野球とは切っても切り離せない「運」について、オールスターブレイク前のダルビッシュ有(レンジャーズ)が口にした。

7月4日のレッドソックス戦、打ち取ったはずの力ない打球は内野手の間を抜け、外野への打球がポテンヒットとなり、自己ワーストの7失点を喫して4.1回での降板。

続く9日のエンジェルス戦では、7.1回を2失点に抑えながらも、味方の援護がなく8敗目を喫している。現在のダルビッシュは、6月12日を最後に1ヶ月も白星がない。

ベストのボールを投じれば必ずバッターを打ち取れるとは限らないし、勝ち星に見放されれば状態が悪いわけでもない。逆もまた然り。

野球ほど「偶然」に支配されるスポーツもなく、それは競技の奥深さと結び付く。

そのファインプレーがたまたまだったのか、日頃の研さんの賜物か。1点差の試合が紙一重だったのか、大量得点差もあり得た内容なのか。その中身はしっかり吟味される必要がある。

そのため、観る側としては、結果の出た理由、あるいは出なかった理由を逐一求めたがるが、「分からない」とコメントする選手は多い。

結果が「運」に左右されるからこそ、現場の人間は「必然」を増やそうとするが、ある程度実力の拮抗したプロの世界で毎度、思わしい結果を手にするのは不可能に近いだろう。

ダルビッシュとて、今季はリーグ9位の防御率3.49を残し、4度目のオールスターに選ばれながらも、ここまでは6勝8敗と負け越している。

先発投手の仕事が難儀なのは、年間を通して200イニング前後を消化するのがかなりの労働量であっても、たかだか30先発ほどのサンプルでその内容の良し悪しを判断されてしまう点だ。

期待値が高いだけに、今季のダルビッシュの成績に満足するファンはそれほどいないだろう。

その事実を指摘する記事も散見されるように、スタッツを見ると奪三振率がキャリアワーストの9.48にとどまっているのが目につく。

三振を奪えば、その時点で失点のリスクは生じない。ダルビッシュと言えば奪三振。奪三振と言えばダルビッシュ。

今季も“K”にまつわる記録をいくつも打ち立てた平成の奪三振マシーンにとって、三振を積み重ねることは、思わしい結果を得るための「必然」の手段に思えた。

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