球団の編成本部長の腕の見せ所であるトレードが、今オフは頻繁に行われた。

今年のア・リーグ東地区王者のレッドソックスはア・リーグ屈指の左腕セール投手を獲得し、ワールドシリーズ王者のカブスは2015年のワールドシリーズ優勝に貢献した守護神デイビス投手を獲得した。さらにア・リーグ西地区2位に終わったマリナーズは、今年ダイヤモンドバックスでナ・リーグ最多安打を記録したセグラ遊撃手を、同3位のアストロズは前ヤンキースのマッキャン捕手を…といった具合に今オフ行われた主力選手のトレード・リストが連なった。

チーム事情はそれぞれ違う。

主力選手を獲得した球団は、「トレードで獲得した主力選手で今すぐ勝ちたい」ので、有望株を「あきらめた」。

主力選手を放出した球団は、「トレードで獲得した有望株を育てて勝ちたい」ので、主力選手を「あきらめた」。

たとえばレッドソックスがセール獲得に費やした有望株の中には、「マリナーズの主砲カノ二塁手に匹敵する才能の持ち主」と噂される両打ちの21歳モンカダ内野手や、マイナーの試合で時速105マイル(169キロ)を記録した伝説を残し「メッツのシンダーガード級」と言われる20歳のコペック投手などがいた。

『そんなに将来性のある有望株を放出するなんて、馬鹿げている』

とは大リーグでは誰も思っていない。トレードを仕掛けたレッドソックスのドンボロウスキー編成本部長がウインター会議で言ったように「我々が(有望株を)差し出していなければ、他のどこかの球団が差し出していただろう」という考えが共通認識としてある。

思い出して欲しい。今年の夏、カブスがヤンキースの守護神、左腕チャップマンを「半年でFAになる」のを承知でトレードで獲得する際、有望株の当時19歳のグレイベル・トーレス内野手を放出した時のことを。

トーレスはマイナー関係者の間で「ブライアントやラッセルに匹敵する実力者」と呼ばれていた有望株だった。ブライアントは今年のナ・リーグMVP、ラッセルの守備力の高さと勝負強さは今年の活躍で証明されたが、彼らに匹敵する才能の持ち主を放出しても、カブス・ファンは誰も『そんなに将来性のある有望株を放出するなんて、馬鹿げている』とは言わなかった。

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