2塁に走者を背負うと本気を出すから、1塁に走者を出しても犠打のサインは出さなかった――。

ダルビッシュ有(レンジャーズ)が日本でプレーしていた時代に、タイガースとバファローズで指揮を執った岡田彰布監督がこのようなことを語っていた。

ベースボールにおけるチャンスでの強さをテーマにすると、その定義が実はとても曖昧なものであることに気付く。

打者であれば、得点圏打率が物差しとして用いられているが、非得点圏打率との差異が考慮されていないことや、単打であろうと逆転満塁本塁打であろうと同じヒット1本としてしか計算されない点で、純然たる勝負強さを測る指標にはなり得ない。

そもそも、同じ好機の場面でヒットを放つにしても、接戦の試合と大差の試合で記録した安打が同価値となるのも欠点だ。

単年であれば平均値と比較して高い数値を残す打者もいるが、得点圏に走者を置いた場面での打席は多くて200打席程度でしかない。

サンプル数が増すほど、どれほど勝負強いと思われている打者でも通算打率と大きくは変わりのない数字に近付くのだから「チャンスに強い選手など存在しない」との意見があるのも理解できる。

主観以上に徹底してチャンスに強い選手を導き出したければ、上記のような要素をひとつずつ精査していく必要がありそうだ。

とはいえ「ピンチに強い」のが今季のダルビッシュだ。

得点圏では、ここまでは27打数無安打とヒットを1本も許しておらず、四球もわずか4のみと無類の強さを発揮している。

前回登板した5月5日のマリナーズ戦では被安打6、与四球4で毎回走者を許したが、2回は先頭から2者連続で安打を打たれながら次の打者を併殺に打ち取り、5回の1死1・2塁の場面もダブルプレーで切り抜けた。

6回は2死1・2塁、7回も1死2塁のピンチを招いた場面で、その直後の打者をいずれもスライダーで空振り三振に仕留めている。結局、この日は勝ち負けがつかなかったが、7回を投げて1失点にまとめた。

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