。草津・佐野達監督は「完全なシミュレーション」と憤慨しましたが、東城穣主審の判定はPK。湘南は絶好の先制機を手に入れます。キッカーはアジエル。キックは左、しかし本田も左に飛んで完璧なセーブ。今季はケガなどもあってなかなか出場機会を得られなかった“正守護神”の意地。湘南はスコアを動かせません。さて、かなり攻め込まれる時間の長かった草津でしたが、実は「前半は我慢してノーリスクで」(佐野監督)という戦い方を徹底。SBもそれほど上がらず、普段なら繋ぎそうな場面でも縦に蹴るような割り切りも見られ、リスクを排して、シンプルなプレーを選択していきます。湘南も39分には坂本の二アを狙ったシュートが、41分には臼井のクロス気味となったシュートが、草津ゴールを襲いますが、これも共に本田がファインセーブ。「今までの草津らしいサッカーじゃなかったので、手を焼いたのは否めない」とは湘南・反町康治監督。「(相手は)引いてるなとは感じた。守られた感は凄くある」と田村雄三。本田の再三に渡る好守で無失点に抑えた草津からすれば「狙い通り」(佐野監督)の45分間を終えると、後半は一転、その草津が押し込む形を多く創り出す展開になっていきます。まずは52分に櫻田和樹、山崎渡と細かく繋いで、佐藤穣のシュートが湘南GK野澤洋輔を強襲。56分には中村に胸トラップから本田のセーブを強いるシュートを打たれますが、これがこのゲームにおける湘南最後のシュート。63分には佐藤が中央から相手のチェックを受けながら、30m近いドリブルで左に持ち出し、枠へ飛ばす好シュート。67分、中央で受けた佐藤はサイドへの展開を匂わせつつ、縦へ強いパス。ターンして、すぐに放たれた山崎のシュートは野澤がなんとかセーブ。「2列目からの飛び出しで、マンツーマンのギャップを使おう」(佐野監督)という指示と、「相手のCBの間を狙っていこう」(櫻田)というコンセンサスを、18歳のルーキーがよく理解して実践。草津が攻勢を強めていく格好になりました。74分、反町監督も中村を下げて、スーパーサブの阿部吉朗を投入。何としても1点を奪いに行こうという姿勢を見せますが、前に掛かっていく人数が増えた分、逆に広がるのは草津のカウンタースペース。76分、佐藤が左へ展開して、後半は「チャンスのタイミングを見て出ていこう」と、積極的なオーバーラップを繰り返していたSBの寺田武史がクロス、こぼれを再び寺田が狙うもゴール左へ。79分、高田保則が都倉賢とのワンツーで抜け出し、フィニッシュまで持ち込むなど、変わらず草津ラッシュ。81分には山崎に替えて「後半勝負のためにベンチスタートにした」(佐野監督)小池純輝を解き放つと、84分、88分と続けてシュートチャンスに絡むなど、これも奏功します。今季10度の後半追加タイム弾を生み出している湘南も、92分にアジエルが2度FKを中へ放り込んだものの、ゴールには至らず。結果はスコアレスドローでしたが、「正直勝てたゲームだったと思う」と櫻田が振り返ったように、普段とは違うスタイルをよく咀嚼して実行した草津の健闘が光るゲームとなりました。さて、これで4位の甲府に勝ち点で1上回って、最終節を迎えることになった湘南。「こんな長いシーズンで、最後の試合で決まるっていうのは感慨深いものがあるかな」と笑った反町監督。ここまで50試合もあったのに、ドラマの結末を最終節まで引っ張るとは、例年同様“J2の神様”の盛り上げ上手には感服します。最後のアウェイゲームとして湘南が乗り込むのは、水戸の新ホーム・ケーズデンキスタジアム水戸。「アウェイだけどウチのサポーターがホームのようにしてくれると思う」と野澤。12月5日、12時30分キックオフ。「全てが決まるラスト90分の決勝戦」(坂本)は果たして如何に。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第33節 大宮×柏@NACK5

     
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「興奮し過ぎてもダメだし、冷静になり過ぎてもダメだし、非常に難しい心境」(大宮・藤本主税)。15位大宮が37pts。16位柏が33pts。残り2試合という最終盤で迎えた、残留争い直接対決。勝利しか生き残る道はない柏にあって、サポーターはゲーム前から“YMCA”→“柏バカ一代”の合唱と、自らの流儀を貫き、アウェイゴール裏を黄色に染め上げます。引き分け以上で残留が確定する大宮も、メインやバックにまでオレンジカラーが波及。天国か地獄か、大一番は17時4分、柏のキックオフでスタートしました。お互いに先制点だけは許したくない立ち上がり。まずは9分に大宮、ラファエルが得意な左サイドから突破して折り返し、石原のシュートは橋本和が体でブロック。10分も大宮、近藤のミスパスから青木の右クロスを石原が頭で合わせるも、ヒットせず。最初の15分は大宮の攻勢となりました。そんな中、「相手のボールに対する気合いが違った」(藤本)「凄い勢いで来た」(大宮・橋本早十)と2人が声を揃えたように、柏の気迫が少しずつ表出。また、序盤は前線で完全に孤立していたフランサが、中盤まで下りてきてボールに触り出したことでリズムが生まれ、「引いた相手に対して攻撃の形が創れなかった」(柏・菅野孝憲)ことで、縦へと急ぐ形の多かった展開が変容していきます。25分は柏の決定機。栗澤のCK、パク・ドンヒョクのヘディングは枠に飛びましたが、なんとかGK江角がキャッチ。29分、橋本和のパスを受けた大津がフィニッシュと、チャンスは創出します。守備面でも相手が多用する縦へのフィードを睨んで、DFラインも高めに設定して対応。ラファエルへのボールを遮断することに成功すると、「中盤の選手が後ろに下がってしまって、あまり前に出て行けなかった」と藤本。前半追加タイムには、橋本早十のCKを石原がヘディングで狙うも、枠のわずかに左側。スコアレスで45分は推移しました。後半も柏のペースが続きますが、両者の差として挙げられるのはドイスボランチの機能性。柏は前半から栗澤のボールタッチが多く、セカンド奪取もやはり目立つのは栗澤。「ビルドアップ時に、大谷に下りてリベロ的になって回せと指示を出した。そうすると栗澤の回りにスペースができる」とはネルシーニョ監督。大谷が支え、栗澤が出る形で、中盤を支配していきます。一方の大宮は青木と橋本の頭上をボールが越えていくシーンが多い中で、自然と位置取りも低くなり、攻守でなかなかゲームに関与できません。58分、60分とフランサが惜しいシーンを創ると、ネルシーニョ監督の決断は67分。左SBの橋本和に替えて北嶋を投入。村上が左SBへ、澤が右SHへスライド。攻勢の時間帯で勝負に出ます。しかし74分、沸騰したのは黄色ではなくオレンジのサポーター。石原のフィード、ラファエルが胸で落とすと、上がってきていたのは守備に忙殺されていた橋本早十。「右足のトラップがうまくいったので持ち変えて」得意の左足で右スミにグサリ。苦しい中で飛び出した、「今までのゴールの中で一番気持ちいいゴール」(橋本)。大宮があまりに大きな先制ゴールを奪いました。ところが2分後、魔術師降臨。パクのフィード、大津が頭に当ててこぼれたボール、フランサが躊躇なく右足を一振り。すると、凄まじいスピードで江角のニアサイドを破壊。柏は死なず。1-1、スコアはタイに戻りました。直後、ネルシーニョ監督は2枚替え。村上と大谷OUTで田中と菅沼IN。田中は左SB、菅沼はボランチと超攻撃的布陣でゴールを奪いにいきます。大宮・張外龍監督も石原を左SH、青木をアンカーに置いた4-1-4-1にシフトして守備固め。83分、栗澤の縦パス、フランサはヒール、北嶋が繋いで、菅沼のシュートは江角がなんとかフィスティング。さらに張監督はラファエルに替えて藤田、石原に替えて土岐田をピッチへ。もはや柏は最前線に5枚が張り付き、大宮は青木も最終ラインへ吸収され、空中を行き来するボール。ギリギリの綱渡りとも形容できるような、続く攻防。それでも大宮ゴールに掛けられた鍵は開かず。94分16秒、柏原丈二主審の試合終了を告げるホイッスル。この瞬間、大宮のJ1残留が決定すると同時に、柏のJ2降格が決定しました。2005年の初昇格以降、5年続けてJ1を死守した大宮。G大阪や鹿島を倒しながら一時は4連敗を喫するなど、「例年より好不調が大きかった」(藤本)中でも、一度も降格圏に落ちることなく、残留を果たすことになりました。さて、10節以降は1度も残留圏内に浮上することなく、2005年に続いて2度目の降格となった柏。「最後の数試合はやりたいことをピッチで表現していたが、シーズン通してそういう戦いができないから、降格という結果になった」と大谷。「振り返れば前半戦はツイてないこともあって、そこで選手1人1人が自信を失って結果が付いてこなかった。ただ、挽回する時間はあったので、挽回できなかったのは選手の責任」と菅野。「僕は本当にレイソルが大好きで、どうすればレイソルが良くなるかだけを考えていたし、それは今も一緒。またJ1に上げるしかない」と北嶋。個人的には、選手たちは本当によく頑張ったと思いますが、やはり前任の高橋真一郎監督によるスタイルの変化と、それに伴う崩壊が最後まで響いた印象は拭えません。解任される直前にはサポーターとやり合うなど、監督としての資質を問われる一幕も。今日のゲームを見ている限りは、降格するようなパフォーマンスではなかっただけに、前半戦の迷走は痛恨でした。太陽王の落日。大きなダメージを負って、来季はJ2で戦うことになります。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第49節 甲府×湘南@小瀬

  • 2009年11月22日 00:33
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

ここまで積み重ねられた試合数は48。8ヵ月にも及ぶ長く険しい戦いをくぐり抜け、4位と3位として対峙する甲府と湘南。今日までに獲得してきた勝ち点は共に91。得失点の差もわずかに1。2009年シーズンのJ2は、49試合目に大舞台を用意していました。甲府出身のルーキー小池悠貴がマイクパフォーマンスで盛り上げ、歌声と手拍子で溢れるスタジアム。数で圧倒する甲府サポーターはワインレッドと青。精鋭が駆け付けた湘南サポーターは青と黄緑。スタンドが360度コレオグラフィで埋め尽くされ、最高の雰囲気の中で大一番はキックオフを迎えました。まず1分、大西容平のFKをファーでフリーになったキム・シンヨンが合わせるも、GK野澤洋輔が足で弾き出すと、4分には田原豊からパスを受けたアジエルの右足シュートが右のポストを直撃。立ち上がりからフルスロットルの両チーム。すると6分で早くもスコアに変動。湘南の素早いカウンター、収めた田原が左へ。追い越してきた中村祐也は、スピードに乗ったドリブルから完璧なシュートを右隅へ。アウェイチームが先制します。さらに10分、中村とのワンツーで左サイドを抜け出した寺川能人のクロス、アジエルが落とすと走り込んだ臼井幸平は思い切り良く右足一閃。ボールはサイドネットを揺らし、いきなり湘南が2点をリードする展開となりました。さて、「ボールの取られ方が悪く、対応もうまくできなかった」(甲府・秋本倫孝)ことで失点を重ねた甲府。山本英臣、ダニエルという不動のCB2枚を出場停止で欠き、慣れない顔触れで組まれた久々の4バックがいきなり攻撃時におけるリスク管理の甘さを突かれ、劣勢に立たされますが、「25分を過ぎてしまえば相手の足が止まるのはわかっていた」と甲府・安間貴義監督。実際に20分を過ぎると、「点を取られてからは、よりシンプルに」(秋本)右サイドを中心にアーリークロスやドリブルでの仕掛けなどが目立ち始めた甲府が攻勢に。そして25分、やはり右サイドに流れたマラニョンがクロスを送ると、ジャーンがなんと空振り。キムが冷静に流し込み、1点差に詰め寄りました。その後も急ぎ過ぎるくらいに、前へ前へとボールを運ぶ甲府の中で目立ったのは、ダイヤモンド気味の中盤で頂点に入った藤田健。「前に突っ張ってくれてればいいけど、下がって受けたりしていた」と湘南のアンカー・田村雄三が話したように、自在なポジショニングでピッチを浮遊しながら、要所で顔を出すタイミングも絶妙。甲府優勢でハーフタイムを迎えました。後半も流れは変わらず。ただ、甲府が繰り出すサイド攻撃の比重が左多用に。SBに入った吉田豊もオーバーラップを繰り返し、チャンスを窺います。60分、小瀬鳴動。CBの秋本がドリブルからシュート、DFに当たったルーズボールはエリア内に。いち早く反応した大西と島村毅が接触すると、かなり微妙な場面でしたが西村雄一主審は迷わずPKを宣告。マラニョンのキックは左、野澤も左に跳んだものの、揺れたゴールネット。2-2、意地と意地の激突は壮絶を極めていきます。先に動いたのは反町康治監督。68分、先制ゴールの中村に替えて、前節のヒーロー・阿部吉朗を投入。76分、安間監督も決断。大西を下げて、片桐淳至を2トップ下へと送り込みます。80分、上がっていた杉山のシュートは野澤ファインセーブ。82分、自らが蹴ったCKの流れから再び片桐がクロス、林健太郎の決定的なヘディングはバーの上へ。83分、片桐の左クロス、マラニョンのヘディングもバーの上へ。「7割くらい向こうが攻めていた」(田村)「6、7割方は向こうに転んでる可能性が高かった」(反町監督)と2人が口を揃えた、後半劣勢の湘南。しかし、ここから今シーズン何度も繰り広げられてきたドラマの最終幕が上がります。88分、アジエルのスルーパスから臼井が抜け出し、GKに阻まれるも惜しいシュート。91分、アジエルの右クロス、途中出場の永田亮太が決定的なシーンもボールは枠外に。そして93分、アジエルのFK、「ロスタイムだから行かなくちゃって思いが強過ぎた」GK阿部謙作は飛び出すも触れず、ジャーンがヘディング。クロスバーに当たり、跳ね返ったボールは「直前の2つの決定機でもしかしたらという雰囲気は出た。何となく自分の前にこぼれてくるような気がしていた」という坂本紘司の前へ。落ち着いて得意の左足から放たれたシュートは、ゴール右隅へと吸い込まれます。湘南在籍9年目の最古参。Jリーグ通算出場364試合はすべてJ2。「ベルマーレでJ1に行きたい」という“ミスターベルマーレ”の決勝弾。「全力を出して負けた。警戒していてもセットプレーでやられたというのは、湘南の勝負強さの方が一枚上手だった」と安間監督。「どっちに転んでもおかしくなかった」(反町監督)魂が交差する一戦は湘南に凱歌が上がりました。敗れた甲府は4-4-2も機能し、大半の時間で押し込んでいただけに、序盤の2失点が惜しまれます。それでも「僕たちが諦めたらリーグは終わってしまう。諦めの悪い人間なんで諦めていない。残り2試合、最後の最後までベストを尽くすことをお願いした」と安間監督は語りました。勝った湘南は、今シーズン10回目となるロスタイム弾での劇的な幕切れ。「最後の笛がなるまで湘南のサッカーをしよう」という指揮官の言葉を、見事に選手たちが体現してみせました。長く記憶に残る、極上の98分間だったと思います。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第31節 柏×清水@日立台

  • 2009年11月09日 04:59
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

屈辱のJ2降格から、再びJ1に返り咲いて3年。柏の灯が今、また消えかけています。現在降格圏内の16位。残留対象チームである大宮との勝ち点差は9。ゲーム前に柏サポーターのコールリーダーが「メディアがいつもの倍は来てる。何を期待してるんだ〜」と叫んだように、今日柏が引き分け以下だと、大宮の勝敗次第で降格が決定します。対するは連敗中とはいえ、優勝の可能性を残している清水。“何か”は決まってしまうのか否か。運命の90分間が開始されました。「柏が前半の立ち上がりから来るのはわかってた」とは清水の長谷川健太監督。しかし、後のない柏は、おそらく清水が想定していた以上の猛ラッシュを頭から仕掛けます。6分、最近は一時の勢いが影を潜めつつあった大津が、豪快に左サイドをぶっちぎってクロス。フランサには届きませんでしたが、いきなり明確な形でスイッチをチームに入れてしまいます。14分には、リーグ戦初スタメンのルーキー橋本が左クロスを送り、澤がヘディング。20分にも、右SHに入った杉山のクロスに、再度澤がヘディング。2本ともわずかに枠を逸れますが、「もうやるしかない。勝っていくしかない」(柏・北嶋秀朗)という姿勢を見せると25分、橋本の縦パスは大津へ。「祐樹(大津)がいいキープをしてくれた」と振り返った大谷はパスを受けるとDFの間をすり抜けてシュート。ボールはニアサイドに突き刺さり、柏が先制点を奪います。さらに36分、大谷が粘ってモノにしたボールを受けた大津は、ワントラップから左足を振り抜いて、豪快な追加点。「タニくん(大谷)がタイミングよく上がってきてくれた」とは大津。生え抜き2人の連携で2点連取。正直言ってあまりに予想外な展開で、柏が主導権を握る形になりました。今日の柏で光っていたのは、大津、大谷に加えて、ネルシーニョ体制下での初出場となった澤。前述の2度掴んだチャンスに顔を出したのはもちろん、チームを助けたのはそのキープ力。「澤くんがあそこでキープしてくれることで、中盤からサポートに行ける。基点を作ってくれた」と大津が語ったように、足元でのボールキープもさることながら、高さでも10センチ近い相手に競り勝つなど獅子奮迅。指揮官も「澤の存在でチームが機能した」と名指しで賞賛するなど、ようやく才能の片鱗を柏サポーターに見せてくれました。さて、ほとんど何もさせてもらえなかった清水。「前線にボールが入った時に、柏が体を張って潰してきて、2トップがなかなか基点をつくれなかった」と長谷川監督。加えて岩下の不在で、正確なフィードが前に入らなかったことも、劣勢の一因になったでしょうか。40分には早くも本田を下げて、山本真希を投入し、中盤をダイヤモンドにしたものの、2トップ下に入った枝村も岡崎、ヨンセンとの絡みが少なく、効果薄。後半に入ってもペースは変わらず柏優勢の中、62分には清水に痛恨のミス発生。バックパスをGK山本海人はなんと澤へプレゼント。中へ送って、フランサが一刺し。3-0、勝敗は決しました。これ以降もしっかりブロックを作り、機を見てアタックを掛ける柏の勢いは止まらず。82分、澤が右サイドからクロス、大谷のヘディングはGKが弾くも、フランサが冷酷に4点目。89分、杉山のミドルをGKが弾くと、「浩太(杉山)は癖のあるボールを蹴るんで」としっかり詰めていた北嶋が押し込んで5点目。なんと、2008年4月以来となる5ゴールを奪った柏が、難敵清水を力でねじ伏せ、奇跡の逆転残留へ一縷の望みを繋ぎ止めました。「予想以上にレイソルの出足と気持ちがよかったと認めざるを得ない」(長谷川監督)「エスパルスが驚くようなパフォーマンスで我々が支配できた試合。全員が自分たちのやるべきことをやった」(ネルシーニョ監督)と両監督が振り返ったように、衝撃すら感じる圧勝劇を柏がサポーターに贈ったゲーム。大宮が広島に敗れたため、柏と大宮の勝ち点差は6に縮まりました。依然状況が厳しいことには変わりありませんが、「ディフェンスもオフェンスもぴったりハマった。これを続けられれば負ける気はしない」と大津。戻ってきた一体感を継続させることで、奇跡を引き寄せられるか。いよいよ残されたのは270分間です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第48節 湘南×東京V@平塚

  • 2009年11月08日 23:02
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「スローモーションのような感じ」(湘南・反町康治監督)とは、94分のラストチャンス。直後、1万人を超える観衆を飲み込んだ平塚は狂喜乱舞。湘南が崖っぷちから奇跡的な生還を果たしました。開始1分、寺川能人のCK、ジャーンのヘディングはレアンドロがライン上でクリアと、いきなりホームチームの決定機で幕を開けたゲームで、まず目立ったのはコンタクトプレーの度に鳴らされるホイッスル。特に序盤は湘南がボールキープする時間帯が長く、東京Vが厳しく寄せると奧谷彰男主審は多くの場面で湘南のFKを宣告。11分にはアジエルのFK、最後は田原豊が左足ボレーで狙うもゴールの右側へ。14分もアジエルのFKからジャーンがこぼれに詰めるも、GK土肥洋一がファインセーブ。ゴールには至りませんが、チャンスを創ります。すると26分、レアンドロのミスパスに反応した田原が、しっかり拾ってキープすると、アジエル、中村祐也と繋がり、フリーの寺川へ。「一瞬自分でも間を置けたので、焦らずに」左足で右隅にグサリ。先手は湘南が取りました。ただ、直後の28分、湘南のCKを防いだ東京Vが鋭いカウンター。土屋征夫が全速力でタッチライン際のボールを残して縦へ送ると、受けたレアンドロはルックアップして、中央フリーの井上平へ。焦りからか、井上のシュートはヒットせず、同点ゴールとはいきませんが、反撃の牙を剥き出しに表します。実際、ゴールこそ奪われましたが、湘南のチャンスは大半がセットプレー。「個人でポゼッションする力がある」(反町監督)「ポゼッションのうまいチーム」(田原)と2人が声を揃えたように、前半途中からは東京Vが主導権を握って、ボールを動かします。1つのポイントは、2トップの一角に配されながら、相手の嫌な所にうまく潜り込んではボールを引き出すレアンドロ。もう1つは、永里源気と福田健介で組んだ右サイドの積極性。松田岳夫監督も「レアンドロと両SHが相手のバイタルエリアをうまく使えて、リズムを掴んだ」と言及。37分には福田の右クロスから、最後は再び右に返ってきたボールを永里が股抜きでエリア内に侵入してシュートまで。39分にも福田の右クロスにレアンドロが惜しいヘディング。ジリジリと湘南ゴールを脅かすと42分、村松大輔のクリアは柴崎晃誠の目の前へ。柴崎は右へ展開。永里は切り返しからクロスを送ると、ファーで井上が合わせる見事なゴール。東京Vが追い付いて、前半は終了しました。後半も52分、59分、あわやというシーンを創出したのは東京V。そして61分、右サイド永里のアグレッシブな仕掛けに、何とか湘南も対応しますが、こぼれたボールはレアンドロの足元へ。前半から判定にイライラを募らせ、異議で警告まで受けた選手とは思えない程に落ち着いたループ気味のシュートは、美し過ぎる完璧な逆転ゴール。東京Vが形勢ばかりかスコアまで引っ繰り返してみせました。負けは許されない湘南。反町監督は63分、「前での基点と高さ」を期待してリンコンを投入。最前線に田原と並べ、システムを3-4-1-2にシフトして1点、そして2点を奪い返しに行きますが、「回されて走らされてる時間帯が長かった」(寺川)チームの運動量は上がらず、チャンスを創れません。76分、坂本紘司OUT永田亮太IN。85分、田村雄三OUT阿部吉朗IN。それでも東京Vは、途中出場の林陵平、平本一樹もよく役割を理解し、コーナースポットで見苦しくキープするような真似などせずに、しっかりとボールを回して時間を消費させていきます。90分に追加された4分も経過。間違いなくラストプレー。GKの野澤洋輔がスローイン、村松が右サイドからフィード、大外にいたジャーンが頭で折り返すと、飛び込んできたのは「折り返してくれたらっていうイメージで動き出していた」11番。「とりあえず落ち着いて、コース狙って当てるだけ」のヘディングは緩やかな軌道を描いて、ゆっくりとゴールへ到達。テクニカルエリアの最前部にいた反町監督も「最後に執念を見せてくれた」と渾身のガッツポーズ。「気持ちが繋がった」(阿部)劇的な同点弾。湘南が土壇場で勝ち点1を強奪して、ゲームは終わりました。さらに直後、試合を終えた平塚競技場に甲府敗戦の報が。これで同じ勝ち点91、得失点差で1上回った湘南が再び3位に返り咲き、「皆さんが期待する最高のシナリオ」(反町監督)で、次節直接対決を迎えることになりました。「時間が空くんで、自分たちでどうゲームに持ってくか」(中村)「次の試合が本当に山場」(田原)。試合後、選手バスの前で「一緒にJ1へ行こう」と歌い続けたサポーター。11月21日17時、決戦は小瀬でキックオフの時を迎えます。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

ナビスコ決勝 FC東京×川崎@国立

  • 2009年11月04日 01:01
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「あの辺が1つの狙いではあった」(川崎・関塚隆監督)「ここで失点しなくてよかった」(FC東京・城福浩監督)。19分の攻防。両指揮官もポイントに挙げたシーン。結果、この成否が試合の行方を大きく左右することになりました。紙テープが乱れ飛ぶFC東京ゴール裏。水色と黒の中心に大きな星を浮かび上がらせた川崎ゴール裏。最高のシチュエーションを両サポーターが創り出し、キックオフを迎えたナビスコファイナル。双方慎重にゲームへ入っていく中、まず勢いを見せたのは川崎。攻撃的な中盤に入った中村とレナチーニョが、サイドで中でと積極的にボールへ関与。11分にはレナチーニョが米本からボールを奪うと、中村からのリターンを受けたレナチーニョが権田のファインセーブに阻まれるも惜しいミドル。17分にもレナチーニョを基点に、チョン・テセ、ジュニーニョと繋いでチョン・テセがボレー。当たり損ねて枠には飛ばなかったものの、ペースを掴みます。やや押し込まれた東京は、ドイスボランチに入った梶山と米本が単純なミスを連発。パス回しにリズムが出ず、中盤で劣勢になり、なかなか攻撃の手を繰り出せません。そんな中で迎えたのが19分。横山のクサビをチョン・テセが落とし、ジュニーニョがダイレクトで裏へ送ると、走り込んでいたのはボランチの谷口。「二列目から出てくる高さは警戒していたが、二列目から追い越してスルーパスに飛び出してきたのに付いていけなかった」と城福監督が振り返ったように、東京のDFラインが無警戒だった谷口のラインブレイク。完全にGKと1対1。谷口がやや右に流れると、権田もうまく対応してシュートブロック。しかしこぼれたボールは谷口の下へ。中央ジュニーニョへラストパス、直後、川崎ゴール裏に広がったのは大きな溜息。2度の決定機は共に失敗。あまりにうまく決まった形だっただけに、「数多くはできないのでしっかりモノにしたかった」(関塚監督)「これ以降は警戒して簡単にはやらせなかった」(城福監督)と両監督。ここを切り抜けた側が3分後、歓喜を享受します。22分、米本は縦の平山へ。リターンを受けると25m近い距離から躊躇なくミドル。「無回転。落ちてブレた」と語った川島は弾き切れず、ボールはサイドネット内側へ。前日、ニューヒーロー賞に選出された18歳が大仕事。ピンチ一転、先制点は東京に記録されました。これでようやく落ち着きを取り戻したか、東京も「なるべく相手にボールを触らせない、相手の攻撃を一つでも減らすような守備」(FC東京・羽生直剛)も機能し始め、得点以降、前半終了までインプレーから川崎に許したシュートは2本。「あの一発で流れが変わった」とGKの権田も振り返ったように、相手の決定機を凌ぎ、そして決して決定機とは言えないような場面から飛び出したゴールが、東京に流れを大きく引き寄せる格好になりました。後半は50分に赤嶺がヘディングで枠内に飛ばすなど、最初の5分間は東京がラッシュに出ましたが、すぐに追い付きたい川崎が反攻。「サイドからえぐることによってセットプレーが増える」(関塚監督)と森も上がる回数が増えるなど、執拗にサイドを突き、CKを数多く獲得。強烈な圧力から同点ゴールを奪いに行きます。59分にはレナチーニョのクロスを権田がパンチングするも、今野に当たり、あわやというシーンが。嫌な形でCKを与えると、中村のキック、中央は東京もクリアできず混戦。空中戦が続く中、平山が掻き出すと拾ったのは羽生。攻守反転、カウンター。羽生は左へ。受けた鈴木は中に入りかけて、ルックアップすると一度左に持ち出し、ファーへクロス。待っていたのは掻き出してから約70mを「早く達也くんのラインに追い付けるように」全速力で駆け抜けた平山。ヘディング一閃。相手のお株を奪う、最高のカウンターが炸裂。筑波大でも2トップを組んでいた2人のコンビネーションで東京がリードを2点に広げました。60分、赤嶺OUT長友IN。「決して守備的ではなく、前掛かりになってくる所を飛び出ていく期待と、森がかなり上がり気味だったのでそこを押さえたかった」と城福監督。実際、74分には椋原のフィードから長友が抜け出し、GKもかわしてシュート。谷口が執念のブロックで防ぎ、鈴木のエリア外シュートも右ポストを直撃。3点目とはいきませんでしたが「守りながらもいつでもカウンターを狙える」(羽生)脅威を、しっかりと相手に突き付けます。さらにこの直後には、羽生OUT平松IN。残り15分、「戦況で相手の選手を見てクローズしにいくための交替」(城福監督)も実行。ビッチにはDF登録の選手が6人並ぶ格好になりました。追い込まれた川崎も79分に黒津を投入して、3-4-3で勝負に。80分以降は怒濤の総攻撃を仕掛けます。それでも「もっとシンプルにサイドから動かせばいいのに、強引なプレーが目立ってしまった」と関塚監督。どうしても中、中へとボールを集めてしまい、堅いブロックを切り崩せないままに時間が経過。「みんな集中してマークも外れなかったので、ピンチは続いていたけど大丈夫だと思っていた」とは権田。85分、ジュニーニョのクロスに合わせたチョン・テセのヘディングはクロスバー。88分、再度ジュニーニョのクロスにチョン・テセのヘディングはわずかに枠外へ。2-0、「戦前の予想では厳しいだろうと言われていた」(城福監督)東京に凱歌。完勝と言って差し支えないゲームで、5年ぶりの栄冠に輝きました。川崎は、やはり19分の逸機が痛恨。ある程度守備的なアプローチの相手に先制され、ブロックを作られた時の攻略は決して得意分野ではなかっただけに、「自分たちのサッカーがいかに90分できるかというところで、我々の弱点が出てしまった」(関塚監督)感は否めません。またもタイトルには一歩及びませんでした。勝った東京は、立ち上がりこそ苦しんだものの、先制後は「前に急ぎたくなる所を繋ぎ直してやり直す」(城福監督)冷静さも披露し、耐えながらカウンターでの一刺し。石川、そして「ブルーノが電話して、言葉は通じなかったけど話したら喜んでくれた」(羽生)カボレと2人の役者を失いながら堂々の優勝。「まさに全員で勝ち取った勝利」(城福監督)に心から拍手を贈りたいと思います。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第30節 川崎×広島@等々力

  • 2009年10月26日 06:52
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

2006年、2008年のリーグ戦。2007年ナビスコカップ。再昇格してからの4シーズンで3度“準優勝”に泣いている川崎。一足先に決勝進出を決めていたナビスコに加えて、リーグ戦でも前節とうとう今シーズン初の首位浮上。悲願の初タイトルへ。今日の相手は広島です。3連勝中の勢いそのままに、序盤から全開の川崎。7分、森のクロスバーを直撃する左足シュートが号砲。15分には中村の完璧なサイドチェンジをレナチーニョがマイナスに折り返すと、ジュニーニョ。フリーで放ったシュートは枠を捉えられませんでしたが、推進力は抜群。すると18分、森のスルーパスに満点のラインブレイクで抜け出したジュニーニョが、落ち着いて左スミへ。押し込んでいた川崎が先手を取りました。いつものパスワークに冴えが見られないのは広島。「少し恐がってゲームに入ったかもしれない」とはペトロヴィッチ監督。柏木、高萩の2シャドーにも川崎は「広島の攻撃はしっかりわかってた」(川崎・関塚隆監督)とドイスボランチとSBでしっかりケア。チャンスを創らせません。さらに広島に不運。25分、既にイエローカードを貰っていた森脇が田坂を体で潰して、2枚目を提示され退場。一層、厳しい状況に追い込まれたはず、でした。しかし、逆に10人になってからは広島が攻勢に。数的不利の中、「守備をしているだけでは勝てない」とペトロヴィッチ監督が選択したのは3-4-1-1。森崎和を最終ラインの右に落として、ドイスボランチは青山と柏木。1トップ下に高萩という布陣で、変わらぬコンビネーションを披露。「柏木、青山、高萩の3人がポジションを崩して、ドイスボランチの田坂と横山で3対2になり、中盤が浮いた」とは関塚監督。全体の人数は多いにも関わらず、中盤センターでは数的不利になる、噛み合わせの妙。中村を中央に入れて対応しますが、流れは変わらず。リードは川崎も、広島ペースで前半は終了しました。後半もある程度3バック+WBは守備に重点を置く相手を川崎は切り崩せず。広島も攻撃面では体に染み込んでいるかのような、パス、サポートというスタイルを貫きます。ところが、試合が壊れたのもスタイル故のミスから。61分、GKの中林の繋ぎを田坂がかっさらってチョン・テセへ。躊躇ないフィニッシュ。「モダンなサッカーはGKも繋ぎに参加できるサッカー」(ペトロヴィッチ監督)というスタイルが、結果的には裏目に。そして事実上、この2点目でゲームの趨勢は決まってしまいました。ここからは川崎のゴールショー。70分、田坂のミドルはDFに当たり、コースも変わって3点目。74分、中村のフィードからレナチーニョが抜け出し4点目。85分、井川とのワンツーから右サイドを突破した登里が中へ送り、中村が左スミに5点目。86分、中村のスルーパスにジュニーニョが反応、飛び出したGKと交錯したこぼれを「思い切って打った」登里のJリーグ初ゴール。「夢みたい」と振り返った18歳ルーキーの一発で6点目。最後は91分、中村のパスから今度はジュニーニョが自ら沈めて7点目。7-0、退場者が出たとはいえ、あまりに予想外のスコアで、上位対決は川崎が勝利。今後に向けて得失点差でも大きなアドバンテージを得ることに成功しました。広島は後半6失点。1点ビハインドで1人減ってからもむしろ攻める時間を作りましたが、最後は自滅する格好に。指揮官は「痛い敗戦だった」としながら「7-0で負けたことがダメなんだと選手が認識してくれれば、それは結果としてよかったかもしれない」と語りました。勝った川崎は首位キープ。数的優位を得てから少しバタバタしたものの、「後半しっかりやれた所に成長を感じた」と関塚監督。次のゲームはいよいよナビスコ決勝。悲願のタイトル獲得へ、いいイメージで臨める大勝になったでしょうか。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第30節 柏×山形@日立台

  • 2009年10月24日 23:58
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

もはや5試合を残すのみとなったJ1。山形は4連敗を喫して突入した残留争い直接対決4連戦で千葉に勝ち、大分に引き分け、神戸に勝利と、勝ち点7を奪い、13位まで浮上して日立台に乗り込みます。対する柏は7戦負けなしから、一転2連敗。16位と依然降格圏から脱出できません。勝ち点7差で迎えた、双方にとっての大一番。“招き猫ダック”のダンスを披露し、バックスタンドに太陽のコレオグラフィを浮かび上がらせた柏サポに、2000人以上が駆け付けて声を張り上げた山形サポ。抜群の雰囲気の中で、運命の90分間は幕を開けました。まず目立ったのは山形の「チャレンジしている」(古橋達弥)“繋ぎ”の意識。J2時代からコンビを熟成させてきたドイスボランチの秋葉と佐藤健太郎が、受けて散らしてを高い頻度で徹底し、圧倒的にポゼッション。さらに宮崎はドリブルで、宮沢はパスでアクセントを付けるなど、中盤4人で主導権を強奪すると、6分には宮沢のFKから長谷川、1分後には古橋のFKから長谷川が、共にヘディングで相手ゴールを強襲。どちらも菅野のファインセーブに阻まれましたが、惜しいシーンを連発します。18分にも柏のミスパスから生まれたFK、古橋のキックを3たび長谷川。今度はネットを揺らしたものの、判定はオフサイド。先制点とはいきませんが、好調さを伺わせます。一方、かなり押し込まれる形で試合に入った柏は、ネルシーニョ監督も「奪った後のパスや、最後のパスの精度が上がらなかった」と振り返ったように、とにかくパスミスが多く、まったくと言っていいほどリズムができず。また、守勢に回る中でドイスボランチを組む栗澤と小林慶行の位置取りがかなり低く、前線の北嶋と菅沼が孤立気味に。せっかく後ろで回していても、最後は精度が低く、呼吸の合わないロングボールが味方の頭を越えて、山形ボールになっていく悪循環。スコアこそ45分間を終えて0-0でしたが、特に攻撃面に関しては両者の差がくっきりと浮き出た前半になりました。さて、柏が「2列目からの飛び出しに対して対応が緩い」(小林伸二監督)と分析、裏を狙うことを意識していた山形でしたが、実際は「少し相手のラインが下がっていたので、回せるなら回した方がいい」(同)と軌道修正。後半開始から、ややミスの目立った右SBの宮本に替えて、石川を投入。小林亮を右に移して、よりボールを正確に動かせる布陣にシフトします。ただ、引き分けでも苦しくなる柏も意地。45分、菅沼、栗澤と絡んで北嶋。シュートは山形DF西河にブロックされますが、50分にもポポがFKを枠内へ。56分にもポポのCKを近藤が頭で折り返し、こぼれ球も柏がキープ。続く攻勢の時間。ホームゴール裏も自ずとヒートアップしていきます。しかし、そこに落とし穴。柏ロスト、山形カウンター。「ディフェンスしてる時にチャンスがある」と考えていた古橋のパスに呼応した宮沢が、絶妙のタイミングでDFと入れ替わり、1対1も冷静に菅野をかわして右足でフィニッシュ。掴んでいたリズムを失い掛けた時間帯で出てきたのは「1週間トレーニングしてきた」(小林監督)裏への共通意識。ネルシーニョ監督も「一番気を付けていたカウンター」と悔やんだ一瞬で、山形に先制点がもたらされました。あまりに痛いビハインドを課された柏は、60分に2トップの一角で精彩を欠いた菅沼を諦め、前節Jリーグデビューを果たした工藤がピッチへ。すると、「工藤はよく前で基点を作ってやってくれた」と指揮官が言及するほど、ボールに関与して、チームに勢いを。触発されたかのように大津も躍動し始め、ようやくエンジンが稼働していきます。ここに立ちふさがったのが、元柏の山形GK清水。70分、ポポのFKからニアで北嶋がヘディング。直後、ポポのCKから近藤がこれまたヘディング。87分、工藤の落としを大津がシュート。93分、ポポの枠内に飛ばした直接FK。計4回訪れた柏の決定機をすべてファインセーブ。特に近藤のヘディングは「近付いて来てるのはわかった」ポストに激突しながらのセーブ。結果、今季8度目の日立台陥落。降格圏からポイントにして10離れた山形が、残留をほぼ確定させました。率直に言って、チームの完成度に相当差があったことは否めません。当初抱いていたプランからの変化にも柔軟に対応しながら、勝負所ではトレーニングの成果を発揮した山形。結果、残留争いのライバル4連戦で3勝1分け。「直接対決の際の所で勝っていることを大事にしたい。逞しいゲームをやってくれた」と小林監督。「もっと上を目指してやりたい」と古橋。早ければ次節、鹿島戦で目標達成が決まります。痛過ぎる敗戦を喫した柏。明日の大宮次第では、残り4試合4連勝が残留への最低条件。清水、川崎との対戦を残している今、本当に追い込まれました。救いは懸命に戦う舞台を整えてくれているサポーターでしょうか。彼らに応えるためにも、選手たちには気持ちの入った360分を見せる義務があります。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第46節 湘南×鳥栖@平塚

  • 2009年10月22日 01:41
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

4位湘南、87ポイント。5位鳥栖、80ポイント。共に現在こそ昇格圏外ながら、共にここまで昇格の可能性を残してきた両雄の3巡目。「非常に緊迫した大事な試合」(鳥栖・岸野靖之監督)は平塚です。序盤からまずリズムを掴んだのは湘南。田原豊が広範囲に動いてボールを引き出し、ターゲットとして抜群に機能。それによって周囲も彼を追い越す動きが目立ち、連動したいい形を創ります。そのパフォーマンスには反町康治監督も「前半から久々に我々としてはいいリズムで終始圧倒することができた」と称賛するほど。14分には村松大輔の糸を引くようなサイドチェンジを臼井幸平がダイレクトで中へ。走り込んだ坂本紘司のワントラップボレーは枠を外れますが、25分にも寺川能人のCKから大外にいたジャーンの惜しいヘディングが飛び出すなど、主導権を奪います。一方の鳥栖は、「外からのボールとセットプレーで全体の60%を占める。このストロングだけは絶対抑える」(反町監督)という湘南にハーフナーマイクが完全に潰される格好に。前で基点ができず、相手にポゼッションを取られる中で両SHの武岡優斗と島田裕介も守備に忙殺され、なかなかサイドからのクロスも上がりません。32分、ショートコーナーから島田のクロス、CBのルーキー渡邉将基が頭で合わせたボールはクロスバーの上をなめて枠外へ。頼みのセットプレーもゴールならず。難しい時間が続きます。それでも前半追加タイムには鳥栖に決定機。エリア内でジャーンとGK野澤洋輔がお見合い。池田圭が足を伸ばすと、ボールは野澤の足に当たり、こぼれを武岡がミドル。何とか野澤がキャッチしたものの、湘南からすればヒヤリとするシーンを最後に前半は終了しました。ハーフタイムの決断は岸野監督。池田に替えてトジン。ジョーカーを後半頭から投入し、「FWに入れたボールの次を狙っていくこと」と意識を徹底します。一見、179センチという上背、10ゴールという結果、そして後半からの出場という諸条件から印象が薄いかもしれませんが、トジンのキープ力は大きな武器。実際、「トジンにキチンと収まって、そこから押し上げる形ができたのはあった」(岸野監督)「トジンにボールが収まって、獲りに行くと外される」(反町監督)と両指揮官が言及したように、このブラジル人の存在が鳥栖に勢いをもたらします。さらに、ある程度攻撃の時間が増えたことで、島田の「あまり開かずに中で受ける」という狙いも実行しやすくなり、「島田さんにボールが入ったら上がるのは約束事になっている」SBの日高拓磨と島田で組む左サイドが全体のバランスの中でも顕著に活性化。これで少しずつハーフナーも空き出し、66分には武岡のクロスからヘディングを枠内へ。74分にはトジンのシュートに繋がるポストプレー。さらに1分後にはトジンのスルーパスを受けて、あわやのシーンを創出。緊張感がヒシヒシと伝わってくる展開に、両サポーターのボルテージも上がり続けます。76分に動いたのは反町監督。「上がってくる日高にぶつけるのはリスキー」とわかっていながら、切ったカードは帰ってきたアジエル。9月6日以来、8試合ぶりの登場に「チームの中の空気が変わった感じがした」という反町監督の言葉を待たずして、スタジアムの雰囲気も10番への期待で高揚していきます。すると、やはり“神の子”降臨。90分を30秒ほど回ったタイミングで寺川からボールをもらったアジエル。2対2の状況、左を走る田原へのパスは「めったにない右足」(田原)で。意外な選択は、ただし絶妙。そして「裏に行く手もあったけど一瞬で変えて」開いて受けた田原が振り抜いたのは、利き足と逆の左。わずかにDFが触れたボールは、わずかにGKのタイミングをずらしてゴールネットに到達。アジエルの“右”と田原の“左”が生み出したのは歓喜、いや、狂喜。「“田原は走らないし動けない”というのを覆すような、いいプルアウェイの動きだった」と 、監督が“らしい”表現で讃えたCFの決勝弾で、湘南が敗れた甲府をかわして、再び昇格圏内の3位に浮上しました。最後の最後で力尽きた鳥栖ですが、戦い方にブレなし。運動量は90分間落ちませんでした。「今日は負けたので大きなこと言えないけど、鳥栖はホントに強い。改めてそう思った」と岸野監督。数字上は昇格が厳しくなりましたが、次節も「とにかく甲府にベストなゲームをしてしっかり勝つ」(岸野監督)姿勢を見せてくれることでしょう。勝った湘南を見て、私は昨年のことを思い出していました。10月26日、第41節のNDスタ。まだ昇格の可能性を残していた山形とのゲームで、後半終了間際に失点を喫して敗戦。事実上、望みを断たれた一戦でした。あれから1年。この時期の、この勝ち方に何となく縁起のよさを感じてしまいます。「自分たちのサッカーをあと5試合できるかどうか続けるしかない」と反町監督。11年ぶりのJ1を目指す航海の行き着く先は如何に。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第29節 山形×神戸@NDスタ

  • 2009年10月17日 23:55
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

J1も残された試合数は6。31ポイントの山形、34ポイントの神戸。残留争いを強いられる両チームが「もう大事な試合しかない」(山形・西河翔吾)中で迎える直接対決。山形からすれば、現在得失点差は並んでいるために勝利すれば少なくとも15位脱出は確実。会場には山形市立楯山小学校の全校生徒約280人が、数時間の道程を徒歩で駆け付け、バックスタンドで元気に応援。第29節、双方サバイバルへの正念場はNDスタです。ゲームが始まると、序盤からボールが回ったのは山形。「立ち上がりから相手は来ていた」と神戸の宮本が語ったように、ホームチームがいきなりのラッシュ。4分には古橋、秋葉、宮崎と綺麗なダイレクトのパスワークから、シュートこそ打てなかったものの好機を創出。特に最初の15分前後はホームチームが攻撃のリズムを掴みます。対する神戸はドイスボランチを組む宮本とキム・ナミルのポジションが低く、サイドに散らしたり、パスを組み立てたりという部分は担えず。中盤左ワイドに入った頼みのボッティも「ボールが入らないように、SBが持ったらまずは縦を切って対応した」と語る、対面の宮崎と宮本のうまい対応でチームの停滞感に埋没。自然とロングボールが増えていく展開になってしまい、なかなか落ち着かせることができません。ただ、時間が経過する中でキープする時間の長い山形もなかなかシュートまでの形が作れず「お互いが膠着状態」(神戸・宮本)に。前半はスコアレス濃厚な雰囲気が漂い始めた中、40分にゲームは動きました。大久保の緩慢なプレーからボールを奪った山形は宮沢がエリア付近の長谷川に絶妙のパス。長谷川がシュートチャンスを逸してリターンすると、「顔を上げたら目が合った。“ここは出せ”みたいな雰囲気を出してくれた」と宮沢がダイレクトでクロスを送った先には古橋。「ミヤさんが上げるタイミングはわかっていた」とニアに潜り込み、頭でフィニッシュ。貴重な先制点を挙げた山形がリードして前半は終了しました。さて、なかなか反撃の糸口を見出だせなかった神戸。後半開始から「中盤でボールを収めて攻撃的に行きたい」(三浦俊也監督)と、キム・ナミルに替えて茂木をFWに投入。吉田を左SHに移して、ボッティをドイスボランチの1枚にシフトします。するとやはり「ボッティが中に入ったことでタメができた」(宮崎)神戸も反撃の雰囲気を漂わせ始め、59分には鋭いカウンターから決定機。茂木のシュートは枠を外れましたが強まる攻勢。さらに61分には吉田OUTで古賀IN、69分には宮本OUTで田中INと攻撃的な選手を送り込み、ゴールを奪いに掛かります。スコアの展開上、「守って守り切れる訳ではないが、守らざるを得ない所はあった」(小林伸二監督)山形も自陣でのファウルが増え、石櫃や古賀が蹴るFKの脅威にも晒されますが、守備の集中は途切れず。神戸も「ボールは持っているけど前に付けられない」(三浦監督)ために、なかなか流れの中からはシュートまで持ち込めません。それでも92分、神戸にラストチャンス。前線にボールを送ったこぼれを北本がミドルレンジから狙います。DFに当たったボールは方向を変えてゴールへ。時間が止まるスタジアム。直後、ボールはわずかに枠の右側に逸れ、同点ならず。「強く気持ちを持つと、自分たちにとっていい方向にボールがこぼれたりすることはある。そういう気持ちが運を自分たちの方に巻き込んだのかな」とラストプレーを振り返った小林監督。山形に凱歌。ホームでは22節以来2ヵ月ぶりの勝利。残留争いのライバルを直接叩き、34にまで到達した勝ち点が順位を13位にまで押し上げる結果になりました。神戸は「前半を0点で凌ぎ切れなかった」(神戸・宮本)ことが最大の敗因でしょう。「集中力を高めなくてはいけない所で自分たちのミスからの失点」(同)という点も痛恨。後半の反攻も及ばず、山形に順位で抜かれる格好になりました。勝った山形も「先取点を取れたのが大きい」と小林監督。共にある程度ブロックを形成するスタイルだっただけに、先にゴールを奪うことには大きな意味が。「自分たちのやりたいことを積極的にチャレンジして、粘り強い試合ができた」とキャプテンの宮沢。多くの専門家や識者から圧倒的な降格候補の烙印を押された彼らの、まさに痛快とも言うべきリベンジがいよいよ現実味を帯びてきました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第44節 湘南×徳島@平塚

  • 2009年10月08日 00:48
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

台風接近。比喩ではなく現実として。愛媛でのゲームが中止になるなど西日本は暴風域に入りました。台風接近。現実ではなく比喩として。最近5試合で14ゴールと好調を維持する徳島が平塚上陸。勢力拡大か、はたまた勢力縮小かの解答は90分後。どちらにせよ4位湘南にとっては「負けられない試合ばかり。1つも落とせない」(湘南・中村祐也)状況での第44節です。いきなり2分で動いたゲーム。ジャーンからのクサビを田原豊がうまく収めて中村へ。ゴールまで30m弱。「風がなかったらあんなシュート入らない」と本人は言うものの、風上であることを差し引いても文句なしの軌道が左スミへ一直線。湘南がいきなりアドバンテージを手にします。直後の6分、坂本絋司のスルーパスから菊池大介がシュート。12分、坂本のFKは人垣をスルリと通過し、GK上野秀章が何とかセーブ。いきなりチャンスの連続。「湘南はボール際で全員集中していて、ルーズボールへの反応も非常によかった」と徳島・美濃部直彦監督も認めた通り、まずはボールへという意識が高いように見えたホームチームが圧倒的に押し込みます。特に中盤の3枚、田村雄三、寺川能人、坂本は「風の影響上、中盤で攻撃のポイントを作るのが難しい」(湘南・反町康治監督)中でも積極的なボールアプローチで主導権を奪取。「マッチアップする中盤の3人が負けると両サイドを取られてしまう」と美濃部監督も振り返ったように、同じ4-3-3を敷き、サイドを生かしたい思惑を持つ両チームでしたが、基本は「ロングボールを入れてこぼれを拾う形」(反町監督)の徳島は、3トップ頂点の羽地登志晃にまったくボールが入らず、前半の決定機はゼロ。最初の45分間は湘南が完全に支配する展開となりました。後半に入ると、先に攻勢へ出たのは徳島。48分、50分と「ここまで12点を取っている」(反町監督)と具体的な数字で湘南が警戒していたCKを獲得。53分にはぺ・スンジンのアーリークロスをファーで羽地が折り返すと、ボールはゴール前を通過してわずかに枠外へ。55分には徳重隆明の右クロスを羽地がヘッド。GKの正面を突いて同点とは行きませんが、チャンスの薫りは漂い始めます。その状況を受けて59分、反町監督が切った1枚目のカードは鈴木修人。先制ゴールの中村を下げて、中盤に投入。3トップ左には坂本を上げて、安定を図ります。すると守備バランスが再び整理され、徳島はトーンダウン。前線でも「前所属の京都のヤツらがビックリするくらい90分間走り切れている」と指揮官が独特の表現で称賛した田原が、ボールを追い、収め、まさに獅子奮迅の働き。さらに73分、坂本と阿部吉朗を入れ替え、前からのプレスを徹底します。結果、終盤は六車拓也の退場で10人になりながらも、4-2-1-2で守備時も前の3枚を残して「最後は力ずくで来た」(反町監督)徳島にチャンスを与えず零封。今季11度目のウノセロは、ようやく復調を感じさせるような意義深い勝ち点3奪取となったのではないでしょうか。好調だった徳島は注目のシャドー的なFW徳重と柿谷曜一郎がボールへ関与できずに埋没。羽地も含めて前での基点がまったく作れなかったことが、攻守両面に響いた印象です。「メンタルが少し足りなかった」と美濃部監督。ただ、3年連続最下位だった姿はすっかり過去のものへ。Aクラスとされる6位以内の可能性もまだ十分。魅力的なチームを美濃部監督は造り上げました。さて、勝った湘南は後半の立ち上がり15分前後を除けば、ほとんどの時間帯でゲームをコントロール下に。「後半の1本以外は徳島のストロングをしっかり抑えることができた」とは監督の弁。不可解な判定の警告による累積で再び田村を2試合欠きますが、鈴木の活躍は好材料。「明治は天皇杯に強いのでPKで勝ちたいと思う」と反町監督がとぼけてみせた10日のゲームを挟んで、残る決戦は7試合。J2、佳境です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第43節 東京V×甲府@国立

  • 2009年10月04日 23:29
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

昨日のゲームで岡山を下した湘南が勝ち点81。試合前の時点で勝ち点79と暫定4位になった甲府にとって、昇格圏内キープのためには勝利が必要。今日の相手は、タレントで考えればJ2屈指の東京V。鳥栖×岐阜と並ぶ今節最注目カードは聖地・国立です。「大黒君がいたらスペースを消しておきたいので4枚でやろうと」と考えていた安間貴義監督。大黒将志はベンチ外で、甲府のスタートシステムは3-1-4-2になります。スコアが動いたのは開始早々の6分、右サイド杉山新のクロスに顔を出したのは中盤4枚のアウトサイドではなく、ツーセンターの一角に入った大西容平。「多少コースが弱くてもしっかり当てて」とうまくミートしたファインゴール。「サイドを基点にした描いた通りのゴール」(安間監督)と配置の起用もズバリ。甲府が早くもリードを奪います。しかし、この早過ぎる1点が試合を硬直させる格好に。「10分、20分位から足も止まってプレスも掛けられない」(大西)甲府。安間監督も「前に出る力が足りなくて迫力に欠けた」と前半を総括。いい意味でも悪い意味でも慎重なプレーに終始します。ただ、東京Vも前半のシュート6本は、ミドルとCKから。「ペナルティエリアまで運ぶことはできるが、最後の所は非常に苦しんだ」と高木琢也監督。先制点以降は、ほとんど見せ場のない、静かな展開で前半を折り返しました。迎えた後半も、双方にイージーなミスが目立つ粗いゲームが続きます。59分、安間監督は2トップに入っていた美尾敦を下げて、吉田豊を投入。マラニョンを頂点にして、その下に右から大西、藤田健、石原克哉を並べる3-3-3-1にシフト。これによって「だいぶ修正できた」(大西)守備面は安定。「スタートポジションを取るのが速くなって切り替えも速くなった」と安間監督も評価。しっかりブロックを形成して、攻撃はカウンターかロングボールと、割り切った戦い方をより推し進めます。それに対し、ハッキリ言ってまったくチャンスを創れない東京Vは、61分に富所悠、68分に船越優蔵をアタッカーとして投入しますが、人を変えても流れは変わらず。「危ない場面は全然なかった」(大西)「付け入る隙は与えなかったんじゃないか」(安間監督)とのコメントもやむなし。右SB富澤清太郎のシュート2本が後半のチーム総シュート数では、厳しいものがあります。とはいえ、甲府も何回か掴んだチャンスを決め切れず、ネットが揺れたのは先制点の1回のみ。0-1、端的に言えば甲府が必要最小限の結果をアウェイから持ち帰った、というような90分間だったのではないでしょうか。甲府は再び3位奪還。これで長かったJ2も残された試合数は8にまで減ってきました。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第28節 川崎×横浜FM@等々力

     
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

ACL敗退から中3日。公式戦3連敗という「これ以上ないくらい状況が悪い」(川崎・中村憲剛)川崎と対峙するのは、ナビスコ準決勝でその川崎の後塵を拝した横浜FM。今季4度目の対戦となる、J1唯一の神奈川ダービーは13時3分、19951人もの観衆を集めた等々力でキックオフされました。ゲームは開始5分にいきなり決定機。狩野の縦パスに川崎DFは誰一人反応できず、坂田がまったくのフリーで抜け出します。ここはGK川島の位置取りが素晴らしく、坂田は何とかかわして右へ持ち出すも角度がなくなり、シュートはサイドネットへ外れましたが、これが横浜攻勢の狼煙。15分過ぎくらいまではお互いプレスも緩く、前へ前への速い展開が続いたものの、徐々に「相手の両サイドが高い位置に出てくるので、その裏側を突ければ」(横浜FM・木村浩吉監督)と、2トップ+2枚の中盤がサイド深くに侵入するシーンが頻繁に。特に坂田はうまくボールを引き出し、いい形に絡んでいきます。それに付随する形で、田中と小宮山の両SBも上がる機会が増え、サイドは横浜が主導権を確保。川崎の関塚隆監督も「ボランチと中盤ワイドの間をうまく突かれて、修正に時間がかかった」と認めています。ただ、攻められながらも「最後の所はしっかりやれていたので焦りはなかった」と谷口。確かに5分以降、決定的なピンチは皆無。逆に29分にはその谷口がポスト直撃のシュートを放つなど、一発の怖さをチラつかせます。39分には横浜が反撃。田中が突如として開始したドリブルで3人を置き去り、ラストパスを送りますが、渡邉のシュートは川島がファインセーブ。攻勢は横浜ながら、スコアは動かず。0-0でハーフタイムに入りました。後半はいきなり決定機3連発。47分、坂田の粘りで奪ったボール、田中の折り返しを狩野が1人かわして狙うもバーの上へ。48分、チョン・テセの落としをレナチーニョが叩くと、ボールはポストに一瞬で2度嫌われる不運。50分、クイックスタートからジュニーニョがGKと1対1を迎えるも、シュートはゴール右へ。どちらも先制点を奪えません。ここからは26.3度の気温もあってか、「間延びしている中の攻め合い」(木村監督)が続きますが、お互いにフィニッシュ前のプレー精度が低く、雑な印象。どちらがゴールを挙げてもおかしくないような、でも、どちらもゴールが遠いような、そんな雰囲気でゲームが経過していきます。この重苦しい展開を打破したのは、最近3試合おきにゴールを記録していた谷口。74分、CKからの流れでボールカットした森が左サイドから右足のクロス。「速いボールだったので当てるだけだな」(谷口)と頭で変えた軌道はゴール右スミに。横浜からすると「投入しようとしていた交替選手に指示を与えている間に取られた」(木村監督)悔しい失点。中村も「いい所で決めてくれた」と振り返る谷口のリーグ2戦連発弾で、ようやく川崎がリードを奪いました。木村監督も失点直後に長谷川、坂田から兵藤、山瀬へと2枚替え。さらに松田に替えて齋藤学を送り込み、河合のワンボランチで同点、逆転を狙いに行きます。しかし次のスコアも川崎。83分、伊藤の素晴らしいインターセプトから中村がジュニーニョへ。ジュニーニョが溜めてラストパスを送った先はレナチーニョ。冷静な一振りがネットを揺らして2-0、勝負あり。試合終了の瞬間、「戦術とかそういうことじゃなくて意地、気力で勝とうとした」中村と森はピッチ上、大の字に倒れて動けず。関塚監督も「川崎魂。一丸となって、気持ちが勝利に向いた」と言及。まさに気力、気持ちを全面に押し出した川崎が苦しい一戦を制して、連敗ストップに成功しました。横浜は「決定力の差が出てしまったかなあ」と木村監督。たらればですが、前半に迎えた決定機のどちらかでも入っていたら、大差で押し切っていた可能性も十分。流動的な前線や、時には最終ラインにまで帰るボランチ松田などに川崎も苦慮していただけに、悔しい敗戦となりました。川崎は、決して好パフォーマンスとは言い難いゲームでしたが、それゆえに価値ある勝ち点3奪取。「今日の気持ちを持って一戦一戦大事に戦っていきたい」と関塚監督。残された3タイトル奪取への挑戦が、今日からまた始まりました。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第28節 柏×磐田@日立台

  • 2009年10月03日 23:56
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

J1復帰から3シーズン目にして最も厳しいシーズンを戦っている16位の柏。ここ7試合は負けなしという響きこそよく聞こえるものの、実際その間に積み重ねられた勝ち点は11。なかなか降格圏を脱出できません。こんな状況下でもスタイルを貫き通すサポーターに報いるためにも、是が非でも勝ち点3が欲しい所。キックオフ直前に突如として現れた“太陽”は好転の兆しか。12位磐田を迎えたゲームは日立台です。「両チーム拮抗したバランス」(柏・ネルシーニョ監督)の立ち上がり、球際での優勢は柏。前節ベンチも外れたフランサが献身的なプレスを敢行。チームも呼応して、気持ちの入ったプレーを見せます。しかし先制はあっさりと。13分、駒野のシンプルなフィードを右サイドに流れたイ・グノがゴールラインギリギリでクロス。中央の人垣を抜けたボールは大外フリーの前田へ。得点ランクトップのストライカーが、格好の獲物を逃すはずもなく、確実に右スミへフィニッシュ。磐田が早くも先制しました。ここからはアドバンテージを得たアウェイチームが圧倒。「ラインが引いてしまって、好きにされてチャンスを創られた」とはネルシーニョ監督ですが、その要因は前田、イ・グノの日韓代表2トップ。「前半からだいぶ縦パスが入っていた」(磐田・成岡翔)のは、この2人がほぼノーミスでポストプレーをこなしていたから。距離感も抜群で、31分にはイ・グノが前田との完璧なワンツーから抜け出してシュート。菅野のファインセーブに阻まれましたが、2人だけでも好機を創出できることを証明。この2トップへ入れるボールを起動装置に、シンプルなアタックを展開。攻勢の時間が長くなっていきます。対する柏は1トップのフランサと、1トップ下ポポの連携がスムーズに行かず苦慮。頼みの両ワイド、大津と菅沼も「1回目の対戦の方がもっとイヤらしい動きをされた。撹乱されるような動きが少なかった」と敵将の柳下正明監督が指摘した通りのパフォーマンス。苦しい展開が続きます。それでも41分には劣勢のホームチームに同点弾。ポポのCKをニアで近藤が繋ぐと、ファーにはフランサ。絶対神、意地の一蹴り。弾ける日立台。1-1、勝負は後半へ。ハーフタイムを挟むと、ゲームはより一層拮抗。お互いいくつかのチャンスは掴みますが、スコアは変わりません。先に動いたのは磐田。72分、2トップ以外ではほぼ唯一攻撃の自由を与えられていた西に替えて成岡。「縦に速く、カウンターばかりになりそうな雰囲気だったので落ち着かせようと」とは柳下監督です。柏は75分、精彩を欠いた大津を下げて田中。「大津は後半調子を落としてしまった。田中は左利きなので左からの攻撃を活性化させようと」とはネルシーニョ監督。お互い打った勝負の一手に、結果が奏功したのは前者。82分、イ・グノの落としから村井が左クロスを上げると、前田は「いいタイミングで来てくれた」と成岡に頭でラストパス。「ペナルティエリアの周辺に顔を出す、彼の一番いい特徴が出た」と柳下監督も称賛した10番のファインゴール。1-2、あまりに大きい終盤の1点。追い込まれた柏は、北嶋投入も有効な手立てにはなり得ず、追加タイムの4分でもシュートすら遠く。勝者は磐田。柏の7戦負けなしは、3戦勝ちなしへと姿を変える結果となりました。勝ち点38、残留へ向けて大きな上積みを得た磐田は、やはり2トップでしょう。ともすれば攻撃は彼ら頼みとも言えますが、裏を返せば彼らで何とかできてしまうということ。「自分たちのペースで試合が運べた」と柳下監督。個の脅威を存分に生かした勝利だったのではないでしょうか。負けた柏は、やや交替策で後手に回った感も。田中投入以降、「よく動けていてまとまっていたので、交替選手を入れる判断はなかった」とはネルシーニョ監督ですが、その時の経過は同点。結果論とはいえ、北嶋投入はリードを許した残り5分。現状の勝ち点と順位を考えれば、勝ちに行く姿勢を感じる采配があってもよかった気はします。果たして“太陽”は昇るか沈むか。残るはいよいよ6試合です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第42節 草津×水戸@正田スタ

  • 2009年09月27日 23:53
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

北関東の覇権を争うダービーマッチも、とうとう最終の3巡目。とは言え、既にダービー勝ち点2の草津に優勝はなく、勝ち点10の水戸は引き分け以上で優勝決定。J2自体の順位でも12位と6位と差を付けられているだけに、草津が意地を見せられるかが焦点となる一戦です。ゲームは立ち上がりから高崎寛之へのロングボールを徹底する水戸と、中盤でショートパスを多用しての崩しを狙う草津と、お互いの色は鮮明に。そんな中、少しずつ見えてきたのは草津ドイスボランチの構成力とセカンドへの反応も含むボールアプローチの速さ。「球際では絶対負けないように入った」という松下裕樹と「守備からしっかり入れている」という櫻田和樹が、まず守備面で奮迅。攻撃面でも水戸の木山隆之監督が「オフェンシブなプレーは草津のボランチの方が上」と語ったように、「松下とのパス交換も多くて幅を使えた」と櫻田も振り返るほど、2人を始点に左右両サイドから積極的な仕掛けが見られるようになっていきます。対する水戸は「プレーも淡泊で連動性も少ない」(木山監督)状態のままに時間が経過。時折、遠藤敬佑と菊岡拓朗の両SHが個のアイデアを垣間見せますが、フィニッシュまでは遠く。決定的なシーンこそほとんど訪れなかったとはいえ、ゲームの大半を支配した草津攻勢で45分間は終了しました。するとやはり先制はホームチーム。54分、中盤でボールを奪うとエリアまで侵入して松下がシュート。DFに当たったボールは小林竜樹の前へ。1度目のシュートは「GKに弾かれてヤベーと思った」(小林)ものの、リバウンドはしっかりとプッシュ。流れそのままにホームチームがリードを奪います。さらに60分にも正田醤油は再沸騰。スタメンに入ったルーキー佐藤穣のスルーパスに反応して、左サイドを抜け出したのは「ああいう裏に入っていくのが自分の課題」と認識していた櫻田。中への折り返しに廣山望がシュートを放つとDFがブロック。こぼれた所にはまたも34番が。「湘南で出場機会がなくて悔しい気持ちはあった」(小林)男が、「サッカー人生で初めて」(同)の3戦連発弾。佐野達監督も「巡ってきたチャンスで結果を出すのがプロ」と称賛した162センチのFWが2ゴールを叩き込み、草津が断然優位に立ちます。さらに今日の草津で忘れてはいけないのが、「今日の昼のミーティングでスタメンを聞いて」この試合がJリーグデビュー戦となったCBの有薗真吾。今シーズン途中でU-23から昇格。ついこの間まで「温泉施設で働いていた」(有薗)23歳は、J2屈指のFW高崎相手にも互角以上のパフォーマンス。176センチと上背はないものの、指揮官が「危険察知能力が非常に高い」と評価した部分を、適切なカバーリングで証明。立ち上がりにバタつきかけた草津DF陣に落ち着きをもたらせたのは、彼だったと思います。焦る水戸は74分に中村英之がラインの裏に抜け出した後藤涼を引き倒し、残り15分あまりは数的不利まで享受。86分に草津のCB藤井大輔も2枚目のイエローカードで退場しますが、大勢に影響なく「自分たちの勢いとか流れを創り出せない」(木山監督)ままに90分+5分を消費。ようやくシーズンも終盤に差し掛かり、「自分たちがやらなきゃいけないことがハッキリわかってきた」(櫻田)草津が、実に第3節以来のホーム連勝、そしてリーグ3連勝を飾り、水戸の北関東ダービー制覇にも待ったをかける結果を手にしました。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第27節 千葉×山形@フクアリ

  • 2009年09月26日 23:57
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

17位の千葉にとって、ゴール裏の横断幕に掲げられた“一部死守”を果たすために最低でも勝ち点で上回らなければいけない対象が15位の山形。両者の勝ち点差4が、1に詰まるか、7に拡がるか。共に「どうしても勝たなくてはいけない試合」(千葉・江尻篤彦監督)はフクアリです。序盤はお互いに主導権の探り合い。双方ペースを掴む所まではいかない中で、ボールによく触ったのは千葉の1トップ下に入ったミシェウ。山形の小林伸二監督も「ミシェウの受け渡しができれば、もう少しラインを上げられた」と言及したように、中央にこだわらず幅広い動きでボールを呼び込み、いくつかのチャンスを演出します。ただ、チーム全体として細かいミスがあまりにも多かった事と、1トップに入った巻も全くと言っていい程基点になれなかった事で、決定的なシーンまでは創れません。一方、山形で目を引いたのは左SHの宮沢。「あまりエネルギーを考えずにガンガン行く」という決意をプレーに反映。左サイドを制圧し、7分、17分と惜しいクロスを供給します。すると、そのキャプテンが大仕事。26分、やや中に絞ってボールを受けた宮沢は「トレーニングの結果。長谷川のプルアウェイが見えたのでコースさえうまく行けば」というピンポイントのスルーパス。受けた長谷川も流れるような動きから豪快にフィニッシュ。貴重な先制点は山形が奪いました。ビハインドを負う形になった千葉は、失点以降こそ前に行こうとする意識は感じさせるものの、「シンプルにボールと人を動かすことができていない」(江尻監督)状況で、エリアに近付いても思い切ったシュートチャレンジに乏しく、手詰まりに。44分に訪れたチャンスもミシェウのオーバーヘッドはバーの上へ。前半は内容に見合った格好で山形がリードして折り返しました。後半に入っても基本構図は変わらず。ほとんどフィフティフィフティながら、「積極的に行かなければいけない展開」(江尻監督)で攻め急ぐ千葉に、ある程度余裕を持って対処する山形。なかなか均衡は揺らぎません。江尻監督決断。64分、谷澤を下げてネット・バイアーノを投入。68分、坂本に替えて和田を送り込み、3-4-3へのシフトで勝負を懸けます。すると、やはり高さと強さを発揮するネット・バイアーノの存在と前線に人数を掛けてきた圧力で「ネットが出てきて、受けて引いてしまった」と小林監督。71分、深井のCKをネット・バイアーノが折り返し、巻が頭で繋ぐと飛び込んだのはミシェウ。1-1、スコアは振り出しに戻りました。しかし、ここで際立ったのは山形の底力。「中盤をなくして前に掛かって打ち合いになるとどうなるかわからないので、1回サイドに拡げて厚みのある攻撃をしようと」(小林監督)いう指揮官のプランを2分後に実践。73分、右サイドでボールを受けた秋葉が綺麗なスルーパス、宮崎は切り込んで冷静に折り返し、古橋のシュートはGKに阻まれますが、「来た〜!と思って積極的にボールへ向かった」北村がプッシュ。「サイドに拡がってスルーパスという形が取れた」(小林監督)狙い通りの成果。再び山形が勝ち越しました。さらに冴える小林采配。77分、「千葉が変則的な3トップになったので、DFラインは崩さずに攻撃のセンスとクロスに期待して」(小林監督)石川を左SHとして投入。ピッチに入るや否や、凄まじい精度のアーリークロスで長谷川の決定機を生み出した石川は、82分にも宮崎へピタリの絶妙な折り返し。前掛かる相手をボールキープとクロス精度で牽制する役割を十二分にこなします。追い込まれた千葉は86分に新居を入れて、FWタイプを4枚並べる力技で最後の抵抗を試みましたが、復帰戦となった西河とレオナルドを中心に山形の集中は途切れず、淡々と押し寄せる波を跳ね返します。追加タイムの4分もスコアは変わることなく経過。歓喜の声が響いたのはアウェイゴール裏。山形が残留争いの大一番を見事に制しました。これで15位と7ポイントの差が付いてしまった千葉は、「勝たなくてはいけないという焦りが出てしまった」と江尻監督。終盤のパワープレー不発はやむを得ない部分もあるにせよ、あれだけ単純なミスが多くては厳しい所。チーム屈指のプレーメーカー工藤もボランチの位置で流れに埋没してしまい、最後まで狙いを感じる攻撃を繰り出せなかった印象です。勝った山形は、失点直前と失点シーン以外ではチームとしてやるべき事が非常によく整理されていました。「ゲームには自分たちの積み重ねたモノが出る」と宮沢。積み重ねたモノが残留という目標に届く位置まで来ているのか来ていないのか。J1も残るはあと7試合です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第41節 甲府×仙台@小瀬

  • 2009年09月24日 01:29
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

4位甲府、75ポイント。2位仙台、79ポイント。日曜に続く、2009年のJ2を彩り続けたメインキャスト直接対決も今日が3巡目。3月25日、第4節@宮城は森田浩史の1発で甲府が勝利。7月26日、第30節@小瀬も90分に國吉貴博の劇的な決勝弾が飛び出し甲府に凱歌。甲府の連勝で迎えた最後の対戦は、今シーズン小瀬最多の15076人が集結。素晴らしい雰囲気の中でゲームの幕が上がりました。不動の右SB杉山新を出場停止で欠く中、甲府・安間貴義監督の選択は3-1-4-2。「Honda時代に名古屋や磐田や清水に対抗しようと使っていた。ウチの特徴を出すにはこのやり方」(安間監督)と、林をアンカーに、吉田豊と大西容平をワイドに配置し、中央に藤田健と石原克哉。かなり開いた2トップがマラニョンとキム・シンヨンという「初めてのフォーメーション」(秋本)でスタートすることになります。「まず守備を堅くして隙を突く」(手倉森監督)「中盤両ワイドにはまず低く行けと言った」(安間監督)と慎重さを保ちながらも、3分にはキムが、12分にはマルセロ・ソアレスが枠内に強烈なシュートを打ち込み、序盤から好ゲームを予感させます。共に主導権を探り合う中で、徐々にペースを引き寄せたのは甲府。2トップのポジショニング上、「飛び出しが求められる」と話した石原と藤田、また後方に構える林のボールタッチが多く、中盤を支配。少しずつサイドも使えるようになり、攻める時間が長くなります。対する仙台は「ボールを奪ってからの攻撃に課題が出た」とCBの渡辺広大。頼みのリャン・ヨンギにボールが入らず、全体的にも細かいミスを連発。アタックのギアが上がりません。前半終了間際、石原のCKをキムが合わせたヘディングはわずかにバーの上へ。ボールの散らし所とサイドがうまくマッチした甲府のリズムで45分は終了しました。後半もまずは大西が見せ場を創出。開始早々の46分、左からの約25mFKを左スミへ絶妙にコントロール。仙台GK林卓人が片手で何とか弾き出したものの、ホームゴール裏を沸かせます。しかし、そこからは「甲府のパワーもそこまで長くは続かないだろう」(手倉森監督)と見ていた仙台がようやく反撃。リャンのボールタッチが増え、59分には切り札・中原貴之登場。展開はほとんど互角になっていきます。61分、石原のミドルは林がファインセーブ。64分、マルセロ・ソアレスのクロスに反応した中原のシュートはクロスバー直撃。65分、リャンの約30mFKはわずかにバーの上。続くスリリングに高まる期待。すると、沈黙を破ったのはアウェイ仙台。76分、甲府のFKからカウンター、リャンのパスを受けたマルセロ・ソアレスはあまりに巧みなループ。時間は止まり、そして揺れるネット。「蹴る前に決めていた」というゴラッソ。歓喜は黄色。先制点は仙台が奪いました。それでも、すぐに訪れたのは青の咆哮。80分、左サイドからクロスを上げたのは石原。「FWだったらそこは入って行くだろうと、意志を込めた強いボール」を中へ送ると、意志を感じ取った藤田はスルーし、走り込んだのはキム。「相手のトラップを狙って寄せが遅れた」(渡辺)マーカーに対して、「ボールが来たらノンストップ」と決めていた18番の豪快なダイレクトボレーは左スミに。両者譲りません。そして迎えた最後のチャンスは88分、仙台に。甲府のミスから関口訓充が完全にフリーで抜け出し、エリアに侵入。シュート直前、ダニエル渾身のタックルはボールに到達。小瀬に来ていた中山淳さんも絶賛した大ファインプレー。1-1、まさに「意地と意地のぶつかり合いの引き分け」(手倉森監督)。両サポーターが共に選手を拍手で迎えた好バウトは、お互いに勝ち点1を積み重ねる結果となりました。仙台からすれば「最低限勝ち点を詰められなかったのはよかった」(手倉森監督)というのが本音でしょうか。「アウェイで手堅くやるのはコンセプト」とは渡辺。1点こそ奪われましたが、やはりリーグ最小失点を誇る守備ブロックは強固。ここに来てのマルセロ・ソアレス再覚醒も好材料。4強の中でも安定感は一番かもしれませんね。甲府は「先行されていつもは下を向く所を、前を向いてトライしてくれた」と安間監督。厳しい時間帯の失点にも諦めない姿勢を見せ、実らせました。「1戦1戦勝っていくしかない」(秋本)「プレッシャーを掛けていかなくてはいけない」(石原)と明確な意志も。指揮官の「イチかバチかではなく自分がずっとやってきた」というシステムへの適応が図れたことも小さくない収穫でしょう。とうとうJ2も残されたのはわずかに10試合のみです。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第40節 C大阪×湘南@長居

  • 2009年09月20日 23:37
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

1位C大阪、78ポイント。3位湘南、75ポイント。2009年のJ2を振り返った時に、必ずや主役として語り継がれるであろう2チームの直接対決も今日でラストの3巡目。5月2日、第12節@平塚は湘南が中村祐也の1点を守り切って辛勝。7月12日、第27節@長居は激しい打ち合いの末に3対4で湘南の逆転勝利。ここまでは湘南の2戦2勝。最終決戦は長居スタジアムに18874人の観客を集めてキックオフを迎えました。序盤から仕掛けたのはホームチーム。4-3-2-1が基本布陣になりつつある中で、「マルチネス離脱で逆に中盤での守備意識が強くなった」と敵将の反町康治監督も認めるトレスボランチの後ろ盾を受けて、酒本憲幸、石神直哉の両SBがかなり高い位置をキープ。両サイドもうまく使って、20分過ぎまでは一方的に攻め続けます。対する湘南は「前半はこっちの方が腰が引けてて、中学生とプロチームのよう」と反町監督。寺川能人も「前に運べないし、凡ミスが多くてリズムが掴めなかった」と振り返ったように、とにかくボールを収める所がほとんど見つからず、押し込まれて、ボールを奪ってもクリアするのが精一杯という時間が続きます。ただ、「全体的に押されるのは承知の上」(反町監督)。実際に20分過ぎからは、相手の攻撃に晒されながらも守備のリズムはある程度構築されていた印象で、危険なシーンは30分に船山祐二がミドルを枠に飛ばし、そのCKをニアでカイオが合わせた一連と、37分に石神のクロスを酒本がフリーで外した、この3回くらい。「カウンターには人数が揃っていればそんなにやられないし、我慢強くやれればと思っていた」と坂本紘司。シュート数は8対0、見ている印象はおそらくそれ以上のワンサイドだったはずですが、実際のスコアは0対0。ある意味、実に“サッカー”らしい、展開とスコアの因果関係で前半は終了しました。ハーフタイムを挟むと、湘南も47分に中村がチーム初シュート。51分にも阿部吉朗が相手と競り合いながらミドル。「後半からスイッチが入ることも多い」と坂本がいうようなアグレッシブさがようやく出てきます。しかしゲームの流れを決定付けたジャッジは56分。湘南のアンカー田村雄三に、この日2枚目のイエローカードを岡田正義主審が提示。再びC大阪に天秤の針は大きく揺れ動くことになりました。そして61分、酒本から横パスを受けた船山は「打とうと思ったが真司が空いたんで」パスを選択、その空いた香川真司がダイレクトで返すと、「ファーが凄い空いてた」と冷静に左スミへ。移籍後5試合目での初ゴールは貴重な先制弾になりました。さらに、3回の決定機を得て迎えた69分、船山のCKをファーで乾が繋いでカイオがヘディング、野澤洋輔も素晴らしい反応で弾き出しましたが、トレスボランチの中央で存在感を発揮していた藤本康太がプッシュ。こちらも今シーズン初ゴール。2対0、状況を考えてもあまりに大き過ぎる差が付きました。湘南のプライドも88分に。左サイドの間接FK、寺川のボールをジャーンが頭で一刺し。長居の一角で声を枯らしたサポーターをもう1度叫ばせます。それでも、意地の反撃はここまで。「同じチームに3回負けることは許されない」(香川)という首位の矜持。C大阪が大一番を制しました。湘南はやはり大きかった田村退場。相手も焦れ始め、攻撃のリズムもできかけていた矢先のアクシデント。正直、厳しい判定だった気もしますが、結果的に「難しい展開になったのは間違いない」(反町監督)「あの時点でウチの勝ちは見えた」(香川)と、勝敗を左右するキーファクターになってしまいました。大きな勝ち点3を手に入れたC大阪は「球際の気持ちで勝った試合」(C大阪・羽田憲司)「選手たちの本当に気持ちのこもったパフォーマンスに感謝したい」(クルピ監督)と、奇しくもキャプテンと指揮官が声を揃えたように、気持ち、気迫でも湘南を上回っていたように見えました。勝利に貢献した船山は「最終目標はここじゃない」とキッパリ。4位との差も6に拡大。4年ぶりのJ1へ。残るは11試合です。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第26節 川崎×浦和@等々力

  • 2009年09月19日 23:55
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

中断という形で水をさされたとはいえ、王者鹿島を凌駕する力を日本中に見せ付けた川崎。一方、前節山形に快勝してようやく泥沼の連敗地獄を脱出した浦和。常に好勝負となる両チームの対戦は等々力です。川崎を「Jリーグで最も優れた最も強力なチーム」としきりに評したのはフォルカー・フィンケ監督。そんな相手に対して浦和が選択したのは、まず守備ありきの布陣。CBの前には阿部がしっかりと鎮座し、バイタルの門番に。SBも攻撃参加は抑えめで、片方のサイドが上がれば片方のサイドは必ずステイ。数字で表すならば4-2-3-1というよりは、4-1-4-1に近い形で、鈴木も前に食い付いていくケースが多いという、かなり川崎を意識した戦い方を採ってきました。そして、それをモロに受けてしまう格好になったホームチーム。「もう1つボールを奪ってから押し上げが遅かった」と関塚隆監督も振り返ったように、枚数をかけて埋められた敵陣へと切り込む手段に乏しく、得意のショートカウンターも「スピードに乗る前に止められた」(川崎・川島永嗣)場面が多くチャンスには至らず。うまく阿部を引き剥がすことができません。3人の外国籍アタッカーが放った4本のシュートはすべて枠内も山岸がストップ。4-3-3から4-4-2へのシフトなど、いくつかの施策も試みるものの「高い集中力を保っていた」(フィンケ監督)浦和の堅陣を破れないままに45分を消費。ストレスの溜まる前半になりました。守備に重点を置いた浦和も、サイドでの攻防に関しては決して後手に回っていた訳ではありません。特に右サイドに入った今シーズン初スタメンの梅崎は、「自分らしいプレーがある程度できた」と自ら手応えを感じる切れ味を披露。30分にはカウンターから川島にファインセーブを強いるようなシュートも。浦和にとっては限りなくプラン通りに近い前半だったのではないでしょうか。後半に入って、先に動いたのは関塚監督。52分になかなか高い技術の生かし所を見出だせなかった養父に替えて田坂を投入。すると56分、田坂のパスからSBの村上がエリア内へ侵入。シュートは闘利王に体でブロックされましたが、早くも連携からチャンス創出。このあたりからやや圧力がジワジワ効き出したのか、ようやく川崎に連動性が出てきます。が、こういう展開でセオリーとしてよく挙げられる得点パターンはミス絡みかセットプレー。今日は後者。67分、ポンテの柔らかいFKはエリア内の人垣をスルリと掻い潜ると、右ポスト内側を叩いてゴールの中へ。比較的フリーで持つシーンが多い中でも、決定的な仕事をできずにいた10番の執念か。先制点は浦和に記録されました。川崎としては、CBの薗田が両足をつって交替を用意していたタイミングでの悪夢。薗田自身も「自分のポジションで交替選手を使うのは非常にもったいない」と語るなど、悔しい失点になりました。77分、原口に替えて堀之内を送り込み、トレスボランチで一層守備を固めた浦和。3分後、追加点を掴みます。カウンターから鈴木が右へ。山田暢のクロスをエジミウソンが丁寧に落とすと、走り込んだのは再び鈴木。思い切り蹴られたボールは一目散にネットへ。「相手の攻撃を考えれば1本のミスも許されない状況」で耐え続けたキャプテンの今シーズン初ゴール。指揮官も「多くの選手が絡んだゴールという所に価値がある。このようなシーンをもっともっと見たい」と称賛した貴重な2点目。その後の10+4分も潰し切った浦和が、11試合ぶりの完封という勲章を胸に勝ち点3を奪い取りました。鹿島敗戦の報を受けてゲームに臨んだ川崎はまさに「ウチもお付き合いしてしまった」(関塚監督)結果に。「一進一退の我慢比べ」(同)に屈し、勝ち点は詰められず。バイタルを潰された時のバリエーションという課題が残りました。勝った浦和は一言で強かったですよ。守備の安定感は抜群。前述の梅崎が推進力になったサイドアタックにも冴えがあり、ほぼパーフェクトなゲームでした。田中達也、山田直輝も帰還と戦力も充実。厄介なチーム復活の予感です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第25節 千葉×新潟@フクアリ

  • 2009年09月12日 21:22
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

偶然の一致か、共に8試合白星から見放されている中で迎えた千葉と新潟の一戦。「1つキッカケが掴めれば」(千葉・江尻篤彦監督)というのがおそらく両チームの偽らざる想い。浮上を懸けてのゲームはフクアリから。新潟はやはり予想された4-4-2でのスタート。ペドロ・ジュニオール移籍を受けて、鈴木淳監督は矢野と大島の2トップ、千葉和彦と本間がドイスボランチを組み、右にマルシオ・リシャルデス、左に松下という布陣を選択します。対する千葉も4-4-2を敷く中、指揮官が考えた「サイドからバイタルを使える組み合わせ」の2トップはネット・バイアーノと谷澤。巻はベンチスタートとなりました。さて、ゲームは「お互いに奪って攻めてミスしてと落ち着きのない試合」(鈴木監督)「肝心な所でミス絡みでリズムが掴めない」(江尻監督)と両監督が口を揃えた通りの低調な立ち上がり。ボールカットからドリブルで持ち上がった選手が、出す所を見つけられずにもたついて、再びロストというシーンが散見。共にまったくと言っていい程に攻撃の基点ができず、エリア内でのシュートまで持ち込めません。これに関して理由を聞かれた鈴木監督は「下手だってことですね(笑)千葉の速いプレッシャーに対して、繋ぐ技術がない」と非常にストレートなコメント。江尻監督も同様の質問に「正直クオリティ」とバッサリ。そんな緩い展開が続くと、数少ないゴールの可能性はやはりセットプレー。20分、新潟のFK、キッカーは松下。ゴールに向かう柔らかいキックを「ボールしか見てなかった」矢野がうまく頭ですらしてネットへ。アウェイチームが先手を取りました。直後の24分に相手のミスを突いて深井が惜しいチャンスを創った千葉は、30分以降攻め込む時間が長くなります。34分には中後のスルーパスをバイアーノが千代反田と競り合いながら、GKに抑えられたもののフィニッシュまで。44+1分には谷澤のスルーパス、新潟DFが必死に足を伸ばして止めたこぼれに米倉。しかしシュートは枠の左へ。新潟リードで45分は経過しました。後半も千葉の攻勢は継続。60分には「ロングボールではなく相手の背後を突くように」(江尻監督)要求され、今一つ精彩を欠いたバイアーノに替えてミシェウ、66分には米倉を下げて巻を投入。2点を奪いに出ました。それでも決定機は新潟に。「サイドで基点が作れなかったので、矢野とマルシオのポジションを替えた」(鈴木監督)直後の63分、後方からのフィードに大島が抜け出しGKと1対1に。大島はループを選択すると、飛び出した櫛野がセーブ。松下、千葉と立て続けのシュートはDFがブロックします。64分、松下の左クロスに千葉が飛び込むもわずかに届かず。追加点は奪えませんが反撃態勢は垣間見せます。中でも、この両シーンに絡んでいた千葉は「前線のターゲットが3枚から2枚に変わったので孤立させないように」と積極的に前へ。守備のタスクは勿論、今日は攻撃面での奮闘も光りました。攻めながら1点が重い千葉。82分、谷澤のスルーパス、なぜか中央ポッカリ空いたスペースに潜った深井は力んで弱いシュートに。90分、CKの流れから谷澤のボレーはクロスバー遥か上へ。93分、深井の右クロス、巻のヘディングはタイミングを狂わされながら北野がしっかりセーブ。9試合ぶりの凱歌に沸いたのはオレンジ。新潟が僅差で千葉を退けました。ペドロ離脱後最初のゲームでトンネルを抜けた新潟。「守備面では非常にバランス良かったが、攻撃力は鳴りを潜めた」と久々の4-4-2を評した鈴木監督は「色々オプションが増えたので良かった」とも言及。「チームとして2つの布陣を使い分けていければ」とは殊勲の矢野。布陣のオプションまで添えられたオマケ付きで久々の勝ち点3を手にしました。「ゴールに向かう形が何となく出始めている」「中断期間に取り組んだことが何シーンか出てきている」「90分間通して選手がハードワークすることは徐々に出始めてきている」とはすべて江尻監督の言葉。あくまでも会見で語った内容とはいえ、何とも悠長に聞こえてしまうのは私だけでしょうか。“出始めている”萌芽は残されたわずか9試合でどこまで伸びるか。最低でもあと5ポイントは上積みできないと待っているのは降格です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

ナビスコ準決勝2nd-Leg FC東京×清水@味スタ

  • 2009年09月07日 01:20
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

水曜の1st-Legは日本平で2-2のドロー。「引き分けでもゼロゼロ、イチイチまでいいかなと」(FC東京・茂庭照幸)いうホームチームに、「後半になると非常に難しくなる。前半から勝負を仕掛けたい」(清水・長谷川健太監督)アウェイチーム。後者の選択したプランは5月30日以来、3ヵ月ぶりの出場となる永井のスタメン起用。「スピードを生かしたい。一発に賭けた」(長谷川監督)バクチは、しかし冷静な東京がしっかりと受け止めていなす展開になりました。序盤は清水がやや攻勢に前へ。13分には枝村が積極的にシュート。ゴールへの意欲を見せ付けます。しかし、先制点は最初の決定機をモノにした東京。16分、米本からパスを受けた羽生は「速いボールを上げることだけ意識した」左クロス、ニアに飛び込んだのは平山。「いつも練習してた形」(平山)が大舞台でズバリ。1-0、すなわち3-2。それまでも意欲は感じるものの攻撃に迫力を欠く中、「ミスが多くて思うようにできなかった」(長谷川監督)清水は最低でも2点が必要な状況になりました。27分にはようやく永井が青山のフィードから抜け出し、フィニッシュまで持ち込みますが権田がキッチリセーブ。そしてこれが前半最後のシュートとなった苦況に、「なかなか我慢して使い続けるのは難しい状況」(長谷川監督)と42分に永井を諦め、藤本を投入。瓦解したゲームプラン。45分間でシュート2本。スコアで、そして精神面で優位に立った東京のリードでハーフタイムに入りました。昨年国立に置いてきた忘れ物を今年こそ、という清水は、高さという面でキーマンとなるヨンセンにボールが入りません。62分、兵働の右クロスがヨンセンへ。素晴らしい落としに飛び込んだ伊東のシュートはDFが体でブロック。「しっかりヨンセンに1枚当たって、他はセカンドをカバー」とは右SBで水曜に続いて安定したプレーを見せた20歳の椋原。クサビを潰し、入ってもセカンドボールにいち早く対処。磐石の備えは東京。付け入る隙を与えません。すると「1-0で守りに入らないように」(羽生)、やや中盤が空き始めた65分過ぎからラッシュ。65分には羽生の縦パスにカボレ。直後にも相手のミスに乗じてカボレ。69分、徳永がフリーでドリブルからミドル。同じく69分、梶山のパスを石川。追加点には至らずも、「前に出るならハッキリと迫力を持って」(羽生)攻め切る姿勢。完全にゲームをコントロール下に置いてしまいます。70分、清水は伊東を下げて191センチの長沢を投入。ヨンセンとのツインタワーで最後の勝負に。それでも相手が今一つパワープレーを徹底しきれない側面はあったにせよ、「多少余裕を持って高さにも対応できた」と茂庭。終盤は平山から佐原、石川から平松とDF登録の選手をピッチに6人立たせる「極端なやり方」(城福監督)でシャットアウト。凱歌は東京に。実に初タイトル獲得時から5年ぶりにファイナリストへ名乗りを挙げました。清水はやはり「2試合通して先制点が痛かった」(長谷川監督)のは間違いない所。永井も不発、終盤のパワープレーも不徹底と、やや消化不良の感は否めません。青山の負傷交替でカードを1枚削がれるなど、運にも見放された格好。悔しいベスト4敗退となりました。「サッカー人生で何回も出られるもんじゃない」(平山)決勝へ駒を進める東京。公式戦6戦勝ちなしのデフレスパイラルは脱した印象です。「チームとしてこれからもっと上を目指す意味でも獲りたいタイトル」とは石川。11月3日、国立。初タイトルか、5年ぶりの戴冠か、キックオフは14時5分です。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (4) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第37節 湘南×栃木@平塚

  • 2009年09月03日 01:01
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

試合後の公式記録を見ると、シュート数は湘南の6に対して栃木が17。「前半取られていれば引っ繰り返されているような展開」とは湘南・反町康治監督。実に勝ち点で3倍近い差のある3位と18位の対戦は、3倍近いシュートを放った後者の健闘が目立つゲームとなりました。やや湘南が押し気味ながら、どちらも主導権までは取り切れない時間が続いた序盤を経て、先にスコアを動かしたのはホームチーム。18分、坂本紘司が中盤でもたつく相手DFからボールを奪ってリンコンへ付けると、左へ展開。阿部吉朗のクロスはDFがクリアしたものの、こぼれ球を拾ったアジエルが力強いボレー。栃木からすれば「不用意なミスからの失点」(栃木・松田浩監督)。反町監督も「点を取るまでは我々の目指しているサッカーができた」と語りました。しかし、あくまでもそれは“点を取るまでは”。ここからはアウェイチームが一方的に攻め続ける流れが生まれます。24分には向慎一のスルーパスをチェ・クンシクがフリーで受けて惜しいシュート。30分には赤井秀行がフリーの鴨志田誉にパスを通しますが、シュートまでは行けず。それでも中央バイタルを簡単に空けてしまうシーンが続いた湘南。「人数はいるのにマークがいないのは守備してない選手がいるということ」と振り返った坂本は、押し込まれる状況に「ラインが下がり過ぎてしまった」ことを指摘。反町監督もたまらず30分過ぎには田村雄三と寺川能人をセンターに置いて、4-3-3から4-4-2にシフトしたものの効果は薄く、44分には本橋卓巳のシュートが左ポストを直撃、こぼれを拾った河原和寿のシュートは野澤洋輔のファインセーブで何とか逃れますが、「入り方はよかったし、いい試合になるはずだった」(アジエル)湘南の流れは霧散。完全な栃木ペースでハーフタイムに入りました。栃木で目を引いたのは、FWに入ったチェ。アバウトなボールもある程度は収める体の強さと、諦めずに食らい付いていく姿勢は好印象。彼の奮闘が湘南のラインを下げさせた部分もあったと思います。後半も流れは変わらず、続く栃木の優勢。セットプレーからいくつかチャンスを得ますが、なかなか得点までは至らずにいると、63分には湘南に決定機。リンコンのパスからアジエルが抜け出し、GKの出鼻をループで狙うもわずかにバーの上へ。69分にもエリア内で寺川が決定機逸。突き放せません。すると、ようやく栃木の執念が結実。75分、交替出場してから10分強、ほとんど攻撃に絡めていなかった石舘靖樹のスルーパス、河原は左からカットインするとニアを射抜くファインゴール。黄色の一角を除いて静まり返る平塚。残り15分、勝敗の行方は俄然不透明になりました。湘南にとってさらなる追い打ちは85分。アンカー田村が向を倒して、2枚目のイエローカードでピッチを後に。試練は続きます。しかし、「1点を取る姿勢を見せていったが現実的には厳しい」(反町監督)状況で、ここからは昇格に懸ける意地の発露。90分、猪狩佑貴が繋いで坂本の左クロス、リンコンはバックヒールにトライもヒットせず。94分のラストプレー、坂本のCKに島村毅が合わせると軌道は枠を捉えながらも、まさに“枠”のクロスバーに。タイスコアは変わらず。勝ち点1が両チーム均等に振り分けられました。最下位とは思えない力を発揮した栃木は、右サイドを中心にボールもよく回り、内容は十分勝ち点3に値するものでした。「失点したことや2点目を取れなかったというディテールを追求していくしかないなという感じ」と松田監督。このドローは浮上のキッカケとなるでしょうか。一方、「集中力の欠如でボケてしまったような展開」とゲームを総括した反町監督。「ウチのやり方はミスが増えたらピンチも増える」と坂本。「残り少ないといっても、まだ14試合ある」(反町監督)戦いの終着点は如何に。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第36節 草津×札幌@正田スタ

  • 2009年08月30日 23:18
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「もう1回も落とせない状況」と札幌の西大伍が話せば「J1昇格するためにはもう負けられない」と藤田征也。昨年の悔しさを知る22歳の同期昇格コンビが口を揃えた“覚悟”の差がそのまま結果に現れるゲームになりました。4-1-4-1気味の布陣を敷いた札幌のキーマンはアンカーのダニルソン。圧巻のスピードとパワーをフル活用して、草津の中盤に圧力を掛け続けます。また、「ダニルソンがフリーでボールを回していたんでチャンスができた」と藤田が語ったように、攻撃にも積極的に関与。1分にキリノのクロスに自ら飛び込み惜しいシュート。11分には藤田の好機をお膳立て。リズムを作ります。するとやはりゴールは彼を経由。ダニルソンが左へ展開、受けた宮澤は「自分で行くより早くクロス上げた方がいいなと」右足で中へ。西がドンピシャヘッド。中盤中央の3枚が絡み合い、札幌に先制点。さらに27分にはピンチを脱するや否やカウンター発動。ダニルソンのフィードからキリノが抜け出し、確実にフィニッシュ。点差を広げます。それでも終わらない怒涛のラッシュ。前半の45分を1分過ぎて、またもやダニルソンがキリノへ付け、キリノは左へ。藤田がスルーして、最後は西。45分間で0-3。「前半はよかった」と石崎信弘監督も納得のパフォーマンスで、札幌が圧倒的優位に立ちました。スタンドから「ホームだぞ、ここは!」と罵声が飛びかうなど無残な姿を晒した草津は、出場停止で松下裕樹を欠いた影響大。ボランチからの展開力に乏しく、ほとんど形は作れず。さすがに後半開始からは寺田武史、廣山望に替えて、切り札・小池純輝と藤井大輔を投入。藤井をボランチに、熊林親吾を一列前に出して「点を取るための布陣」(佐野達監督)にシフトします。それでも流れ変わらず。48分、ゴール左約20mの位置からFKは藤田。「カベは意識しないでいいコースに蹴れば」と放ったキックは右スミに潜り込み、0-4。ハーフタイムに「次の点がポイントになる」と石崎監督が話した“次の点”も札幌。事実上、勝敗は決しました。71分、小池が左足で1点を返すも、75分にはCKの流れから宮澤が5点目をスコア。87分にこちらもCKから佐田聡太郎が35m近いロングをぶちかましますが、これで打ち止め。最終的には2-5。「いい感じでボールが回ったし、決める所でしっかり決められた」(西)札幌が、アウェイで厚別の雪辱を晴らした格好になりました。2失点に関しては反省材料だったものの、見事な攻撃力で5得点を奪った札幌は若い力と外国籍選手がうまく融合し始めている印象です。今日は目立った働きこそありませんでしたが、まだU-18に籍を置く古田寛幸も18歳とは思えない落ち着いたプレーを披露。これでここ5試合は4勝1分け。果たしてどこまで上昇できるでしょうか。敗れた草津は「チャンスは同じくらいあったが、決めるかどうかがこの点差に繋がった」という指揮官の言葉も虚しく聞こえます。去年の今頃は何とか昇格争いに食らい付く健闘を見せていたのもすっかり過去の話。迫り来る福岡に抜かれれば、いよいよ13位以下の下位グループに吸収されます。残された15試合をどう戦うか、クラブの“覚悟”が問われています。最後に、今日の札幌ゴールマウスに立ったのは「勘で替えた」(石崎監督)という今季初出場の高原寿康。2006年以来となる、実に1128日ぶりのピッチにも、2失点は喫したものの「試合に入ったら落ち着いてできた」とのこと。聞くとGK陣の中でも一番のムードメーカーだという高原の出場に、札幌から訪れた取材陣の方々は驚きながらも嬉しそうな様子でした。試合後、記者に囲まれる彼にはチームメイトから「珍しいヤツがインタビューされてるな」と冷やかしの声も。照れながら浮かべた充実の笑顔が非常に印象的でした。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第24節 大宮×鹿島@NACK5

  • 2009年08月29日 22:49
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

学生の皆さんにとってはきっと聞きたくないであろう「夏休み最後のJリーグ」。奇しくも選手入場時には大宮サポーター、鹿島サポーター、共にタオルマフラーをグルグル回すため、NACK5はスタジアム中がグルッグル状態。なかなか素敵な光景の中で開始されたゲームは、いきなりハプニング。1分、マルキーニョスと波戸がバッティング。マルキーニョスはなかなか立ち上がれずに2分あまり中断します。すると、再開してすぐゲームに動きが。ラファエルの右クロスがDFに当たったこぼれ球を、藤本が判断良くダイレクトで中へ。石原が潰れると、ファーにはフリーの内田。こちらもダイレクトの左足ボレーを放つとボールは右スミにグサリ。鹿島からすれば「集中力が欠けてしまったことはあった」とオリヴェイラ監督も言及したように、一瞬のエアポケットで失点。早くも4分でビハインドを背負う立ち上がりとなりました。ただ、時間が経過するごとに見えてきたのは大宮優勢の構図。まず中盤での出足で鹿島を上回り、ルーズボールをことごとく奪取。プレスもうまく機能し、張外龍監督も「中盤でしっかりコンパクトにやれて、相手の攻撃を遮断できた」と評価したパフォーマンスを披露します。そして効いていたのはラファエルの存在。2トップを組む石原も「キープしてくれるんで持ったら出せる」と語ったように、190センチの高さもさることながら、正確な技術を生かしたポストワークは大宮の基点に。12分、18分、31分とシンプルな落としでフィニッシュを演出。さらに早い段階でのリードにカウンターを狙う形が増える中でも、巧みなキープからしっかり味方が上がる時間を捻出。ようやく大宮に待望の外国籍FWが現れたのかもしれません。一方の鹿島はオリヴェイラ監督の「前半はリードされたことで焦りを感じた部分があった」という言葉の通り、序盤からビルドアップの段階で信じられないような凡ミスが頻発。頼みのロングボールもマトの壁を越えることができず手詰まりに。野沢や青木がミドルレンジから枠内に飛ばしてもゴールは奪えず。前半は狙い通りの展開に先制点まで付いてきたホームチームが内容、スコア共に上回る45分間となりました。劣勢の前半を受けて、「まずは落ち着くこと」を求めたオリヴェイラ監督は、「真ん中よりもサイドで数的優位を作って崩そう」と指示。実際に後半の鹿島は開始からSBも積極的な姿勢を見せ、48分には内田のオーバーラップで獲得したCKから野沢のキックを青木が合わせる決定機。藤本のライン上クリアでゴールは阻まれたものの、反撃を予感させます。しかし、この日は50分に自らのスリップで決定的なピンチを招くなど、小笠原が精彩を欠く出来に。確かに金澤が粘り強く対応し、2トップもプレスバックしていたとは言え、それでもミスが多く、鹿島のギアは上がりません。オリヴェイラ監督も大迫、田代の投入で3トップに移行して同点、逆転を狙いましたが、再び沸騰したのはホームのゴール裏。81分、カウンターから右サイドを抜け出した石原のクロスはラファエルへ。「シュートを打てないポジションではなかった」と判断したブラジル人FWの選択は「完全にフリーだった」土岐田へのラストパス。2-0、点差を広げると、85分には新井場の不用意なハンドが招いたFKから、橋本の左足にマトが岩政を完全に振り切ってヘディング。3-0、試合は決まります。鹿島は91分に田代の高さから野沢が意地の1点を返すのが精一杯。残留争いに喘ぐ大宮が王者相手に「素晴らしい結果」(張監督)を得ることとなりました。鹿島からは全体的に重い印象を受けました。特に攻撃面では呼吸の合わないシーンが多発。ああなると守から攻への切り替えも難しく、厚みある攻撃は仕掛けられません。「相手が狙っているプランにハマってしまった」とはオリヴェイラ監督。今後に不安の残る黒星になりました。大宮は1点こそ奪われたものの、最後までハードワークは止まず。ボールへのアプローチで優った今日は内容に見合った結果でしょう。「選手たちには自信の付いたゲーム」と張監督。暫定ながら降格圏との差を9に広げました。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第23節 川崎×山形@等々力

  • 2009年08月23日 23:54
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

鹿島との勝ち点差は8。見えかけては遠のく首位の背中に肉薄するためにも、これ以上の取りこぼしは許されない川崎。昨日16位と17位が共に引き分けたため、勝って降格圏との勝ち点差を9に広げたい山形。昨シーズンのJ1・2位とJ2・2位の対戦は等々力です。おそらくメンバーを見た段階で、目を引いたのは山形のCBに165センチの宮本が入っていたこと。普通に考えるとチョン・テセとのマッチアップが懸念されますが、高さで劣勢になるのは折り込み済み。「フィジカルではチーム一」(山形・小林伸二監督)、以前にもCBを経験している宮本は課されたタスクを問題なく遂行します。それより山形が後手を踏んだのはジュニーニョへの対応。「中盤と前線の中間に下りた所をルーズにした」(小林監督)ために、自由を謳歌させてしまいます。14分にはCKからDFラインがバラけた隙に、田坂のスルーパスからジュニーニョが抜け出しGKと1対1。清水が判断良く飛び出し、ゴールには至らなかったものの際どいシーン。「非常に意欲的に選手もゲームに入ってくれた」(川崎・関塚隆監督)川崎がペースを掴みます。すると17分、一瞬の閃きは中村から。「ジュニーニョが動き出した時にスペースが空いた。たまにはそういうのもいいかなと」FKをグラウンダーでエリア内に。反応した谷口がダイレクトで流し込み、先制は川崎。中村の機転は称賛モノですが、集中を切らした隙を突かれる「もったいなかった」(山形・小原章吾)失点を許し、「最初の20分を乗り切るのが大きなテーマ」(小林監督)だった山形のプランは崩壊します。22分には宮沢の低いパスを赤星が鋭いターンでDFを外してエリア内からシュート。ようやく決定機を創出しましたが、1分後には再び川崎に歓喜。ジュニーニョの右クロスを山岸が頭で折り返すと、詰めていた田坂がプッシュ。若干オフサイド気味でしたが判定はゴール。3カ月ぶりのスタメンに「出られなかった期間も長かったんでアピールしようと思って」と話した入団2年目・24歳の追加点で、ホームチームが圧倒的優位に立ちました。何とか反撃の姿勢を見せたい山形は、「ボランチからボールが出る所で引っ掛けられてる」と小林監督も嘆いたように、中盤で細かいミスを連発。特にサイドに付けるボールは「ブロックを作ってサイドからが山形の攻撃」と指揮官に意識付けされた川崎が狙うパスカットの餌食に。CBの小原も「もっと回せる場面があったと思う」と振り返ったように、焦ってはボールロストの繰り返し。36分には小林監督も「ボランチがイージーミスが多かったので早く替えた方がいい」と秋葉を諦め、園田を投入。宮本をボランチに上げて修正を図ります。川崎がそこまで出てこなかったためにこれ以降は持ち直しましたが、大きな2点差を付けられて前半を折り返しました。後半も基本的な構図に変化なし。少し流しながらも幾度となくチャンスを創り出す川崎に、防戦一方の山形。頼みのエース長谷川は「もう少し収めてサポートを引き出すシーンを作りたかった」と語りましたが、あの孤立した状況で屈強な川崎ディフェンスに対してキープし続けるのは至難の業。後半45分間でエリア内シュートがゼロでは、ゴールを奪うことはできません。川崎は88分から野洲高校の選手権制覇に大きく貢献した、同志社大在学中の楠神順平を起用する余裕も見せ、関塚監督も「いつもより安心して試合を進めることができた」と笑顔。現時点での実力差が過不足なく現れたゲームで、川崎が着実に勝ち点3を積み上げました。「守備も攻撃もうまくできなかった。完敗のゲーム」と小林監督が語った山形にとっては、バイタルを蹂躙され、放ったシュートもたった5本などJ1トップレベルを改めて体感する90分間になりました。早く次の広島戦に切り替えるのが得策でしょう。勝った川崎は相手のサイドに蓋をしながら、自らも積極的に仕掛けた田坂と山岸、長谷川を完全に封殺した菊地の貢献度も見逃せません。「鹿島どうこうより自分たちが勝たないと差は縮まらない。自分たちから近付いていかないといけない」と中村。磐田に敗れた次のゲームで、鹿島追撃の一番手であることを再び証明してみせました。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第23節 柏×横浜FM@国立

  • 2009年08月22日 23:56
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

前節は埼スタで浦和相手に今季ベストとも言える内容で快勝した柏。今日の相手は10位の横浜FM。勝ち点差は9離れていますが、残留争いに引きずり込みたい相手であることは間違いありません。ゲームが始まると序盤からボールを回したのは横浜FM。山瀬、狩野の中盤に2トップも絡んで細かくパスを刻みます。特にアンカー気味にDFラインの前へ残る松田は、パスが詰まりかけると絶妙のサポートから再び展開。技術の高さと流れを見る力を見せ付けます。しかし、ここ3試合は同じ顔触れが並んだ柏のDFラインも「守備が凄い安定してきた手応えはある」と近藤が話したように、ポゼッションを取られても慌てることなく対処。シュートは打たれても決定的なピンチは迎えることなく推移。20分には菅沼の右クロスにポポがダイブ。飯倉のファインセーブに阻まれますが、柏も一瞬のキレに鋭さを感じさせます。ただ、徐々に「シューティングレンジで誰も無理しない」(横浜FM・木村浩吉監督)横浜も手詰まりになり、お互いにシュートまで持ち込めない展開に。20分以降はあまりゴールの匂いがしないままにハーフタイムを迎えることになりました。手元にとっておきのジョーカーを抱えているネルシーニョ監督にすれば、前半をゼロで抑えたのは狙い通り。後半は開始から「よくチームを理解して守備面でよくチームを助けてくれた」(ネルシーニョ監督)特別指定の田中順也に替えて、「空いているスペースを使ってポゼッションをもたらして欲しい」(同)とフランサを投入。新たな起動スイッチをピッチに仕掛けます。46分小宮山、50分山瀬と続けて危ないシーンを何とか逃れると、54分にはポポのCKからあわや先制という際どいシーンを創出。やはり10番が柏に勢いを。しかしここでアクシデント。58分、山瀬が接触でシミュレーション気味に倒れるも高山啓義主審はノーホイッスル。これに異議を唱えたという判定で山瀬に出されたイエローカードは2枚目。やや厳しい判定に「意味のわからないレッドカードで非常に不満」とは木村監督。30分以上を残して人数の均衡は破れました。すると早速柏に決定機。59分、エリア内に入った大津がルーレットで2人を振り切りシュート。60分には裏に抜け出した菅沼がシュート。共に先制点までは至りませんが、ゴール裏も気勢が上がります。しかし、この数的優位で「引いてカウンターがうまく使えていた状況」(柏・北嶋秀朗)が皮肉にも瓦解。「逆に前掛かった時の攻め方がハッキリしてない」(近藤)ことに加えて、木村監督が狩野と坂田を外して、長谷川と兵藤を投入したことで、再び横浜のボール回しが復活。10人のチームが逆に主導権を奪い返します。そして74分、左サイド、フリーで受けた小宮山は藏川を鋭い切り返しで振り切って左足一閃。待望の先制点は横浜に記録されました。1人多い中で劣勢に立たされた柏は大谷と北嶋を相次いで送り込み、最後の抵抗を試みます。76分兵藤、78分長谷川と2度の大ピンチも菅野が防ぐと、わずかにたなびいた流れを引き寄せたのは同級生コンビ。87分、終盤は右サイドに自らの意志で張り出し、高速クロスを上げ続けたポポが、フランサとのコンビから抜け出してやはり右クロス。ニアに飛び込んだのは「あそこで23年間やってきた」とFWのプライドを見せた北嶋。これが相手のオウンゴールを呼び込み同点。最後の最後で追い付いた柏。両チームに勝ち点1ずつが振り分けられて、ゲームは終了しました。横浜は率直に言って、アレだけ揃っているタレントが十分に生かされてない印象です。個の能力は申し分ない山瀬もどこか窮屈そう。個が思い切って躍動できるような戦い方を採っても面白いかもしれません。柏は「毎試合進歩してきているし手応えもいいものを感じている」とネルシーニョ監督が語ったように、戦い方はハッキリしてきました。近藤も「ポジション取りは凄く細かく言われるけどわかりやすい」と監督への信頼感を口に。今日の勝ち点1が意味のあるものになるか否か。残された試合は11です。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第31節 東京V×岐阜@味スタ

  • 2009年08月02日 22:22
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

今、個人的にJ2で最も調子のいいチームと見ている岐阜。順位は11位と中位集団の下という位置ですが、現在クラブ記録更新中の4連勝。C大阪を倒した勢いは本物でしょう。対するは10戦負けなしで4強に肉薄しながら、連敗を喫して6位に後退した東京V。今日の隠れ最注目カードは味スタです。まず岐阜が5分、高木和正、パク・ジュンキョンと繋いで佐藤洸一のフィニッシュを呼び込むと、東京Vも6分にはレアンドロが左に流して、那須川将大のクロスを平本一樹が空振り。形を創り合います。しかし先制点はあっさりと。6分、服部年宏のFKに頭を伸ばしたのはやはり大黒将志。まずは東京Vがセットプレーで先手を取りました。ビハインドの岐阜もすぐさま反撃。9分、野垣内俊のフィードを佐藤が落としてパクがシュート。土肥の好セーブに阻まれましたが、しっかりチャンスを生み出します。岐阜の2トップ、佐藤とパクは共に体が強く、高さもあって収まるタイプ。彼らのポストワークは大きな武器。ただ、徐々に東京Vの「出足の良さに面食らって」(岐阜・松永英機監督)、中盤で後手を踏み始めた岐阜は「守備のペースが掴めない」(松永監督)中で2トップへのサポートも遅くなり、押し込まれる時間が長くなっていきます。すると32分には服部が鋭いチェックで奪ったボールから柴崎晃誠、服部、河野広貴と小刻みに回して、最後は柴崎の左足。まさにJ2版“黄金の中盤”が炸裂。2-0、ホームチームがリードを広げて45分は終了しました。後半最初のチャンスは岐阜に。49分、右SB冨成慎司のクロスを佐藤が頭で落とした所にパク。「右足で打ちたかったがDFの股が空いたのが見えたので」冷静に鋭い反転から左足を振り抜くもGK正面に。1点が奪えません。「相手もあまり出てこなかったが2失点後は落ち着いた」と松永監督は62分に菊地完、64分に押谷祐樹を投入して、人と配置を変えながら勝負に出ます。しかし、ある程度自重していた東京Vも牙を剥くタイミングは逃さず。66分、左サイドでボールを持ったレアンドロは、ハッキリとシュートコースを確認。直後、30m近い軌道はそのコースを綺麗になぞってネットへ。3-0、大勢は決しました。終盤は3トップ気味にして何とか1点を返しに行った岐阜。77分、押谷のミドルは土肥がファインセーブ。82分には東京Vの富澤清太郎が不運な2枚目のイエローカードで退場と数的優位を得る中で、90分にも菅和範のクロスをパクがGKともつれながら頭で止めてシュートを放つもバーを越えていき、タイムアップのホイッスル。このゲームを表わすには妥当なスコアで、東京Vが連敗を、岐阜が連勝をそれぞれストップさせたという結果が残りました。「いい状態のものを少しずつ取り戻せたようなゲーム」と高木琢也監督も手応えを口にした東京V。今日のゲームコントロールは完璧と言っても差し支えないでしょう。特にCBに入った17歳の高橋祥平は指揮官も「今日はよかった」と讃える出色の活躍。土屋不在を感じさせない好パフォーマンスで期待に応えてみせました。岐阜は「3点食らったゲームだったが2点は取れてる」と松永監督が語ったように決定機は創出。佐藤とパクの2トップからはかなりのインパクトを受けました。「みんなでスペースを埋めていくいつもの切り替えの速さがなかった」(パク)「攻守の切り替えの部分で今までできていたことができなかった」(冨成)と課題も明確。「まだまだ可能性のあることをやっていける」という松永監督の言葉に期待を抱かされるような、“しっかりした”スタイルを感じさせてくれました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (5) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第20節 川崎×FC東京@等々力

  • 2009年08月01日 23:53
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

鹿島追撃の先鋒を巡る、3位と4位の直接対決。例年以上に両クラブとも気合いの入った多摩川クラシコ。集まった観衆は21379人。歴史は着々と築かれつつあります。4-4-2が噛み合う中で、ややゆったりとした立ち上がり。なかなか攻撃陣に流動性の出ない両チームは、どちらもカウンターが最大の武器に。7分、川崎のCKから一転、梶山が石川へ繋ぐも横山がブロック。10分、川崎のCKから一転、カボレのパスを受けた平山がミドル。13分、羽生のシュートを川島が止めると一転、山岸が繋いで矢島のシュートは権田がファインセーブ。チャンスとピンチは表裏一体。気の抜けない時間が続きます。さて、注目は共に中盤前目の右サイドを担う中村と石川。この2人は動きの少ない前線において、比較的自由に動き回ることでチームの活性化を図る中、前者は「前半は向こうの球際のプレッシャーが速かった」(川崎・寺田周平)こともあってか、ややコントロールミスも散見され、流れを作り切れず。一方の後者はスペースに飛び出してパスを引き出し、31分には惜しいミドルも放つなどリズム奪取に貢献。すると徐々に全体の運動量が上がり、東京がカウンター一辺倒からポゼッションでも優位に立っていきます。そして掴んだ流れをモノにするのが好調の証か。37分、左サイドを長友が全速力のドリブルでぶち抜いて中へ。石川は右から左に流れながら、右足のインサイドでニアを破るという難易度の高いシュートを遂行。カウンターではなく、セットした状況から東京先制。逆に川崎は嫌な展開に加えてビハインドを追って、前半を折り返すことになりました。迎えた後半、いきなりチャンスは川崎に。46分、川島のパントキックをブルーノが目測ミス。裏を取ったジュニーニョのシュートはわずか左に外れるも、まずは反撃の一手。意気は上がります。関塚監督も水曜日より10分早い決断。53分、山岸に替えてレナチーニョ。「少し前に圧力を掛けながら、中盤から入るボールを狙いやすく」(関塚監督)するために、4-3-3へシフトしました。すると直後に結果。55分、森が付けたボールを右サイドいっぱいに開いたレナチーニョが絶妙のタイミングと球質で縦のスペースへ。駆け上がった森のクロスはジュニーニョの頭に。ボールは左ポストを叩いて、右サイドネットの内側へ。レナチーニョの投入、4-3-3へのシフトチェンジが共に奏功。ゲームは振り出しに戻りました。東京も反撃。58分、石川のクロスにカボレのヘディングはわずかに枠外。59分、平山のパスでカボレが抜け出すも、川島が飛び出しファインセーブ。そしてこれがこのゲームで最後に迎えた東京の時間帯。「東京の方が前半ちょっと飛ばしてた」(寺田)からか「後半は相手も少しバテてボールを取れるようになった」(川崎・川島永嗣)状態が顕著になった60分以降は、勢いにも明らかな差が出てきます。すると関塚監督は65分に村上を下げて井川を投入。森を左に移して、井川を右SBに入れると、バックスタンドサイドの主導権も奪取。さらに71分、最後に切ったカードはチョン・テセではなく養父。中盤にスペースが目立ち出した中で、トップ下の養父と一列下がった中村でゲームをコントロール下に置くことにも成功。一層攻勢を強めます。対するFC東京は70分、77分、82分にそれぞれ田邉、鈴木、赤嶺を投入しますが、「ある程度時間とスペースがある中でボールを失う。フレッシュな選手を入れてもフレッシュにならなかった」と城福浩監督も嘆く程、替わった3枚にゲームの流れを動かすような推進力は感じられず。勢いは川崎。追加タイムで表示された4分まで幸運のシグナルか。案の定90分、中村の右クロス、DFのクリアは小さく、ジュニーニョが体で繋ぐと谷口のシュートがゴール中央を突破。「自分たちは最後の最後まで勝利を信じている」というジュニーニョの言葉もデジャヴ。2試合続いた等々力の奇跡。2-1、逆転で川崎が多摩川クラシコを制しました。采配で差が出たゲームかなという印象です。川崎のベンチメンバーを見た限り、やはり目に付くのは黒津、レナチーニョ、チョン・テセ。実際、水曜日の鹿島戦ではこの3枚が途中出場で流れを引き寄せて、勝利を得ています。しかし、今日はサイドのバランスを見て、井川投入で両サイドを活性化。スペースの空き具合を見て、養父投入で中盤制圧。逆にほぼいつも通りに近い交替の東京は、流れを変えられずじまい。「上位に行けるかを占う大事な試合」(関塚監督)で、真の強さを発揮したのは川崎でした。  AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

ナビスコ準々決勝2nd-Leg 川崎×鹿島@等々力

  • 2009年07月29日 23:57
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

カシマで行われた“表”は小笠原執念のヘディングで鹿島が1-0と先勝。今日は等々力開催の“裏”。夏休みとはいえ平日開催の好カードに13581人のサッカー好きが集結しました。シチュエーションを考えると、川崎は1つでもアウェイゴールを奪われると、3ゴールが勝利への最低条件に。一方の鹿島は0-0でも勝ち抜け決定。お互い慎重になるのは自明。事実、立ち上がりは探り合いになりますが、それでもゴールを奪わない限りはドローもない川崎が徐々にギアを上げて攻勢に。ギア加速の要因として感じたのは2つ。まずは恐ろしくキレていたジュニーニョのドリブル。4分、16分と矢島にピンポイントクロスを送る過程で相手DFを翻弄。26分には自らエリア内に切れ込み、矢島の決定機に繋げます。あとは中村が見せた中途半端な位置取りの巧みさ。ボックス前目の中盤右サイドから、気付くと中央バイタルに侵入してチャンスを創出。20分は矢島にスルーパス、29分にはワンツーから抜け出して強烈なミドル。ゴールへの意欲を押し出します。そんな中、鹿島も14分には小笠原の縦パス一本で興梠、21分には小笠原のFKに岩政、1分後にマルキーニョスの折り返しを伊野波スルーで本山と、シンプルなフィードやセットプレーからしっかり決定機を掴む狡猾さを披露。「立ち上がりからゲームコントロールはできていた」とはオリヴェイラ監督。ある程度リスクは冒さずにセーブしながら、絶好の獲物には容赦なくナイフを突き立てるようなイメージ。まずは0-0で45分間は経過しました。後半はハーフカウンターの応酬気味にお互いが攻め合う展開へ。52分、本山の左足ボレー。57分、内田の右クロス、シュートエリアにいた興梠はパスを選択し、最後はマルキーニョス。ややゴールの予感は鹿島に漂い始めます。関塚監督、決断。65分に山岸からレナチーニョ、69分に矢島からチョン・テセと相次いで入れ替え、4-3-3で勝負。この前掛かった川崎に、「彼らが出てくる時間帯で両SBを押し上げて、ボランチも前目に」(オリヴェイラ監督も)という指示を受けた鹿島は主導権を持っていなし続け、依然スコアは動かず。74分、鹿島1枚目の交替は本山OUT中田IN。82分、野沢OUTダニーロIN。85分、興梠OUT田代IN。「誰が見てもわかる流れの交替」(鹿島・伊野波雅彦)で、ゲームをクローズしに掛かりました。追加タイムの4分も経過。確実な逃げ切りに王者鹿島の強さを見ていた95分、事態急変。主役はジュニーニョ。フィードのこぼれ球を右サイドで拾ったものの、上げないクロス、迫るDF、刹那振りぬいた右足。まさかの角度からまさかのタイミングで、ボールはニアサイドを突破。対峙していた岩政も「同じ場面があっても飛び込むことはできない。シュートを褒めるしかない」と素直に脱帽。「最後の最後まで望みを捨てずに」蹴り込んだエースの奇跡弾。直後にタイムアップ。ゲームは延長に突入しました。ただ、もはや流れは完全にホームチーム。94分、再三の精度を見せていたジュニーニョのクロスにレナチーニョ。川崎、勝ち越し。102分、森の縦パスをチョン・テセが柔らかいトラップから伊野波をかわして、「このシュートをずっとやりたかった」と左足でズドン。川崎、ダメ押し。そして、108分に菊地の退場もあった中で鹿島をシャットアウト。凱歌は川崎。0-0で勝ち抜くプランが残り数秒で瓦解すると、あの鹿島でも「どうしても受け身受け身になってしまった」(伊野波)という展開や勢いの妙。川崎の「みんな最後まで諦めてなかった」(川崎・川島永嗣)という初タイトルへの執念。サッカーの面白さと怖さが同居した、そんな120分間でした。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (4) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第30節 甲府×仙台@小瀬

  • 2009年07月26日 23:56
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

7月の4強直接対決シリーズもいよいよ第6弾。最終戦は甲府と仙台の激突。前者は東京V、後者は湘南と、昇格のライバルを共に89分の決勝ゴールで蹴散らして迎える戦いの舞台は小瀬。3位対4位、昇格圏内を巡る今節最注目カードです。ゲームはたった2分で覚醒。仙台のCKがオフェンスファウルで潰えたリスタート、甲府は素早く片桐淳至へ。左へ展開されたボールをマラニョンが優しく折り返すと、飛び込んだのはガウボン。「一瞬のプレー。GKを外して打った」ヘディングはゆっくりと確実にゴールネットへ到達。早くも小瀬が爆発しました。「ミーティングで「来るぞ」と一番キーにしていた立ち上がり」(仙台・手倉森誠監督)で失点を食らった仙台でしたが、徐々に落ち着きを取り戻すとボールも回り始めます。効いていたのは、選手紹介で大きな拍手を受けた元甲府のサーレス。「一番深い所で収めてくれてた」と指揮官も認めるポストワークが機能し、23分には彼の落としからリャン・ヨンギが繋いで、中島裕希のシュートがGK荻晃太を強襲するシーンも。また、中盤では甲府の片桐、森田浩史の攻撃的な中盤2枚のプレスが緩く、3トップの両サイドは相手のSBを見るため、割と自由にリャンと関口訓充が躍動。ゴール以降は仙台ペースになります。30分以降は甲府もやや盛り返しますが、前半ラストプレーにビッグチャンス。左サイド、ゴールライン際まで関口が運んで折り返すと、フリーでリャンがフィニッシュ。荻が何とか防いだものの、「深い位置からバイタルを突くのは狙い通り」(手倉森監督)。このスコアは最後まで保たれないような予感を漂わせつつ、ハーフタイムを迎えました。後半に入ると、膠着状態とまではいきませんが、お互いになかなかチャンスが生み出せない展開。仙台は55分、中島OUT永井篤志IN。65分には斉藤大介に替わって前節2ゴールを奪った中原貴之を投入。人を動かしてきました。甲府の安間監督は64分、森田を下げて5月2日以来の登場となる林健太郎をアンカーに送り込み、守備バランスを整えます。すると、76分には甲府に追加点の絶好機。杉山新の素晴らしいインターセプトを起点に、最後は左サイドから片桐が強烈な一撃。ところが右ポストに嫌われ、突き放せません。さて、このゲームのポイントの1つは山本英臣、ダニエルと共に出場停止となった甲府CB。代役は安間監督自ら「5番手と6番手」と言う御厨貴文と津田琢磨。そんな2人を安間監督は「オミ(山本)とダニ(エル)と勝負するならゼロで帰って来い」と送り出しました。2人を中心に守備陣は非常に粘り強く奮闘。ほぼノーミスを終盤まで貫き、ゼロを継続させます。しかし84分に無念の決壊。リャンのCKにエリゼウがハイジャンプ。「セットプレーは仙台の強み」(エリゼウ)「やられるならセットプレーだと思った」(御厨)。スコアはタイに戻りました。静まり返るスタジアム。ところが甲府は死なず。失点直後、「今日は勝ちに行くというテーマ」と安間監督は最後のカードとして國吉貴博を選択、投入。すると90分、杉山の右クロスは中央抜けてキム・シンヨンへ。粘って中へ送ると、そこには國吉。「あの角度は得意なので振り抜くだけ」と語ったシュートは右スミへ。劇的な展開に88分を隔てて小瀬再沸騰。甲府がリードします。諦めない仙台も91分にラストチャンス。リャンのFKから、7月初登場のマルセロ・ソアレスが枠内へ強烈なボレー。荻ファインセーブ。92分、左クロスに最後は中原がフリーでシュート。これは左に逸れ、タイムアップ。2-1、勝者は甲府。勝ち点で逆転、順位も逆転。甲府が3位と昇格圏内へ浮上する結果になりました。「今シーズン一番悔しい負け方」(手倉森監督)の仙台は一歩及ばず。やはり「これからの課題」とエリゼウも話した立ち上がりの失点が響きました。ただ、「可能性のあるプレーを表現してくれた」と手倉森監督も評価する4人の外国籍選手はやはり脅威。融合次第で十分ビッグバンは起きそうな気配です。「突き上げ、底上げがないとチームが活性化しない」と御厨がそれを見事に体現した甲府。ガウボンがゴールという結果を出し、國吉ももはや貴重な切り札としての存在感を確立。第1クールからの進化も顕著です。ただ、「まだまだ戦いは続く」(安間監督)J2。残る試合数は21。あらゆる可能性が起こり得ることだけは間違いありません。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第19節 浦和×名古屋@埼スタ

  • 2009年07月25日 23:53
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「今日は大きなミスはなかった。最初から最後までしっかりやってくれた」とは“ミスター”の弁。指揮官も満足そうな様子を隠しきれない快勝。それにはこのゲーム最注目だった194cmのオーストラリア人が大きく貢献していました。ゲーム序盤は浦和攻勢。最近好調を維持している原口が4分、10分と立て続けにチャンスを演出。スタジアムを沸かせます。逆にカウンターに活路を見出だしたい名古屋は、ケネディもタイトなプレスにボールロストが目立ち、攻める時間を作れません。そんな中で迎えた14分、初めてケネディがスムーズなポストプレーを披露し、左へ展開。阿部翔平のクロスはケネディを越えますが、小川がゴールライン上で粘って「タマさんが空いたのは見えたので落ち着いて」中へ。受けた玉田は坪井と鈴木の真ん中をすり抜けフィニッシュ。劣勢の名古屋が先手を取りました。このゴールシーンもそうですが、阿部のアーリークロスが1つ大きな武器となり、実際2分、この14分、26分とシュートにまで至る形の起点に。これには浦和のシステムが関係していたように思います。4-2-3-1を敷いた浦和で、3枚の攻撃的な中盤右サイドに入った高原も決して守備意識は低くないものの、やはり攻から守への切り替えは不得手。どうしてもファーストプレスが甘くなります。これで正確なキックに定評のある阿部の躍動を呼び、前半中盤以降は完全に名古屋ペース。浦和のフォルカー・フィンケ監督もたまらず33分に高橋を下げて山田直輝を入れますが、流れは変わらず。名古屋1点リードで45分を折り返しました。後半は一転浦和がよくボールを動かしてリズムを創出。48分、ポンテのFKはゴール前混戦、エジミウソンは打ち切れず。54分、原口がエジミウソンとのワンツーから抜け出して放ったシュートはわずかにバーの上へ。それでも同点とはいきません。すると61分、右サイド田中のクロスはケネディを越えますが、収めた玉田は左へ、小川がリターン、玉田のシュートは右スミへ豪快に。わずかに相違点はあるものの、ケネディへのクロスからという点、玉田と小川が絡んだ点は相似。結果、浦和からすれば「気にしていたがセカンドボールが拾えなかった」(浦和・細貝萌)ことで2失点を浴びてしまいました。さらに72分には真打ち登場。左サイド、阿部のスローイン、ポンテの軽い対応をあっさり振り切ったマギヌンがクロス。「ボックスの中にスペースがあった」とケネディは余裕を持って「頭に当てるだけ」と圧倒的な高さのヘディング。0-3、試合を決めました。以降フィンケ監督も人を替え配置を替え、抵抗を試みますが、「みんないいプレスに行けていたので怖さはなかった」(名古屋・山口慶)「慌てることなく集中力が続いた」(名古屋・楢崎正剛)と名古屋はシュートすらもほとんど打たせることなくシャットアウト。9試合リーチが懸かりながら達成できずにいた、楢崎のリーグ戦100試合完封に華を添える素晴らしい快勝を敵地で挙げてみせました。「負けるべくして負けた」(浦和・阿部勇樹)浦和は、ボールこそ回る中でギアチェンジを図るポンテの不調がモロに響いた印象。「ブロックを作ってからサイドにボールを出させて取りに行けていた」(山口)相手の守備に嵌め込まれ、途中出場の山田直も完調とは程遠く、厳しい連敗となってしまいました。「勝ち点3を取るに値する試合」(小川)の名古屋は、ケネディというターゲットの加入で改めて1本の筋が中央に通ったように見えました。奪った3ゴールともキッカケはケネディへのクロス。押し込まれても1つ絶対的な形があるというのは大きな強み。「これがグランパスのやるべきサッカー」とストイコビッチ監督も讃えたパフォーマンスを継続できるか、次節の大分戦も注目です。最後に100試合完封を果たした楢崎。彼はキャプテンなので試合前にコイントスをやるんですけど、審判団や相手キャプテンと握手する時に必ずキーパーグローブを外して、素手で握手するんです。中には外さない人もいる中、いつもそれがいいなあと思って見ています。「リーチになってから掛かり過ぎた。ちょっとこれでみんなも落ち着いてやれるかな」と笑った日本の守護神。本当におめでとうございます。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第29節 横浜FC×鳥栖@ニッパ球

  • 2009年07月22日 23:51
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

ここ9試合負けなしと、実は第2クールの勝ち点トップを走るのは鳥栖。序盤戦こそ苦しんだものの、チームが固まり始めたタイミングでのハーフナー加入が呼び水となり、一気に順位を上げてきました。ホームで仙台を下して乗り込むアウェイは三ツ沢。ユアスタ、味スタのビッグカードに隠れがちですが、上位が潰し合うことを考えると密かに今節の要注目カードです。どちらもなかなか主導権を取れない立ち上がり。最初のチャンスは10分に鳥栖。ボランチの高地系治が放ったミドルはGK大久保拓生がファインセーブ。12分、武岡優斗の右クロスにハーフナーマイクのヘディングは大久保の正面。鳥栖がまずは攻め立てます。しかし、ゲーム自体のリズムを築きつつあったのは横浜FC。「アンが入ったことでいくつかの形が作れた」と樋口靖洋監督が語ったように、2トップの一角に入ったアン・ヒョヨンは見た限りストライカーと言うよりチャンスメーカータイプの印象。10分に須藤右介のクロスを演出すると、33分には難波宏明のヘディングを呼び込む、右サイドから絶妙のクロス。能力を発揮します。それ以外にも、例えば37分に吉本岳史のミスクロスがあわやゴールとなりかけたシーンも、直前に6、7本の綺麗なパスで崩すなど、イメージの共有は十分見て取れますが、このようなシーンは稀。特にミドルレンジのパスに正確さを欠き、“崩せるはず”の形がなかなか具現化されません。すると42分、島田裕介が左サイドでドリブルしながらタメを作ってファーへクロス。「島さんが出してくれるのはわかってたし、いいタイミングで飛び込めた」ハーフナーがダイブ。先制。「我々のリズムではなかった」(鳥栖・岸野靖之監督)鳥栖がリードして前半を折り返しました。ハーフタイムを挟むと様相は一変。アウェイチームが勢いを増していきます。そして49分、右サイド、ゴールまでは30m以上、柳沢将之は迷わずミドル。素晴らしい弾道は、クロスバーを叩いてラインの内側へ。「サッカーをよう知ってる。全てを投げ出す姿勢などたいしたもんだと思う」と指揮官も絶賛したアラサーSBのゴラッソで2点差。さらにとどめは71分。島田の左CK、「ここに来たらどうしようもないという絶対的なモノ」(岸野監督)、凄まじい高層階ヘッドは当然ハーフナー。0-3、勝負は決まりました。横浜FCも小野智吉、池元友樹を投入し、実質4トップ気味で最後の反攻に出ましたがシュートも遠く、「現時点での力の差を受けとめなくてはいけない」(樋口監督)結果に。先制以降はゲームを掌握した鳥栖が勝ち点3を手にしました。これで怒濤の10戦負けなしとなった鳥栖は前半こそ「相手がタイトに来て難しい展開になった」(岸野監督)ものの、後半はしっかり修正して危なげない内容。柳沢、CBの飯尾和也、高地など勘所を押さえた選手がうまく配されているように感じました。「上位に食い込める位置まで来ている」(ハーフナー)現状。勢いを掴んでいる流れは本物です。一方、「もう少し早くクロスを上げるとか、もうちょっとの所」とSH、FWで奮闘した西田剛、「ちょっとしたアプローチやポジション取りの甘さ。あと3mのプレスバックや、あと5m詰められれば」と樋口監督が話した横浜FC。前述したイメージの共有に間違いはなさそうです。ただ、それが表現できない時に割り切ったり徹底したりするようなもう一手が、決定的に欠如しているように映りました。試合後、サポーターは選手が乗り込んだバスを囲み、強烈な罵声を浴びせ、発煙筒まで焚くことで抗議の意を表明。現在8戦勝ちなしで最下位、クラブとしての総力が問われているのではないでしょうか。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第18節 柏×G大阪@日立台

  • 2009年07月19日 23:57
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

高橋真一郎監督を解任。大きく舵を切り直す選択をした柏は井原コーチが代行。おそらく一夜限りの“井原レイソル”として、ホームゲームに臨みます。対するG大阪もまさかの公式戦4連敗中。西野監督も古巣を倒して浮上のキッカケを掴みたい所。共にリスタートを懸けた重要な一戦です。ゲームが始まってまず感じたのは、G大阪が最終ラインから長いボールを多用していたこと。パス回しのキーマン遠藤を出場停止で欠く中、「頭(FW)を減らして中盤を厚くして、そこからテンポを上げていこう」(G大阪・西野朗監督)と4-5-1を採用しましたが、「フランサがスタメンではなかったので少し外された所はあった」とも西野監督。中盤に降りてくるフランサを潰して、そこからの攻撃を想定しながら、そのフランサベンチスタートに加えて柏も長いボールを多用したためにボールの奪い所が定まらず、「ボール支配が逆に自分たちのウィークポイントを突かれる」(西野監督)ことへのリスク回避もあったかもしれませんが、結果レアンドロ目がけてのフィードが増える形になります。ただ、ロングボールが多いのは柏も同じでゲーム自体も大味な展開に。しかし、21分には杉山の縦フィードで北嶋が抜け出し、ダイレクトボレーがクロスバーを叩くと、そこからは柏ペース。いくつか惜しいチャンスを見せるなど、いい時間帯を生み出しました。ところが44分にはG大阪に決定機。キッカケは大津のアクロバティックなクリアミス。拾った二川が右に展開し、レアンドロがクロスを上げると、ファーでフリーのルーカスがヘディング。ここはGK菅野がファインセーブで逃れましたが、劣勢でもポイントを突くG大阪の怖さを印象付けて、前半は終了しました。迎えた後半も序盤は柏が攻勢ながら1つのミスで霧散。51分、やや浮いたパスを、再三ボール扱いに不安定さを見せていた鎌田がコントロールミス。二川がかっさらいスルーパス、レアンドロが菅野と交錯して倒れると、東城穣主審はPKをジャッジ。菅野は猛抗議するものの、当然聞き入れられず。正直PKかどうかは微妙でしたが、PKを取られるまでの過程は言い訳無用。レアンドロが自ら決めて、苦しんだG大阪が先制しました。またも嫌なムードが漂う日立台。井原監督代行も57分、フランサと李を投入して巻き返しを図ると、攻撃の意識が高まるのと同時に攻守の切り替えも遅くなる弊害が顔を出し始め、案の定67分にはG大阪のハーフカウンターに中盤はスカスカ。簡単に右へと繋がれ、安田のクロスは全力で飛び込んだ大谷の頭をかすめながら、レアンドロにピタリ。0-2、とてつもなく重い点差がついてしまいました。井原監督代行は72分、栗澤を下げて菅沼を送り込み、杉山をアンカーに置く4-1-4-1で「中盤の4枚がフランサを追い越していく形」を期待しますが、李、菅沼、ポポ、大津と「タイプが似ている選手ばかりで前へ前へとなってしまった」と自ら采配ミスと言及。4-1-3-2にシフトし直しても大勢に影響はなく、最後は小林祐が異議で2枚目のイエローカードを貰って退場というオマケまで付いて、またもやホームで勝利を挙げることは叶いませんでした。7月初勝利を挙げたG大阪は西野監督も「スタイルと言えば、ガンバのスタイルとは程遠い」と認めながら、「選手が結果にこだわる中で報われた」と安堵の表情。華麗なパスサッカーとは行かない中でも、ようやく1つ結果が出たのは大きいでしょう。敗れた柏は、とりあえず今日のゲームを観戦していたネルシーニョ新監督がどれくらいドラスティックにチームを建て直しにかかるかのみが注目です。個人的には、1つ1つのプレーは華があり、一見効いているように感じさせながら、実際はあまり実効性を伴っていないフランサ、ポポ、杉山の起用については一考してもらいたいと思っています。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (4) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第28節 甲府×C大阪@小瀬

  • 2009年07月18日 23:54
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「前半はC大阪、後半は甲府のゲーム」(C大阪・レヴィー・クルピ監督)「前半と後半でまったく違うゲーム」(甲府・安間貴義監督)と両指揮官。注目の一戦はお互いに攻守の時間がクッキリ分かれる、興味深い内容となりました。7月に組まれたJ2の4強直接対決シリーズ第5弾は甲斐の國。4位の甲府が2位のC大阪を小瀬にて迎撃。試合前にはGMの佐久間悟氏が、甲府サポの中でも最高使用頻度を誇るチャント“インデぺ”をアカペラで熱唱しちゃう辺りに、このゲームの重要性を感じさせます。序盤はお互いに無理はしない慎重な立ち上がり。実質、両チームとも攻撃のほぼ80%近くを担う、前の3人もそこまでチャンスは生み出せません。そんな中、気になったのは甲府の3トップ下に入る森田浩史の守備面。ややタスクが曖昧で、相手ドイスボランチへのプレスも軽め。C大阪の司令搭マルチネスまで、甲府のドイスボランチ藤田健と石原克哉が食い付くシーンが見られましたが、この2人は香川真司、乾貴士という最強2シャドーの見張りが最重要任務。結果、マルチネスへのケアで後手を踏み、20分過ぎからはC大阪ペースになっていきます。それでも甲府はトレーニングしてきたというドリブル対策で予想以上に耐えていましたが、一瞬上回ったのはやはりあのトリオ。30分、乾のパスを受けたカイオがドリブルから左へ。香川は少ないタッチ数でグラウンダーの素晴らしい折り返し。中央で乾がプッシュ。小瀬沈黙。アウェイチームが“パスワーク”を生かして先手を取る格好になりました。甲府はゴールシーンこそ個の能力でやられたものの、一方的に攻められた割に決定的なピンチはそれほど多くない前半。ただ、ほとんど攻撃の形は創れず。安間監督の目には「相手をリスペクトし過ぎて、藤田以外は消極的なプレーが多かった」と映っていたようです。後半もしばらくはややC大阪が優勢にゲームを進める中、ワンプレーで流れは劇的な変化を。58分、バックスタンド側のスローイン。C大阪の左WB石神直哉は「副審はC大阪ボールの旗を上げた」と主張しましたが、飯田主審の判定は甲府ボール。杉山新が素早く投げ入れ、大西容平がクロス。DF2枚の間から頭を出したのはマラニョン。小瀬沸騰。1-1、スコアは振り出しに戻りました。ここからは「集団でのアグレッシブさが出た」(安間監督)甲府が圧倒。60分、森田に替わって片桐淳至が入り、よくボールを引き出すと勢い促進。さらに、13580人のほとんどが凄まじい声援と拍手の大音量でホームチームを後押しします。この辺りからガクッと運動量が落ちたC大阪は、「簡単なミスを繰り返し、数的不利を作られて下がらざるを得なくなった」と香川。72分に小松塁、平島崇が2枚替えで投入されてから5分程度は、香川のロングボレー、マルチネスのバックヒールとチャンスを迎えましたが、また甲府の渦潮に飲み込まれます。85分には片桐が絶妙のスルーパス、途中投入の國吉貴博が狙うもGKがファインセーブ。こぼれ球を拾った、こちらも途中投入のキム・シンヨンが放ったシュートはゴール左へ。逆転とはいきません。この後、マラニョンが2回チャンスを得ましたが、共に誘ったのは溜息。92分、逆にドリブルでエリアに侵入した小松のシュートは、GK荻晃太が何とか体でセーブ。結果は「今の順位を考えると非常に意味のある勝ち点1」(クルピ監督)「前向きに捉えたら大きな勝ち点1」(安間監督)というドロー決着となりました。C大阪はようやく現状のベストメンバーが揃いながら、後半の流れで行くと「今日は負け試合」(香川)といった印象。乾も「自分たちのサッカーが全然できなかった」と唇を噛みました。7月の4強直接対決は2分け1敗。第2クールも4勝4分け3敗とやや停滞気味。要経過観察です。甲府はガウボンが加入後初登場ながら、本人も「もっと積極的にシュートを打てばよかった」と振り返るなど、時折技術の高さは見せるもインパクト不足。もう少しフィットまで時間はかかりそうな様子。それでもチームとしては後半よかっただけに「何も恐れずに戦うことが凄く重要」という指揮官の言葉を実践できれば、トップ3圏内は十分可能だと思います。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

ナビスコ準々決勝1st-Leg 浦和×清水@埼スタ

  • 2009年07月15日 23:57
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

45分までのシュート数は浦和の10に対して清水が2。さらに後者の1はFKによるもの。このデータが示すように、浦和が「前半はほぼ完璧に近い内容」(山岸範宏)のゲームを展開しました。4人の中盤を見ると、細貝が23歳、濱田水輝が19歳、エスクデロ20歳に原口18歳と、平均20歳というフレッシュなカルテット。しかしプロ初スタメンの濱田を含めて、ボールを回す技術はかなり高水準。ショートパスにサイドチェンジを交えて、相手にボールを触らせません。中でも出色のパフォーマンスは原口元気。「ここ数週間は“穴”に入ったが、今日のプレーは非常によかった」とフォルカー・フィンケ監督が語れば、敵将の長谷川健太監督も「立ち上がりからピッチを広く使われて何回か原口にやられた」と言及。実際に23分には原口が左サイドから「ドリブルしたら行けるなって感じがした」と、エリア内にカットイン。マルコス・パウロがたまらずファウル。このPKを闘莉王が沈めて、先制点が生まれました。前述のパスワークに原口のドリブルがアクセントになって、一方的に浦和がボールもゲームも支配し続けた訳です。さて、攻め続けられた上にまったく攻められない清水はまず守備を修正。ダイヤモンドの中盤から「サイドの守備をスムーズにするため、枝村を少し下げてダブルボランチに戻して」(長谷川監督)からは「だいぶ落ち着いた」(同)ものの、攻撃面での改善までは図れず、一方的な展開で前半は終わることになります。ただ、1点のリードは時に一瞬で消えるもの。48分、濱田と闘莉王が相次いでクリアしきれなかったルーズボールをマルコス・パウロが縦へ。枝村は後方から来たボールをノートラップボレーで右スミへコントロール。難易度の高いゴラッソは、貴重なアウェイゴールでもある同点弾となりました。以降、「守備の修正はできた」(マルコス・パウロ)清水もようやくボールが繋がり始め、前に出ていく積極性が戻ってきます。ところが、そんな流れを分断したのは浦和の“燃える闘魂”。60分、スルスルと前に上がっていた4番は細貝の横パスを、左にずらしてエリア外から左足一閃。激しくクロスバーを叩いたリバウンドにエジミウソン。またも一瞬。再度リードは浦和となりました。64分、長谷川監督の決断は兵働、原OUTで藤本、ヨンセンIN。ここからは藤本の左足が清水に勢いを。68分、藤本の右30mFKは山岸がセーブ。73分、藤本のCKを岩下がジャストでヘディングも山岸がセーブ。一方でリーグ戦ではまだ出場がないものの、ナビスコでは全試合フル出場している山岸も安定感を見せ付けます。そして、この65分前後から再び目立ち始めたのが原口。以前だと一度消えるとそのまま交替が多かった印象ですが、今日は69分に鋭いドリブルから闘莉王のヘディングを演出すると、79分にはエリア内に侵入して、1人かわしてからシュート。GK正面を突き、ゴールこそなかったものの、終盤にかけての見事な再反発に成長を感じました。90分には岡崎がゴール前で決定機を迎えるも、阿部が体で飛び込んで阻止。浦和からすれば「欲を言えばもう1点欲しかった」(山岸)でしょうが、ひとまず2-1で“前半”はリードして、来週の“後半”へと折り返しました。個人的には濱田、よかったと思います。「初めてなのでゲームの入り方がわからなくて戸惑った」と言いながら、「細貝さんが動いてくれたので、自分はバランス取ることを意識した」部分は、細貝のかなり前に出ていく推進力が攻勢の一端を担っていたことを考えれば、十分な貢献。ユース時代からスケールの大きい選手だなあと思ってましたが、慣れれば十分戦力になりそうな印象をこの試合からは受けました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第27節 草津×甲府@正田スタ

  • 2009年07月12日 23:49
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

見慣れない布陣を敷いたのは甲府。4-2-1-3に近い並びで、3トップ下に入ったのは何と森田浩史。この起用について安間貴義監督は「木曜の湘南との練習試合で使う所がなくてしょうがなくトップ下に置いたら、俺もいるぞというアピールがあってそのまま使った」と正直に告白。森田自身も「何よりやんなきゃっていうのがあった」と強い意志でゲームに臨みます。4分、大西容平の左クロスに飛び込んだのはその森田。早々に「2列目から飛び出していくと相手がマークを捕まえ切れない」と手応えを感じた様子。すると8分に先制は甲府。石原のCK、一度はGKがパンチングで逃れるも再び中央で混戦になると、最後はダニエルがシュート。「コースが良かったから入るなと」いう一撃は左ポストを叩いて内側へ。“甲府の壁”によるJリーグ初ゴールで、アウェイチームがリードを奪いました。さて、ホームで10戦連続勝ちのない草津は、序盤から相手のロングボールに押し込まれ、ボールの奪い所が定まらずに後手を踏んでしまいます。前半中盤から少しずつボールは回り出したものの、「うまく回させられてたかな」とはボランチの松下裕樹。なかなかフィニッシュまでには至らず、ゴールの匂いを漂わせることなく、45分を消費してしまいました。後半に入ると次のスコアは51分、藤田健が右に流すと大西は「GKとDFの間に速いボールを狙って」クロス。中央でプッシュしたのは、まさに2列目から飛び出してきた森田。0-2、甲府がリードを広げます。監督の起用に応えた森田も見事でしたが、このシーンの肝は藤田が絡んでいる所。ここ数試合はアンカーの位置でバランス確保に腐心した10番を「30m前でプレーさせたかった」安間監督は石原克哉と組ませるドイスボランチをチョイス。結果、藤田が攻撃に出ていくシーンも多く、策は奏功した格好になりました。草津の反撃は54分、都倉賢のパスを廣山望がワンツー気味にスルーパス。都倉はフワリと浮かせて飛び出したGKの上を抜く技アリの一発。たちまち1点差に迫ります。ここから形勢逆転。草津が10分前後は攻勢を掛ける時間に。それでも「耐える時間帯も出てくる」(安間監督)という共通認識の下に、甲府は堅固なブロックを形成。ダニエルも「コミュニケーションが取れているので揺さ振られても強い」と自信のコメント。失点を許しません。すると草津の佐野達監督は66分、後藤涼に替えて、切り札の小池純輝を投入。小池を左、熊林親吾を1トップ下に置く4-2-3-1へシフトしますが、これが誤算。「小池が左に張り過ぎてボールが回らなくなった」(松下)ことで一気にトーンダウン。76分に今度は佐田聡太郎を下げて高田保則を送り込み、4-4-2に戻しても、佐田がいた右SBに「サイドからの崩しも期待して」(佐野監督)後半は効いていた廣山を下げたことで、さらにサイドもトーンダウン。結果、66分以降は1本のシュートも放たれることなくタイムアップ。ホーム勝利という草津版“11回目のプロポーズ”は叶いませんでした。4試合ぶりの勝利を挙げた甲府は現実的なスタイルを貫徹。大西も「最近も内容は良かった。そのまましっかりと結果を残せたのが大きい」と手応え。森田の活躍、片桐淳至とガウボンの加入など前線にだいぶ厚みが出てきています。「甲府にとったら凄く大きな勝ち点3」(安間監督)は再浮上のキッカケとなるでしょうか。敗れた草津は交替策が流れを切ってしまった印象です。後藤も決して悪い出来ではなく、ゴールという要素で考えると最優先に近い選手。結果論ですが単純に熊林から小池のスイッチでもよかった気はします。なかなか勝てないホームの呪縛は、〜レーシック10周年〜高山眼科スペシャルマッチとして、試合前にウルトラハイテンションで「ザスパ、オー!!!」と絶叫した高山院長をもってしても打ち破ることはできませんでした。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第17節 横浜FM×山形@ニッパ球

  • 2009年07月11日 23:59
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

帰りのバスへと乗り込む間際、「楽しかったです」と破顔一笑は移籍後初スタメンとなった山形のCB西河翔吾。同じくCBを組んだ小原章吾も「最高です」と満面の笑み。2人にとって、今日のゲームはおそらく人生で何度となく思い出すような、記念すべき一戦になりました。リーグ戦はここ8試合勝ち星から見放されている山形にとって、ちょうど前半戦最後のゲームは何としても勝ち点を奪いたい所。しかし、いきなり開始2分で先制点を挙げたのは横浜。「準備が足りなかった」(山形・小林伸二監督)相手の隙を突く狩野の素晴らしいワンタッチパスから右サイドを渡邉が抜け出しシュート、GKが弾いたこぼれ球に坂田が詰めてしぶとく押し込み、あっという間にリードを得てしまいました。さて、早々にビハインドを負うことになった山形は、レオナルド、石井秀典、石川竜也、廣瀬智靖、古橋達弥とレギュラークラス5人が負傷欠場。CBは今月1日に“誕生日”合流したばかりの西河が小原とぶっつけ本番でコンビを結成。小林亮を左SBに回すなど、かなり苦心のメンバー構成を強いられます。対する横浜は先制点の場面や、10分にターンから2人を置き去りにするなど狩野が目立つ中、キーマンはやはり兵藤。ドイスボランチの一角ながら、ワンタッチのショートパスで崩すシーンの核は大半がこの17番。豊富な運動量で、チームを潤滑にしていきます。ただ、「相手のボールが中盤で奪えるんで速攻の形が多かった」とは木村監督。確かに山形はビルドアップの時点でイージーなパスミスが散見され、カウンターを食らうシーンも見られました。ただ、結果的に「相手の3トップをDFの4枚で見るような形。SBはあまり上がらなくていい」(小林監督)という指示から枚数が整っていたのと、攻から守の切り替えの速さで対応。20分過ぎからは、ほとんど相手にチャンスを創らせません。逆に25分に北村知隆のシュートがクロスバーを叩くと、そこからは左サイドを中心に山形が攻勢へ。宮沢克行のCKもクロスバーに当たるなど、反発力を見せてハーフタイムに入りました。迎えた後半はやや膠着状態に陥り、共に攻撃のスピードが上がりません。先に動いたのは小林監督。「攻撃をサイドに広げよう」と、まずは64分に佐藤健太郎を投入。4分後に浦和から加入した赤星貴文も送り込むと、続く74分に財前宣之をFWに入れて、ゴールを狙います。対する木村監督は「3トップが残り気味になったので、中盤の守備を厚く」と坂田に替えて小椋をボランチに。狩野を前に上げました。動きのないまま77分、両チーム通じて後半最初の決定機は横浜に。山瀬の巧みな落としから小宮山が独走し、そのままシュートも左ポスト直撃。そして、これが明暗を分けることになります。直後の79分、佐藤が絶妙のサイドチェンジを赤星へ。これで得たCKを蹴るのは財前。7枚で形成された横浜の壁をすり抜けたのは「いけるなって感じはあった」という西河。山形デビュー戦でのゴールは、同時に自身J1初ゴール。1-1、交替出場の3人が全員絡んで同点に。さらに85分、守備のタスクに追われていた右SBの宮本卓也が鋭いドリブルで得たFK。再び財前のキックはファーで西河が折り返し、最後は小原。ジュニアユースから所属していた古巣を絶望へと追い落とす「一瞬あんまりよくわかってなかった」と語った一発は、やはり自身J1初ゴール。小林監督も「勝ち点1が勝ち点3にまで」と驚くまさかの展開に加え、スコアラーが共にJ1初ゴールのCBで、決勝点は小原の恩返し弾と、あまりにも色々なトピックスが詰め込まれた幕切れで、山形が8節以来の勝利を挙げました。いやあ、こんなことってあるんですねえ。こういうゲームに巡り合っちゃうから、スタジアムに行くのがやめられなくなるんです。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第26節 湘南×甲府@平塚

  • 2009年07月08日 23:56
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

現在J2を牽引する4チームの直接対決が全カード詰め込まれている7月。先週行われた第1弾はC大阪と仙台がスコアレスドロー。第2弾の今日は湘南と甲府が平塚で激突。共に唯一開幕から4-3-3を貫き続けている2チーム。監督のこだわりが感じられる、興味深い対戦です。まずゲームが始まると、甲府は前節キム・シンヨンが入っていた3トップの中央にマラニョンを配置。「湘南が最初の25分くらいアグレッシブに来るので、空いた所にマラニョンとジャーンを走らせる」と安間貴義監督。実際に序盤からロングボールを多用し、14分にはジャーンの目測ミスをマラニョンが拾い、最後は井澤惇が1人かわして惜しいシュート。20分にはマラニョンに入れ替わられたジャーンがファウルで止めてイエローカードを受けるなど、布陣が奏功する場面も確かにありました。それでも「今の甲府は最初からパワープレー。窮地になってもインフォメーションはあったので慌てることはなかった」とは反町康治監督。やや押し込まれているように見える中で、湘南も想定の範囲内で凌いでいたようです。しかし32分、マラニョンの右クロスを臼井幸平がまさかのクリアミスで、ボールはキム・シンヨンの前へ。シュートはDFがブロックし、間一髪で事無きを得ましたが、一瞬の隙は怖いもの。そして、それは甲府にも当てはまるもの。37分、寺川能人のFKはグラウンダーで中央へ。チームのトップスコアラー・中村祐也がプッシュ。湘南は最初の決定機で先制。甲府サイドは「ミスキックだと思う」(安間監督)という見解ながら、「そういうのが入ってしまう」(同)展開を享受。1-0、七夕記念の黒いユニフォームに身を包んだホームチームがリードを奪って、前半を折り返しました。後半に入ると、甲府は3トップの配置を変更。キムをセンターに、マラニョンをサイドに出すいつもの形に戻します。52分には石原克哉のCKにキムがフリーでヘディング。これは野澤洋輔がファインセーブ。同点とはいきません。配置は変わっても「まったくスカウティング通り」(反町監督)という相手のロングボールには落ち着いて対応。「甲府でリスクを冒してくるのは右SBの杉山なので、阿部を置いて対処した」(同)とゴールを決めた中村を58分で下げて、阿部吉朗を3トップの左に起用。堤に開きかけた穴を塞ぎにかかります。安間監督も61分、キムを諦めて片桐淳至。68分には大西容平を池端陽介に入れ替え、前から圧力を掛けて勝負に。そして次にゴールが生まれたのは74分。スコアラーはアジエル。坂本のCKは低い弾道で二アを抜け、10番がプッシュ。「意図的に取れたというよりも偶発性で取れた」とは反町監督ですが、少ないチャンスをセットプレー2発でモノにする辺りは今年の流れでしょうか。残り15分で湘南が点差を広げました。何とか勝ち点を詰めたい甲府も意地。82分、池端からのクロスを國吉貴博が、利き足とは逆の右で綺麗なボレー。1点は返します。それでも、もうひと反発までは届かず。「こちらとしてはプラン通りに進んだ」(反町監督)という湘南が、4強直接対決の初戦を制しました。敗れた甲府は中盤が攻撃に厚みを生み出せなかった印象です。前線の能力を考えるとある程度ロングボールを多用するのも頷けますが、それ以外に欠けたかなと。やはり藤田健がアンカーでバランスを取らざるを得ず、攻撃に関与しきれなかったのが響いたのではないでしょうか。「試合に勝ったけど、試合に勝った気がしない」と反町監督が語った湘南は、押し込まれる時間帯も含めてゲームをしっかりマネージメントできていたように見えました。形はどうあれ、勝ち点3に必要な得点はキッチリ挙げると。「我々は自分たちのスタイルを変えるつもりはない」と話す指揮官に率いられた湘南。ようやく折り返し地点を回った戦いの終着点は如何に。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第16節 川崎×鹿島@等々力

  • 2009年07月06日 00:36
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「1対1という結果は非常に満足」と語ったのは鹿島のオズワルド・オリヴェイラ監督。勝ち点差に開きがあるとはいえ、首位と2位の直接対決。結果はドローでしたが、ゴールシーンが共にゲームの大きなポイントになりました。4-4-2同士がガッチリ組み合う一進一退の序盤で目を引いたのはジュニーニョの献身的な守備意識。G大阪戦では遠藤を自由に泳がせてしまったエリア、つまり相手のボランチに対して執拗にプレスバック。やや前に出てくる小笠原にはドイスボランチの1枚が、青木にはジュニーニョが寄せることで、ボール回しの起点をある程度消すことに成功。縦に速く付ける川崎がわずかにペースを握ります。しかし想定外はチョン・テセ。対峙した岩政の前に、空中でも地上でも完全に抑え込まれ、まったく基点を作れません。するとやはりポゼッションで上回り始めた鹿島が中盤を支配。いくつかの形から相手ゴールを脅かし出します。そんな中、33分に大きな分岐点。中村のFKから伊藤の決定機がGKに阻まれた流れのまま、再び川崎の攻撃。ジュニーニョのクロスに2、3人が殺到すると、ボールはDFに当たりながらゴールへ。すると西村雄一主審はホイッスルを吹きます。「自分の位置からは定かではない」と語ったオリヴェイラ監督同様、記者席からも詳細はわかりませんでしたが、状況からオフェンスファウルかと思いました。しかし、実際は内田の一発レッドで川崎にPK。正直意外な判定でした。映像を見る前に書いているので実際はわかりませんが、オリヴェイラ監督は「最近のサッカーではハンドに対して、選手たちが過剰なまでにアピールをする。しかし映像を見ればわかるが、フロンターレの選手はアピールすることなく明らかにビックリした顔をしている。内田本人は「明らかにお腹に当たりました」と涙目で言った。僕は彼の言葉を信じたいと思う」と興味深いコメントを残しました。ジュニーニョはPK成功。川崎が数的優位と1点のリードを得て、前半が終わります。後半は開始早々にチョン・テセのポスト直撃ヘッドで幕開け。やはりホームチームが攻勢に。この時間の鹿島で目立ったのは4-3-2の右SBに入った本山。「中に入っていってゲームメイクもお願いする」(オリヴェイラ監督)難しい役回りを忠実に遂行。52分にはパク・チュホのシュートをお膳立て。63分には自ら左足でミドルを枠内へ放つなど奮闘します。すると64分、1人のブラジル人が「ズル賢さと読み」(オリヴェイラ監督)を遺憾なく発揮してみせました。川崎は最終ライン+寺田で30秒近くボール回し。この間、まったくのノープレッシャー。ところが寺田の死角に入ったマルキーニョスが突如プレスに。寺田は気付かず、まるで申し合わせたかのようにマルキーニョスへパス。ドリブルから左へ流し、受けた興梠がGKをかわしてゴール。「1回しか来ないかもしれないが、相手が与えた1つの隙を狙う」(オリヴェイラ監督)意識を体現した鹿島。以降スコアは動かず、“10人の鹿島が狡猾に追い付き、勝ち点1をもぎ取った”というような結果になりました。鹿島の真骨頂は10人になってから同点に追い付くまでの30分余り。布陣は4-3-2と前に2枚残しながら、慌てて枚数を掛けて攻め急ぐようなシーンは皆無。川崎相手にリードを追い掛けるチームが食らうようなカウンターは最低限に抑えました。なおかつ何回かはチャンスも作ると。10人でタイスコアを推移させたのも見事でしたが、ビハインドでのリスク管理に鹿島の強さを見ました。川崎は「勝ち点1をプレゼントしてしまった」(関塚隆監督)印象ですが、後半途中からは中村をドイスボランチの前に置く4-3-3で勝負に。「憲剛をボランチに下げようかと思ったが、この形を作り上げて来た所なのでそのままで行った」(関塚監督)とチームポリシーはブレず。結果は伴わなかったものの、終盤はいくつか惜しいシーンも創出。多少予想とは異なりましたが、お互いのこだわりがぶつかり合う熱戦でした。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第25節 草津×徳島@正田スタ

  • 2009年07月04日 23:52
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

2005年のJリーグ昇格同期。1年目こそ草津が最下位に終わったものの、2年目からは3年続けて徳島が最下位。なかなか浮上のキッカケを掴めなかった両クラブですが、昨年は草津が昇格争いに絡む躍進を遂げました。そして今年は徳島が、24節終了時で5位と台風の目に。今までとは一味違う意味合いを持つ対戦は正田醤油スタジアム群馬から。キックオフと共に激しく振り出した雨とは対照的に、静かに立ち上がったゲームは15分に動きます。「スローインでの約束事」(草津・廣山望)から右サイドを抜け出した廣山が、これまた「(ニアの)1枚目を越えるのは約束事」という絶妙のクロス。これに復帰2戦目となる都倉賢が飛び込み、草津が先制しました。徳島は羽地登志晃を頂点に置き、その下に注目の柿谷曜一朗を配する「4-1-4-1というか4-3-3」(徳島・美濃部直彦監督)で臨みましたが、中盤でセカンドボールが拾えず、「前でキープできずに基点が作れなかった」(徳島・石田祐樹)こともあって、チャンスらしいチャンスをまったく生み出せません。逆に草津は、攻撃的な選手を並べて前掛かる相手のプレスが緩い中、中盤でしっかりボールを繋いでからサイドに付ける形を徹底。さらに、24分には廣山が裏に蹴って、俊足FWの後藤涼を走らせるような、機を見てシンプルにゴールを狙うシーンも伺えるなど、ほとんどパーフェクトに近い出来。佐野達監督も「ゴールに向かうポゼッションができていた」と納得の前半だったようです。さて、かなり厳しい45分を強いられた美濃部監督は、後半から石田を前線に押し出した4-4-2にシフト。序盤はそれが奏功し、いくつかセットプレーを奪って攻める時間もありましたが、徐々に草津がポゼッションで上回り出し、再び流れはホームチームの元へ。それでも一瞬のキレはさすが。62分、柿谷が素晴らしいトラップからスルーパス、草津のGK北一真が飛び出してクリアしますが、反応した羽地との距離は間一髪。個の怖さは垣間見せました。さらに徳島は68分、2枚のカードを同時に切って、前線に羽地と徳重隆明を並べます。74分、その徳重の25m近いFKは北がうまくセーブ。82分、徳重からのパスを羽地が押し込むも、判定はオフサイド。89分、ペ・スンジンのクロスを、途中交替のファビオが折り返し、徳重がフリーでボレーを放ちましたがヒットせず。ややピンチが増えながら、90分は終了。5899人の95%近くが草津を応援していたスタンドも、第3節以来となるホーム勝利をほとんど確信したことでしょう。しかし、93分に落し穴。左サイドをスルスルと崩され、徳重がクロスを上げるとファビオが打点の高いヘディング。「遅れてしまったけどゴールを決められてよかった」と語る、10番を背負ったブラジル人が最後に大仕事。「我々のサッカーはできた」(佐野監督)ホームチームは痛恨の、「内容からしても満足しなきゃいけない」(美濃部監督)アウェイチームは安堵の、それぞれ勝ち点1獲得となりました。好調だった徳島は「連動してボールを動かせなかった」と美濃部監督も語ったように、中盤でのボール支配では完敗。羽地へロングボールが入った時にチャンスが何回か作れていたことを考えると、もう少し割り切って攻めてもよかったかもしれません。それでも「悪い内容だったにせよ勝ち点1を取れた」(石田)は確か。粘り強さを発揮しました。草津は75分過ぎから何回かピンチはありましたが、内容含めほとんど勝ち試合だっただけに「こういう結果になるのはもったいない」(草津・櫻田和樹)の一言。あまり修正点もない気がしますが、やはり月並みながら「ホームで2点目が取れない」(廣山)のは悩みの種。これで10試合連続ホーム勝ちなし。不思議なものです。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第10節 川崎×G大阪@等々力

  • 2009年07月01日 23:57
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

日程の妙によって激闘を交わした1週間前の再戦となる川崎とG大阪。スタイルは大いに異なれども、J最高峰の攻撃力という共通項を持つもの同士の対戦は等々力です。攻める意識は窺えるものの、やや慎重な立ち上がりが過ぎると、流れを掴んだのはG大阪。要因はキーマンのポジションにありました。ここ2試合は橋本と明神だったドイスボランチに、今日は遠藤と明神を起用し、橋本を中盤の右に移してきた西野監督。対する関塚監督は、寺田と谷口をドイスボランチに置いた、中盤ボックスの4-4-2。この構図で、「CBからビルドアップしてくる」(関塚監督)G大阪に対して、川崎2トップがプレスに行く優先順位は最終ライン。さらに川崎のドイスボランチは、自分のエリアに入れ替わり立ち替わり侵入してくる4枚を見るので手一杯になり、必然的に中央には遠藤が泳げるスペースが広大に。ここで彼が集めて散らして、パスワークにリズムが付きます。15分過ぎからはアウェイチームが一方的に攻め立てる展開になりました。しかし、ほんの一瞬の隙を突いたのはやはり川崎の14番。32分、ボールを奪うと短いドリブルから左へ絶妙のロングパス。受けたレナチーニョがカットインからシュートも、体が流れて当たらずミスキックに。が、逆に最高のパスとなり、ファーから走り込んだ養父が一振り。「それに徹してたし、それしか考えてなかったはず」(G大阪・加地亮)とわかっていながら、やられたカウンター。「押し込んでいる展開で一瞬の隙をやられてる」(西野監督)悪癖が顔を出した相手を尻目に、ワンチャンスを見事に仕留めた川崎が前半をリードして折り返しました。後半に入ると、いきなり山場が訪れます。52分、エリア内で二川が養父に倒されPK。G大阪とPKという2つのイメージを容易に結び付ける男の登場に、スタジアムも静まります。しかしボールが蹴られた直後、大歓声が巻き起こったのはホーム側。「考えてやらずに、頭じゃなくて体で反応しようかなと思った」川島が遠藤のキックを完璧にセーブ。スコアは変わりません。さらに56分、今度はFKとして再び対峙した遠藤のキックも素晴らしい反応で弾き出し、ゴールを死守。その能力を見せ付けます。さて、何とか追い付きたい西野監督は63分、明神とチョ・ジェジンに替えて、佐々木と播戸を投入。すると、これが一面では成功し、一面では失敗することになりました。まず成功は佐々木の投入。右サイドを任された佐々木は、持ったら仕掛ける積極性でサイドを制圧。鋭い突破からクロスを連発します。そして、失敗は結果論ですがチョ・ジェジンを替えたこと。佐々木が送るクロスは、高さに定評のある川崎守備陣がことごとくクリア。何本かあった二アヘのボールにも反応は乏しく、決定的なシュートは打てません。佐々木で活性化したのはチョ・ジェジンを下げた後だったのですが、高さがなくなったことで結果として怖さが失われたのは否めません。終盤はラインをある程度深く取り、ボランチに寺田、横山と、CB4枚をボックスに並べた布陣を最後まで崩せず、G大阪はスコアを動かせないままタイムアップ。「次の鹿島と戦うためにも勝ち点3が欲しい」(関塚監督)川崎が返り討ちを果たしました。敗れたG大阪は「らしさも出してくれたが、最後に決めきれない。それに尽きる」という西野監督の言葉がすべて。「違うスタイルを求めようとは思ってない」(西野監督)ことは明白なので、修正ポイントも少なく、単純に点が取れるか取れないか。今日は取れなかったということでしょうか。勝った川崎は川島の安定感が光ります。「1-0の試合が続いての勝ち点3は非常に価値がある」と関塚監督は話しましたが、前節の山形戦も含めて、守護神のパフォーマンスは特筆モノ。次の大一番、首位と2位の直接対決が今から楽しみですね。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第15節 新潟×名古屋@ビッグスワン

  • 2009年06月28日 23:34
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

暫定ながら現在2位。開幕前の評価に反発するかの如く、好調を維持する新潟。今日の相手はミッドウィークにACLを戦い、ベスト8進出を決めた名古屋。疲労はあるでしょうが、現状のベストメンバーを組むなど意欲的。好ゲームが期待される中でキックオフを迎えました。いきなり訪れた名古屋のラッシュを凌ぐと、新潟の「1つの武器」(新潟・鈴木淳監督)である褐色の9番がいきなり牙を剥きます。5分、縦パスへクサビに入った大島はノープレッシャーでターンすると、左のペドロ・ジュニオールへ。ペドロはドリブルでゴリゴリ突き進み、シュート。これが左ポストに当たった跳ね返りを松下がプッシュ。「名古屋は攻撃から守備の切り替えが遅いのはスカウティングでわかっていた」(新潟・内田潤)中で、狙い通りのカウンターから、まずは新潟が先制しました。対する名古屋はダヴィが前線で蓋になってしまい、効果的な攻撃がなかなか見せられません。それでも25分には左からマギヌンが鋭いパス、エリア内でDFを完全に体でブロックしたダヴィが落として、最後は玉田。ゴールネットは揺れたものの、扇谷健司主審はダヴィのファウルを宣告します。名古屋のストイコビッチ監督も「ベンチからファウルがあったか見えなかったが、(アレがファウルなら)ボールをしっかり守ったプレーはFWとして今後できない」と発言。かなり際どく、審判によっては笛を吹かない可能性も十分に考えられましたが、今日の判定はオフェンスファウルでノーゴール。そしてここが1つの分岐点になりました。直後の26分、マギヌンが2枚目のイエローカードで退場に。名古屋は数的不利を余儀なくされます。左FWを担うペドロの守備意識がそこまで高くないことから、特に序盤の名古屋は右サイドを積極的に突いていた印象が強いものの、25分のシーンなど、チャンスの大半に絡んでいたのは左のマギヌン。アウェイチームにとっては二重の痛手となりました。すると43分にはまたも新潟のカウンターが決まり、松下、ペドロと繋いで、最後は松下が冷静にフィニッシュ。2点に差が開いて、前半は終了しました。さて、苦況に立たされたストイコビッチ監督は後半開始から左SBの阿部に替えて、竹内をそのままの位置に投入。さらに55分過ぎには4-4-1から、竹内、吉田、増川を最後尾に配した3-4-2気味にシフトして、状況打開を図ります。ただ、それでも新潟の左SBで奮闘した中野が「ダヴィの突破以外は、時間をかけて対応すれば簡単にやられることはない」と話せば、右SBの内田も「怖さはなかった」とのこと。新潟からすれば、人数の少ない相手にボールを持たれる時間が長くなる展開にも、ある程度余裕を持って対処していたようです。71分に3枚目のカードとして切られた杉本が入ると、3トップで最後の勝負に出た名古屋。その杉本が意地の1点を返すも、時間は既に92分。「しっかり守って速い攻撃で点を取る自分たちのスタイルは出せている」と手応えを語った松下の2発で、新潟が再開後2連勝を飾る結果になりました。名古屋はややアンラッキーな判定を享受しましたが、10人になる前までを見ても、去年はあったサイド攻撃の凄味が感じられません。強烈な個を持つダヴィをどうやって組織に組み込むかが、まだ明確になっていない印象を受けました。一方、2位をキープした新潟は逆に、持ったらほとんど勝負するペドロをうまくチームとして生かしています。それは右の矢野も同様。前述の松下に加えて、内田も「奪って速く攻めるのは狙い」と明言。鈴木監督も「3点目が取れるか取れないかという課題は出たが、ゲームのやり方としては問題なかった」と一定の評価を口にしており、最後の1失点をしっかり教訓にできそうなポジティブさをチーム全体から感じました。また、永田と松尾の離脱を受けてDFラインの左側を担当した、今シーズン初スタメンの千葉と中野が共に代役以上の貢献度を見せたことも大きな収穫だったのではないでしょうか。新潟、強いです。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第23節 東京V×湘南@国立

  • 2009年06月24日 23:54
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

前節、札幌相手に苦しみながらも劇的な逆転勝利で首位をキープした湘南。一方、ベテラン服部年宏の今シーズン初登場となった仙台戦で、ドローながら互角以上の内容を見せた東京V。今節最注目カードは聖地国立開催です。ゲームは、まず湘南がリズムを掌握。「立ち上がりは対応に時間がかかった」と東京Vの高木琢也監督も認めたように、各所でショートパスを細かく繋いでチャンスを窺います。16分には田原豊がヒール気味のアウトでパス、受けた坂本紘司もヒール気味アウトで繋ぎ、寺川能人がダイレクトでスルーパス。シュートまでは行かなかったものの、攻撃のオートマティズムを感じさせる一連のプレーでした。さて、20分を過ぎると徐々に東京Vもボールが回るようになっていきます。ここで目立ったのはFWに入った平本一樹。「エリアの最後の3分の1はマンツーマン」(湘南・鈴木伸貴)になる相手の隙間に潜り込み、巧みなポストワーク。29分にはクサビを受けると、反転して枠内にミドルを放つなど躍動。「ボゼッションができるようになってからは自分たちの時間になった」(高木監督)東京Vが、わずかながら優勢にゲームを進めて45分は経過しました。後半は前半終盤の流れそのままにスタートからホームチームが攻勢に。特にSBのルーキー那須川将大が積極的なオーバーラップを見せた左サイドが活性化されていきます。すると、やはりゴールはこのサイドから。58分、レアンドロが左からクロス、GKがパンチングしたボールを河野広貴が拾ってパス。「トラップでいい所に置けた」柴崎晃誠が狙いすましたミドルを右スミへ。押していた東京Vが先制しました。しかし、劣勢をワンチャンスで覆すのが首位の底力。失点から4分後の62分、粘ってキープしたアジエルのパスを受けた鈴木は「最初は中央の田原(豊)が見えたが、ファーで臼井(幸平)がフリーだったので」、一瞬で意識修正して大きなクロス。大外の臼井は浮き球をトラップせずに直接中へ。これに反応したのは、この7分前に投入されていた阿部吉朗。2戦連発となるボレーを突き刺し、今日も反町采配ズバリでスコアはタイに戻りました。ただ、この失点に「決して集中していなかった訳ではない」と話したのは服部。そして、失点しても気落ちすることなく前へ出る姿勢を打ち出し続けた東京Vに、勝利の女神は微笑みます。81分、レアンドロのCKをファーで土屋がヘッド、ニアに飛び込んだのは「相手はペナ(ルティエリア)の中ではマンマークだったけど、徐々にマークが外れてきてた」と感じていた大黒将志。後ろから来たボールに体をムリヤリねじって右足で当てると、ボールはニアポストとGKのわずかな間をすり抜けてネットへ。得点ランクトップのエースが、難易度の高いシュートで決めたゴールは決勝点に。「首位に対しても前節と同じサッカーができていた」(服部)9位の東京Vが、湘南を前に内容でも上回って大きな勝ち点3を獲得しました。敗れた湘南はチーム総失点である22失点の内、実に半分の11失点がここ5試合に集中しています。「今日敗戦したけど、ずっとここまでそうした兆候はあった。これが湘南の実力」とは反町康治監督。12試合ぶりの黒星は、改めて守備面の課題を炙り出すことになりました。勝った東京Vは、やはり服部の存在感が光ります。大黒も「ハットさんがアンカー的に影に徹してくれてるから(柴崎)晃誠も安心して上がって点が取れてる」とその働きを絶賛。中盤の構成力やストライカーのレベルを考えると、4強追撃の一番手は東京Vではないでしょうか。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第22節 湘南×札幌@平塚

  • 2009年06月21日 21:59
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

試合後、「久しぶりにベンチの前でガッツポーズなんかしてしまいまして」と語った湘南・反町康治監督。こちらで勝手に補足させてもらうと「しかも“2回も”」。ただ、その2回は間違いなく、ベルマーレというクラブに関わる全ての人の気持ちそのものだったと思います。霧状の雨がピッチを覆い、もやがかかったように見える中、序盤からゲーム自体も視界同様スッキリしません。10分にはエリア内で中村祐也が、田原豊との巧みなワンツーから落ち着いて先制点を奪いますが、湘南が前半に掴んだ決定機はこのシーンのみ。なかなかボールの収まり所が見つからず、臼井幸平、鈴木伸貴の攻撃的な両SBもほとんど上がることができません。対する札幌も4試合ぶりに戦列復帰したクライトンと周囲がなかなか合わず、時折見せる藤田征也の仕掛けに可能性を感じる程度。42分、クライトンのCKからチョウ・ソンファンが頭で狙うも、野澤洋輔のファインセーブに阻まれ、石崎信弘監督も「すごく消極的」と振り返った前半はホームチームが1点をリードして淡々と終わりました。後半は開始から札幌が動きます。左SHの岡本賢明を下げて中山元気を投入し、「向こうは3トップなのでかなりリスクを賭けて」(石崎監督)3-5-2にシフト。するといきなり47分、ロングボールを収めた宮澤裕樹がジャーンに倒され、PK獲得。クライトンが沈めて点差は1点に。前半途中で退いたキリノとは違い、ターゲットタイプが前線に入ったことで「中山さんにボールが収まって、基点を作られた」とは湘南のアンカー田村雄三。反町監督も「中山への対応が遅れたのは正直あると思う」と認めています。すると、58分には藤田の右クロスに「ボランチからサイドに移ったばかり」の西大伍がファーから中へ飛び込んで、ヘッド。あっと言う間にスコアは引っ繰り返りました。さて、逆転した石崎監督は「リスクを回避し、前掛かりに来る相手に対してカウンターを狙おう」と再び4-5-1へ。これに対して、反町監督はまず60分に中村と阿部吉朗をスイッチ。さらに70分には左SBの鈴木に替えて島村毅を送り込み、田原と2トップを組ませた3-5-2で勝負に出ます。それでも目立ったチャンスは創れない中、反町監督は「こっちの2トップに相手の4バックが引っ張られている」と冷静に分析。「前にタイミングよく出る力とスピードはピカイチ」と評する猪狩佑貴を81分、12節に5分間起用して以来、今シーズン2度目となるピッチに解き放ちます。すると直後の83分、前に上がっていたジャーンへのロングボールは阿部の下へ。一度クリアされたボールを、再び阿部が左足ボレー。2-2、反町監督1回目のガッツポーズが飛び出します。さらに平塚劇場はここで終わらず。87分、アジエルがノールック気味に中央へ。後方から飛び込んできたのは猪狩。「ファーストタッチがうまくいった」(猪狩)流れでシュートを放つと、直後揺れたのはゴールネット。昨年はJFLの佐川印刷で武者修業。「午前中練習して、午後は1時から6時まで工場の仕事をしていた」という、ジュニアユースからの生え抜きが大仕事を果たしてみせます。監督はベンチの前で“2回目”のガッツポーズ。それ以外の選手、スタッフはほぼ例外なく猪狩の下へ全速力で駆け付け、歓喜のピラミッドを形成。スタジアムの沸点も絶頂に達し、湘南が再逆転で勝ち点3を強奪する結果になりました。前半は低調だったにも拘らず、後半は両指揮官の采配、そしてそれをも超える選手のパフォーマンスが激しく交錯する好バウト。それを締め括ったのが「去年1年頑張ってきて、チャンスが結果に繋がった」と笑顔を見せた猪狩というのも“粋”でした。この決勝点には反町監督も「サッカーに対して真摯に取り組む姿勢がこの1点に集約されている」と話し、「あのゴールで猪狩の次に嬉しいのは私です」と親心を垣間見せました。札幌サイドの心中はお察ししますが、それでも湘南におけるシチュエーション、そして結果を前にすると、改めてフットボールの素晴らしさを実感させてくれる1日になりました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第14節 柏×FC東京@日立台

  • 2009年06月20日 23:49
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

柏17位、FC東京14位。なかなか浮上のキッカケを掴みきれない両チームが激突した中断明け一発目のゲームは、順位こそ近いものの、その間に横たわる7の勝ち点差が持つ意味を、FC東京がまざまざと見せ付ける結果になりました。序盤はホームの柏ペース。菅沼が左サイドから積極的に攻め立て、試合前、「今日からが本当の開幕だ!」と気勢を挙げたサポーターに期待を抱かせます。しかしその想いは9分で霧散。栗澤の中途半端なFKは味方に届かず、「一番警戒していた」(柏・高橋真一郎監督)東京のカウンター。その数は柏3に対して東京6。ブルーノ・クアドロスのラストパスに、最高のタイミングで抜け出した石川がボレーでズドン。「前半何とかゼロに抑える」という高橋監督のプランも破壊されます。直後の10分、東京GK権田のミスキックを拾った李が無人のゴールにも関わらずシュートを外してからは、完全に東京ショー。20分には徳永のクロスを平山が胸で流すと、DFラインの裏でフリーのカボレが難なく叩き込み、0-2とリードを広げ、その後も23分平山、24分平山、30分カボレ、37分平山、42分石川と実に5回もの決定機を創出。柏は自陣で凌ぎ、それも崩されたら菅野のファインセーブ頼みという展開を余儀なくされました。要因は主に2点。まず、東京の2トップ、平山とカボレがほぼノーミスでポストプレーをこなしたこと。これで、後方からのオーバーラップは促進され、カウンターの切れ味は鋭さを増していきました。また、あと1つはセカンドボールをことごとく拾ったこと。まずはカウンターが発動、それが跳ね返されても、米本、梶山、羽生がすぐさま反応してボールを奪取し、2次攻撃、3次攻撃に繋げていきます。柏のラインは下がる一方。エリア内では東京が個の力でこじ開けようとトライ。ワンサイドゲームの様相を呈して45分が経過していきました。ハーフタイムで選手を替えずに臨んだホームチームの受難は続きます。後半開始40秒、徳永のスローインをカボレがヒール。エリアやや外で受けた平山は、同じ13番を纏ったワールドユースの盟友を肩で弾き飛ばすと、左足で左スミに豪快な一撃。間違いなくこの日の主役が決めた3点目。柏で最も奮闘していた13番も力及ばず。勝負は決しました。51分、「90分できるコンディションではない」(高橋監督)フランサとポポを同時投入。最初の5分は輝きを放った10番も、ミスの増加と共に集中力も削がれて埋没。11番も58分のポスト直撃弾が唯一の見せ場。そして60分に、最もゴールの可能性を感じさせた菅沼が交替させられ、その後は「課題だったゲームの終わり方も、最後まで自分たちの時間でバランスを崩さず守備もできた」(FC東京・城福浩監督)相手の前に、1つの決定機も生み出すことなくタイムアップ。ナビスコの好調は何処へ。まさに完敗を喫し、ゴール裏のサポーターからブーイングを浴びる結果になりました。東京は「チャンスを創り続けることで、ゴールは奪える」という城福監督の言葉を体現。文句の付けようがないゲームだったのではないでしょうか。個人的には平山、石川の活躍も見事でしたが、米本が一番印象に残りました。67分にはフランサの巧みなターンを前に、完璧な対応からボール奪取。梶山との補完関係も良好で、ルーキーながら起用されている理由がよくわかりました。柏は、いよいよ後がなくなってきましたね。これ以上言うこともあまり見つかりませんが、1点目と2点目は共にフリーでラインの裏へと抜け出されている辺りに、集中力の欠如が見てとれます。「こんなことでレイソルは死なない」という指揮官の言葉をサポーターはどう捉えるでしょうか。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (4) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第21節 草津×愛媛@正田スタ

  • 2009年06月13日 23:43
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

ここ4試合で3勝1分けと復調傾向にある草津。しかし、ホームでの勝利はなんと3月22日の第3節まで遡らなくてはなりません。今日は実に約3ヵ月ぶりとなる歓喜を正田醤油スタジアムへもたらすべく戦うゲームです。序盤からボールキープ率で上回ったのは、中盤右から廣山望、松下裕樹、櫻田和樹、熊林親吾とJ2の中でも屈指の構成力を誇る草津。ただ、ボールこそ回るもののその局面は非常に狭く、なかなか攻撃に広がりが出てきません。対する愛媛は前線に俊足の内村圭宏、ジョジマールを配置。「奪った後の仕掛けはできていた」と望月一仁監督が語ったように、あまり手数をかけずに縦へのボールを多くして、浅い相手DFラインの裏を狙っていきます。22分に高田保則の頭、24分に櫻田の左足と草津の惜しいシーンを2つやり過ごすと直後、愛媛に先制点。25分、ルーキー吉川健太のフィードにボランチの赤井秀一が2列目から飛び出します。左から右へと流れながらボールを受け、そのまま左スミへフィニッシュ。狙い通りにアウェイチームがまずはリードを奪いました。するとその後はDFとMFの8枚で強固なブロックを築いてからカウンターを狙う愛媛ペースに。40分にはやはりシンプルな縦パスから、中央でボールを収めたのはジョジマール。草津の佐野達監督も「もっと速くプレッシャーに行かなくては」と嘆いたDFのルーズな対応を尻目に、褐色のストライカーが左足一閃。2対0。「またか…」というような雰囲気にスタジアムが包まれ、前半は終了しました。後半は一転して草津が掌握。まず53分に後藤涼が裏へと抜け出し、マイナスの折り返し。熊林のGKを破るシュートは愛媛CBの金守智哉が何とか頭で掻き出しますが、5分後には暗転。草津CB田中淳のフィードを金守が頭でGKに返したバックパスは決定的に短く、後藤がかっさらって冷静にフィニッシュ。草津が1点差に迫ります。この2つのシーンが象徴するように、パスを回しては手詰まりになっていた状況から、縦へ速く運ぶ意識が奏効した草津。60分には「ドリブルからフィニッシュへの力が十分ある」(佐野監督)小池純輝を左の中盤に投入し、さらなる攻勢に。64分には松下のミドル、こぼれを後藤が狙い、GKのファインセーブに阻まれながら、同点への期待は高まるばかり。そして73分、左サイドへ展開されたボール、小池は鋭いカットインから思い切り良くニアサイドにズドン。2対2。「選手、スタッフがずっと考えている」(佐野監督)ホーム勝利への執念か、完全に形勢は逆転しました。78分に2本連続で際どいシュートを放ったジョジマールがその2分後に退くと、もはや一方的な流れ。中でも草津の左サイド、すなわちメインスタンド側はホットゾーンに。持ったら仕掛ける小池の姿はまさにデルピエロ。ひとたび彼がボールを持てば、その期待感はサポーターのボルテージを上昇させ続けます。81分、高田がエリア内で倒されるもノーホイッスル。87分、高田のシュートは右ポスト直撃。90分、小池のカットインシュートはGKファインセーブ。結果、3点目は奪えず、タイムアップを告げるホイッスルを聞くと草津の選手は大半がピッチに倒れこみましたが、最後までスリリングなゲームを見せてくれました。愛媛は望月監督も「入れられ方が悪くてバタバタした」と振り返った通り、後半はあれだけ堅かった守備ブロックに穴が目立ち始め、後手に回ってしまいました。気温27.1度の条件下で、中3日の疲労が如実に現れてしまった印象を受けました。草津は前半の低調さが悔やまれる所。ただ、エース都倉賢を負傷で欠きながら2点を追い付き、さらに新・ジョーカーが誕生したのも好材料。次のホームゲームは6月24日。熊本相手に勝ち点3が奪えるか、注目です。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第20節 水戸×甲府@ひたちなか

  • 2009年06月07日 21:43
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

以前から注目はしていた、全部ひらがなという妙に気になるネーミング。やっぱり一度は見ておかないとなあと思って、今日は水戸と甲府の一戦を見に、“ひたちなか”陸上競技場に来てみました。予備知識としては持ってましたが、その強風は噂以上。公式記録も19.4度で、正直半袖を着ていったため、鳥肌を立てながらの観戦です。ゲームは前述した通り、「集中が途切れそうな強い風」(甲府・安間貴義監督)の中、風上の水戸も、風下の甲府も影響を受けた格好。18分にはルーズボールを甲府のCB山本英臣がクリアすると、高く上がったボールは自陣ゴールに向かい、GKがフィスティングで何とか逃れるなど、あまり見られないようなシーンも。立ち上がりから膠着した展開が続きます。水戸で注目を集めたのは加入3試合目にして初めて本職のボランチで先発した下田光平。「バランスを取りながら守備の面では効いていた」(水戸・木山隆之監督)「下田がガチガチ行ったことがチームに勢いを与えた」(水戸・大和田真史)と、彼が中盤にフィルターをかけたことも、甲府の勢いを削ぐ一因になっていました。ただ、攻撃面ではロングボールが多く、頼みの高崎寛之も甲府CBのダニエルと山本にうまく抑えられ、なかなかスイッチの起点が作れません。すると37分、ダニエルがパスカットから左へ。受けたマラニョンはドリブルから「森田に合わせるつもりだったが、(キム・)シンヨンが入ってくることはわかっていた」と中へクロス。「ボールが来る時に右足で切り返して左足でシュートというイメージがあった」とファーで受けたキムはそれを具現化し、豪快にゴールへ一刺し。各々が見事にシンクロした甲府が、最初の決定機をモノにして、リードを奪いました。直後には水戸にもビッグチャンス。41分、左から村松潤がシュート気味のボールを中へ。高崎が何とかプッシュしますが、GK荻晃太がファインセーブ。「絶対1点取らなくちゃいけなかった」(木山監督)風上の前半をビハインドで終えることになりました。後半は徐々に両サイドの深い位置まで侵入していく回数の増えた甲府がペースを掴みます。例えば中盤の藤田健と石原克哉のコンビネーションパスを見れば大木武前監督時代の香りを感じますが、CBのダニエルはまず危険回避の大きなクリアがファーストチョイス。状況に応じて「割り切ったサッカーができるようになってきた」という山本の言葉も頷けます。木山監督も62分には森村昂太と吉原宏太を同時に、79分には島田祐輝と攻撃的なカードを次々と切って状況打開を図るものの、なかなかシュートシーンを創出できないまま時間が経過。GKの本間幸司も上がった94分のFKでは、こぼれ球を村松が左足で叩きますが、甲府DFが体でブロック。そのボールを本間が何とか前方に押し戻した直後にタイムアップを告げるホイッスルが吹かれ、アウェイ甲府が勝ち点3を積み重ねることになりました。水戸は主力クラスのアタッカーにケガ人が目立つ中、どうしても高崎にかかる負担が大きい印象です。今日は高崎も相手の激しいチェックに苦しみ、中盤にも起点がなかったために、迫力のある攻撃は鳴りを潜めてしまいました。2戦続けて1失点と「球際に行くベースはしっかりしている」(大和田)だけに、あとは強固な相手を崩し切るパワーが欲しいですね。勝った甲府は、このゲーム唯一のゴールシーンが象徴的。「パターン通りだけど、以前だったらシンヨンは間に合ってなかった」とは安間監督。クロスを上げたマラニョンは「センタリングを上げればシンヨンがいる」と語り、そのキムは「考えた通りいいボールが来た」と笑顔。一段階高い部分での意識共有が進んでいるようです。絶妙のライン統率を見せた山本も「全員が“感じられる”ようになってきている」と手応えを感じている様子。成長し続けている甲府、要注目です。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (3) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第19節 湘南×熊本@平塚

  • 2009年06月04日 01:46
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

20分を過ぎた頃、いつも前半はベンチにどっかり腰を下ろしている反町康治監督がテクニカルエリアまで飛び出し、アンカーの田村雄三を呼び寄せて指示。中盤を坂本紘司とのドイスボランチに変更します。明らかにいつもとは違う光景。この時点で「翻弄されて修正ができなかった」(湘南・寺川能人)ホームチームは2点のビハインドを負う展開を余儀なくされていました。ゲームが始まると、まず目に付いたのは熊本・藤田俊哉のポジション。予想に反して、3トップの中央に位置を取ります。その実は「ゼロトップみたいな感じ」(熊本・北野誠監督)。最前線で、下りてきて中盤で、時にはサイドで、精力的にボールを収め、周囲は「俊哉さんに入ったらどんどん追い越していく」(熊本・西弘則)ことを徹底。ターゲットは「田村を動かしたスペース」(北野監督)。入れ替わり立ち替わり次々とバイタルに侵入する熊本に対して、「後ろのラインが慌てふためいた」(反町監督)湘南は後手を踏み続けます。15分、山本翔平が中央をドリブルで持ち上がり、藤田が右に繋ぐと、思い切りのいい西のシュートは左ポストの内側を叩いて先制点。18分、細かいパスワークから右へ展開、宇留野純のクロスを藤田がシルクタッチで落とし、またも西がゴールに突き刺し2点目。ほとんど無抵抗のままに攻められ続けて迎えたのが冒頭の反町監督だった訳です。システム変更後は持ち直して膠着状態が続く中、38分には田原豊が難しい体勢からうまく落としたボールを寺川が冷静に蹴り込んで1点差に迫りましたが、前半追加タイムには「今シーズン初めてのCKからの得点」(北野監督)を18歳のチョ・ソンジンに叩き込まれ、再び2点差。内容に見合った結果とはいえ、かなり意外なスコアで45分は過ぎ去っていきました。後半開始から投入されたトゥットも「自分が何かしなきゃいけない気負い」(反町監督)からか不発。53分にはアジエルのスルーパスを受けた田原がGKとの1対1に敗れ、湘南はなかなか点差を詰められません。一方の熊本は55分に木島良輔を投入。「無理に前へ出ていかずに落ち着いてやっていこう」と話した藤田を中盤に落とし、こちらも石井と山本をドイスボランチに置く4-4-2にシフトします。61分には再びアジエルのスルーパスが田原へ渡り、今度はGKに倒されPK獲得。これをアジエルがキッチリ決めて1点差に迫ったものの、要所に経験豊かなベテランを配す熊本が、スタンドまでイライラさせる老獪な時間の使い方で、一歩一歩確実に勝利へと近付いていきます。それでもこれが今シーズンの湘南か。91分、FKから中央が混戦に。臼井のシュートは熊本DFがブロック、再び混戦になると足を伸ばしたのはジャーン。土壇場で追い付き、勝ち点1を拾ってみせました。はっきり言って湘南は完全な負け試合。今まで、特に試合の前半は内容が悪くても、結果には現れない流れがありました。しかし今日は完全なパニック下で2失点を喫し、さらにもう1失点と、勝ち点を得られる可能性はかなり低かったはず。それでも最後に追い付く辺りに、今シーズンの“持ってる”ものを感じました。熊本は1つの理想形が見えたゲームだったのではないでしょうか。本当に開始20分くらいまでのパフォーマンスは衝撃的。北野監督も「結果は出なかったがいいゲームはできた」と語っています。ただ、終盤はかなり疲弊していたのは間違いなく、あのスタイルを何分くらいまで保てるか、そのチームとしての運動量が今後の鍵になりそうな印象を受けました。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第18節 東京V×草津@国立

  • 2009年05月29日 01:20
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

ゲームが始まって、まず目に付いたのは草津DFラインの高さ。前節から入れ替えた両SBを含む4バックがキッチリと揃って上下動を繰り返します。東京Vは高木琢也監督が「相手の最終ラインがセンターサークルからセンターラインの辺りで、跳ね返されるゾーンが中盤よりもDFラインに近く、全体のラインが伸びた」と語り、FWの林陵平は「ちょっと引いてロングボールを蹴らせないようにしつつも、コンパクトな状態にされたので繋がされていた感じ」と振り返るなど、序盤からなかなかリズムを掴みきれない状態が続いてしまいます。するとアウェイ草津が躍動。10分には松下裕樹の素晴らしい展開から寺田武史が折り返し。走り込んだ櫻田和樹のシュートはGKに阻まれますが、都倉賢がプッシュ。新エースの今シーズン10点目で先制し、27分にも右サイドから廣山望が中へ送ると、高田保則が体を開きながら左足インサイドで2戦連発となる技ありゴール。「少し入り方が悪くて、その流れで先に2点入れられてリズムが狂ってしまった」(高木監督)ホームチームを相手に堂々たるゲーム運びを見せ、大きなアドバンテージを得たまま、45分を終えました。なお、前半の風上は東京Vだったのですが、林と互角以上に渡り合い、制空権を握らせなかった草津のCB藤井大輔は「上はわからないですけど、前半のピッチは風がちょっとおかしくて上から下に吹く感じで、ボールが背後から来る相手のFWは競りにくかったと思う」と興味深い事実を明かしてくれました。後半開始から高木監督は林を諦め、井上平を投入。大黒将志とのスピード系2トップで現状打破を狙います。53分にはレアンドロがGKを強襲、弾いた所にフリーで詰めた河村崇大のシュートはバーの上へ。62分、エリア内から大黒のシュートは右サイドネット外側へ。いくつかチャンスはあるものの「こういうピッチだったんでなかなか縦にボールを出せなかった」(高木監督)ためにギアは上がらず、67分には左SBの那須川将大を菅原智に替えて、3-1-4-2気味で攻撃の意識を高めに行きます。一方の草津も相変わらず3ラインのコンパクトさは保っていましたが、「マイボールの時間が短過ぎる」とはボランチの松下。実際流れの中から生まれたシュートは72分が後半1本目。ペース自体は東京Vが握っていたように思います。それでも、次に生まれたゴールは追撃弾ではなくダメ押し弾。88分、廣山のCKからこぼれに反応した途中出場の後藤涼が綺麗な左足ボレーを突き刺し、0-3。なんと2戦続けての同スコアで草津が開幕以来の連勝を飾りました。ホーム扱いとなる聖地国立で敗れた東京Vは、今日の外的なコンディションに、よりナイーブだった印象です。「やられてからでも戦い方を変えられれば。それができないのが今の力」とは林。最後まで攻撃面での見せ場は作れませんでした。勝った草津は「前節ゼロで抑えたのが自信になった」(松下)中で迎えたゲームで「やろうと言ってることができてる。結果が自信になると思う」(藤井)と手応えを掴んだ様子。得点の時間帯も前半2点に終盤のダメ押しと理想的。これを次のゲームに繋げられれば再びJ2をかき回す存在になり得るでしょう。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第13節 千葉×横浜FM@フクアリ

  • 2009年05月24日 01:52
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

16位千葉と11位横浜FM。リーグ戦中断前に浮上のキッカケを掴みたい両チームのゲームで、まず注目したのはそれぞれの布陣。千葉は相手によっていくつかのパターンを使い分ける中、「サイドを使うのはJでも1、2のチーム」と横浜FMを評したアレックス・ミラー監督が選択したのは4-4-2。ただ中盤右サイドの米倉はかなり高い位置をキープし、サイド攻撃のキーマン小宮山を牽制します。一方の木村浩吉監督は、ナビスコ含む2試合で採用した4-3-3を継続。中盤アンカーでは松田が睨みを利かせます。しかし、前半は共にイージーなパスミスを連発し、ほとんどグループとしての攻撃が機能しません。途中からは裏へのロングボールぐらいにしか活路を見出だせない両チームによる“蹴り合い”に。特に3トップの2枚を担う山瀬、狩野の高い個人スキルも生かしどころがなく、流れから消えてしまいます。それは千葉も同様。2トップの一角に入った谷澤、ボランチの工藤もボールに触れず、見るべきポイントに乏しい45分となりました。迎えた後半、先制点は唐突に。50分、巻からのボールを左サイドで谷澤が仕掛け、1人かわしてクロスを送ると、なぜか大外にはフリーの巻。難なく頭でねじ込み、ホーム千葉がアドバンテージを得ます。ハーフタイムに「徹底してサイドから行け」と選手を送り出した木村監督は、失点から10分間様子を見て決断。山瀬に替えて、キム・クナンを最前線に投入し、強度を上げる策を敢行。すると「パワープレーなんて一言も言ってない」とは木村監督ですが、やはり脅威はキムの高さ。65分にはキムが落としたボールを狩野が拾って決定機に。池田のブロックに阻まれたものの、やはりそこが生命線になったのは間違いなかったと思います。ミラー監督も「15番(キム)が入って少しゲームが変わった」と言及。ラスト30分は千葉もラインを下げざるを得なくなり、ほとんど自陣に引き籠もる格好に。さらに68分狩野OUT、坂田IN。75分兵藤OUT、齋藤学IN。いわゆるFWが4人ピッチに並び立ち、4-2-4気味になると、正直横浜FMもグチャグチャな攻め方になりましたが、千葉もそれを受ける他にはなくなり、ひたすら耐え続けます。84分には谷澤を斎藤に替えて、守り切ろうとメッセージを送るミラー監督。しかし決壊は88分。左サイドからキムがクロス、DFのクリアは小さく、小宮山の前へ。右足で蹴られたボールが右スミに突き刺さり、同点。結果、勝ち点1を分け合いましたが、90分を通してみれば妥当な終着点だった気がします。まあ、残念ながら今日の2チームから、特に攻撃の明確なコンセプトを感じることはできませんでした。双方にいるクオリティの高い選手が、個で輝いた時のみにチャンスが訪れるかもしれない、といったところで、その輝きを生み出せる何人かも窮屈そうにプレーしている印象。システムの運用も含めて、中断期間である程度テコ入れをしないと、厳しい後半戦が待っていそうな雰囲気です。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第17節 湘南×富山@平塚

  • 2009年05月23日 21:03
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

第1クールのラストゲームとなる第17節。2位湘南の要塞・平塚競技場に乗り込むのは、同じ昇格組が苦しむ中で堂々の9位に付ける富山。非常に楽しみな顔合わせとなりましたが、ゲームは序盤からホームチームが圧倒します。スイッチを入れたのは前線に聳え立つ田原豊。ほとんどのクサビを収めることで後方からのオーバーラップを促進。また8分には果敢なプレスから1人で決定機を掴むなど、リズムを引き寄せます。すると9分、寺川能人の柔らかいパスをDFラインの裏で受けたアジエルは、トラップと同時にGKの位置を確認、地面に叩きつける技ありボレーで先制点を奪いました。「癖というか、また立ち上がり10分以内に失点した」(富山・楚輪博監督)富山は細かいミスが目立ち、攻撃にスピードが出てきません。初めてのシュートは36分まで待たねばならず、失点後も「相手は様子を見る感じで引いていた」と湘南CBの村松大輔も感じていた様子。しかし、なかなかゴールの予感も高まらない中で、そのスローペースへ徐々に湘南も染まっていってしまいます。「点取ってからはすっかり休んでしまってリズムを完全に失った」(湘南・反町康治監督)「1-0でいいかなという雰囲気はあった」(湘南・坂本絋司)と2人が口を揃えたように、悪く言えば“ダレた”時間帯が長く続き、前半はそのまま何となく時間が消費されました。すると後半開始早々には富山にビッグチャンス。46分、石田英之が右サイドをヒールで抜け出して中へ、永冨裕也のシュートはヒットしなかったものの、GKの股間を抜いてコロコロとゴールへ。SBの臼井幸平がよく戻り、ほぼライン上で辛うじてクリアしましたが、湘南は肝を冷やしたことでしょう。ここが1つの分岐点に。この臼井のビッグプレーが流れを再び引き戻しました。53分、ルーズボールを制したアジエルのパスを、中村祐也が冷静に右スミへ流し込んで2-0。前半のよかった時間帯もそうでしたが、「10番(アジエル)と22番(中村)のワンツーにマークが付き切れてない」(楚輪監督)と敵将も語ったように、3トップワイドの流動的な動きを富山は捕まえ切れず、自由を謳歌させてしまいます。さらに63分、臼井の右クロスをまたも中村がニアに入り、頭で合わせて3点差に。「3-0で終わった感じ。チームが崩壊した」とは楚輪監督。大勢は決しました。湘南が打ち上げた花火はあと2発。71分、臼井の素晴らしいゴロアーリーを坂本絋司が“元”ストライカーらしく左足アウトで流し込み4点目。最後は80分、アジエルのシュートがGKに阻まれたこぼれを田原が繋いで、トゥット。終わってみれば5-0と思わぬ大差で、湘南が勝ち点を39まで伸ばす結果となりました。ここまで12とリーグで3番目に失点の少なかった富山は、第1クール最終戦で今シーズン最多失点。後半に入って攻撃面で積極性が出たものの、「相手を放って攻撃に出ても、フィニッシュで終わらなかった」(楚輪監督)ために容赦なくカウンターを浴びる格好になりました。ただ、今日に関しては完敗でしたが、17試合で「100%以上力を出して戦った6勝5分け」(楚輪監督)という成績は見事。また違う試合を見に行きたいと思います。さて湘南は、反町監督の「後半最初のビッグチャンスが(富山に)入っていれば逆転されてもおかしくない、こんな点差が離れる試合ではなかった」という言葉も確かに頷けますが、それでも5ゴールを取り切った爆発力は圧巻でした。「勝ち点とチームが目指している所がいい方向にある」と坂本。また、最高に近いスタートを切ったであろう第1クールに水を向けられても「まだ前半30分が終わっただけで、あと60分残ってる。ここからが本当の勝負」と独特の比喩で表現したのは反町監督。手応えを感じつつも、慢心は感じられない湘南の“残り60分”は果たして如何に。ご注目を。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第16節 草津×栃木@正田スタ

  • 2009年05月21日 01:25
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

“北関東ダービー2009”と銘打って、チャンピオンカップまで用意された、水戸、栃木、草津による新ダービーマッチ。中でもU字工事がイジるのは茨城の方が多いものの、真のライバル心を抱いているのは栃木にとっても、やはり群馬のはず。ホームゲームであり、またJリーグの4年先輩である草津にとっては、“絶対に負けられない戦い”と言ってもいいでしょう。しかし序盤からペースを掴んだのは、J新入生の栃木。「両SBが上がるしCBが速くないこともわかっていたので、カウンターで受けることを意識した」という稲葉久人と石舘靖樹の俊足2トップを生かすべく、取ったら裏を狙う形を徹底。15分にはスローインを受けた稲葉が角度のない所からポストに弾かれるシュートを放つなど、シンプルに攻勢を仕掛けます。これに対して、草津は中盤でボールこそ動きますが、完全に“回させられている”印象。唯一の可能性は左SBの小池純輝の突破でしたが、フィニッシュを取れるまでには至りません。まるで昇格した年の大宮を彷彿とさせるような栃木の3ラインはコンパクトに保たれ、バイタルも堅固。26分には河原和寿の右クロスから、完全に裏を取った栗原圭介が惜しいボレーを放つなど、中盤両サイドの2人だけで簡単に崩すシーンも見られ、ボール支配率とは裏腹な流れで前半は終了しました。そしてスコアが動いたのは56分。草津陣内深くで熊林が中途半端なパスを中央へ蹴ると、これを栗原がカット。石舘が繋いで稲葉へ。「無心。よく覚えてない」(稲葉)エリア外からの左足シュートは右スミに吸い込まれ、やはり栃木が先手を取りました。セカンドも徐々に拾われ始め、まったくと言っていい程に攻め手を見出だせない佐野監督は68分、「サイドから崩したい」と熊林、櫻田和樹を下げて、玉乃淳とルーキー佐藤穣を送り込む2枚替え。中盤もボックスからダイヤモンド気味にシフトして、活路を求めます。しかし残念ながらボールの回りまで悪くなり、逆にゴールの予感は薄まるばかり。86分に玉乃が左サイドからドリブル、2枚味方が空きながらも選択したシュートは力なくGKの腕に収まり、のけぞるサポーター。時間帯と点差から「最後の10分間はバタバタしてちょっと危なかった」(栃木・川上典洋)とはいえ、後半も決定機はこの玉乃の1本に抑えた栃木が、「非常に気持ちの入ったゲームをやってくれた」と松田監督も称賛するパフォーマンスで、北関東ダービーを制しました。「中2日なので、出る以上は90分間戦えるフレッシュな足を持ってる選手を11人使った」(松田監督)と前節からスタメンを5人入れ替えて臨んだ栃木。最初の交替は85分と、最後まで全員の運動量は持続され、足が止まりませんでした。何より前節はラストプレーの失点で勝ち点3を逃しただけに、「1-0で勝てたことが嬉しい」と川上。コンビで決勝ゴールを奪った稲葉と石舘の2トップ、今シーズン初出場で中盤の防波堤を全うした伊藤淳嗣など、若い選手が結果を出しての勝利。ダービーということ以上に意味のある1勝だったのではないでしょうか。敗れた草津は「(前節の)湘南戦でできたことが全く出ずに完敗」という佐野監督の言葉通り。厳しいようですが、攻撃時の仕掛けどころ、守備時の奪いどころにコンセプトが感じられません。J2でもスキルは高次元の中盤4枚もボール回しに終始。特に熊林の良さがサイドに出ていることで消えているように見えました。個人的には今日も1人気を吐いていた小池をもう一列前で見たい気がするのですが。これで新加入の富山、栃木に連敗。今週末の岡山戦次第では、深刻な事態が待っているかもしれません。    AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J2第15節 湘南×草津@平塚

  • 2009年05月17日 23:08
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

折からの雨に加えて、ピッチ上では「大いにゲームを左右する」(湘南・反町康治監督)風が吹き荒れる中、先制したのは草津。6分、廣山望のCKから熊林親吾がシュート、DFがブロックしたこぼれ球を後藤涼がプッシュ。開始早々にリードを奪うと、8分には再び廣山のCKから都倉賢が惜しいヘディング。11分にも連続CKを獲得するなど、悪コンディションに対していい意味でアバウトにアジャストした草津がまずはペースを握ります。対して、ややデリケートさを見せた首位を走る湘南は、それでもたった1本のパスで局面を打開。26分、ジャーンが左サイドへと蹴ったフィードは、ワンバウンド目が伸びてDFラインをブレイク。走り込んだ山口貴弘が折り返すと、トゥットが流して、冷静に中村祐也がフィニッシュ。同点に追い付いて見せました。この前後から湘南の攻撃に勢いが出てきた要因として、中盤中央で坂本絋司、寺川能人、さらにアジエルがボールを触れるようになり、そこからギアを上げて速く攻める形が増えたことがありました。これには「相手のボランチが基本的には上がってこないので、バイタルをうまく使う」(湘南・田村雄三)という狙いが奏功していたことが挙げられます。また、草津の松下裕樹と小池純貴が揃って「ウチが守っている時より攻めている時にケアしていた」と話したアジエルが縦横無尽に動き始めたことで、草津の重心が下がらざるを得なくなったことも一因でしょうか。前半中盤からは湘南ペースでハーフタイムを迎えました。さて、後半は序盤から逆に草津の時間に。主導権を取ったのは右サイド。「1週間あったのでトレーニングした狙い通り」と語る廣山にボールが集まり、SBの佐田聡太郎も積極的な仕掛けで呼応。50分から58分までに5回のチャンスを掴むと、64分には敵陣でショートパスを10本以上繋いでサイドに展開するなど、「我々のスタンス」(草津・佐野達監督)も顔を覗かせ、首位のチームを押し込みます。74分には廣山のショートコーナーから佐田がクロス、二アで熊林が合わせますが、湘南GK野澤洋輔がファインセーブ。スコアは動きません。「同点というのもあって、トゥットの足が止まってから5分くらい考えた」末に反町監督は決断。76分、トゥットOUT、田原豊IN。これでまたも形勢逆転。77分にはアジエルのパスがDFに当たると、いち早く反応して抜け出したのは坂本。前節ハットトリックを演じた8番のシュートはわずかに外れましたが、81分には原竜太の投入でさらに前傾姿勢に。89分、寺川、アジエルと回して、田原の左足ミドルはゴールを激しく揺さ振るクロスバー直撃。90分+1分、アジエルのパスに全力で走った坂本のクロス、田原のダイビングヘッドはゴール右へ。そしてタイムアップ。厳しいコンディション下で共に持ち味を発揮する時間を作ったゲームは、双方に勝ち点1が分け与えられる結果となりました。湘南はどちらかと言うと、よりピッチや天候の影響を受けた印象です。3トップ中央に入ったトゥットは万能タイプですが、スペースを生かしたり、ドリブルに特徴のある選手。「風下の前半の方が逆に相手の裏を取るシーンはあった」(反町監督)ものの、後半はトゥットも含めた3トップが消えてしまった感は否めません。「後半(のエンド)が逆だったら。コイントスに負けた寺川のせい」と笑った反町監督でしたが、田原投入後を考えると、半分は本音だったと思います。草津はここ3試合崩壊していた守備面で粘りを発揮しました。「ある程度自分たちのサッカーができた」と小池も手応えを語っています。あえて言うなら、勝ちに行く交替策も見てみたかったなという部分。カードを1枚も切らなかった理由を「守ろうという意識はなかったので、このまま行って点は奪えるという判断」と佐野監督は話しましたが、ベンチに佐藤穣、玉乃淳とテクニックにアジリティの高い2枚が控えていたので、押し込まれた終盤に勝ち切るためのカードとして、どちらかを投入していても面白かったように、個人的には感じました。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (0) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第12節 柏×鹿島@日立台

  • 2009年05月16日 23:28
  •  
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  •  
  • この記事をクリップ!
  •  
  • Buzzurl

にブックマークBuzzurlにブックマーク

「立ち上がり凄くいい感じで入れた」(鹿島・青木剛)鹿島は11分までに2ゴール。鹿島の良さはもちろんですが、柏の悪さも際立つ中で特に流れへ乗れなかったのが、共に今シーズン初スタメンとなったボランチの鎌田と、1トップ下に入った澤。鎌田はキックオフから2回続けてミドルレンジのイージーなパスミス。これに気落ちしたのか、7分にはスローインで受けたボールを簡単にマルキーニョスに奪われ、山根がたまらずファウル。このFKから小笠原→興梠の先制点が生まれます。直後の11分には、澤が自らのドリブルで得たFKをクイックで始めたものの、味方と合わずにロスト。そこから左に展開されたボールをきっかけに、またも小笠原→興梠ラインで2点目を献上。14分にも左サイドを完全に崩されて、増田の決定機。これを菅野がファインセーブで逃れていなければ、早々に試合は終わっていました。この時間帯を「2トップを怖がってラインが下がり、バイタルが空いてしまった」と高橋真一郎監督は振り返りましたが、それ以前にまったくと言っていい程、戦う姿勢が感じられません。そして、ようやく落ち着いてきた頃には、2点リードしている鹿島の「チームとしてできているリスクマネジメント」(鹿島・オズワルド・オリヴェイラ監督)の前に攻撃面でなすすべなく、非常に厳しかった45分を終えることになりました。ここで残念ながら、澤のパフォーマンスに触れない訳にはいきません。まず、オフ・ザ・ボールの動きは皆無。ボールを持ってもペルー時代の名残か、ファーストタッチが大きくロスト連発。加えて守備での貢献度もほぼゼロ。厳しいようですが、前半は10対11でゲームをしているようなものだったと思います。高橋監督も後半開始から澤を諦め、大津を投入。期待も高かっただけに、澤にとっては何とも不本意な日立台デビューとなりました。さて、後半に入るといきなり柏がゴールを記録。50分、主役は大津。左サイドで菅沼に短い縦パスを送ると中央へラン。菅沼からの折り返しを、まったくのフリーで合わせて右スミへ。1-2、1点差。これでムードは一変。菅沼も1トップ下に入ったことで広範囲に動いて活性化を図り、左の大津と共に前へ前へと仕掛けていきます。57分には菅沼のFKを石川が折り返して、後半は見違えた鎌田が頭でゴール。これはオフサイドになりましたが、会場もヒートアップ。間違いなく流れは柏にありました。ただ、ここで動いたのは名将オリヴェイラ。本山を下げて今シーズン初出場の中田を投入すると、青木へ「右にポジションを取って大津をケアするように」と指示。中盤は右から青木、小笠原、中田、増田と、クアトロボランチ、あるいはトレス+やや前に増田、のような布陣にシフト。その時間帯の相手キーマンを潰しにかかります。これで柏は勢いが減退。さらに77分に小笠原が2枚目のイエローカードで退場する事態にも、すかさず興梠と新井場を交替。パク・チュホをボランチヘ移して4-4-1に。「サイドを徹底的に抑え、できるだけ中央にボールを出させてからロングボールを入れさせれば守りやすい」(オリヴェイラ監督)というコンセンサスの下に堅固なブロックを形成し、流れの中からは柏に1本のシュートも打たせません。追加タイムのヒヤリとしたCKも凌ぎ切り、ゲームをうまく壊してコントロールした鹿島が、懐の深さを感じさせながら勝利を挙げる結果になりました。鹿島は監督の采配もさることながら、その指示を体現できる選手が揃っていますね。89分に投入されたFWの田代が左サイドで時間を確実に潰し続けるあたりからも「やるべきことが情報整理できて、実行できるようになっている」というオリヴェイラ監督の言葉にも頷けます。さて、柏はそろそろ“内容は悪くないけれど結果が…”では済まされない状況ではないでしょうか。「後半の戦い方が最低限できるようにしなくては」と高橋監督。つまり、前半の戦い方は最低限ですらないということ。それでは当然勝てるはずはない訳で。「もう1点、2点取れれば良かったが力が足りない」(高橋監督)のであれば、その責任の所在は選手か監督か。決断の時は近付いているかもしれません。   AD土屋




この記事へのリンク | Jリーグ | コメント (2) | トラックバック (0) | ページトップ

J1第11節 浦和×川崎@埼スタ

  • 2009年05月10日 19:11
  •