10月29日にリグレー・フィールドで開催されたワールドシリーズ第4戦は、コリー・クルーバーの快投等でインディアンスがカブスに勝利。対戦成績を3勝1敗としました。このコラムをみなさんがお読みになる頃には第5戦は終了しているはずなので、もう今季のMLBは幕を閉じているかもしれません。

それにしても、キャリア2度目のサイ・ヤング受賞の声もあるクルーバーの投球は見事でした。

試合前には、中3日という登板間隔を懸念する声もありました。それまで、彼はキャリアを通じ中3日の先発は先のア・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第4戦の1度しかなく、この時は5回2失点で敗戦投手になっているからです。その登板は、決して乱調というほどではありませんでしたが、本来の投球ではなかったことは確かです。

案の定、初回に2本の長短打で1点を失いました。そのためか、最初の3イニングスで54球を投じています。しかし、そこからどんどんテンポが良くなりました。焦りを感じさせるカブス打線の早打ちもあり、4回は12球、5回は6球、6回は9球で仕上げ、6回をわずか81球で投げ切り、1失点で降板しました。

インディアンスのテリー・フランコーナ監督が、2勝1敗でリードした第4戦に中3日でクルーバーを先発させたのは、シリーズがもつれた際には中3日で最終の第7戦に先発することを念頭においてのことです。クルーバーは、7回途中まで4安打無失点で9奪三振の快投を見せた第1戦も89球で降板しています。したがって、今回も登板を81球で終えることができたのは完璧な成果と言ってよいでしょう。

もし、クルーバーが第7戦にも中3日で登板することになると、21世紀以降では、2001年のカート・シリング(ダイヤモンドバックス)、2011年のクリス・カーペンター(カージナルス)に次ぐ3人目のワールドシリーズ3度の先発となります。

もちろん、クルーバーが彼らに続くかどうかは、シリーズの行方次第という彼の制御外の要因に左右されるのですが、ワールドシリーズで3勝ということになると、絶対的なエースを持つ球団にとっては、「ポストシーズンの戦い方」に新たなセオリーが追加されることになるでしょう。

しかし、前回のコラムでも触れましたが、フランコーナ監督のためらいのない采配には感心させられます。クルーバーの起用などは、7戦を戦うことを念頭に置いてのものですが、中継ぎエースのアンドリュー・ミラーは、第4戦では6点もリードしていながら連投で7回から投入し、しっかり2イニングスを投げさせました。彼に関しては、「酷使しすぎではないか」との声もありますが、フランコーナは「勝てる試合は確実に勝つ」ためには起用を恐れない方針を貫いているのです。「勝ち方を知っている」的な論拠に欠ける表現は好きではないのですが、ワールドシリーズ通算11勝1敗(今季の第4戦終了時点)という成果は、「選手に恵まれたから」だけではないように思えます。

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豊浦 彰太郎
1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:shotaro.toyora@facebook.com

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