ルマン24時間レースから3週間が過ぎようとしていますが、8月に今年のルマンを振り返る特別番組があるというので、再度、今年のルマンを考える日々です。勝てると思っていたルマンをトヨタさんが勝てなかった。それはどうしてなのでしょうか?いろいろな関係者から話を聞きたいのですが、制約が多そうです。

さて、ルマンの地でレース前の金曜日は、トラックイベントは無く。サーキット会場内では主催者のフランス西部自動車連盟(ACO)のオフィシャルプレスコンファレンスが行われます。近未来の耐久選手権レースのレギュレーションについての説明がありました。それによるとハイブリッド車両の電気モーターの走行比率が増されるようです。ピットからコースインする際にはモーターで推進しなくてはならず、それがピット出口から最低100メーター。その他コクピット内のサイズを広くしてドライバーの視界と居住性を良くし、安全性を高めるなどが発表されていました。

現行世界耐久選手権(WEC)は、ルマンのACOが中心的な役割でWECの運営団体とガッチリ手を組んで行われている。当然、国際自動車連盟(FIA)もとても協力的に足並みを揃えている。現会長ジャン・ドッド氏がフランス人だからという方もいるけれど、かつてフランス人のジャン・マリー・バレストル氏がFIAの会長だった1980年代にACOとFIAはチャンチャンばらばらあまり仲が良くなかった。特にテレビの放映権で対立、一方的に威圧的な姿勢を見せたFIAに対してACOは「ルマンは世界選手権に含まれなくても何も影響を受けない」と言い出した。これに対して、バレストル氏は24時間レースのスタート前の金曜日にパリからヘリコプターを飛ばしてルマンへ来て、ACOのプレスコンファレンスに登場、「古き良き共よ」と言い、当時のACO会長と壇上で熱い抱擁を交わしてその場を繕ったのを見たことがある。

バレストル氏は、とても豪快というかワンマン、強権的だった。1987年にF1日本グランプリ(鈴鹿)に来日した際に行われたプレスコンファレンスで世界ツーリングカー選手権について氏がコメントした。年間の参加料が高く、参加メーカー、チームが極少ない状況について質問させていただいた。すると「そんな心配は、お・ま・え・がする必要が無い。FIAが決めたことは遂行する」と凄い剣幕で怒られた!? 今となっては、とてもよい思い出です。ジャーナリスト出身のバレストル氏は2008年に他界。合掌。

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高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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