ダルビッシュ有(レンジャーズ)の前回2登板を振り返ると、ともに5回2死から浴びた本塁打の話題が先行せざるを得ない。

5月27日のブルージェイズ戦では、それまでの対戦で20打数1安打とカモにしていたベテランのホゼ・バティスタに、6月2日のアストロズ戦は新進気鋭のカルロス・コレアに試合の行方を左右するホームランを放り込まれた。

打たれたのは、いずれも高めに浮いたスライダーで、それまでは無失点の投球が続いていたのだから、試合の趨勢を決定づけるだけの威力がある一発の怖さを、改めて思い知らされた格好だ。

特に、同地区首位をひた走るアストロズとの一戦では、メジャー全体で注目が集まっている高めの4シームをうまく使ったピッチングを披露していただけに悔やまれる。

甘く入れば危険な高めに、スピンの効いた4シームを投げ込み、空振りを誘う投球術は、ジャスティン・バーランダー(タイガース)が、かつての姿を取り戻したことで脚光を浴びた。

こうした流れを、ダルビッシュはもちろん織り込み済みだろう。

人の技をすべて自分の技に変えてしまうのは『キャプテン翼』の大空翼だが、周囲にアンテナを張り巡らし、現代では過多とも言える情報をしっかり取捨選択して、自らの引き出しにしまえるのはダルビッシュの強みだ。

この日、ダルビッシュが奪った8三振のうち7つが速球で、5つは高めの4シームで奪ったものだった。

高めの剛球で打者をねじ伏せたのがダルビッシュなら、一方でアストロズの先発ダラス・カイケルはマシーンのように黙々と低めへボールを集め続けた。

その結果、6回を投げて8個のゴロアウトを築き、7奪三振、3安打無失点の内容で両リーグ最多の9勝目をマーク。

コントラストを描いた2人のマウンドは、2015年のサイ・ヤング賞左腕に軍配が上がった。

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