投球を語る姿はまるで哲学者、愛犬家としての顔も持ち、ツイッターのフォロワー数は約180万人に上る……。

ダルビッシュ有(レンジャーズ)が次に投げ合うデイビッド・プライス(レッドソックス)とは、パーソナリティーの面で何かと共通点が多い。

互いにピッチングを理詰めで深め、生活を共にする犬を愛で、意見があればはっきり述べて周囲に議論のきっかけを作れるインフルエンサーだ。

ダルビッシュが活躍の場を求めて海を渡った2012年、プライスは最多勝と最優秀防御率のタイトルを手にし、自身初のサイ・ヤング賞を受賞した。

サイ・ヤング賞投票では次点も2度あり、その実績を引っ下げて、2015年オフにはレッドソックスから、投手史上最高額となる2億1700万ドルを引き出したメジャー有数の実力者だ。

ただ、それはメガディールを締結する前の話で、移籍1年目の昨季は防御率3.99とパッとしなかった。

2010年以降は6度も200投球回をクリアするなど、耐久性も評価された上での7年契約提示だったが、今季は左ヒジに違和感を覚えて初登板は5月下旬と出遅れている。

それ以降も勝ったり負けたりで、こちらは2016年オフにトレード移籍してきた、同じ左腕のクリス・セールの陰へ完全に隠れてしまった。

ツイッターのツイート数ではダルビッシュの2倍を記録しているように、プライスはお喋り好きでも知られるが、2013年には思ったことを口にする性格が災いして審判への暴言で罰金が科され、今年は6月に入って登板日以外は話さないことを決め込むなど、ボストンのメディアとはうまくいっていない。

また、冒頭で挙げた類似点と同様に、奪三振を量産するスタイルは2人の投手に共通するものではあるが、そのためのアプローチは真逆と言える。

ダルビッシュが多彩な変化球を用いてあらゆる方法で打者に揺さぶりをかけられることを最大の持ち味とするなら、プライスはそれほど多くはない球種を操って、狙ったスポットを正確に射抜くのが身上だ。

ダルビッシュのTPOに応じたピッチングはもちろん長所でしかないが、それが容易でないことは通算与四球率3.42が示しているようにも映る。

一方のプライスのそれは2.29とあって、精度の高さはこちらに軍配だろう。糸を引くような速球で、打者に何もさせず見逃し三振に仕留める様は痛快だ。

これだけの実績を持つ投手に、ダルビッシュが興味を示さないわけがない。右腕と左腕の違いもあるが、メジャー1年目にダルビッシュは、リリースの瞬間まで脱力しているプライスのフォームを参考にしたことを語っていた。

ダルビッシュ有との投げ合いにおいて、6月23日に実現した「ヤンキース」の「田中将大」より引きのある相手は現状で考えられない。

だが、こちらもメジャー6年目で初となる「レッドソックス」の「プライス」との邂逅には、それに引けを取らないほどの興味がそそられる。

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