広告代理店の方々がブラック企業なんて言われて、残業時間を少なくするような自浄努力されていますね。ご苦労様です。モータースポーツの業界も多くの広告代理店の方々がスポンサー獲得に動いていただいたりして少なからず関係があります。

以前、某自動車メーカーが主導して行っていたプロジェクトの仕事をいただいて、大手広告代理店の担当者等との打ち合わせがあって、「それでは12時からで良いですか」「すみません、12時は先約がありまして」「ジローさん、夜の12時ですよ」「ハァッ?」と驚かされたことがあります。かつて、寝る間も惜しんで働く社員を<モーレツ社員>なんて呼んでいたけれど、今やそのモーレツ社員は、<良>ではなくて<悪>となったようです。時代は変わりつつあるのです。

でも、変わらないのはわれわれの仕事。朝も早よから夜遅くまで・・・。特にサーキットに出向いたときの勤務時間は、20時間くらいになることは良くあった。今のようにITが発達していない時代だったから効率が悪くて大変だった。国内トップフォーミュラシリーズの予選結果を決勝日に来場するファンに無料配布する<予選速報>のタブロイド紙を最初に製作するスタッフに加えていただいた時は、宿に帰れるのは早くて日付が変わる頃。印刷所に詰めて、夜明けを迎えることなどざらだったな。

それよりも前、1980年代中頃。ようやく世の中にコンピュータ通信というテキストを送るネットワークが徐々に発達した頃。アルバイトニュースを発行する旧学生援護会が若い読者にモータースポーツ情報を提供することとなり、レースが終わって、その日のうちにフルレポートを入稿することとなった。各サーキットのメディアルームもチャンと完備されていず、クルマの中で原稿を書いたりした。メディアルームがあるサーキットでは、皆が帰り、サーキットの職員さんも帰る時間となって、施設の夜間施錠を仰せつかったことは一度や二度ではなかったな。

鈴鹿サーキットで仕事を終えて、未明に予約していた旧サーキットホテルへ向かい、当時の6人部屋に一人で泊まり、ようやく夕食をとろうとカップ麺の自動販売機の前に立つと、売り切れだった。仕方なくフロントに行き、その他食べ物の販売機はないか聞いたが、無かった。仕方なく空きっ腹をかけて部屋に戻ろうとしたときに、フロントの夜勤担当の職員さん「われわれの夜食で良かったら」とカップ麺を数個持ってきてくれた。「おいくらですか」と聞くと「社が用意しているものですから、結構です。どうぞ」「良いのですか、有り難うございます」と一つをいただき、部屋で食した。当時の夜勤職員さん。そして鈴鹿サーキットさん。今更ですが、御礼申し上げます。

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高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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