シーズン最終戦はWRC主催者にとって常に美味しいのです。特にタイトルやシーズン順位がこの1戦で決まるとなると世界中から注目が集まるからです。WRC発足以来常に最終戦はGBと決まっていたのですが過去数回そして今年も例外として最終戦はオーストラリアになりました。このところのラリーの標準化、経費節減の動きに巻き込まれ年間スケジュールを参加者にとって経済的に運用する目的で膨大な量の部品やサービス設備などをヨーロッパ内・外の2パッケージ用意して世界転戦を船便で効率よく回すロジスティックスを編成しているわけです。今年は中国が入りGBの後にオーストラリアを入れざるを得なくなった次第です。中国はキャンセルとなりましたが年間計画はそのままとなりました。

シーズン最後までチャンピオン争いをするのはファンにとっては望ましいことですがここ10年以上二人のセバスチャン(ロウブとオジェ)があまりにも強く早々とチャンプを決定しています。今年も先回のスペインでオジェが決めました。2位以下は昨年とはちょっと様変わりでVWの2人ミケルセン・ラトバラとヒュンダイの3人(ヌーヴィル・パッドン・ソルド)が僅差で争っています。このところヒュンダイは車の熟成とともにドライバーも熟成しVWも全く気を抜けなくなっています。

GBでいつも言われていることは、この時期の不安定な天候、雨・霧・ときには降雪、それに林道の特殊路面や伐採され山積みになった材木等の障害物など相変わらずですが、それに加えて昨年より採用されたレグ中間のサービス廃止が3日間に拡大されたことで益々困難さを増しました。一発勝負よりコースオフなくまた故障なく走ることを要求されます。忍耐力と集中力それに頭脳が要求されます。
上位ドライバーの立場を想像するなら、チャンピオンを決めたオジェは悠々と名誉のために走る。ラトバラ・ミケルセンは得意のグラベルで勝負。ヒュンダイ勢はパッドンがいい勝負をしそう。ヌービルとソルドは勝負に出たいが苦戦しそう。来年本格参戦のシトロエンのミークは有利なスタート順を活かして腕を発揮しそう。といったところでしょうか。

1932年に第1回が開催されたこのラリー、当時は350台以上が参加した記録があります。
初期は遠乗り会のようなものだったようですが1960年頃から今のような形になりました。
イングランド、スコットランド、ウエールズをカバーする大イベントでしたが2000年よりウエールズ地方だけになりました。長くRACラリーと呼ばれ伝統と名誉は今も健在です。
イベント概要は次の通りです。

DaySS本数SSkmLiaisonkmTotalkm
L-1 (10/28) 8本 178.22 km 447.15 km 625.37 km
L-2 (10/29) 8本 101.73 km 329.96 km 431.69 km
L-3 (10/30) 6本 52.08 km 185.91 km 237.99 km
Total 22本 332.03 km 963.02 km 1295.05 km
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福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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