栃木―A東京 第4クォーター、シュートを狙う栃木・ロシター(中)=2017年4月2日、ブレックスアリーナ宇都宮

栃木―A東京 第4クォーター、シュートを狙う栃木・ロシター(中)=2017年4月2日、ブレックスアリーナ宇都宮

「チャンピオンシップ獲得の可能性がある2チームによる素晴らしいバスケットボールゲームだった。すごくタフで、ディフェンスのバトルになったが、勝利という結果となってよかった。プレイオフに向けての準備にもなった」
田中大貴と菊地祥平が欠場していたといえ、2試合とも終盤までもつれる激戦を演じたアルバルク東京相手の2連勝に、栃木ブレックスのトム・ウィスマンコーチは納得の表情を見せた。ファンからすれば、主力2人を欠いた相手とのホームゲームだからもう少し点差をつけて勝てると思いたくなるもの。しかし、栃木のメンバーたちにそんなメンタリティを一切見せず、得意とするトランジションゲームができない展開でも勝ち切ったことに、この2連戦は大きな意味がある。

一方の東京も、1戦目は4Q中盤まで2点差と粘っていた。レフェリーへのフラストレーションから最後の5分間で一気に崩れての敗北を喫したが、2戦目はディアンテ・ギャレットが開始早々からアグレッシブにゴールへアタックし続け、前半で12点を稼いだ。その一方で、ライアン・ロシターの2連続3Pで引き離されかけた4Q残り1分53秒には、自分でフィニッシュできるところだったにもかかわらず、右コーナーでオープンになっていた伊藤大司の3Pをアシスト。「チームメイトは自分のアグレッシブな姿勢を求め、プレイを決めることを期待していた」と語るギャレットは、最後の最後までチームメイトを信じ、いいメンタルでプレイしていた。

最終スコアは14点差だったといえ、1戦目は最初の35分間が一進一退。2戦目は残り4秒でジェフ・ギブスがリバウンドを確保するまで、勝負の行方はまったくわからなかった。ブレックスアリーナ宇都宮には2試合とも3900人以上の観客で埋まり、東地区の首位攻防戦、プレイオフの前哨戦と呼ぶにふさわしい雰囲気の中で、両チームとも質の高いゲームを展開したのはまちがいない。

そのように思える理由は、両チームのターンオーバーが2試合とも6本以下だったのが大きい。栃木のファンにしてみれば、なかなか得意とする速い展開からの得点が少なく、FG成功率が2試合とも40%台前半ということでも、シュートが入っていなかったという印象があったかもしれない。しかし、プレイオフになれば1ポゼッションの重みは増し、試合のテンポも遅くなってしまうもの。活発なボールムーブからの得点が少なかったのは、両チームのディフェンスが非常に厳しかったことの象徴だった。

3点差で惜敗した2戦目後、伊藤拓摩コーチが「結果は負けてしまいましたけど、チームとして成長できた」と語ったように、東京は戦力が足らないアウェイ戦でもタフにプレイできることを証明。黄色一色で埋まった会場、フリースローで激しいブーイングを受ける中で2試合を戦えたことは、プレイオフに向けてのポジティブな要素をチームにもたらしたと言っていいだろう。

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青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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