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ラグビー愛好日記


ポジションについて記事一覧

「スクラムハーフってなぜ小柄な選手が多いのですか? マクラウドがSHならBKにボールを回さなくても自分で突破できるじゃない? その方が早いじゃない?って思うのですが…」。このコメント、すごくいい疑問だと思います。だから答えちゃいます。

確かに、マクラウドが7人でBKライン作ったら強そうですよね。それにマクラウドにSHをさせて好きに走らせたら面白いラグビーになるかもしれない。最近では南アフリカのユースト・ファンデルヴェストハイゼンとか、長身で力強さもあってスピードもある、桁外れの選手はいるし、大きなSHは珍しくないです。実際に、9人目のFWのように大きな体で突破役をするSHもいます。ただし、FWの周辺は人数が密集していてディフェンスも分厚いから、マクラウドだって簡単には抜けない。でも、いくつかのパスで広いスペースにボールを動かすと、ディフェンスが薄くなります。そこで体も大きく足も速いマクラウドが、スピードをつけて走っていったほうが突破が簡単ですよね。小さな選手に大きな選手をぶつける、または大きいけどスピードが劣る選手に対して、スピードある選手が勝負する。そのほうが前進しやすい。ラグビーという競技は、ボールを動かしながら、そういうミスマッチを作り出して、ディフェンスを突破しようとするわけですね。

さて、本題のSHが小柄な選手が多い件ですが、長いラグビーの歴史の中で、SHは世界中どこに行っても平均的に小さい。つまり、小さい選手に向いているポジションなんです。スクラムにボールを入れて、出てきたボールを素速くSOにパスする。タックルされた選手がダウンボールしたボールを瞬時にさばく。そんな動きに代表されるように、SHは地面に転がっているボールをパスすることが多いポジションです。地面のボールを瞬時にパスするには身長が小さい方が地面までの距離が短いから適しているわけです。大きな選手はなかなか俊敏には動けないですからね。

そして、SHというのは、ボール争奪戦に体を張る選手達を叱咤激励しながらリードし、SOとともにゲームをコントロールしていくポジションです。「猛獣使い」と呼ばれたりするくらい、負けん気が強くて、強気の性格が向いています。これは僕の経験ですが、小さい選手のほうが負けん気が強いことが多いです。加えて、その小さな選手がタックルが強ければ言うこと無し。小さな選手の地を這うタックルは、大型選手には嫌なものらしいです。

ちなみに、SOも比較的小さな選手が多いけど、世界のトップレベルは大型化してますね。それは、最近のラグビーでSOがタックルをする回数が増えていることと、攻撃面でもSOが起点になってコンタクトしなければいけなくなっているからだと思います。

ラグビーのポジションは体型に大きな違いがあります。スクラム最前列のプロップ(PR)、FWの核になりラインアウトではジャンパーになるなど空中戦も担うロック(LO)など、はっきりとした体の特徴がありますよね。もちろん、どんなポジションにも例外はあって、そのチームがどんなプレースタイルを目指すかによって変わってくる面もあります。総じて言えば、ラグビー選手のサイズは年を追うごとに大型化しています。だからこそ、小さな選手の特性も行かせる場所があるはず。たとえば、極端に身長の低いスクラム最前列の選手がいたら、大型選手はすごくスクラムを組みにくいですよね。

なんて、説明しているといつまでも書いてしまいます。ポジションによる身体的特徴には理由があるということです。少しは疑問の解消になったでしょうか。

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きょうはひたすらパソコンに向かっている。コメントで、フランカーというポジションについてのものがあった。僕も、オールブラックスのリッチー・マコウや、ワラビーズのジョージ・スミスのような選手が日本代表にいてほしいと思う。そういった動きを感じさせるのは、ここ10年の日本代表では、99年W杯のグレッグ・スミス選手や、現代表のフィリップ・オライリー選手など外国人選手に限られている。踏まれても蹴られても、ひたすらタフにボールに絡んでいく。そういう日本人選手は確かに少ない。

でも、日本にそういう選手がいなかったかといえば、そうでもない気がする。小さくてもひたすらボールに絡み、タックルし続ける選手はいた。僕と同時代の選手で言えば、同志社大学から神戸製鋼に進んだ武藤規夫選手は、ひたすらボールを追いかけ、タックルし続けていたし、日本代表に入っていれば世界でも注目される選手になった気がする。最近では、体はほんとうに小さかったけど、早稲田大学で活躍した羽生選手は、パスして、タックルして、ラックで相手をはがしてと、フラフラになりながらもずっと働き続けていた。僕が一緒にプレーした選手では、大阪体育大学の1学年下の永田克也選手が凄かった。ラインアウトからのディフェンスでは、前に出ながらBKラインを追い、相手のアウトサイドセンターに突き刺さることもしばしばだった。タックルして立ち上がるまでの速さは目を見張るモノがあり、めちゃくちゃ頼りになった。23歳以下日本代表までにはなったのだが、身長が177㎝くらいだったこともあって、代表入りはしていない。国内で運動量豊富な選手達は国際舞台ではサイズが足りないという理由で代表までは選ばれない。武藤はたぶん180㎝弱くらい。ジョージ・スミスは実は175㎝くらいなんだけど…。

日本にマコウやスミスのような選手を誕生させるには、そういう選手を小さくても代表入りさせる以外にないと思う。ニュージーランドにマコウが誕生したのは、80年代後半のマイケル・ジョーンズがいて、90年代のジョシュ・クロンフェルドがいたからであり、日本だって、武藤や永田のように小さいけど動き回る選手が日本代表で活躍していれば、その後の少年達の目指すフランカー像は変わったかもしれない。小さくても勇気があって逞しいフランカーは、ぜったいに少年達の憧れの的になる。

極論を書くと、僕はラグビーという競技のなかで、一番評価されるべき選手は相手からボールを奪う選手だと思っている。ラグビーは、相手からボールを奪わなければ攻撃できないスポーツだからだ。まっさきにタックルしてすぐに相手ボールを奪うフランカーがいればチームは勢いづく。日本代表もそういう選手を選ぶ、または作る。そうすれば、いずれ日本にも世界を驚かせるフランカーが出現すると、僕は思う。

あ〜、熱くなっちまった。

◎愛好的観劇日記【あわれ彼女は娼婦】観ました。渋谷シアターコクーンにて。作=ジョン・フォード、翻訳=小田島雄志、演出=蜷川幸雄、美術=中越司、照明=原田保、出演=三上博史、深津絵里、谷原章介、石田太郎、立石凉子、梅沢昌代、高橋洋、月影瞳、戸井田稔、妹尾正文、鍛治直人、たかお鷹、中丸新将、有川博、瑳川哲朗。
この作品は、シェイクスピアと同時代に活躍したジョン・フォードの作品を、シアターコクーンの芸術監督でもある蜷川幸雄さんが演出したもの。実の兄と妹の許されない愛を描いている。ここ数年、月2本ほどのペースで芝居を観てきた。蜷川さんのは初めてだったから、比較するものが僕が観てきた芝居しかないんだけど…、綺麗だった。美しい芝居だと思った。ストーリーも美しいし、役者さんもみんな良かった。舞台美術も印象的だった。舞台に照らされる光の模様で多くの場面が展開していく。「勢い」だけで作っていない力のある作品だと感じた。三上博史って、こんなにすごかったのかぁ。

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aomushi

家の近くの私道で青虫発見。これがアゲハチョウになるわけだね。ふむ、観察していこう。

きのうは自宅で原稿書いたりしていた。最近、コメントをくださるみなさんの質問に全然答えられていなかった気がする。ポジションで左右同じ呼び方をするモノの違いについて、僕なりの解釈で答えたい。

左右で同じ呼び方をするのは、以下の通り。

プロップ(PR)=左・1番、右・3番
ロック(LO)=左・4番、右・5番
フランカー(FL)=左・6番、右・7番
センター(CTB)=左・12番、右・13番
ウイング(WTB)=左・11番、右・14番

プロップ=スクラムの最前列は3人。左から、1、2、3番と背番号がついている。組み方は、1番と2番の間に相手の3番が首を入れる形で交互に組むので、3番は両肩に相手の重みを感じ、1番は右肩だけ組んでいることになる。スクラムは基本的に3番が軸になるので、こちらに体格が大きくて安定した体型の選手が多い。PRの経験者の人に聞くと、「3番は押し込む、1番はせき止める」というイメージらしい。右肩だけか、両肩かではかなり勝手が違うので、多くの選手は、どちらかを専門にしている。

ロック=これもスクラムは3番を軸にしていることを考えると、3番のおしりを押す5番は大きくてスクラムの押しの強い選手が多くなる。スクラムから出てくるボールは4番の足の間を通るので、そのへんは、ちょっと気を遣うのかなぁ。ラインアウトなどは、他のポジションとのかねあいもあるので、ロックの左右は関係なくなる。

フランカー=これは、左右で分ける場合と、オープンサイド、ブラインドサイドで分ける場合がある。現在は、後者が多い。オープンサイドFLは、スクラムがあった場合、常にグラウンドの広いスペースを担当。相手に真っ先にプレッシャーをかけていくので、スピードがあって常にボールに絡む攻撃的な選手が多い。ブラインドサイドFLは、狭いスペースを担当するので、スピードはなくても密集サイドのタイトなディフェンス力などが要求される。左右の場合はこれを分担するわけだけど、NO8のサイドアタックは、相手SHのいない右側に来ることが多いので、左FLはタックルの強いタイプがいいみたいだね。

センター=このポジションも、インサイドセンター(12番)、アウトサイドセンター(13番)で分けることが多くなっている。インサイドは、SO(10番)と一緒にゲームをコントロールしていく。外側のCTB、WTBを生かす長くて素早いパスができて、キックで陣地もとれる器用な選手が理想。アウトサイドは力強いタイプが多い。普通にバックスにボールを回すと、タックルされるのはだいたいアウトサイドCTBのあたり。そこで相手のタックルをかわしたり、タックルされてもパスをつなぐなど、ワイドな攻撃の起点になるポジション。左右で分ける場合は、右オープン、左オープンで、インサイドとアウトサイドを入れ替わる。また、サインプレーによって、インサイドCTBからWTBまでロングパスが必要な時は、どちら方向へのパスが得意かでCTBが入れ替わっていることもある。

ウイング=5月8日に行われた日本代表対香港代表では、11番の水野選手が常にオープンサイド。14番の大畑選手は、常にFWに近い方に位置していた。このように、ウイングもオープン、ブラインドに分けることが多くなっている。ブラインドサイドはFWの背後からスピードをつけて防御を切り裂いたり、見えない位置からオープン側にライン参加するなど神出鬼没の動きで防御を攪乱。FWプレーに果敢に参加することも求められる。オープンサイドは広いスペースを駆け抜けるスピードが必要。左右で分ける場合は、どちら方向にステップを切るのが得意かなど、選手の特性によって得手不得手がある。

こんな感じでしょうか。もっと、いろいろ違いもあるのだけど、このくらい知識として入れて見ると、また面白みも増すと思います。

追記・アイルランドのイベントに参加してくださったみなさん、そして、コメントくださったみなさん、ありがとうございます。直接お話しできたことも嬉しかったです。J・デービスさん、お察しの通りでございます。これ以上、ネタないだろうと思いながら、言わせて突っ込みました。司会するときの楽しみです(笑)。

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0402rock1

ロックなもんじゃねえ! 浅野良太選手(左)、熊谷皇紀選手(右)のNECコンビ。ジョークではなく、NECのロック陣がやっているブログのタイトルです。

NECのロック陣といえば、前述の2人に安田知生、三浦洋平などの選手達。ブログの執筆は浅野選手が多いようだが、コニアや石井といった引退選手の写真と紹介があったり、日本代表ではタケオミ君の寝姿とか、けっこう面白いのがある。実は3月24日の日本代表合宿時に上の写真を撮影して「ネタ切れの時に紹介してください」と言われたのだが、今回はネタ切れじゃないけど、紹介したよ。みなさん、一度のぞいてみては。

「男ならロック」と言っても、えーちゃんではありません。それはROCK。ラグビーのポジションは、LOCKと書く。岩ではなく、錠、つまり鍵だ。フォワードの第二列目で、あの身長の高い一番大きな人がやるポジションである。スクラムでがっちり鍵をかけるようにバインドするから、LOCKなんだろうね。昔、ニュージーランドでは子供達はみんなロックをやりたがったと、聞いたことがある。一番強い選手がやるポジションだからだ。僕は最近、ロック好きである。数年前から、神戸製鋼のロイス・ウイリスには何度も感動させられているし、昨季のトヨタ自動車トロイ・フラヴェルにも感心した。強いだけでなく、しぶといタックルを何度も見せてくれる。強いチームには必ず優秀なロックがいる。
 キックオフ、ラインアウトを確実にキャッチし、ときには突進し、スクラムではプロップのおしりを強力に押し、モールの核になり、ラックでは相手をどかんと押し込む。そして、大きなストライドで懸命にカバーディフェンスにかえり、相手のトライを防ぐ。頼りになる選手がロックの正しい姿だ。ラグビー王国の子供達が憧れたのもよく分かる。ラグビーは、ボールを確保しないと攻撃できないスポーツだ。ロックの働きはボール保持時間を拡大してくれる。ぜひ、ロックに注目を。試合を見るのが楽しくなるよ。

 そして、相手に睨みをきかせるのもロックの役目。大八木さんは、きっとそれを考えて強面で頑張っていたんだろうなぁ。ロック伝説といえば、60年代後半から70年代前半に近鉄、日本代表で活躍した小笠原さんだ。スパイクのポイントをヤスリで研いでいたというのは、あまりにも有名。本人に確かめたところ、「馬鹿野郎! 昔はみんなヤスリで研いでたんだよ」と叱られた。そう、現在60歳以上の人達が選手時代は、ポイントは革を重ねて靴底に釘で打ち、あとで形を整えていたのだ。まあ、それをちょっと尖らせるくらいのことはやったかもしれないけどね。……軽口叩いて、すみません。

◎愛好ニュース
◇ヤマハ発動機ジュビロの新スタッフが発表になり、木曽一選手がキャプテンに就任。
◇U19日本代表、初戦のルーマニア代表に5-15で敗れる。次戦は5日、対イングランド代表。

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厳しくも温かいコメントに励まされ、日課の腕立て伏せ100回を再開。ラスボーンみたいな二の腕になってやる!
きのうは散髪した。最近は少しでも伸びると気になるようになってしまったので、1か月に一度は行くことにしている。ちなみにヒゲは一週間に一度剃るだけ。薄いのだ。けっこう経済的な男でしょ。

センターのこと書いていこうとしていたのだが、なぜセンターと呼ぶのかという疑問に答えねば。ポジション名の由来については、小林深緑郎さん著の「世界ラグビー基礎知識」に詳しく書いてあるから、簡単に説明したい。CTBとかWTBの、TBというのは、スリークォーターバックスの略。ラグビーのフォーメーションは横に区切っていくと、8列ある(詳しく知りたい人は深緑郎さんの本見てね)。TBラインは、8列の6番目になり、8分の6は、4分の3なのでTB。その両翼だからウイングTB、真ん中だからセンターTBと呼ぶわけだ。だから、ウイングの背番号は11と14で、センターは12と13になる。

ただし、国によってポジションの呼び方とかフォーメーションの考え方に違いがある。オーソドックスには、常にSO側にいる(内側)のがインサイドCTB、または第一CTB、WTB側(外側)にいるのが、アウトサイドCTB、または第2CTBと呼ぶ。日本もインサイド、アウトサイドが多くなったけど、昔は左右で役割を分けるのが主流だった。その場合は、右が13番で、左が12番。右オープンのラインでは、左CTBがインサイドに立つし、左オープンでは、右CTBがインサイドに入る。

ニュージーランドはちょっと考え方が違っていて、SOとインサイドCTBをひとまとめに考える。これがフォーメーションの8列の5番目なので、8分の5でファイブエイスと呼ぶ。SOがファースト・ファイブエイスで、インサイドCTBがセカンド・ファイブエイスだ。だから、ニュージーランドは、センターは一人しかいない。13番ね。

ファイブエイスですよ。ファイブエースって書かないでね。なんか5つ星みたいだし、水虫の治療薬みたい。あれはピロエースか。まあ、日本ではファイブエイスはあまり使わないので、スタンドオフ、センターで憶えていた方がいいと思います。ということで、ミニミニ講座、終了。

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初公開! ではありませんが、現役時代の写真です。鈍足、不器用なフルバックでした。藤島大さん的に言うと「きわめて才能の制限された選手」だったので、努力を怠るとすぐダメになりました。現役時代は177cm、75㎏くらいだから、今思えばサイズも大したことないよね。あえて言えば、キックに対するフィールディングと、タックルは良かったなぁ。ちなみにこの写真は写真立てに入れたらガラス面に貼り付いてしまい、抜け出せなくなっちゃった可愛そうなヤツなんです。怖くて引っ張れない……。

神戸製鋼に来るショーン・ウェブについて、少し情報があるので、紹介したい。ウェブは正確なプレースキックを誇るSO(本人はFBを好む)で、一昨年はカンタベリー代表で2試合出場、昨年はオタゴ代表のSOとなる。今季はスーパー12のハイランダーズ入りを狙っていたが、日本へ。カンタベリーから、キャメロン・マッキンタイヤ、ベン・ブレアが移籍してきたため契約が難しくなったことも要因か。この経歴は、アンドリュー・ミラーにそっくり。ミラーも、スーパー12の地元チーフスになかなか選ばれず、クルセーダーズへ動き、クルセーダーズにはNZ代表マーテンズがいて出場機会に恵まれず、そのあと日本に来た。ウェブはまだ23歳と若いのだが、NZでは、この世代にはいいファイブエイス(SO、インサイドCTB)が多い。前述のマッキンタイヤ、ハイランダーズのニック・エヴァンス、ブルースのルーク・マカリスターなどだ。ウェブが、このあたりの選手と同等の力を持つなら、日本のディフェンダーを翻弄する走力があるはず。プレースキックも正確となると間違いなく活躍するだろう。

あれ? なんか、普通の記事みたいに書いちゃった。ということで、僕のことは写真の通り、現役時代はやせております。先日、ラグビープラネットのゲストに、東芝の冨岡鉄平キャプテンが来てくれたときのこと。
「村上さん、けっこうデカイですね。大型FBだったんじゃないですか」
 かなり嬉しいコメントだったのだが、大きくなったのは会社入ってからなんだよねえ。

 フルバックのことを2回続けて書いたら、選手時代のことをたくさん思い出した。ライン参加のやり方も人それぞれで、大きく弧を描くように長い距離を走って行くタイプと、CTBの後ろに隠れていて、入る瞬間に顔を出して短い距離で加速するタイプがいる。いずれにしてもディフェンダーに入ってくる位置を読まれないように入るのがコツだった。そういえば、高校生の頃、FBにパスする側のCTBの動き方を元日本代表FBの萬谷さんに習ったことがある。オールブラックス・ジュニアを破った時のFBだ。要するに「FBの走るスペースを作ろうとし過ぎるな」ということだった。マークの選手を自分に引きつけようとして鋭く向かっていくとかえって流されてしまう。それより、フラフラと横走りして、相手に捕まえるチャンスだと思わせてタックルされたと同時くらいにパスを浮かすと、ライン参加の選手がものの見事に抜け出せる。つい先日のシックスネイションズでも、ウエールズ代表CTBのヘンソンがやっていた。
 
 ダメだ。またいつまでも書き続けちゃう。きょうは、このあたりで。
 瑞穂のタックラーさん。矢野さんが、ガメラに出ていたのを知っているなんて、ただ者ではありませんな。

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脂っこいもの食べたいなあ。写真は大好きな沖縄料理屋さんにて、数日前、あまりに旨かったので写真に撮った「ラフテー」。表題とはまったく関係ないね。

きのう書いたフルバックについて、もう少し加筆したくなった。僕が好きだった綾城選手は、同期で同志社と大体大で戦った仲だ。実は京都の高校時代も対戦していた。といっても、僕は憧れの目で彼を見ていた。綾城選手は、東山高校出身だが、同時まだ全国大会に出場していなかった同高から高校日本代表のSOに選ばれている。当時から、SOからWTBまで一気に飛ばすロングパスを使うなど、技術的には高校生離れしていた。大学、神戸製鋼ではFBの印象が強いが、とにかくフィールド全体が見える選手だった。彼は自分が立つ位置によって、相手SOを牽制する。

たとえば、右タッチライン際に寄って立ち、左オープン側を大きく開けておく。すると相手SOはそこに戦略的なキックを蹴りたくなる。そして、SOがボールを蹴ろうとした刹那、綾城は、左のタッチラインに向かって走るのだ。SOは蹴る瞬間は、絶対にボールを見るので、相手の動きは見えない。そして、蹴ったあと顔を上げると、綾城が落下地点にいるというわけだ。それが、きのうきちんと書きたかったことだった。そういう駆け引きを見せてくれるFBがいなくなったのがちょっと寂しいわけである。

もちろん、上には上がいるので、それを逆手に取るSOもいるし、わざとキャッチしにくいボールを蹴るSHやSOもいる。僕は大学選手権で慶応と試合したことがあるが、慶応のSH生田さんのハイパントのキャッチしにくかったことといったらない。風船みたいに落下してくるので、キャッチするだけで精一杯だった。見ている側はボールを落とすと「下手くそ!」と思うだろうし、それでいいのだが、キックに対するノックオンのほとんどは、キックの軌道が原因である。だから上手い選手でも時々イージーミスをする。風もあるし、回転のかかり方もある、ラグビーボールは空中でも一定の飛び方はしないわけだ。

キャッチしやすいボールだと、やれることはいっぱいある。ハイパントなら、わざと落下地点とずれた場所に立っておいて、キャッチする瞬間に移動する。するとドンピシャのタイミングで走り込んできたディフェンダーのタックルポイントをずらすことができる。これの上手いFBは日本にいっぱいいた。谷藤さんなんかもそうだった。わざわざ狙われる位置で待っていなくても、動きながらキャッチすればいいわけだ。こういうの、こまごま書いてると、永遠に書いてしまいそうだ。

きょうは、これくらいにしてボチボチ出すね。

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仕事部屋の壁に貼ってあるポスター。2000年にワラビーズとオールブラックスが続けて来日した時のもの。もちろん、マシュー・バークだからいまだに貼ってある。

神戸ファンさんの質問、全然初歩的じゃないですよ!(笑)。でも、正直に書くと、神戸製鋼に入るショーン・ウェブのプレーを見た記憶がないんです。そういう名前の選手がいたということは憶えているんですけどね。ただし、経歴的にはアンドリュー・ミラーに似ているし(ミラーのことも来日するまでは知りませんでした)、日本で大活躍する可能性はあります。だから、これはなんとも言えないんです。ごめんなさい。

No15さんのコメントにあった、好きなフルバック(FB)について少し書きたい。冒頭の写真を通り、元オーストラリア代表マシュー・バークが好きだ。実際にプレーを見て、一番上手いと思った。1999年夏、トライネイションズの取材でNZとオーストラリアを回ったとき、ブリスベンでオーストラリア対南ア戦を見た。バークは確か怪我あけで復帰してきたのだが、その守備範囲の広さに驚いた。どこに蹴られてもバークがいて、ノーバウンドでキャッチしては大きく蹴り返し、あるときはカウンターアタックを仕掛ける。フィールドすべてを支配しているような印象を受けた。チームメイトから絶大な信頼を勝ち取る正確なフィールディングと狂いのない判断。そして、パススキル、ランニングスキルに優れる。圧倒されて、「これだよな〜」と感心したものだ。

日本のFBで僕がいいと思っていたのは、新日鐵釜石の谷藤選手、神戸製鋼の綾城選手あたり。わざとスペースを作って、相手SOにキックを使わせ、蹴った瞬間に移動して、凡ミスのようなキックに見せる綾城の頭脳的プレーは大好きだった。フルバックは、受け持つ範囲が広いからこそ、頭脳的プレーが求められる。相手チームの選手達全員を相手に、つねに駆け引きを続けなければならないのだ。日本にはこういうタイプのFBがいなくなっている。攻撃面が強調されるからだろう。そして、足の速いFBほど、ボールの落下地点に行くのが遅い。ボールをノーバウンドでキャッチするのが、FBの大切なスキルだと思うのだが。

そういう観点から言えば、僕は、かつてフランス代表だったブランコや、NZ代表のカレン、現イングランド代表のロビンソンのように、圧倒的に身体能力の優れた選手より、バークのようなゲームの読みのいい堅実派が好きだ。95年W杯の南ア代表ジュベールもいいFBだった。91年W杯時のスコットランド代表ヘイスティングスのプレーぶりに感動したこともある。だけど、バークがやはり一番だ。実を言うと顔も好きなのだ。

FBはやっぱり男前じゃないとね。現在、スーパー12のワラタスで活躍するマット・ロジャースなんかは、僕の中では有望株で、もし、何かの試合でFBとして僕が驚くようなプレーをしてくれたら、バークより好きになってしまうかもしれない。

あの〜、好き、好きとか言ってると変な感じだけど、あくまでFBとしてね。

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プロフィール

プロフィール写真【村上晃一】
京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、ナンバー(文藝春秋)などにラグビーについて寄稿。J SPORTSのラグビー解説も98年より継続中。1999年から2015年の5回のラグビーワールドカップで現地よりコメンテーターを務めた。著書に「ラグビー愛好日記トークライブ集」(ベースボール・マガジン社)3巻、「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)などがある。

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