日米通算安打を達成したアストロズの青木宣親は、球団が用意した記者会見場でひとしきり質疑応答を終えた後、思わずこう言った。

「……すごいね、名球会だって。オレが」

思わず出てきた素直な感想に、我々、囲んだ記者たちも表情が緩んだ。

彼自身がドラマや映画みたいに人生を振り返ったかどうかは別にして、確かに甲子園と無縁の県立高校出身の野球選手が自分でいつか日米通算二千安打を達成するなど思わなかっただろうし、感慨深くなって当然だ。

「信じてたのは自分だけだよ、ホントに」

達成した夜、ヒューストン郊外で行われた内輪の祝賀会で、青木はそう言った。家族や友人との落ち着いた時間の中で、話は高校時代に遡った。

「あの当時ね、『県内屈指の好投手』とか呼ばれたこともあるんだけど、いつか肩壊すよっていうような投げ方していたし、プロになるような器じゃなかった」

二千安打は元々、彼の視界にあまり入ってなかった。達成が近づいて記者の数が増え、多少なりとも意識はしていたが、別のところでも書いたように彼は当時、打率2割台半ばを行ったり来たりで「見えているのに、なかなか辿り着けない」不振の出口を探すのに懸命だった。記録どころではなかったのだ。

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