コラム

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12月12日

【プレミア緩めなみどころ】冬場のサプライズは起こるか

プレミアリーグ 第16週

今シーズンのプレミアリーグも年内のスケジュールは残り3週(試合は残り4試合)である。北極辺りではクリスマスの本番デリバリーに備え、トナカイたちが実戦に近い形でそりを引きながら走り込みをしているに違いない。そしてサッカー界ではチャンピオンズリーグのベスト16が出揃い、プレミアリーグにおいては勢力分布図が次第に明瞭になってきた。相変わらずの4強と、中位グループの実力的な拮抗である。今週はその中位グループで接戦を演じているチームによる「ジャイアント・キリング」を期待したい。

シーズン序盤戦でトップ4に食い込む争いをし、黄色と黒の縦縞を人々の脳裏に焼き付けたタイガースが久々に日本のライブ中継に登場する。約一ヶ月半前に2週連続してビッグ4と対戦し(チェルシーとマンチェスター・ユナイテッド)、散華とも言うべき華々しい連敗の後は、大きく崩れることなくリーグ戦を1勝3分1敗の戦績で6位に留まる健闘をみせている。もうそろそろ、彼らの順位を然るべき結果として正当に評価する段階になっているのかもしれない。「サプライズ」や「アップセット」等の言葉で表現するのではなく、現時点でのタイガースの実力を相対的事実として表した順位が6位であると。

当の彼らも自らを、ビッグ4を追う第二勢力として認識し、シーズ開幕当初に抱いていた期待感の如きコンフィデンスをより本物に近いコンフィデンスに変えているに違いない。そんなタイガース、今週末はアンフィールドに乗り込む。トーレスを欠いてなお首位を堅持するリバプールの絶対的な優位性は動かない。しかし、トップフライトで堂々と渡り合っているという事実が、フットボーラーの矜持としてハル・シティの選手たちの胸に鳴り響いていれば、既に対戦したチェルシーやマンチェスター・ユナイテッドとの試合とは違った展開になるのではないかと期待してしまうのである。

ウェストハムの監督としてロンドンに舞い戻ったジャンフランコ・ゾラ。就任から現在に至るまで積み重ねた勝ち点は決して多くないが、志向するフットボールのスタイルはハマーズ・サポーターの支持を勝ち取ったようである。しかし、フットボールのサポーターは、これは一般論であるが、気の長くない人間の集団により形成されるものである。ゾラにしてみればそろそろインパクトを伴った結果が欲しい。そんな折のロンドン・ダービー、スタンフォード・ブリッジ再訪である。

スタンフォード・ブリッジの住人と、彼らに愛されたゾラの再会は心温まるシーンとして予定調和的に用意されているに違いないが、そんな暖かいウェルカムに張り手をお見舞いするような戦いっぷりをゾラのウェストハムに期待したい。対するチェルシーは、ミッドウィークにホームでチャンピオンズリーグ決勝トーナメント勝ち抜けを(実に予定調和的に)決めたが、それはグループリーグ最下位が決定していたCFRクルージュ相手に手を焼いた上での辛勝だった。今シーズンのスタンフォード・ブリッジは難攻ではあるが不落ではないのである。

平床 大輔 12月12日15:13

平床 大輔

1976年生まれ。東京都出身。雑文家。1990年代の多くを「サッカー不毛の地」アメリカで過ごすも、1994年のアメリカW杯でサッカーと邂逅。以降、徹頭徹尾、視聴者・観戦者の立場を貫いてきたが、2008年ペン(キーボード)をとる。現在はJ SPORTSにプレミアリーグ関連のコラムを寄稿。

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