このエッセーは、ルマン24時間レースの予選が終わった直後に書いています。6月14、15日の二日間に渡って二時間の3セッションが行われるルマンの予選。そこで驚異的なタイムを叩き出した日本のトヨタ、そして日本人の小林可夢偉選手がポールポジションを獲得。2014年に中嶋一貴選手がポールを獲得して以来、日本人二人目の快挙となりました。

小林選手がポールを奪取したのは予選の第2セッション。この時期のルマンは、夕暮れが夜の10時くらい。セッションが始まる午後7時は、日本でいうなら午後3時くらいの感じ。セッションがスタートして僅か17分でLMP2のマシンが激しくクラッシュしてガードレールを大きく破損してしまって赤旗が出されて中断。その修復のために時間がかかってセッションが再開されたのが51分後でした。コースオープンして直ぐにコースインした7号車の小林選手は、2周目にアタックをかけてなんとこれまでの現行コースレイアウトのレコードタイムを2秒以上短縮する3分14秒791のとてつもないタイムを叩き出したのでした。かつてルマンの公道セクション内6キロに及ぶアクセル全開のユーノディエールは文字通りアクセル踏みっぱなしだった。しかし、どんどんとタイムが更新されてスピードがアップするにつれ、安全性を高めるために1990年からユーノディエールには二つのシケインが設けられました。シケインが設定されていなかった1985年のポールタイムも3分14秒でしたが、それをも僅かに更新したという本当に凄いタイムを小林選手はマークしたのです。これは、ルマンの歴史の中でもとても大きな出来事です。

近年安全性を確保するために車両のレギュレーションはタイムが短縮できないような設定になってきているのに、それと逆行するようにポールポジションタイムが更新されたという事実。トヨタのハイブリッド技術と小林選手のドライビングがマッチして叩き出された驚異のタイム。これは、これから先何年も破られることがないほどのタイムではないかと思います。二番手にも同じくトヨタの8号車がつけて、フロントローはトヨタで占められたのでした。

そして、明日の金曜日は、参加チームによるコース上のアクティビティは無く、決勝24時間レースは土曜日の現地・午後3時にスタートします。ライバルのポルシェがこのまま黙っているわけもないのですが、今年のトヨタTS050は、速くて強い。開幕から2連勝を飾っていることはご存知でしょう。そして、3連勝をかけ、初のルマン制覇をかけてトヨタがフロントローからスタートを切ります。

photo

高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

お知らせ

【【モータースポーツが見放題!】】
J SPORTSオンデマンドなら
アンテナ不要!チューナー不要!

SUPER GT、WRC、スーパーバイク、
世界耐久選手権(WEC)など充実のラインアップ!
PC、スマホ、タブレットでご覧いただけます。

モータースポーツパック:月額1,800円(税抜)
※25歳以下の方は、U25割:月額900円(税抜)

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ