2006年11月08日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第11回 変化球への対応が得点力を左右 ― 戦力分析・打撃編2

さて、中国代表で4番に座ることが多いのは、2005年のCBL(中国野球リーグ)でMVPを獲得した上海イーグルス所属の張玉峰(ジャン・イーフォン)選手。体は細く見えるが、安打数、本塁打数、得点数で最多を記録した。代表チーム内でも信望厚いと聞く。

打撃に波があるものの、最もパンチ力があると思われるのは、北京タイガース所属の王偉(ワン・ウェイ)選手。捕手というポジションが考慮されてか、所属チームでも下位を打つことがあるが、タイミングが合った時の飛距離はピカイチ。今年のWBCアジア地区予選の日本戦で、読売巨人軍の上原投手から本塁打を打った場面を覚えている日本人は少なくないだろう。調子を崩していても一発があるだけに、相手投手にとっては脅威となる。

チーム全体を見れば、コツコツと当てる野球をしてくる。中国国内に140キロ台の直球を投げる投手が少なく、国際大会で140キロ級の直球と切れのいい変化球で投球を組み立てられると、対応できなくなってしまうと見ていい。

しかし、内野手の劉広標(リィウ・グアンビアオ)選手(広東レパーズ)、李磊(リー・レイ)選手(北京タイガース)は、小兵ながらミートがうまく、どんなプレーをするか楽しみなところ。また、リストの強い孫煒(スン・ウェイ)選手(北京タイガース)は、タイミングをずらされても、バットに当てさえすればヒットにできる力を持っている。

とはいえ、連打を期待することは難しく、走者が出れば足を絡めた揺さぶりをかけることになるだろう。走者を進めてパンチ力のある選手に希望を託す。最小失点に抑えることが前提になるが、ワンチャンスをモノにできれば、一発勝負の短期決戦だけに、中国代表にも十分勝機があるだろう。



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2006年11月07日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第10回 環境が生む個性的な打者 ― 戦力分析・打撃編1

打者に関しては、個性的な選手がそろっている。パンチ力のある選手、リストの強い選手、足のある選手。指導者が選手に対して、徹底的に打撃理論を叩き込むのではなく、どちらかといえば放任主義で選手を育てる環境がある中国。「我流」の打撃を進化させている選手が多い。

小学校の野球環境を見ていると、いまの中国代表選手が育ってきたベースが、「打撃練習」にあることがわかる。中国の北方は、降水量が少なく、黄砂の巻き上がる地域が多いため、学校のグラウンドはセメントで固められているケースがある。そんなグラウンドでは守備練習はままならず、どうしても打撃中心の練習メニューとなる。

もちろん、子どもが一番喜ぶのも打撃。ツルツルになった軟式ボールを使ってティーバッティングやトスバッティングを行う子どもたちは、指導者が止めるまで、楽しそうに延々と打ち続ける。フォームはバラバラでも、指導者が細かな指示を出すことは稀。これは、自由に野球を楽しませているとも、どのように指導してよいかわからないため放任しているとも取れる。その延長上に、今の代表選手の個性的な打撃があるといえそうだ。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年11月05日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第9回 試合経験は蓄積、守備の安定は絶対条件 ― 戦力分析・守備編

アジアの強豪を前にして、中国の投手陣は打たせて取る投球をせざるを得ない。それだけに、守備陣がどんな守りをできるかが、試合の行方を左右する。過去の国際大会では、ゴロ処理のもたつきや悪送球など、単純なミスから大量失点を重ねるケースが目立った。守備のほころびに、試合経験の不足が影響していたことは間違いない。

中国では、野球選手として最も伸びる時期であるはずの高校生世代の試合が極端に少ない。日本では、毎日練習し、週末には練習試合を行う高校がほとんどだが、野球チーム数自体が少ない中国では、とてもそのような環境はない。高校生世代の公式戦は年間に10試合程度だろう。それだけに、試合勘や試合運びの経験値で、どうしてもアジアの強豪には追いつけないでいた。しかも、CBL(中国野球リーグ)のレギュラーシーズンが21試合制になったのは数年前のこと。プロ野球でさえ、試合数は極端に限られていた。

しかし中国代表はここ数年、別稿に書いたとおり、長期合宿と並行して、日本や米国で試合経験を積み、これまでの経験不足を補ってきた。経験値の積み重ねが、アジアシリーズの戦いにどんなプラス効果をもたらすか、楽しみだ。挑戦者である中国代表が守備でリズムをつかみ、アジアの3強を慌てさせる試合運びができれば、勝機が見えてくる。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年11月04日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第8回 長身の投手陣で挑むが、主力投手の欠場が痛い ― 戦力分析・投手編2

投手の軸となるのは、かつて中国ドラゴンズに所属した天津ライオンズの呂建剛(ルー・ジエンガン)投手、今季の最優秀左腕である広東レパーズの陳俊毅(チェン・ジュンイー)投手あたりか。身長180センチ超がそろう投手陣だが、中には190センチ超の選手も。角度のある高さから投げ込むことで、スピードを補うことができるかどうかも、アジアのチャンピオンチームを相手にする上でのポイントになりそう。

今回の代表は、年齢的には全盛期の主力投手3人を怪我で欠いている。それぞれ2005年アジア選手権(宮崎)で最優秀投手賞を獲得した本格左腕の王楠(ワン・ナン)投手、140キロ超の直球が武器だった徐錚(シュー・ジョン)投手、春のWBCアジア地区予選の日本戦で先発した李晨浩(リー・チェンハオ)投手。中国代表にとっては大きな戦力ダウンだが、来季後半から所属チーム(ともに北京タイガース)の試合に出場できれば、北京五輪には十分間に合う計算だ。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年11月03日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第7回 制球力で勝負、ポイントは早めの継投 ― 戦力分析・投手編1

ここからは、1990年代後半から中国野球を見てきた立場として、中国代表チームの特徴を紹介したい。選手個人の特徴ではなく、中国野球の傾向を中心に、チーム力を分析してみた。

チーム全体の戦力バランスを見てみると、打高投低といえそうだ。球速130キロ程度の投手が中心であり、制球力が命。絶対的に信頼できる柱になる投手がいないだけに、打者の目が慣れてくる前に、2~3回のサイクルで投手をどんどん代える野球をしてくるだろう。

中国のプロリーグであるCBL(中国野球リーグ)には、投手の肩・肘を守るため、「5回以上投げた投手は、試合終了後48時間以内は登板してはいけない」との規定がある(2006年シーズンの例)。1週間に金土日の3試合、レギュラーシーズン年間21試合制のCBLでは、1試合の重みは日本や米国以上に大きい。エース級が連投できるか否かはチームにとって死活問題であり、3連戦でエース級を2回以上登板させるためには、5回以内で降板させるのが鉄則。シーズン中には、4回2/3で投手交代という場面が多々見られた。

CBLでこのような戦いが行われているため、中国代表の投手陣は当然、先発完投を視野に入れた練習はしていない。肩のスタミナ不足の投手が多いという現実があり、アジアシリーズでも、先発投手を早い回で降板させ、翌日に再先発させるか、中継ぎで投入するという戦略を取ってくると思われる。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年11月01日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第6回 すべては中国代表強化のために

日米球界と、中国球界には決定的な違いがある。日米がプロリーグ中心なら、中国はナショナルチーム(代表)中心に球界が動いている点だ。繰り返しになるが、中国では野球は人気スポーツとなり得ていない。それだけにプロリーグの影響力は小さく、すべてはお国のため、代表のための運営となっている。

2006年の中国代表による合宿(遠征試合を含む)期間は約半年。プロリーグはプレイオフを含めて約4ヶ月で終了するため、十分な時間があるわけだが、半年間にわたって代表合宿を行うことは、日本や米国では考えられない。中国代表が今年行った海外遠征(親善試合を含む)だけでも、米国、日本、オランダの合計で2ヶ月を超えている。

中国野球協会は今後も、2008年の北京五輪までは、プロリーグの日程を削ってでも中国代表の合宿を手配し、徹底的な強化を行う計画を持つ。こんな強化方針は吉と出るか、凶と出るか。たしかに、米マイナー球団や日本のプロ2軍などと交流試合を戦える代表選手たちは、貴重な経験を積んでいる。しかし、リーグ戦が減ることは、一部の選手が積んだ経験が他の選手に伝達される機会がなくなることを意味する。長期的に見れば、プロリーグの発展やすそ野の拡大には悪影響が出る可能性を否めない。

北京五輪で中国代表が好成績を収めれば、中国国内での野球の影響力は大きく向上するだろう。しかし、理想的な成績を収められなかった場合にはどうなるだろうか。中国代表の強化とともに、プロ予備軍に当たる若手をリーグ戦で強化し、同時にアマチュアのすそ野の拡大を図る。そんなプラスのメカニズム作りが急がれる。何はともあれ、KONAMIカップ アジアシリーズの戦いは、北京五輪に向けた中国代表の強化が、どれほどの成果を挙げているかを見極める良い機会になるだろう。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年10月29日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第5回 「みるスポーツ」はサッカーとバスケ

批判を恐れずに比較をすれば、中国における野球の位置づけは、日本におけるセパタクローに近いかもしれない。競技人口が少なく、注目を集めているスポーツとはいえないが、一部の関係者、愛好者に熱狂的な支持を得ている魅力的なスポーツ。

日本では、日常会話の中に「一発逆転」や「ホームラン」といった野球用語が登場するほど、野球が文化として根付いている。中国で文化の域まで浸透しているスポーツと言えば、「みるスポーツ」としてはサッカーとバスケットボール、「するスポーツ」としては卓球とバドミントンだろう。

プロスポーツとして成功し、メディアが大々的に扱うのは、常にサッカーとバスケットボール。中国のテレビ局にとっては、サッカーの欧州リーグとバスケのNBAこそがキラーコンテンツであり、野球はそんな話題との比較の対象にすらなっていない。スポーツ新聞も、サッカーとバスケで9割以上の紙面を割き、国際大会の際に、卓球、バドミントン、陸上競技、跳びこみ、テニスなどが続いてくる。野球の話題はプロリーグの約4ヶ月のシーズン中に小さな扱いがあるだけの状態だ。

中国国営のCCTV(中国中央テレビ)系列の調査会社のデータによると、中国三大都市(北京、上海、広州)のスポーツ愛好者ランキングでは、18競技のうち、サッカー、バスケ、バドミントン、卓球が上位につけ、野球は最下位の18位。このような状況では、才能のある子どもが他のスポーツに流れるのは防げない。今後、10~20年という長期計画で野球に対する風向きを変えていかない限り、本当の意味での強化や普及は実現しないだろう。

希望の光はある。中国野球協会のほかに、民間の野球クラブが、大学チームのボランティアコーチを引き受けたり、野球への入門編として、ティーボールやソフトボールを教えている。官民の協力の歯車が合えば、未来が開けて来そうだ。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年10月27日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第4回 味方のキャッチャーフライに大歓声!

中国の球場では、大歓声の上がるタイミングが、野球ファンの多い国とは大きく異なる。地元チームの攻撃中、大きなキャッチャーフライが上がっても、球場は大いに沸き上がる。野球を知らない観客が多いからだ。大飛球=すごいもの。三振=何が起こったかわからない。観客の頭には、こんな図式があるに違いない。

中国のスポーツイベントではよくみられる光景だが、野球のプロリーグでも主催者が組織した、いわば強制動員された観客がスタジアムの一角に陣取る。近所の学生がクラス単位または学校単位で応援に駆けつける形だ。野球を知らない観客が中心なのだから、雰囲気は独特となり、歓声のタイミングもずれる。

CBL北京タイガース対四川ドラゴンズ(北京芦城球場)球場のインフラも日本とはちょっと異なる。中国のプロ球団が本拠地とするスタジアムには、外野席はなく、内野席のみ。北京を例にすれば、1990年の北京アジア大会で使用された北京豊台球場が、北京タイガースの本拠地として使用されてきた。北京五輪のソフトボール場として改築するため、2005年5月から工事が始まり、今年7月に新しい姿に生まれ変わったばかりだ。北京タイガースは本拠地を失った形だが、昨シーズン途中からは、トレーニングセンター内に臨時観客席を設けて公式戦を行った。市中心部からは数十キロ離れた郊外にあり、アクセスが悪いことで、ファンの足も遠のいてしまった感がある。(写真:CBL北京タイガース対四川ドラゴンズ〔北京芦城球場〕)

野球インフラの未整備や観客の少なさは、野球人口と比例している。1500万都市の北京にも、野球チームは数えるほどしかない。小学校を例にすれば10数校。中学校になると10校に届かない。野球チームがもっとも多いのは前述の通り大学生世代で、チーム数の増加も顕著になっている。大学生になってから野球をはじめても、高いレベルに到達できないが、彼らが中国のエリートである点は注目に値する。彼らの子ども、そのまた子どもの世代が野球に興味を持てば、野球人口が単純に増えるだけでなく、経済力のある層が野球にかかわる可能性が高まる。ゆっくりではあるが、野球普及に向けての土台が築かれつつあるといっていいだろう。

ちなみに、北京五輪で使用するスタジアムは、北京豊台球場から数キロの場所に建設中。現在、基礎工事が終わったところで、2007年末にお披露目となる予定。新球場は、1万5000人収容となる。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年10月26日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第3回 北京五輪招致成功が生んだプロリーグ

中国のスポーツの発展は、競技種目にかかわらず、国主導の強化策に大きな影響を受ける。オリンピックや世界選手権などの国際大会でメダルを取ることが選手に課せられた義務であり、国は選手にその義務を果たさせるために、多額の資金をつぎ込んで強化を行うからだ。子どもの時代からエリート教育を受け、世界に羽ばたいている選手には、NBAヒューストン・ロケッツのヤオミンや陸上110メートルハードルの劉翔らがいる。

こんなお国柄が影響して、北京市が北京五輪の招致に成功した2001年、中国野球界にも新しい風が吹いた。地元五輪で好成績を挙げるために、翌2002年に正式にCBL(中国野球リーグ、プロリーグ)を誕生させたのだ。そもそも、中国野球のプロ化は、1990年代に何度も議題にあがっていたが、資金的理由から頓挫していたプランだった。しかし、国が本気になったこと、外資系マーケティング会社がサポートを確約したことで、ついにプロリーグの誕生にいたった。

中国にはプロリーグ誕生以前にも、省・直轄市・自治区の代表チームが10チームほどあり、年に数回の全国大会を行っていた。プロ化はその中から強豪4チームを選んでのスタートだった。2005年には6チームに拡大。愛好者の数が徐々に増加してきている現状を見ると、変化は緩やかながら、プロ化の成果は確実に挙がっているといえる。

CBL誕生後の最大の変化は、大学キャンパスへの野球の普及だろう。日本以上の学歴社会となっている中国では、高校時代にスポーツと学業を両立している学生は皆無に等しい。しかし、大学入学後にスポーツに興味を持つ学生は少なくない。中国野球協会は、「知的スポーツ」として野球を紹介しているが、そんなスポーツがエリート意識の高い大学生の心をくすぐり、大学にアマチュアチームが増えてきたといえる。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年10月25日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第2回 野球伝播は100年前、普及を妨げた様々な要因

そもそも中国では、棒球(中国語の「野球」のこと)というスポーツそのものがそれほど知られていない。2002年に誕生したプロリーグ(CBL〔中国野球リーグ〕)のプロモーションなどにより、認知度は数年で格段に上がったが、競技の名称が知られるようになった程度であり、野球そのものに興味を持ってもらうまでには至っていないのが現状だ。現実的に、CBLの入場料は無料(開催地の判断により料金徴収も可)でありながら、観客動員は数百人レベルにとどまっている。

日本、韓国、台湾の3ヶ国・地域では、野球の人気が高い。しかし近隣の中国では長く、野球が受け入れられることはなかった。なぜだろう。理由を野球関係者に聞いてみると、少年野球からプロ野球界まで、様々な立場の人からほぼ同じ答えが返ってくる。もっとも多い回答は以下の3つだ。

1. 野球用品が高すぎて手に入れるのが困難
2. グラウンド不足
3. 指導者不足

『中国棒球運動史』(武漢出版社)などの著書があり、中国野球の生き字引である梁友徳氏はこれらの理由以外にも、「他のスポーツが先に庶民の生活に入ってきたから」と、野球が後発のスポーツであることが普及の妨げになり、今後の普及の難度を高めていると語る。1949年の中華人民共和国成立後、庶民に親しまれてきたのは、サッカーやバドミントン、卓球という種目だった。

政治的な要因も中国に野球が根付かなかった原因の一つ。共産圏である中国にとっては、野球は敵国スポーツであり、奨励されない時代があったからだ。米国人が中国ナショナルチームの監督を務める今となっては、そんな過去があったとは信じがたいが、日本でも戦時中に野球用語が漢字化されたことがあるという歴史を思い出せば、理解しやすいだろう。

前述の梁氏によると、中国で初めて野球の試合が行われたのは1907年。日本に野球が入ってきた過程をきめ細かな取材でまとめた佐山和夫氏の『明治五年のプレーボール』(NHK出版)には、日本に野球がもたらされたのは1872年とあり、歴史の長さだけを比較すれば、日本と中国の野球には数十年の差しかない。中国で野球が普及しなかった原因を一つに特定することはできないが、経済的、政治的、文化的要因が複雑にからみあって、近隣諸国・地域とはまったく違ったスポーツ文化が生まれているといえそうだ。

OCEANS Marketing 坪井信人)



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2006年10月24日

004)中国野球報告  【中国野球報告】第1回 世界が注目するフロンティア

中国野球と聞いてピンと来る人は多くはないだろう。それもそのはず、中国国内ですら野球の話題をメディア報道で知るのはなかなか難しい。報道の絶対量が少ないからだ。しかし、中国の総人口は約13億人。インドと合わせれば、世界人口の1/3を有する超大国である。それだけに、中国野球に対する外国野球界や外国企業の注目度は高い。「13億人が野球に熱狂したらどうなるか」「すばらしい人材、ダイヤの原石が眠っているのではないか」――。

CBL開幕記者会見中国人以上に、外国人が中国野球に関心を寄せているのが現状であり、中国野球界は「未知のフロンティア」と見られているといってよい。参考までに、中国球団や協会と提携を結ぶ著名どころを並べてみよう(順不同)。(写真:CBL〔中国野球リーグ〕開幕記者会見)

・北京タイガース … 読売巨人軍
・天津ライオンズ … 横浜ベイスターズ
・広東レパーズ … 広島東洋カープ
・上海市体育局 … 阪神タイガース
・ホープスターズ … 千葉ロッテマリーンズ
・中国野球協会 … 米大リーグ
※上海市体育局は上海イーグルスの管轄機関

日本の球団が提携しているのは、中国のプロ球団またはプロ球団の管轄機関であり、米大リーグが提携しているのは、中国野球協会。日米球界が、中国球界の核心部分と緊密な関係を持っているのは一目瞭然だ。このほかにも日系の著名企業が中国代表チームやプロリーグ、プロチームを協賛している。

しかし、冷静に考えてみると、「フロンティアの黄金」を手にした野球関係者や企業はまだいない。外国球界や企業が完全な先行投資を行っているのが現状だ。気になるのは、中国の総人口は多いものの、野球人口が少ない点だろう。野球人口は2万人とも7万人とも言われる。子どもから大人までの合計参与人口がこの数である。

中国には本当に黄金が埋まっているのか、それとも何もない大地なのか。今後の中国野球の行方を想像するために、歴史をひも解き、現状を紹介したい。(次回レポートに続く)

OCEANS Marketing 坪井信人)



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