2006年11月14日
 
【From 東京ドーム】 戦国アジアの幕開け
決勝戦を翌日に控えた予選最後のナイトゲームは、1勝1敗同士の対戦。サムソン(韓国)対ラニュー(台湾)戦は、勝者は決勝へ、敗者は帰国となる注目の一戦となった。実はこれ、昨年の第1回大会とまったく同じ展開であった。昨年は、序盤に4点をリードしたサムソン(韓国)が、追いすがる興農ブルズ(台湾)を4-3で下して決勝にコマを進めた。
やるかやられるかの Do or Die ゲームは今年も白熱。昨年、1点及ばず予選敗退で悔し涙を浮かべた同胞たちの借りを返すべく、今年はラニューが燃えた。2-2の同点で迎えた6回裏、3番リンがドームレフト最上段の看板のさらに上まで飛ばす特大アーチで勝ち越し。3-2とラニュー1点リードで迎えた9回表、サムソンは2死2塁で打席に韓国シリーズMVPの3番パク・ジマンを迎えたが…。最後はカウント2-3から3塁線へのゴロを、抑えのエース、モレルが落ち着いて裁いてゲームセット。ラニュー・ベアーズは優勝したかのような大騒ぎで、決勝戦に進出した。
北海道日本ハムファイターズ(日本)とベアーズ(台湾)の決勝戦は、キャッチャー鶴岡のタイムリーで挙げた1点を、投手陣が守りきり、1-0でファイターズが勝利。昨年の千葉ロッテマリーンズに続き、ファイターズは2年連続でホスト国・日本にアジア王者の称号をもたらした。ちなみに前日の中国戦後、記者会見に指名されたのは、3ランホームランを放ったキャッチャー高橋信二。レギュラーは固定されがちな捕手というポジションを、高橋信、鶴岡、ベテラン中嶋の3人を使い分けながらアジア制覇したヒルマン監督の采配は、チームマネジメントの新しい可能性を示してくれた。
新庄、セギノールの飛車角を欠きながら、決勝を含む4試合で3失点と、抜群の投手力で優勝したファイターズは、野球競技におけるピッチングの重要性を改めて説いた。同時に3連敗はしたものの、チャイナ・スターズ(中国)の先発投手陣は、3回・4回の試合序盤に限って言えば、アジアの強豪相手も打ち取れるだけの技術が整ってきた。チャイナ・スターズが、アジア諸国の代表相手に金星を挙げる日は、そう遠くはなさそうだ。
来年(07年)は、北京五輪の予選もある。日本が頭ひとつ、ふたつ抜け出ている現在のアジア野球の現状ではあるが、日本を追いかけるアジアの戦い、こと台湾と中国の成長は、アジアの野球に明るい未来があることを予感させてくれた。来年のコナミカップはどんな戦いが見られるのか。今からとても楽しみである。
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 10:38
| From 東京ドーム
| コメント (0)
| トラックバック (3)
2006年11月12日
 
【From 東京ドーム】中国野球の未来
中国代表のチャイナ・スターズは、その名の通り、中国全土から選抜されたメンバーで構成されている。人口は世界最多の国ではあるが、野球の競技人口はわずか2万人とも5万人とも言われているのが現状。競技レベルは発展途上にある。
昨年のこの大会、チャイナ・スターズは日本、韓国、台湾の各代表に全試合ともに完敗の3連敗を喫した。そして今年もラニュー戦(台湾)は2-12、サムソン戦(韓国)は1-13と、2試合連続でコールド負け。チャイナ・スターズの挑戦は、アジアの野球先進国に、ことごとく跳ね返されて来た。
チャイナ・スターズの監督は米国人のジム・ラフィーバー。2002年から中国代表監督としてチームの指揮を執る。60年代にメジャーリーグで活躍した彼は、70年代にロッテ・オリオンズの主軸選手として活躍、その後マイナーリーグのコーチ、監督、そしてメジャーのコーチと正しい経歴を重ね、80年代後半から90年代はシアトル・マリナーズ、シカゴ・カブス、ミルウオーキー・ブルワーズのメジャー3球団で監督を務めた実力者だ。監督のキャリアだけを比較すれば、メジャーでの監督経験のないファイターズ・ヒルマン監督よりも数段上である。
2戦2勝で決勝進出確定の北海道日本ハムファイターズと、2戦2敗で予選敗退のチャイナ・スターズが対戦した土曜日のゲーム。結果は6-1でファイターズが完勝した。しかしこの試合を観戦したファンは皆、中国野球の未来に明るい希望を抱いたことだろう。今日、彼らはフルメンバーを揃えたファイターズを相手にコールド負けせず、善戦したのだ。
中国チームの放ったヒットは9本、コナミカップ1試合でのチーム最多安打を更新した。念願のふたケタ安打は来年きっと達成することだろう。東京ドームが大きな拍手で包まれたのは9回表。6番リの放ったレフトへのホームランは、彼らがコナミカップで初めて記録した一発となった。しかも相手は日本シリーズでも活躍した左腕岡島。中国の攻撃は、内容が伴っていた。
投手陣だって黙っちゃいない。エース級投手3名をケガで欠きながら、ベストメンバーの日ハム打線を相手に、彼らは堂々と向かっていった。13安打を浴びながら、与えた四死球はゼロ。これまたコナミカップ初の快挙を記録した。四死球が減れば守備機会は増え、守備機会の増加はディフェンス力を進歩させる。初回のエラーは失点につながったものの、それ以降彼らが再びエラーを犯すことはなかった。1-6の敗戦の中にキラリ光る守備がいくつもあった。
試合後の記者会見で、いつも辛口のラフィーバー監督が今日は珍しく目尻を下げた。「今日はよく戦った。選手たちを誇りに思う。」
確かに、27個のアウトのうち半数の13個は三振だった点や、変化球への対応の悪さなど、仮題はまだ山ほどある。しかし中国の野球が、近い将来、韓国や台湾、ひょっとすると日本チームを相手に勝利する日は、そんなに遠くない未来に訪れることを予感させる今日の試合だった。
3戦3敗は昨年と同じ結果。しかし、昨年とは明らかに違うインパクトを残しながら、チャイナ・スターズは東京ドームを後にした。来年の彼らの成長ぶりが、今から楽しみで仕方がない。
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 12:08
| From 東京ドーム
| コメント (2)
| トラックバック (1)
2006年11月11日
 
【From 東京ドーム】 カラフル・ファイターズ
アジアシリーズ第2戦は、台湾代表のラニュー・ベアーズ。昨年の第1回大会は、千葉ロッテ(日本代表)が興農ブルズ(台湾代表)相手にコールド勝ちしたこともあって、試合前の東京ドームには、きっとファイターズが快勝するだろう、という安堵感が漂っていた。
ところがゲームは意外な展開で進む。両軍ゼロ行進の均衡を破ったのは5回裏。ラニューの7番・曽(ジェン)が放った先制ホームランがレフトスタンドに突き刺さった。そしてラニュー先発の右腕レイボーンは、広島カープ在籍時代、3勝5敗の成績に終わったのが信じられないような快投を続ける。コンスタントに144キロを計測する速球に苦しむファイターズは、7回を終えて0-1と劣勢だった。
しかし、8回表。代打で登場した「黄」手袋の稲田が、レイボーンのグラブを弾く強襲安打を放つ。続く代打「赤」手袋の紺田がきっちり犠打を決める。9番金子、1番「緑」リストバンドの森本は、2番手モレルから連続四球を選ぶ。満塁のチャンスに、ちょっと控え目な「ピンク」手袋を愛用する田中賢介がフィルダースチョイスを放ち、稲田が同点のホームイン。なおも満塁から、親善大使を務める東京都の小笠原諸島にちなんだ「マリンブルー」スパイクの小笠原がレフトへ勝ち越しの犠牲フライを放った。ファイターズはヒット1本で2点を取れる、カラフル打線が機能して逆転勝ちを収めた。
予選2勝で決勝進出を決めたファイターズ。明日の中国戦は、リザーブメンバーの出場も増えることだろう。その他にも「オレンジ」川島など、ファイターズ選手の個性溢れる「カラーリング」は一見の価値ありです。明日のJ SPORTSの放送では、いろんな選手の「カラー」に注目しながら観てね!
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 09:03
| From 東京ドーム
| コメント (0)
| トラックバック (0)
2006年11月10日
 
【From 東京ドーム】 Baseball in November
レギュラーシーズンが9月で終わるアメリカでは、10月の野球(Baseball in Octover)は至福の時を意味する。勝ち上がったチームのみが手にするプレーオフ出場、そしてワールドシリーズへの道。彼らは10月に野球がしたくて、春から野球をしているようなものだ。
9月までのレギュラーシーズンで、パ・リーグ1位を決めた北海道日本ハムファイターズは、プレーオフ第2ステージで2試合(対福岡ソフトバンク)、日本シリーズで5試合(対中日)、計7試合の10月の野球を楽しんだ。だが、押本健彦には、そのチャンスは巡ってこなかった。
押本が最後にマウンドに上がったのは、9月24日の千葉ロッテ戦。そう、エース金村暁が勝利投手まであと1アウトの5回2死で降板、ヒルマン監督を批判してペナルティを課せられた、あの試合だ。そして金村からマウンドを継いだ2番手は、誰あろう押本だった。
「He has heavy shoulder」(八木は肩が重そうだったので早めに交代した)。4回まで1安打ピッチングを続けていた、ファイターズ先発の八木智哉が、5回、先頭のパク・ジョンホに四球を与えたところで、ヒルマン監督は継投を決断。2番手に押本を起用した。歓喜に沸いた10月の野球を経験していない唯一のピッチャーが、11月のファイターズのマウンドを任された。舞台はアジア・シリーズ。相手は韓国王者サムソン・ライオンズ。1-1のタイスコア。
無死1塁から内野ゴロ、そして四球を絡めたライオンズは2死2・3塁と押本を攻め立てる。ゲームは中盤5回裏、一打勝ち越しの場面。10月の野球を楽しむ機会を逸した押本はしかし、ここで輝いた。3番ヤン・ジュンヒョクに対して、強気強気にインコースを攻める押本。詰まった打球はセカンドゴロ。3アウトチェンジ。大事な初戦の、大きなポイントとなった。
押本の好投で流れをつかんだファイターズは6回表、1番森本のセンターオーバー2塁打から打者一巡で4点を挙げ、ファイターズは7-1で勝利した。10月の歓喜の輪の中で、心の底から喜べなかったであろう押本が、11月のフィールドで、ファイターズに勝利を呼び込んだ。
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 10:37
| From 東京ドーム
| コメント (0)
| トラックバック (1)
2006年11月09日
 
【From 東京ドーム】 情報戦は韓国が圧倒!
11月8日の練習前会見で、ヒルマン監督がきっぱり言い切った。「(明日対戦する)韓国チームのビデオは、まだ見ていない。ただし我々は、準備が後手に回った事を、言い訳にするつもりはない。明日はファイターズらしい自分たちの野球で、勝利を目指したい。」
練習後の記者会見で、明日の先発が予定される八木智哉は答えた。「(注意すべき打者?)韓国チームのビデオをまだ見ていないので、今は何とも言えません。ただ、主軸には好打者が揃っているようなので、注意しながらピッチングしたいです」
一方の韓国代表ライオンズは、パ・リーグのプレーオフ、そして日本シリーズのビデオを入手して、ファイターズの戦力を分析済み。90年代後半、中日ドラゴンズで大活躍したソン・ドンヨル監督のネットワークがモノをいい、前哨戦は韓国が日本を圧倒している。
とはいえ。そこは元気モノの多いファイターズ。練習中の雰囲気や、チームスタッフの話を総合すると、ファイターズはシーズン中と何ら変ることなく、アジアシリーズの開幕を迎える。主砲セギノールの来日遅れ、そして新庄剛志の引退。日本シリーズを制した戦力から大幅ダウンが否めないファイターズを率いるヒルマン監督は、記者会見をこう結んだ。
「I'm not worry about things which I can't control.(自分でコントロールできない事は気にしないで戦うだけだ)」。アジアの王者をかけたコナミカップ第1戦、日本vs.韓国戦は、9日午後6時プレイボールです。
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 17:28
| From 東京ドーム
| コメント (3)
| トラックバック (0)
 
【From 東京ドーム】 佐呂間での竜巻災害に関するヒルマン監督のコメント
『明日から始まるコナミカップとは直接関係ないことですが、昨日、北海道を襲った竜巻の被害に関しまして、チームを代表して、ひと言お悔やみの言葉をお伝えします。
不可抗力の自然災害であったとはいえ、北海道の未来のため、公共工事を行っていた9名の皆さんの尊い命が亡くなってしまった事に、チーム一同心を痛めております。私たちファイターズは現在、北海道から遠く離れた東京におりますが、離れていても、私たちのホームタウン、北海道、特に被害に遭われた東部地区の皆さんのことを思いながら、明日からの野球に挑みたいと思います。
被害に遭われた方々、そして私たちのホームタウン、北海道の皆さんにファイターズを代表して、心からお悔やみを申し上げます。私たちは一日も早い復興を祈っております。』
Reported by 小島克典
投稿者 jsports : 11:56
| From 東京ドーム
| コメント (0)
| トラックバック (0)