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田村岳斗 -華麗なる舞-


今大回は、羽生選手、宇野選手、
アメリカのネイサン・チェン選手、そして中国のボーヤン・ジン選手という、
今、世界をリードする4回転ジャンパーが揃う大会となります。
10年前はせいぜい2種類。それも跳べたのは3、4人です。
今や2種類以上跳べる選手が何人いるの?というぐらいになってきました。
その進化に驚くばかりです。
それを試合に入れて決められるのですから、本当にすごいことです。

今シーズン跳び合いでいえば、ネイサン・チェン選手、
ボーヤン・ジン選手がリードしている感じですが、
羽生選手もそれを見て燃えているでしょうし、
宇野選手も全日本のタイトルを獲った勢いとその自信も持って
さらなる進化を見せてくれるでしょう。

世界フィギュアを前に、それぞれがどんな滑りを見せてくるのか注目しています。

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うちのチームからは本田真凜、白岩優奈の2人がフリーまで進みました。
(全中はフリーまで進むのが本当に大変なんです。)
真凜は今シーズンは2位、3位という結果が多く、
今回の優勝が、次への意欲、自信につながってほしいと思っています。

ジャンプでは他の選手に跳び負けていましたが、
コンポーネンツスコアに救われる結果になりました。
ただ、この部分をいつまでもアテにしているわけにはいきません。
ジャンプに自信がつけば、余裕ができた分スピン、
ステップ、演技や振付け、技と技のつなぎなどにもっと意識を向けられ、
コンポーネンツスコアにもいい影響があると思っています。
(まずジャンプの自信の部分が誰にとっても大変ですが。)


4位になった白岩優奈は、国体からの連戦でコンディションが
万全ではない中での出場になりました。
今回の第一優先はこれ以上状態が悪くならないようにする事。
それを守った上で今やれる事はしてくれました。


2人は少し休んでから世界ジュニアに向けた練習が始まります。
真凜は前回チャンピオンですから、目指すところは1つ。

優奈は前回4位で表彰台を逃して、悔しい思いをしています。
表彰台への気持ちは強いでしょうが、今はアツくなりすぎず、状態を上げていく事。
ベストコンディションで戦えればチャンスはあると思っています。
post.jpg

no1.jpg

※選手に掲載許可は得ています。

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欧州選手権男子は、スペインのフェルナンデス選手が5連覇を達成しました。
おめでとうございます。
過去にも5連覇の例があるのかわかりませんが、
勝ち続けることは本当に大変なことです。
彼の力からすればベストパフォーマンスからは遠い内容だったように思います。
それでも試合で勝って結果を出すことは選手に自信を与えます。
彼は世界選手権でも連覇中ということを考えると、
ここから調子を上げていける選手です。
3月の世界選手権に向けて、いいはずみとなるのではないでしょうか。
2位はコフトゥン選手、3位はコリヤダ選手というロシア勢が入りました。
2人ともフリーで2種類の4回転を入れたプログラムやってきましたが、
しっかり決めたコフトゥン選手が2位に入りました。
コフトゥン選手はもともと4回転が得意な選手でしたが、
演技の途中で彼らレベルでは簡単なはずのジャンプでミスをすることがあります。
今回も4回転を2発決めていい流れの後、ルッツが2回転になってしまい、
もったいないと思わせるところがありました。

コリヤダ選手は2発とも4回転をうまく決められませんでしたが、
彼は昨シーズンの世界選手権では、4回転を1種類2発跳んだ上で
完成度の高い演技をしていたと思います。
ここにきてもう1種類増やすことの難しさを感じているのかなと思います。
4回転を複数回跳ぶ選手が増えてきていますが、
それだけではなかなか勝てないのが今の男子シングルです。

それにしても今回の欧州選手権は、来年の五輪を前に、
選手がかなり入れ替わってきたという印象の大会でした。

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全米選手権で、ネイサン・チェン選手が、
SP2発、フリー5発、合計7発の4回転を成功させて初優勝を果たしました。
彼は、シーズン始めに7発の4回転のプログラム構成でしたが、
途中でSP2発、フリー4発、合計6発の構成に変えていました。(それでもすごいですが!)
調子やコンディション、試合状況など、理由はいろいろあったと思います。
この全米選手権では、初タイトルがかかっているにもかかわらず、
シーズン始めの構成に戻し、それを完璧にやってのけました。
これだけ跳びまくれば、これから行われる四大陸選手権、
世界選手権のタイトルの可能性も高いと思います。

普通であれば、フリー後半で3回転を決めるだけでも本当に大変なことです。
体力もそうですが、精神的にもきついところです。彼の場合はそれが4回転。
どんな選手でも2日間揃えることはなかなか難しく、
どこかでふっと集中力が切れたりしがちで、ミスが出たりしますが、
そんなこともありませんでした。7発の4回転を決めた上での初タイトル獲得。
とても大きな自信を得たでしょう。

僕の立場上、もちろん自分のところの選手が1番、
そして次に日本選手の活躍を願っていますが、
いちフィギュアスケートファンとして見ると、
さらに大きな大会で彼のベストの滑りを見てみたい。
そんな風に感じさせた素晴らしい滑りでした。

ネイサン・チェン選手、本当に素晴らしかった。おめでとうございます。

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男子の中村優、女子の細田について苫小牧に行っていました。
中村は体調に問題があり、あまりムリができない状態だったので
ジャンプ構成を変えて試合に臨みました。
個人成績は4位でしたが、それでも団体優勝に貢献できたと思っています。
これから少し時間ができるので、体作りをしっかりしていくことになります。

細田は、SPで最初のコンビネーションを失敗してしまい、
僕の予定していた順位ではありませんでした。
フリーでは会心の演技を見せて個人総合3位まで上がりました。
女子選手は、ジャンプ構成の難易度が下がってくる時期が、
男子に比べると年齢的に早い場合が多いのですが、
彼女は普段の練習としっかりとしたコンディション作りでそれを克服し、
大学4年生で自身最高難易度の構成を滑りきりました。
その姿勢は、後輩選手たちにも受け継がれていって欲しいです。

インカレの後は、インターハイ、国体、全中と続いていきます。
また、国際大会では、ユニバーシアード、四大陸選手権、
地元日本で開催されるアジア大会が行われます。

その他、海外では、まもなく全米選手権、欧州選手権が開催されます。
男子は、世界選手権、来年の平昌に向けて、
ネイサン・チェン選手やフェルナンデス選手が、
どれだけ4回転ジャンプ、プログラムの完成度を高めているかに注目しています。
今のアメリカ男子ではネイサン選手のように4発、5発の4回転を跳べる選手はいません。
ただ、彼にとっても全米はとっておきたいタイトルの一つでしょうし、
グランプリファイナルの結果から勝って当たり前と思ってしまいます。
その分プレッシャーも大きいと思います。
(全日本での宇野選手も終わってみれば得点差をつけての優勝でしたが、
苦労していました。)

一方、欧州男子はフェルナンデス選手の5連覇がかかります。
ヨーロッパには、まだ彼を脅かすほどのライバルが不在で、
普通に考えれば5連覇の可能性が高いのですが、
それでも5回もタイトルを維持し続けるのはとても大変なことです。

五輪の前シーズンということもあり、
まだ実績のない選手が思い切ったことをやって、急成長する場合もあります。
試合で結果を残して自信を付けたりすると、
一気にポジションを上げていく例が見られます。
(今シーズン、代表入りした田中刑事選手もその一人と言えるでしょう。)

勝って当たり前と思われ、確実に結果を出さなけらばいけない選手の戦い、
五輪シーズン前にポジションを一気に上げておきたい選手の戦い。
全米、欧州ではその2つの戦いが楽しめるでしょう。

それにしても苫小牧寒かった。

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プロフィール

プロフィール写真【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。

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