2006年11月14日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第22回(最終回) 大会は終わったけれど

終わりました、アジアシリーズ。La newベアーズも13日に帰国の途につきました。

まあLa newの善戦&健闘は各所で紹介されていますので、ここでは最後に独自の辛口を。

力量的には台湾や韓国と日本の間には、まだまだ差があるといわれます。しかし、1試合を戦うときの結果は別だと思います。台湾人投手が自己最高のピッチングをしたら、日本チームとて簡単には打ち崩せません。日本人投手だってコントロールミスはあります。その失投を見逃さなければ、ホームランだって打てるのです。乱暴に言えば、まぐれでも、交通事故でも、得点が失点を上回れば勝ちなのです。

La newは日ハムに勝ち、優勝するチャンスはありました。でも負けた。理由はエラー。エラーが失点に繋がるのは、どの国でも一緒ですが、La newの場合、サード、ショートのエラーは、ペナント来のつきものです。普段と同じミスをしていたら、そりゃ勝てません。

今回の準優勝を「金星」と喜ぶだけなら、来年への収穫はないでしょう。たまたまいいところが出て勝っただけに終わってしまう。「優勝できなかった」と悔やんでくれれば、La newも、強いチームに育つはずです。ただ、そのあたりちょっと不安ですね。

それと、最後なので他チームについても、一言だけコメントを許してください。

韓国・サムスン……3位に終わったのはともかく。大会終了を待たずに「準備期間が十分にとれなかった」とか「2連覇しての参加も、優勝できなければ評価を落とす。それは凄いストレスだった」といった主旨の発言が漏れてきました。いやはや。こうした発言が出ている間は、ダメですね(笑)。

中国選抜……3試合のうち2試合はコールド負け。ここ数年、年を追うごとに戦績&内容が悪くなっている気がします。個人批判ではなく「アメリカ的指導」は、基礎からスタートの中国にはあわないんじゃないですかね。背景に諸事情あることは理解していますが、筆者はアメリカではなく、キューバと提携して育成した方がいいと思っていましたが。現状では、北京五輪時の戦力はもっと悪化するでしょう。

日本ハム……新庄には出て欲しかったなぁ。っていうか、球団はなぜ欠場を容認したのでしょうね。このアジアシリーズは「各国の優勝チームがアジア一を争う、国内シリーズの上に位置する大会」というのが、各国球界の統一見解、立場です。つまり、この大会は日本シリーズの上にある大会(のハズ)なんです。言い換えれば、新庄はペナント優勝した後に「若い選手たちに出番を」といって日本シリーズを欠場したようなモンなんですよ。それを誰も批判しない。おそらく新庄は、日米野球を欠場したくらいにしか思っていないのでしょう。そしてファンもメディアも。青臭いことを言うようですが、こういう大会は、建前ってモンに意義を求めないと、成立しません。それで勝っても、意味はない。もっと言えば、日本はアジアの他国&地域をリードする立場、などと偉そうなことはいえないと言うことです。

来年も、11月8日からと日程が決まったらしいです。

さて、どのチームが出てくるか。どんなチームでもイイです。真剣&ガチンコでぶつかるチームが出てくるなら。でもって、日本が“番狂わせ”でもいいから敗退するような試合が見たいものです。そうなって初めて、この大会の意味と注目が変わるはずです。そしてその結果の積み重ねが、各国&地域の野球の活性化に繋がり、本当の意味での交流にも繋がると思う。だから、もっともっとけんか腰の試合が見たい。

そんな印象を残した、第2回大会でした。

ブログは今回で(たぶん)最後です。ここまで拙文につきあってくださっていた方がおいででしたら、心から感謝します。

(木村公一)



投稿者 jsports : 16:59 | 華流野球報告 | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年11月11日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第21回 大会裏では、生臭い情報がいくつも

いやあ。負けはしたけれど、熊隊は健闘でしたね。レイボーンは5回までに許したのは1安打。結果、二塁すら踏ませぬ好投でした。一時はリードして、日本の記者たちも「今日、もし日本が負けたら、明日の結果で決勝はどうなる?」と、シミュレーションが始まるありさま。要するに、万が一でも日本が中国に負けて韓国が台湾に勝つと、日本、韓国、台湾が2勝1敗で並ぶ。そのときの勝ち上がる条件が、規定でいろいろ決まっていたからです。

ま、そんなことを調べ始めたら、同点になり、小笠原が渋く犠打を放って日本がひっくり返したわけですが。

意外なのは、日本の記者諸氏は、大半がLanewを応援していたということ。ま、「負けるはずない」という余裕もあるけど、こういう大会、サプライズがないとつまらん……そんな心情なんですよね。これは、他国ではまあない心情です。日本が勝つことより、盛り上がるモノが欲しい。

でも、それはマスコミ関係者の本音でしょう。

同様に、クールな目で見ているのが、日本の球団関係者たち。バックネット裏には、ほぼ全球団の海外担当スカウトや部長クラスが並んでいます。勿論、みんな静かに観ています。「どの選手だったら、日本で通用するか」なんて、鋭い眼差しで見ている……そんなのは、マンガの世界だけです。実際は、フツーに観ている感じです。なぜなら、本気モードはすでに水面下で動いているから。

今回の大会でも、スカウトの動きはいろいろとあります。特にLanewベアーズで。先日、スポーツ紙に「オリックス、チェン・チンフェン獲得に動く」なんて記事が出てましたね。詳細は、差し障りがあるので書けませんが、そうそうガセネタではないようです。それから11日にサムスン戦に先発とされるウ・スーヨウも、あるパ・リーグ球団が動いているようです。複数のルートから同一球団名が聞こえてきたので、これも現実化するかも知れません。

レイボーンも、日ハム戦で好投したので、あるいは11日付の新聞でも、日本の球団名が出るかも。 勿論、水面下の調査や打診、交渉が、すべて「獲得」となるとは限りません。大山鳴動して鼠一匹、という言葉もあります。でも、動いているのは事実です。

アジア野球ファンの方にすれば、複雑な気持ちもあるでしょうね。試合に水差す話だし、なにより、もしマジでLanewから主力3人が引き抜かれたら……。そう考えると、筆者も「?」という気持ちにはなります。ルール上、獲るのは仕方がないけれど、日本チームは引き抜いた球団の保証をするわけではない。(金銭は払うにしても)。

そういう意味では、クールというか、シビアな世界です。要は「獲った後のLanewのことなんか、知ったことじゃない」「台湾球界がどうなっても関係ない」ですからね。

ただ反面、日本に来たいと思う選手がいることも事実。それは台湾、韓国の選手もしかり、外国人選手もしかり。

期せずして、阪神の井川がメジャー移籍のポスティングにかかることになった記者会見が、試合中、テレビのニュースで流れていました。出たい者、来たい者、そして残る者……。戦いの舞台の裏側では、そんなもうひとつの現実も動いているのです。

さて、Lanewとサムスン戦。「貧打線のサムスンより、勢いのあるLanew有利」というのが、大方の見方ですね。

……と書いているうちに、「サムスンの先発は、ブラウンやハリカラなど外国人投手ではなく、シーズン1試合しか登板していないイム・チャンヨンらしい」という情報が流れてきました。マジかい?

その真偽は、第2試合開始18時30分のちょっと前にわかります。

(木村公一)



投稿者 jsports : 08:27 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年11月10日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第20回 チアリーダーあれこれ

La new が初戦の対中国を12-2のコールド勝ちでモノにしました。

そっけないって?まあ順当な勝利ですからね。実力差もありますが、両チームは政治的な背景もあるので、実になんとも微妙な“ライバル関係”でもあります。互いに負けられない試合。そうなれば、やはり実力が出てしまう。

それにしてもチェン・チンフェンの2発は、アメリカ帰りの力を発揮したものでしたね(観てない方は、是非、再放送をご覧あれ)。5回のレフト二階席への満塁弾。8回はバックスクリーン右への2ラン。4安打6打点です。

まあ大会が始まったので、試合詳細はここではあえて簡単に。で、小ネタ、裏ネタを。

最初はまずなによりも、チアリーダーです(笑)。さすがのスポーツライターも(苦笑)、選手はともかくチアリーダーに関して多くを知りませんでしたが、今回、来日した関係者によると……。

台湾、とくにLa newの彼女たちは、みな別に“本業”を持っているんだとか。会社事務員、ヘアデザイナーなど多岐にわたっているそうです。確かに、台湾では3月下旬から10月までがシーズン。そのうえ週に2日くらいは“空き日”があるので、フルタイムというわけにはいかないでしょうね。ちなみに韓国ではイベント会社がチームと契約し、派遣している、いわばタレントさん達。台湾も同様かと思っていたら、アルバイトだったとは。それでも中にはテレビに出演したり、タレント活動に近いことをしている人もいるようです。

これも余談ですが、中国チームにもチアリーダーはいます。でもって、台湾も中国も、選手や関係者と同じ東京ドームに隣接したホテルに宿泊しています。当然、試合前後には、華やかな衣装とメイクで移動(実は筆者も、エレベーターで中国チームの彼女たちと遭遇しました。見かけ10代半ばくらいで、驚きましたが)。

日本も、一部の球団ではチアリーダーを採用していますが、ほとんどはファンの自発的な応援(私設応援団)に任せているのが現状。でももっとこうしたアピールが必要なんなじゃないですかね。ファンサービスといえば、サイン会やグッズをスタンドに投げ入れるのがせいぜい。でもチームのアイドルとしてチアリーダーを採用し、PRしていけばスタンドそのものが華やぐと思うんですけどね。オールスターで、12球団チアリーダーダンスコンテスト、なんて悪くないと思うんだけど。

さて10日は、いよいよ日本戦です。台湾ぶっちぎりチームの力が、どこまで日本一のチームに通用するのか。楽しみです。

(木村公一)



投稿者 jsports : 10:35 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月09日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第19回 暴力熊、ぶっつけで挑む!

8日、La new熊隊の公式練習。観客を入れていない午後の東京ドームは、ヒンヤリとしていて打球の音までよく響きます。で、熊隊です。

うむ。やはりみんな、ぶりぶりバットを振っていました。暴力熊どおりです。4番のチェン・チンフェン、3番のリン・ツーセン……1番のファン・ロンイーは少し力んでいて快打は少なかったけれど、でもぶりぶり。やはりこのあたりがキープレイヤーですな。あと5番のパン・ツォンウェイも、ぶりぶり(笑)。

「いやあ。みんなええスイングしとるね。これは手強いよ」スタンドで視察していた日本チームの、ある海外担当スカウトが感心していました。

「サムスンより、力強い。試合結果は相手投手次第やけど、打線の感じだけは明らかにベアーズの方がええね」そうも言っていました。

打撃コーチのルー・ミンスに、そんな感想を伝えると、嬉しそうに、でも少し困惑げに言いました。「まだ選手が若いから、教えれば真剣に聞いて自分のものにしようとしてくれる。でも若いぶん、試合の中で呑まれたり気負ってしまったりもする。それは、まだ実力がない証拠ですよ」

ルーコーチは冷静。数多くの思い出のある東京ドーム。多少なりとも感傷はあるかな、と訊ねると。「この球場での初ホームラン。あと、外国人枠の関係で試合に出られなかったこと……いいこと、悪いこと、いろいろ思い出はあります。でも3月のWBCでも来たので、今は、あまり。試合に集中していますよ」そうでした。彼はWBC台湾チームの打撃コーチでやってきていましたっけ。

でもって、監督のホン・イーツォンさんにも聞きいてみた。「打線はサムスンより上だという意見もありますよ?」

すると監督は、アッサリとこう答えました。「サムスンは、打撃より投手力のチームなんでしょ」おっ。やはりポイントを押さえてますね。

「いや、昨日の記者発表でサムスンの監督自身がそう言ってたから」なんだ。すると監督は、苦笑しながらこう言ったのです。

「実は、ほとんどデータがないんです。ビデオも入手したものは規格の関係か、全く見られなくて」なんと。いやはや、どうも台湾らしい奥ゆかしさ。ということは、選手たちは“ぶっつけ本番”に等しい?「はは。そうですね」

しかし、捕手出身で台湾でも“考える野球”をすると定評のホン監督。なるほど、という話をしてくれました。「でもサムスンが打力の劣るチームなら、むしろいかにその打線を抑えられるか。不用意な点を与えることが、負けに繋がるわけですから。今は打線の爆発より、投手がどれだけだけいいピッチングを見せてくれるか、そちらが楽しみであり、心配です」日本ハムは、強い。ならせめてサムスンに勝って2位となり、決勝戦に進みたい。「それが目標です」

まあ最後は、収まりのいいコメントでしたが(失礼)、イケイケばかりのイメージだった熊隊の、違った面を垣間見た気がしました。

静かなスタジアムでの、静かな監督の言葉。じわじわと、大会が始まっているのだと実感した次第です。

(木村公一)



投稿者 jsports : 11:40 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月08日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第18回 チーム紹介・戦力編

さてさて。ついにシリーズへの参加チームが来日しました。今日8日の公式練習を経て、いよいよ対戦です。そこで、最後に戦力の紹介を。
 
●攻撃力 
La newは基本的に打撃のチームです。異名は“暴力熊打線”。なんとも凄い名前です。暴力ですからね。インバクト、あります(笑)。チーム打率は2割8分4厘。ホームラン63本。ともにリーグトップです。その中軸を担うのが、ドジャースから今季、国内復帰した4番のチェン・チンフェン外野手です。打率は3割1分4厘で、ホームランはチームの3分の1に匹敵する21本。肩に故障もあってほとんど指名打者ですが、勝負所での一発は、まさに暴力に等しいパワフルなスイング。東京ドームなら、楽々とフェンス越えもアリ、です。

ちなみにチェンは、昨季オフ、楽天のテストを受けました。しかし、入団には至らず。理由は肩の問題と、希望金額と球団提示に開きがあったとか。そんなチェンですから、日本での試合には、他の選手以上の思い入れがあります。WBCも故障の関係で参加できませんでした。今回の球場は、アジア予選で台湾が涙をのんだ東京ドーム。彼の打棒を是非、見てみたいものです。

続いてリン・ツーセン遊撃手。打順は3番で62打点。少々、粗っぽいのが難ですが、載せるとチームの勢いが一気に変わるムードメーカーでもあります。この二人に、1番に入るファン・ロンイー中堅手、5番のスー・ツーウェイ一塁手などが脇を固めます。ファンはミドルヒッターですが、強肩でもあり、走攻守で魅せられる選手。スーも長打こそないものの、しぶとい打撃が身上。昨季、アジアシリーズに参加した興農が、パンチ力に欠けたチームだっただけに、“あるいは”という期待も持たせてくれるメンバーです。

ちなみに打撃コーチは元巨人のルー・ミンス。彼の手塩にかけた打者たちです。
kimura18_4.jpg
(写真:ルーさんも元気です。)
 
●投手力 
チーム打率もリーグトップですが、防御率も2.95と、やはりリーグトップ。暴力打線の印象ばかり先に立つイメージですが、投手力もイイのです。エースは、ケニー・レイボーン。このブログでも折に触れ書いてきましたが、元広島の投手です。140台後半のストレートと大きく、ドロンと曲がるカーブが主武器で、今季、16勝を挙げました。

kimura18_1.jpg左のウー・スーヨウもクセのあるフォームから左右に散らす投球が持ち味。右打者の内角を積極的に攻められる強気な性格が持ち味でもあります。今季は17勝とブレイクし、日本チームのスカウトもマークし始めました。(写真:日ハム戦先発ともいわれるウ投手)

中継ぎ陣も豊富です。カーブとチェンジアップがウリのファン・ジュンジョン。スリークォーターから140キロのツーシームとカットボールで打者を打ち取るリ・フェンファ。ナックルカーブが主武器のシュ・ウェンションなど、多彩なブルペンも◎です。

抑えは元阪神のモレル。今季は正直、球威的にはイマイチな印象がありますが、日本でやるぶん、気合いは入っていました。

レイボーンといい、モレルといい、ともに日本では力を発揮しきれずにユニフォームを脱いだ投手たち。リベンジ=日本チームとの再契約という可能性にも賭けているだけに、彼らのマウンドは、他の台湾人投手とは趣も違います。そんな側面も、観戦時に思い出して貰えたら、と思います。 

ところで。
4日に台湾でもコンベンションがあり、ベストナインとゴールデングラブ等、各賞の発表並びに授賞式が行われました。MVPには、誠泰のリン・ユェンウ投手が選出されました。2年連続MVP。もっとも、最多勝、防御率、勝率の各賞を獲得。当然のMVPでしょうか。あと、ベストナインも含め、5冠です。既出の通り、来季は楽天入り。アジアシリーズとはちょっと外れますが、ぜひ注目してみてください。(写真:5冠の林投手〔来季楽天〕)

La newからもゴールデングラブで捕手のチェン・ホンミンほか3名が受賞。ベストナインにもやはり3名が輝きました。

さてさて。明日は中国戦。手堅く勝って波に乗れば、日ハム、サムスンも簡単には勝てない……そんなチームです。
(写真:アジアシリーズでも、こんな光景が見られるか?〔台湾シリー ズ優勝の瞬間〕)

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



投稿者 jsports : 18:01 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月06日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第17回 今さらの、チーム紹介

ほんと今さらですが、そろそろチームも来日しますし、まとめとしてチーム紹介です。

kimura17_1.jpg今回、アジアシリーズに参戦するLa newベアーズは、創設3年目のチームです。とはいえ、楽天のようなまったくの新規参入ではありません。前身は2リーグ時代の第一金剛という、金融関係の企業を親会社に持ったチームでした。そしてリーグが統合した03年(このあたりは既出)のオフに、靴メーカーのLa newが買収し現チームとなったのです。ところがこの第一金剛という旧チーム、当時はムチャムチャ弱いチームでした。(写真:リーグ加盟したときの第一金剛時代)

kimura17_2.jpgというのも「統合の際にあった台湾大連盟を解体し、4チームのうちの選手大半を解雇。で、有力選手のほとんどを“誠泰コブラス”に振り分けて今のリーグに加盟した」(当時の関係者)からなのです。つまり、第一金剛にいた選手たちは、言葉は悪いが「余った選手たち」。ちなみに買収前の02年の成績は、100試合制で20勝71敗9引き分け。勝率2割1分9厘で、当然6チーム中ダントツのビリ。首位の兄弟とは、実に41.5ゲーム差という、なかなか拝めないシーズンの戦いぶり(負けっぷり)だったのです。(当時、筆者は“世界で一番弱いチーム”と称していました)。楽天どころではなかったのです。(写真:Lanewの本拠地・高雄清澄湖棒球場)

03年には40勝56敗4引き分けで勝率4割1分6厘と、なんとかカッコはつけますが、それでも首位統一からは15ゲーム差のビリは変わらず。このときの監督は、元西武の大田卓司氏で、投手コーチは元巨人の加藤初氏。選手では近鉄、ヤクルトなどでプレーした入来智投手や、巨人にいたコーリー・ベイリーなどがいました。(今でも、加藤コーチらの疲れ、呆れた表情が思い出されます)。

kimura17_3.jpgしかしその後、オーナーが積極投資して有能な若手を集めました。(毎年、ビリというのも幸運でしたね。台湾のドラフトはウェーバー制。一番に、好選手を指名できたんですから)。そして昨季、ドジャースからチェン・チンフェンを台湾史上最高額である年俸3600万円で獲得。チームの骨格が出来たわけです。打撃コーチには、元巨人のルー・ミンスもいます。(写真:04年ドラフト会議から)

そして今季、優勝。それも前後期制覇という、これ以上ない戦い方で台湾プロ野球のトップに上り詰めたというワケです。
王者Lanew誕生の瞬間 同点打のリン・ツーセンとサヨナラ打のチェン・ホンミン
(写真左:王者Lanew誕生の瞬間)(写真右:同点打のリン・ツーセンとサヨナラ打のチェン・ホンミン)

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年11月04日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第16回 台湾野球事情 あれこれ

えーー。のんびりと思いつくまま、行き当たりばったりであれこれと書いてきましたが(失礼)、ボヤボヤしてると大会が始まってしまいます(苦笑)。
 
なのでこの際、基礎知識的な部分をまとめてお伝えしようと思います。
 
○リーグ変遷
発足は90年。兄弟象、統一獅、味全龍、三商虎の4チームでスタートしました。その後、93年に2チームが加わり6チーム制に。97年にもう1チームが加わり7チームに。しかし、同年に八百長事件の影響で人気が衰退。98年、99年と立てつづけに3球団が解散しました。他方、新規参入を希望していた企業が認められなかったことを理由に、97年に別の「台湾大連盟」なるリーグが発足し、4チーム制でスタートしました。なので一時期、台湾には8球団あったのです。しかし人口2400万程度の台湾で、2リーグ8チームは多い。02年に台湾大連盟と中華職棒が統合し、台湾大連盟から2チームが参入して現在の6チーム制に収まりました。

○現在の試合形式
2シーズン制で各50試合。ポストシーズンには前後期の優勝チームに、年間勝率次点のチームが加わり、3チームでのプレーオフ、台湾シリーズを行います。今季はLanewが前後期優勝でしたから、プレーオフは免除。勝率2位の統一と3位の興農がプレーオフを戦いました。
 
○ファンの関心度
人気からいえば、台湾での野球の歴史も古いので一番といえます。しかし八百長事件の衝撃は尾を引いています。若い世代ではサッカーや、とくにバスケットなどにも関心が高まっています。そういう意味では、決して“安泰”とはいえません。また、意外な“敵”はメジャーリーグです。とくにワン・ツェンミンがヤンキースに昇格してからというもの、ケーブルのメジャー放送は大人気。新聞メディアも、ワン投手の登板日は国内リーグの内容より、ワン投手の登板に紙面を割くのが当然となっています。

応援スタイルは、日本の社会人野球に似てますね。以前にも書きましたが、入場者は2千人程度。しかし、応援団が拡声器で大声を出し、太鼓を叩き、球団旗を振り回す。なので、賑やかさは2千人ではありません。「加油!(チャヨ…頑張れの意味)」の声援は、なかなかのものです。最近では、エアースティックでボムボムと叩きながらの光景も日常になりました。グッズ関係は、正直、日本に比べれば多いとはいえません。帽子、Tシャツ、レプリカユニに、下敷きに……。あ、キーホルダーなどもお約束ではありますが、ほとんど小規模の出店程度。試合のある球場以外ではほとんど入手できませんし。

次回に続く。

(木村公一)



投稿者 jsports : 19:04 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (0)

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第15回 台湾プロ野球事情 選手往来編

えーー。
中断しました外国人選手について。

台湾では、90年の発足から多くの外国人選手が海を渡っています。ほとんどはアメリカのマイナーやドミニカ、ベネズエラ、メキシコなどからやって来ます。日本のファンでも馴染みがあるのは、アレックス・カブレラ(西武)や、古いところでバルビーノ・ガルベス(元巨人)など。彼らは台湾で活躍し、日本に来ました。やはり台湾選手だけでなく、マイナーレベルの選手も「台湾で結果を出して日本に行きたい」という目標を持った者が少なくありません。というか、ほとんどの選手がそうです(実力は別にして)。
 
しかし、契約は実にシビアです。メジャー経験があるなど一部の選手は年間契約ですが、ほとんどは2ヶ月程度の短期契約。それでまず来て、良ければ1ヶ月、2ヶ月と契約を延長するスタイルが多いのです。ダメなら、即クビ。遠いドミニカあたりから来て、一試合登板し、ボカスカ打たれ2、3日後にクビ⇒帰国、なんてのも珍しくはありません。

なにしろ外国人選手は即戦力。出場枠は3名ですが、入れ替えは自由。だからシーズン終わって10名、20名、入れ替わり採用してた、なんてチームもあります。

それでも毎年、数多くの選手が台湾の街にやって来ます。マイナーではせいぜい3、4万ドル。しかし台湾なら10万ドルが手に入るから。そして日本に行ければ、その10倍が。そんな夢を見て。
 
ときには、メジャーでそれなりの実績を持ったヤツが、なぜか来ていることもあります。今季、統一でプレーしたジェローム・ロバートソンなどもそう。03年にアストロズで15勝していました。しかし制球力や、ヒジ肩の具合が悪く、メジャーに残れなかったヤツです。30歳過ぎる頃には、選手も代理人も、メジャーに希望を持つより、日本などアジアへ現実を求めるのです。その一環として台湾や韓国がある。

他方、若手で可能性のある者でも、代理人とモメたり、なんらかの事情でマイナーに残らず、アジアにやってくるケースもあります。カブレラはその典型です。

実際、カブレラ以外でも台湾でプレーし、マイナーに戻ってメジャーに昇格した者もいます。筆者も、台湾でプレーを見て、翌年、アメリカで見た選手がいます。逆にマイナーや独立リーグでプレーした選手と、台湾で“再会”したこともあります。

でも、翌年また彼を台湾で見られるかどうかは、わかりません。より良い条件で次のステージに移っていったならいいけれど……。一期一会。いわば、野球界の人間交差点。

そんな選手との“出逢い”も、台湾のプロ野球を観戦する楽しみのひとつです。

(木村公一)



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2006年11月03日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第14回 台湾は練習試合をしとるぞ!

外国人選手ネタで行く予定だったのですが、トピックスが入ってきたので、急遽予定を変更し(笑)、そちらを先に。

台湾では、ほぼ同時期に(9日から19日まで)台湾・台中で開催されるインターコンチネンタルカップの代表チームとLa newが練習試合を行いました。1日と2日の2試合です。

11月1日 第1試合
La new  000 000 004|4
中華代表 200 001 000|3

練習試合とはいえ、単独チームとしてはまずまずですね。La newの先発は外国人投手のフィオレで3回2失点と、こちらもまずまずだったようです。(代表チームの打線はシーズンから時間があいて湿りがちだったとのことですが)。

11月2日 第2試合
中華代表 010 000|1
La new  001 10x|2

2日目は雨のためコールドゲーム。La newの先発はレイボーンで3回1失点。150キロを計測したそうです。上り調子か?いずれにしても、実戦感覚はキープできたことでしょう。それにインターコンチの代表チームとの練習し合いというのは、名案だと思います。日本もやればいいのに。そもそもインターコンチの話題自体、日本じゃ皆無。日ハムと試合をすれば、それだけでPRになるのにね。やる気のなさというか、2年前の“球界再編騒動”の頃のかけ声はどこへ?という感じです。

余談ですが、台湾はインターコンチにLa newのメンバーを除いたほぼオールスターメンバーで臨むようです。日本はアマ主体。結果は見えていますね。

ツァイ・インフェンただひとつ、残念な情報も。先発候補のツァイ・インフェンがヒジ痛を訴え、練習から外れたようです。一部報道では、中国戦での先発予定だったとかで、もし離脱となるとキビシイですねぇ。三本柱の一角ですから。台湾シリーズでは好投していた投手なので、本当なら残念なニュースです。韓国もペ・ヨンスが、やはりヒジ痛で来日すらしないという話もありますし。このあたり、シーズン後の大会という日程上の難しさも影を落としている気がします。
(写真:ヒジ痛発覚で、登板ピンチ?!のツァイ・インフェン)

で、正式発表ではないようですが、アジアシリーズ3試合の先発が公表(?)されました。

第1戦 対中国 フィオレ
第2戦 対日本ハム ウ・スヨウ
第3戦 対サムスン レイボーン
第4戦 決勝 未定

ウ・スヨウ2,3戦目はひっくり返る可能性もある見たいですが、日本ハムは左打者が充実しているという点で、サウスポーのウ投手をぶつけるようです。これは韓国代表のサムスンも同じ考えのようで、対日ハム戦には左投手を先発させるらしい。
(写真:日ハム戦に登場か?のウ・スヨウ)

kimura_1103_03.jpgそのサムスン戦に、レイボーンというのは微妙な話ですね。ここだけの話ですが(苦笑)、レイボーンは来季、サムスンと契約を前提にしているらしいのです。そのチームとの対戦。好投したら、代理人も強気に条件をつり上げるか?しかしサムスンにしてみれば、もし負けたらメンツ丸つぶれ。とはいえ、自分たちが打ち崩した投手を迎え入れるというのも複雑でしょうし……。まあ国際大会ですから、レイボーンも手を抜くということはないでしょうから、その気で向かっていくはず。このあたり、まず一般メディアでは出ない話だと思います。“裏ネタ”として、知った上で観戦した戴けたら、と思います。
(写真:立場が微妙な?レイボーン)

でも、いざ試合になったら別の投手が先発してたりして……。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



投稿者 jsports : 15:44 | 華流野球報告 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月01日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第13回 台湾プロ野球事情・お金編

前回、球団経営の難しさに触れましたので、その流れで金銭関係についてのあれこれを。

kimura_1101_01.jpgまず最初に関心もたれそうなのが、選手の最高年俸ですね。昨季まで最高年俸を誇っていたのは、興農ブルズのチャン・タイサン内野手でした。今季で実働11年。通算打率3割7厘、本塁打178本(記録は今季まで)。前回のアジアシリーズでも来日していたし、WBCでも主砲。そのチャン選手で月俸32万台湾ドルです。
(写真:チャン・タイサン<興農>)

月俸というのは、日本じゃ馴染みがないですね。でも台湾では年俸より月俸で通っているんです。まあ、12倍すれば年俸になるだけの違いなんですが。なので、年俸だと384万台湾ドル。日本円で約1300万円程度ですか。

kimura_1101_02.jpgところがそのチャン選手を大幅に上回ったのが、ドジャース参加から帰国し、La newと契約したチェン・チンフェン外野手です。月俸は84万台湾ドル(年俸では3600万円)。破格待遇で迎えられたわけです。突出してます。
(写真:チェン・チンフェン<La new>)

その他での主力クラスだと、だいたい日本円での年俸にすれば800万円くらいが相場みたいです。でも若手なら、300万円程度もザラです。まあ先日、経営の大変さを書いたような状況ですから、致し方ない部分もあるでしょう。それと台湾ではまだ選手会がありません。そのあたりも報酬に影響があるかも知れません。

kimura_1101_03.jpgですから、力のある選手なら海外、とりわけ日本に憧れるのも無理はありません。おそらく、各チームのエースや主砲なら、必ず日本に行きたい願望が強いはずです。(とか書いている間に、誠泰のリン・ユェンウ投手の楽天入りが決まったみたいですね。今季17勝。投手部門のタイトルを総なめにしたリン投手の今季年俸は約890万円。来季の楽天での年俸は推定2000万円らしいです)
(写真:リン・ユェンウ<誠泰>)

ただし外国人選手は別です(台湾では、外国人選手のことは“外籍球員”と呼びます)。相場は、それでも1千万円程度でしょうかね。噂では2千万くらい貰っている選手もいると聞きますが、それには“ボーナス”が加わった金額だと推察されます。

台湾では、日本のような“出来高”はありません。あるのは一試合ごとのボーナスです。これもチームにより、選手により条件は様々ですが、外国人投手などだと、勝利投手になったら5万台湾ドル、完投したらプラス2万台湾ドル、5回まで無失点なら……など、多彩なボーナス契約があるのです。結果次第では、年俸の1.5倍くらいのボーナスを得ることもあります。

そんなところで、次回は外国人選手について。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月31日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第12回 Lanewベアーズ基礎・基礎・知識 その2

基礎知識、というにはあまりに初歩的なことですが。

「そもそも“Lanew”ってのは、どう読むのが(発音ですな)ホントなんだ」という質問も、一部からありました。確かに「エル・エイ・ニュー」とも読めますし。失礼。この疑問も当初から指摘を予期していました(苦笑)。これもこの際にご説明。

正確に書くなら「La(ラ) new(ニュー)」です。“La”と“new”のあいだを、ちと開けるのが、より正しい、丁寧な表記になるわけですね。(実は白状します。筆者もチーム発足当時、エルエイニューと言ってる時期が、ありました)。

熊隊を「ベアーズ」と読もう、というのは、最初の頃に書きました。発音がややこしいので。まぁ「くまたい」でも間違いではありませんから、そのあたりは、皆さんお好きに。でも日本ではないですが、シカゴもベアーズ、韓国にもトサン・ベアーズがあります。ま、野球のチーム名としては、決して奇をてらったモノではないんですけどね。

グッズちなみに、この“ラニュー・くまたい”応援に向け、台湾ではツアーを募集していてるようです。なんでも前日の8日に来日して、試合の合間に浅草などの都内見物や、箱根あたりにまで足を延ばして観光も兼ねるのだとか。いいですねぇ。温泉、行きたいです。ただ個人的には、スタンドに多くの応援が来て欲しいものの、どうせならチア・リーダーも来て欲しい(笑)。日本にはないですからね。韓国もサムソンであれ、ハンファであれ、チア・リーダーはアリなので、台湾-韓国戦は、別の意味で楽しみです。
(写真:ツアー参加者には、こんなグッズが貰えるようです。)

などと、バカな話の後には書きづらいことですが……。

26日にとんだ発言がありました。Lanewのオーナーが記者会見で「買ってくれる企業があれば、チームを売ってもいい」という主旨の“身売り発言”をしたのです。当然、翌日には新聞・テレビの各メディアはこぞって取り上げ、慌てて「別に、売るぞ、という意味じゃない。買いたい企業があるならば」と、発言を修正&身売り否定をしました。

しかし球界内で、おそらくこの発言に驚いた者は誰一人いないでしょう。というのも、Lanewの“身売り願望”は、球界内では公然の秘密だったからです。

3年前に球団を持ち(このあたりの詳細は、改めて後日にまた)、積極投資で選手補強し球団経営をしてきたLanewですが、今回、公表された内容によれば、年間投資は約2億台湾ドル(約7億円)。しかし回収できているのは8千万台湾ドル(約3億円)程度。つまり毎年4億円ほどの赤字になっているというのです。ただ、これは公式的な発表数字。実際には、もっと赤字があると予想されます。

なにせ入場料も(球場により異なりますが)内野でだいたい300台湾ドル、外野で100台湾ドル。日本円にすると、それぞれ1000円、350円くらいですか。それで入場者数は2000人程度なんですから……。よほど野球に熱心なオーナーか、儲かって税金対策に困ってる企業以外、とてもじゃないけれど運営が出来ない。それが台湾での実情なのです。

ですから今回の発言でも、おいそれと手を挙げる企業があるとは思えません。おそらく、あるならとっくに売り渡していることでしょう。では、チームはどうなるのか……。「解散」なんて文字も、新聞・テレビでは出ていますが。

ついでといってはヒンシュクですが、この際なので爆弾発言。台湾球界で、チームを手放したいと思っている親会社はLanewだけではありません。あくまで噂です。球界内で囁かれている“内部情報”と理解してください。

兄弟エレファンツ、誠泰コブラスなどは、いつでも手放したい状態で、連盟内でも検討課題となっています。ただし両チームとも「来年は、責任持って運営する」ということで、今は落ち着いていると言われています。ということは、来季オフ以後は、まったく不透明ということなのです。6チーム制の現在、3チームが具体的になっているとしたら……。球団売買より、連盟自体の存在危機といえます。

問題は、いろいろあります。娯楽の多様化。野球ファン開拓の難しさ。そもそも人口2300万程度の台湾で、プロ野球を維持させること自体、至難なことです。そして賭博問題も。これはヤバ過ぎるので、ブログとはいえ書けませんが……。

いずれにしても、せっかくアジアシリーズに進出したチーム。水を差さずに、緊張感&熱気ある戦いぶりを観せて欲しいものです。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月29日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第11回 La Newはなぜ熊で、牛ではないのか?!

えーー。当初は別のモノを書く予定でいましたが、スタッフさんから質問が出ましたので、急遽内容を変更してLanewベアーズネタを書きます(笑)。(チーム詳細は来日前にチーム紹介として集中的に書きますので、ここでは“さわり”のみでご勘弁を)。といっても、たいしたお答えになってませんが……。

ご質問は「なぜ、親会社が靴メーカーでシンボルマークが“牛”なのに、チームは“熊”なのか」というご指摘。ごもっともです。実は、そういう疑問、質問がいつ出るかと冷や冷や(笑)してました。(そういうこと、すっ飛ばして台湾シリーズのレポート進めてたので・苦笑)。

kimura_1029.jpg
で、まずブランドマークの件ですが……。

はい。確かに見た目は「バッファロー」です。。だから「なんで牛じゃなく、熊なんだよぅ」という疑問はもっともです。でも、よ~く、ご覧あれ。これ、靴の両底をあわせたデザインなんですよね(笑)。だから「一見するとバッファローの顔だけど、実は牛ってワケでもない」というのが、まず前提になります。

実際、球団関係者に聞いたことがありますが、「靴のデザインから、バファローのマークが思いつかれ、で、靴は牛革が多いから、バファローでいこう」となったのがロゴマークが出来るまでの経緯らしいのです。要は、「それほどこだわってバファローマークをしているワケじゃない」ということ。

このあたり、わかる人にはわかる、台湾流です。ただ、別の人に聞いたら、別の答えが返ってくるかも知れません。そのあたりも、台湾流なんですが。

なぜ、牛ではないのかということですが、ご推察通り、すでに興農牛隊(ブルズ)があるため、使えない。……で、ここからは伝え聞く“憶測情報”なんですが、一時は「親会社のブランド自体も、変えるべきか」「いや、そこまでするこたぁないだろ」という議論があったとか、「いっそ、興農さんから“牛”を譲り受けよう」という意見や動きがあり、「試みたが、断られた」などという“逸話”もあります。

勿論、この部分はあくまで“伝聞情報”です。真偽は不明です。でも、台湾なら、十分にありそうな話と受け止めました。

で、では「なぜ、熊に落ち着いたのか」……。すみません。そこまでは、存じません……。

プロ発足の90年頃に生まれたチーム、「兄弟象隊」「統一獅隊」「味全龍隊(現在はナシ)」などの場合は、中華圏らしく縁起を担いで動物の名前をつけました。「象」が出てくるのは、その典型です。しかし、その後は聞く限り、それほど親会社の関係や、こだわり、由来を持ってチーム名にしているとは聞いたこと、ないんですよね。

納得して貰える答えでなくて、済みません。こんなんでもよろしければ、また質問してください。答えられるだけ、答えますので……。

(木村公一)



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2006年10月26日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第10回 アジアシリーズ出場権獲得

第4戦。統一の本拠地である台南に舞台は移りました。初戦から4戦目まで、全部違うエリア&球場です。(マジでこんな日程、アリか?!)。

kimura_1026_01.jpg
(写真:ゲームロゴ)

3戦目までは、いいところばかりが出てLanewの3連勝。正直言って「こりゃ一気に行くかな」という感じで見てました。統一は初回、4回と得点を挙げ3対0とリードしますが、不思議と勝てそうな感じがしない。諦めではないのですが、「このシリーズ、絶対にひっくり返してや!」という気迫、緊張感が統一から感じられないからです。むしろ「いつLanewが反撃してくるか」。そんなムードがグランドから伝わってきます。

で、やはりというか、5回表に7番・スー・ツーウェイの二塁打、9番・ツァン・ツーツォンの内野安打で1点取り、3対1。

続く6回。このシリーズ、もうひとつだった主砲のチェン・チンフォンの一発が出たのでした。走者を二塁に置き、バットにボールが当たった瞬間、「行った!」と思う当たり。打球はセンター右に大きく飛び、フェンスも当然越え、スタンドを越え、場外に飛んでいきました。

うなだれる統一の先発・パン・ウェイルンをよそに、ダイヤモンドを廻るチェン。「もう勝った!」と大騒ぎのLanewベンチ。選手全員がVメガホンを叩き合い、そりゃもう大騒ぎ。3対3の同点ながら、試合は完全にLanewのものになりました。

kimura_1026_02.jpg kimura_1026_03.jpg
(写真左:統一は、防戦一方で……。)(写真右:守備でも見せるLanewナイン)

そして最終回。下位打線の連打と四球で決勝点をもぎ取り、1番・ファン・ロンイーの2点タイムリー二塁打で、試合は決まりました。

kimura_1026_04.jpg
(写真:だめ押し2塁打で歓喜のファン・ロンイー)

試合終了。胴上げ。シャンパンやビールで喜色満面の選手たち。とくに3番でこのシリーズ活躍したリン・ツーセンのはしゃぎっぷりは印象的でした。対して一塁側スタンドの、沈痛なファンの表情。涙するファンたち。国は違っても、この光景は一緒ですね。ひと呼吸おき、マウンド前で優勝ペナントを前に、お約束の記念写真です(これも一緒)。

kimura_1026_05.jpg
(写真:王者Lanew誕生の瞬間)

そして最後に、『コナミカップ参加権獲得』のプレートが出てきて、ファン・イーツォン監督が両手で雄々しく掲げました。

まあ、今回の台湾シリーズ。言ってしまえばLanewの順当勝ちでした。勝てばすべてが勝因となり、負ければいずれもが敗因に映ってしまう。それが野球ってもんです。でも、やはりもうちょっと統一の頑張りが見たかったですね。いい選手もいるのだから。ただ、そのいい選手たちの力を上回るLanewの底力を、改めて見せられた4試合だったようにも思いました。せめて統一のメンバーは、この4連敗の悔しさを来季につなげて貰いたい。「Lanewは強かった。やっぱり前後期優勝してもんだし」などと、簡単に気持ちを整理せず。むしろ引きずるくらいに。でなければ、この4敗は勝ちのないものとなってしまう。それに……。

今日負けても明日がある。今季敗れても来季がある。それがプロ野球の妙味なのですから。

ここまで読んで戴いた方々には、感謝です。見たこともない選手たちの試合。不明な点も、入れないところもあったと思います。多謝。


さあ、これで台湾は出場チームが決まりました。今年の台湾優勝チームはひと味違います。日本は日ハムが来るのか、中日の挽回があるか。いずれにせよ、油断できない要素をいくつも持っています。

そのあたりも、大会までゆっくりとお伝えしていきたいと思います。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月25日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第9回 Lanew強し!


ところを変えて、第3戦は新荘。ほんと、両軍ともお疲れさまです。

これまで2戦で2勝しているLanewベアーズに、2敗の統一。試合は序盤で決まりました。1回裏、Lanewは3番のリン・ツーセンがセンターバックスクリーン横に飛び込む先制2ラン。続く3回にも、やはりリン・ツーセンの三塁打などで一気に3点。都合、5点を挙げたのです。守勢の統一とはいえ、これは誤算。それも先発の外国人投手ハンセルの投球がすべてでした。ハンセルはチェンジアップやシンカーを散らして打ち取るのが持ち味なのに、今日はすべて甘く、中に入ってきました。これでは打たれます。ましてや相手はLanewの強力打線。(前回、Lanew打線のことを“爆熊”と書きましたが、失礼。正しくは“暴力熊”です。いやあ、すごい異名ですね。暴力だもん)。
ホームランを放ち、迎えられるリン・ツーセン(Lanew) 統一はハンセルの誤算が痛かった
(写真左:ホームランを放ち、迎えられるリン・ツーセン)
(写真右:統一はハンセルの誤算が痛かった)

その後、統一打線は沈黙。4回、8回と一点ずつ返すのが精一杯。まあこれも2戦までの“流れ”がものを言ってるんですよね。1戦はブリトーのホームランが認められず、2戦目は勝利目前を同点、逆転。場合によっちゃ2勝でもおかしくない内容が、連続サヨナラ負けだったのだから。ただこれが野球。そして短期決戦というものなんですね。

敢闘賞投球のツァイ・チンヤン投手印象的だったのは、統一の2番手で登板したツァイ・チンヤン投手。元中日です。5点リードされた3回から、随所で走者を許す、粘って粘って結局8回まで無失点。敢闘賞ものの投球でした。(写真:敢闘賞投球のツァイ・チンヤン投手)


Lanewの先発・ツァイ・インフォンも奮投もうひとつ、書かなければならないのはLanewの先発、ツァイ・インフォン。前々回、「故障で使えないかも知れない」という情報が流れている、と書きました。しかし実際の投球は、そんな雰囲気など感じさせないものでした。持ち前のストレートこそイマイチながら、どろんとしたカーブは効果的で、インスラ、タテスラも健在。“情報”がガセだったのか、痛みをこらえての“奮投”だったかは定かではありません。が、結局はLanewらしさの投打で統一を一蹴した形となりました。(写真:Lanewの先発・ツァイ・インフォンも奮投)

「これまで選手は一生懸命やってきた。選手のことは責められない」。試合後の会見でも、大橋監督はそう言うしかありませんでした。
 
さてLanew。あと1勝となりました。明日に決まるか、それとも統一が意地を見せるか。舞台は統一の本拠地、台南に移ります。
 
統一 000 100 010|2
Lanew 230 000 00X|5

Lanew 3勝
統一 3敗

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月23日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第8回 第2戦もLanewがサヨナラ勝ち!


第2戦は、前にも書いたように高雄じゃなくて斗六です。両チームは深夜移動ではなく、Lanewは高雄、統一はバスで約一時間の台南に戻って一泊し、当日移動で斗六に入りました。

この試合のポイントは、先発する両外国人投手の出来。とくに2週間近くチームを離れ、アメリカに帰国していたレイボーンのピッチングが注目されました。
 
第2戦Lanew先発レイボーンで、その内容ですが。ううむ。シーズンと変わらないような、でもちょっと物足りないような……。本来は140キロ半ばのストレートとカーブ、チェンジアップを交える投球が身上。でもって高低を投げ分け、揺さぶるのが特徴なのですが、高めは浮き、低めには来ない。(この投球では、もし優勝して東京ドームに来ても、ちと辛いぞぉ)。やはり、一時帰国の影響と言わざるを得ない内容なのです。(写真:第2戦Lanew先発レイボーン)
 
監督も“怖さ”を感じたんでしょう。案の定、3回に3連打+死球押し出しで2点を献上し、降板。シーズンの信頼があれば、まだ我慢する場面でした。

ただ、統一のロバートソンも不安定。調子が悪いんじゃないんです。単純に、力んでいるのです。「いくら台湾シリーズ初先発とはいえ、そんなに力むことないじゃないか」と思うくらい、力んでる。(おいおい、メジャーで15勝挙げたのはウソか!)。でも捕手のカォ・ツーカンのリードが巧い。途中からチェンジアップを効果的に使って、リキむロバートソンをカバーする。うむ、わかってるね、というリードです。

そして統一が4対3から一点加点し、5対3。統一の勝利濃厚のムードです。あとはリン・ユェイピン(プレーオフで154キロ出していた投手です)、ツァン・イーツァンの中抑え・抑えコンビで締めくくだけの展開になりました。

ところが8回裏、統一の投手交代で流れが変わったのです。マウンドに登ったのは、リンではなく、セン・ポーツァンという右腕でした。酒井コーチ曰く「一回なら任せられる投手」。Lanewの打順は8番から。なるほど。リンの連投を懸念して、この投手で8回を凌ごうというプランか。

同点打のリン・ツーセンとサヨナラ打のチェン・ホンミンしかし、このセンがまずかった。8番のチェン・ホンミンを四球で出し、9番の代打にヒットを打たれる。慌てるようにリンが出る。(日本でも時折見られる、典型的な悪いパターン)。1番の送りバントを好フィールディングで三塁封殺し、2番を三振。なんとか抑えるかと思ったところ……。3番のリン・ツーセンがライト線へツーベース! コレで同点。そして最終回、走者を一塁に置いて再び8番、チェン・ホンミンにサヨナラツーベース! (写真:同点打のリン・ツーセンとサヨナラ打のチェン・ホンミン)

統一にしたら、なんとも後味の悪い負け方。逆にLanewには最高の勝ち方でした。

Lanewは、2試合連続のサヨナラ勝ち。さすが前後期優勝のチームです。投手が弱ければ打線がカバーする。相手投手に抑えられていても、継投で流れが変わりそうなポイントで、必ず得点をもぎ取る。決して小技はないが、どこからでも点が取れる繋がりある打線。今季の戦い方を象徴する勝ちパターンです。

統一  112 000 010 | 5
Lanew 020 001 021X | 6
 
Lanew 2勝
統一  2敗

流れは見えた気もします。このままLanewが自力で押し切るか。それとも統一が勝機を見いだすか。
3戦目は移動日(23日)を挟んで、台北に近い新荘に移ります。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月22日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第7回 台湾シリーズはいきなり延長戦!

初戦の舞台は台湾随一の高雄県営球場 試合前には先住民族の舞踊も
(写真中:初戦の舞台は台湾随一の高雄県営球場)(写真右:試合前には先住民族の舞踊も)
高雄で始まったシリーズ第1戦。のっけから身体に悪い試合となりました。

力投のパン・ウェイルンLanewの先発はウー・スーヨウ。今季17勝のサウスポーです。統一も14勝でエースのパン・ウェイルン。試合は初回から動きました。1回裏、Lanewが4番・主砲のチェン・チンフォンのタイムリーで先制すると、2回表に統一がプリトーの同点ホームラン。続く3回には連打で2点。Lanewピンチ。だがそこをウーは踏ん張る。すると5回表にLaneww一番・ファンロンイーが同点ツーラン!(写真:力投のパン・ウェイルン)

しかし、その後は両軍チャンスを作りながらも点が取れません。とくに統一は毎回のように走者を出しますが、Lanewは4回からファン・チュイツォン→シュ・ウェンション→抑えのモレル(去年、チョロッと阪神に在籍)と勝ちパターンの継投で防戦。どちらのファンも、一喜一憂。歓声とため息を繰り返す展開です。

再見安打で1戦MVPのスー・ツーウェイ内野手統一にとって痛かったのは、5回の攻撃でプリトーのレフトポール際ギリギリの大飛球をファールとジャッジされたことでしょう。明らかにホームランでしたが、これで一層、統一打線は力んだ感じでした。そして試合は延長に入り、11回裏。四球やヒットで無死満塁から、7番の伏兵・スー・ツーウェイが渋いレフト前ヒットでサヨナラ勝ち! 王者Lanewが初戦をものにしました。余談ながらサヨナラ安打は“再見(ツァイツェン)安打”。そのままかい。(写真:再見安打で1戦MVPのスー・ツーウェイ内野手)

Lanewは勝ったものの、打線が振れていません。ペナント終了後、約2週間、実戦から遠ざかっていた影響でしょうか。それでも主砲のチェンは別。前述の初回先制二塁打ほか、6回にも先頭打者ヒットを放つなど、唯一、振れている感じ。チェンは今季、ドジャース3Aから帰国入団した外野手。ホームラン打者ではないが、打ってよし走ってよしの好打者です。11回裏も先頭打者で四球。統一は、彼を怖がり出塁させたのが致命傷でした。彼が軸になり、前後の打者が振れてくると「爆熊打線」の破壊力が復活することでしょう。

さて前日、Lanewから“怪情報”が流れてきたと書きました。「先発二人が使えないかも」という情報。その二人とは外国人投手のレイボーン(16勝)と、新人のツァイ・インフォン(11勝)。レイボーンは9月末の登板から姿を見せず、帰国。なんでも韓国チームと来季の契約が決まりそうで、「ならもう台湾じゃ投げない」と帰ったという噂。結局、シリーズ直前に再来台してベンチ入りしたものの、気のせいか身体が一回り太くなってる(要するにデブ)気が。(ついでに書くと、去年広島にいたレイボーンです)。

ツァイは、部位は不明ですが「故障が発生した」という話。初戦勝利のLanewですが、もし二人が本来でなければ苦戦が強いられます。それだけに打線復活がカギ。反対に統一は初戦を取っていればプレーオフからの勢いで一気呵成に出られたところ、やられたのは痛い。
 
統一  012 000 000 00 | 3
Lanew 100 020 000 01x | 4

Lanew  1勝
統一   1敗

で、第2戦の先発が発表。Lanewは、そのレイボーン! 統一はロバートソン。

果たして。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月21日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第6回 台湾野球事情(2)

さて、いよいよ本日から始まる台湾シリーズ(総冠軍賽)。これは万国共通(?)の7戦4勝制です。対戦するのはLanewベアーズと統一ライオンズ。16日の一回目からさんざん書いてますんで、もうお馴染みですね(笑)。一応、日程を記しておきます。
 
          先攻  後攻  場所
 21日(土)(1) 統一-Lanew  高雄
 22日(日)(2) 統一-Lanew  斗六
 23日(月)   移動日
 24日(火)(3) 統一-Lanew  新荘
 25日(水)(4) Lanew-統一  台南
 26日(木)(5) Lanew-統一  台南
 27日(金)   移動日
 28日(土)(6) 統一-Lanew  高雄
 29日(日)(7) 統一-Lanew  高雄
 
時間は土日が17時5分開始。日本とは-1時間の時差なので、日本なら18時5分開始。ほとんど中日VS日本ハムと同時間帯です。平日は18時35分からの開始です。

統一の球団バス。これで全国廻るのですで、日程の場所をご覧あれ。なんか変だと思いませんか?初日はLanewの本拠地である高雄。ま、これもずっと書いてますように、今季、前後期とも優勝しているので当然。でも2試合目が「斗六」というところ。でもって3試合目が「新荘」。「おいおい、国内一を決めるシリーズが、地方巡業なのか?!」と思われた方。そう正解です。台湾では、なんと本拠地以外でもシリーズを行うのです。それも全部バス移動。ちなみに新荘から台南は4時間くらいですかね。まあいつも彼らの移動はすべてバス。慣れたルートではあるけれど、それでも疲れる日程です。(写真:統一の球団バス。これで全国廻るのです)

なんでこんな“変則開催”かというと、斗六は11月にインターコンチネンタルカップ(アマ主体の国際大会)を行う関係で、周辺地域の野球熱活性化のため。新荘は台北の隣の市で、ほとんど台北。つまり最も人口の多い都市の開催。言い換えれば、チームの地元だけではなかなか集客が見込めない実情があるのです。公式戦の観衆は、平均すれば一試合2千人程度。そのため公式戦でも主催ゲームの2割近くは、別の地域で行います。目新しさと、地方のファン開拓という訳です。近年、日本も似たような傾向ですが、大都市よりむしろ地方都市の方がお客が入る。

ベンチにはつるされたパイナップルが。開運の果物なんだとかそれから特徴的なのが、統一の先攻が5試合、Lanewが2試合。これは統一がプレーオフを勝ち上がってきたチームゆえの“ハンデ”です。なかなか名案だと思いませんか?さて、本拠地で3試合あり、かつ後攻が5試合。かなりLanewが有利に思えます。戦力はおいおい説明しますが、それもLanewが投打とも一枚上手なんです(だから前後期優勝したんですが)。(写真:ベンチにはつるされたパイナップルが。開運の果物なんだとか)


ところがシリーズ直前、Lanewから“よからぬ情報”が流れてきたのです。「先発の二人が使えないかも知れない」と。むむ。先発二人となれば、シリーズを大きく左右します。これは一種の情報戦か?!それともマジ情報か?!

(木村公一)



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2006年10月20日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第5回 台湾野球事情(1)

プレーオフネタ優先で、“台湾野球事情”を後回しにしてしまいました。そこで今日は、台湾シリーズを前にちょっと解説(といっても、たいそうなものではありませんが)。
 
台湾野球といえば、アジア隣国ゆえ漢字圏。基本的に街はもちろん、球場も、選手名も、なんでもかんでも漢字ばかりです。「漢字だから、なんとなくはわかるよな」と思うでしょう。まあ確かに、雰囲気はわかりますよね。でも、野球は英語が多いだけに、それを漢字で書かれると、面白い反面、ピンと来ないこともあります。

ということで、ごく初歩的なところだけでも解説を。まず、超基本的なことですが、台湾の野球は、野球とは言いません。『棒球』です。で、台湾プロ野球は『中華職棒』。プロ野球=職業棒球で、その略ということですね。以下、列記しませう。

野球場=棒球場。 監督=総教練。 コーチ=教練。 選手=球員。
チーム=球團(ま、これは一緒ですね。“團”は団の旧漢字ですが)。でも、一般的には「隊」の字を使って表現することが多いようです。「球隊」という表現も時々見かけます。チーム名も、ですから漢字。例えぱ今季、前後期優勝したLanewベアーズも、向こうでは『Lanew熊隊』。
 
ついでに、今季の戦績とともに6チームを紹介しましょうか。(台湾は前後期各50試合制なので、ここではその総合戦績の順とします)。

1位 Lanew熊隊
2位 統一獅隊
3位 興農牛隊
4位 誠泰COBRAS

誠泰だけは蛇隊じゃなく、なぜか「コブラス」が正式名称です。厳密には「毒蛇」になるんで、チーム名としてはどうかという意見からと聞きましたが、正確には……すみません。未調査です(苦笑)。

5位 中信鯨隊
6位 兄弟象隊
 
ブリトーも漢字。発音はプーレイ以上、こんなモンです。ですから、Lanewベアーズとか統一ライオンズという表現は、実は台湾では馴染みがないのです。しかし、だからといって現地表現を試みようとすると、発音が障害となります。なので、まあ外国人である我々は、英語表記で許して貰おうと(笑)。勿論、その程度の英語ですから、現地でも通じますがね。(写真:ブリトーも漢字。発音はプーレイ)



総冠軍賽ののろしあと、ホームチーム=主隊 ビジターチーム=客隊。それから台湾一を争う、いわば“台湾シリーズ”は、『総冠軍賽』。 ちなみに、コナミカップ・アジアシリーズは、『KONAMI CUP亞洲職棒大賽』となります。(写真:総冠軍賽ののろし)
 
じゃあストライクは、アウトは……。そのあたりは、また次の機会があれば。

(木村公一)



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2006年10月19日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第4回 台湾シリーズ進出と、ある悲しみ

さてプレーオフ第3戦。結果から書きます。6-0で統一が圧勝し、台湾シリーズ進出を決めました。アッサリ3連勝。やはり初戦からの勢いが、制した感じでしたね。

統一酒井コーチ興農は本来、台湾でも相手のミスにつけ込み、試合が終われば勝っているような、しぶといチームカラー。なのにこのプレーオフは、まったく“らしさ”が見られませんでした。その点、統一はいいところばかり。とくに投手陣は3試合で失点わずか4。第二、三戦にいたっては連続完封。「まあ出来過ぎ。シリーズが怖いですよ」と、酒井投手コーチは慎重な物言いでしたが、内心は鼻高々でしょう。(写真:統一酒井コーチ)



パン・ウーションまだプレーオフというのに、その瞬間にはベンチから選手がグランドになだれ込み、すぐにビールとシャンペンシャワーの嵐。量は足りなさそうでしたが、「プレーオフだし、さすがに準備した量は少なめでしたね」(一色コンディショニングコーチ)。でも日本じゃホテルや駐車場で騒ぐだけでファンとの共有はナシ。その点、このグランドでのビール、シャンペンかけは、スタンドのファンとともに喜びを分かち合っているようで、なんとも微笑ましいシーンでした。(写真:プレーオフMVPのパン・ウーションもずぶ濡れ)

ロバートソン投手そんな中、誰より大声を出し、他の選手たちをずぶ濡れにさせていたのがジェローム・ロバートソン。初戦に先発し好投した助っ人左腕です。通称ジェイロブ。このジェイロブ、実は03年にアストロズでローテに入り、15勝しているバリバリの(?)元メジャーリーガーなのです。(彼のエピはまた後日に)。(写真:ロバートソン投手)

ただジェイロブ、歓声と大騒ぎの裏で、ある悲しみがありました。11日(日本・台湾時間12日)、ニューヨークのマンハッタンで、ヤンキースのコーリー・ライドル投手が小型飛行機の事故で死亡しました。ジェイロブにとってライドルは、家族ぐるみのつきあいをする親友だったのです。「ニュースを耳にしたときは、嘘だと思ったよ。今でも信じられない。遺体の映像も見ていないしね。でも、アイツの死の弔いの意味でも、絶対に勝ちたいと思って登板したんだ」。

死亡事故の翌日、遠く離れた極東の、台湾のマウンドに立ったジェイロブ。心の動揺など、微塵も見せない力投でした。「正直言えば、今すぐにヤツのところに行きたい。でもオレの仕事は、この台湾で投げて勝つことだから……」そんな男も戦っている、台湾のプロ野球の秋です。

(木村公一)



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2006年10月18日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第3回 短期決戦の流れというもの

台湾の十月は、秋でも日中は30度近くになります。試合開始の午後6時過ぎでも、球場のスコアボード横にある表示は28度。そしてちょっと蒸し暑い。

そんな中、第二戦は興農ヤン・チンフー、統一パン・ウェイルンと、台湾人エース同士の投げ合いで始まりました。しっかしヤンの球はキレる、キレる。球速は147キロでも、もっと出ていると思わせる伸びを感じさせます。案の定、統一打線は手が出ません。バットに当たっても、外野にすら飛ばないのです。三回、四回、五回……統一からヒットは生まれません。

第2戦の先発・パン・ウェイルン対する統一のパンも、負けてはいない。こちらも150キロをマークする速球と、チェンジアップ、スライダーなど織り交ぜ、興農も当たり損ないのヒットが散発する程度。四回、五回と進んでも、二塁も踏めません。台湾野球といえば、正直言って大味な試合が多いのです。ヒットも出るけどエラーも日常。で、投手がやたら交代するから試合時間も長い。でもこの第二戦は、失礼ながら「台湾だって、やりゃ出来るじゃないか」という緊迫した試合。これぞ、プレーオフという好試合になったのです。(写真:第2戦の先発・パン・ウェイルン)

そして八回終了し0対0。「こりゃ延長くさいな」と思った九回表、興農の攻撃で両チーム通じ、初めての得点機が訪れました。二番がヒットで一塁に出た後、三番がまたライトに好打。すると打球はライトの手前でイレギュラー!一塁走者は迷うことなく二塁、そして三塁を蹴った。ライトの統一パン・ウーションが転がる打球を捕り、バックホーム!アウトかセーフか。1テンポ、走者の足が速く見えた瞬間、しかし主審は「アウト!」のジェスチャーを示しました。これで盛り上がらないはずはない。スタンドは勿論、統一ベンチも勝ったような大騒ぎです。

立役者ふたり。左はサヨナラ擬飛のヤンソ・ソンシェン裏の攻撃は、まるで筋書きがあるように統一は攻めました。興農抑えのクォ・ユェンツに変わると流れも変わり、ヒット、送りバント、ヒットで一死満塁。そして代打に出たヤン・ソンシェンがお約束のようにセンターに犠牲フライ。サヨナラ勝ちです!統一ベンチから選手たちが飛び出し、代打のヤン・ソンシェンは袋叩きの祝福攻め。(写真:立役者ふたり。左はサヨナラ擬飛のヤンソ・ソンシェン)


「あのウーションのバックホームアウトで、この試合は勝てると思ったね。」
試合後、大橋監督は言いました。それにしても、流れとは怖い。好返球もさることながら、もし興農の先発ヤン・チンフーが降板していなければ……。“たら・れば”は禁物ですが「勝ち運の流れというものは、国に関係なくあるものなのだ」と改めて実感した試合でした。これで統一の2連勝。ムードは俄然、統一の台湾シリーズ進出に傾きました。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月17日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第2回 プレーオフは意外な展開でスタート

台湾ではプレーオフのことを『季後賽』といいます。初戦から3試合は総合2位の統一が本拠地の台南で。中一日空けて興農の本拠地、台中での開催です。

統一は日本に縁のあるチームです。監督(台湾では総教練という)は、かつて東映、阪急で名ショートとしてならした大橋穣。投手コーチも日本ハムで活躍した酒井光次郎。加えてプロ経験はないが、一色優というコンディショニングコーチも。言うなれば“日本首脳陣”のチームです。対する興農は昨季優勝し、アジアシリーズにも進出した強豪。記憶にあるファンも多いでしょう。日本人選手は、元千葉ロッテの竹清剛治投手が今季は後期から入団し、中継ぎとして奮闘してきました。

そのプレーオフ第一戦は、初回から点の取り合いでした。統一が外国人選手ブリトーのタイムリーで先制すると、興農は主砲チャン・タイサンの一発で同点に。しかしその裏、統一も新人パン・ムーションの2ランで逆転。すると四回には興農・チャン・タイサンの2打席連続、続くシュ・クーロンの追撃ホームランで再度逆転……。ううむ。日本の野球ファンにも見せたい撃ち合い合戦です。そして試合を決定づけたのは、初回にタイムリーを放ったブリトーの、7回のツーランでした。相手は、皮肉にも中継ぎで登板した竹清(無念)。甘く入ったスライダーは、打った瞬間、レフトスタンドに消えていきました。投げては中継ぎエースのリン・ウェイピンが154キロをマークする速球を武器に、興農打線を3イニングピシャリ。5戦3勝制の重要な初戦は、統一の勝利で終わりました。スタンドはチームカラーのオレンジ色が踊ります。
ホームランを放つプリトー 第一戦でMVPとなった林岳平
(写真左:ホームランを放つプリトー)(写真右:第一戦でMVPとなった林岳平)

それにしても、両軍は決して大砲揃いの攻撃型チームではないのです。それがこんな打撃戦に。このプレーオフ、なにやらシーズンとは、ちと異なる様相です。

そして第二戦。これが初戦とはうって変わった投手戦となるのですが……。

(木村公一) IMAGE:provided by CPBL



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2006年10月16日

003)華流野球報告  【華流野球報告】 第1回 台湾野球は熱い

台湾の観客は熱い。

中華街を思わせる台南球場収容人員1~2万人の球場(台湾では棒球場という)が埋まることは滅多にない。普通で2千人程度。それでもファンたちはVメガホンを叩き、声を枯らして声援を送る。「加油(チャヨ)!加油!」「安打!安打!全塁打!」チャヨは「頑張れ」の意味。全類打はホームランのこと。(当然のことながら、中国語の台湾では、応援のコールも言葉にすれば漢字なのです)。応援団もいて、リーダーは拡声器を使い、声援をひとつにまとめる。そこに太鼓の音が加わり、チアリーダーのダンスもある。すると2千人が1万人を超える迫力に感じられてくる。そう。観客は少なくても、迫力は日本にも負けてはいないのです。(写真:中華街を思わせる台南球場)

そして今は、ポストシーズンゲームの真っ最中。台湾は2シーズン制(ともに50試合)で、Lanewベアーズが前・後期とも1位。で、総合勝率2位だった統一ライオンズと、3位の興農ブルズがプレーオフ(5戦3勝)を、今、戦っています。この勝者が、21日からの台湾シリーズ(7戦4勝)を戦うわけです。このプレーオフ、実に興奮する戦いが繰り広げられています。

ということで、詳細は、次回からレポートしていきます。

(木村公一)



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