ジャパンラグビー トップリーグ16/17  宗像サニックス vs. サントリー プレビュー

トップリーグ2016-2017は、第5節を終えて、ヤマハ発動機ジュビロが勝ち点「24」で首位、サントリーサンゴリアスが2点差で2位につけている。今季のトップリーグは何が起こるか分からない展開が続いているが、第6節の注目カードは、サントリー対宗像サニックスブルースをあげたい。宗像サニックスは、第5節、地元・宗像市のグローバルアリーナで東芝ブレイブルーパスを迎え撃ち、31−21で勝利、ラグビーファンを驚かせた。

東芝と言えば、2003年度のトップリーグ発足以来、5度優勝し、3位以下に一度も落ちたことのない常勝軍団である。昨季もパナソニック ワイルドナイツに惜敗して準優勝。今季も優勝候補の一角だ。その強豪を、昨季は下部リーグのトップキュウシュウに所属し、再昇格を果たしたばかりの宗像サニックスが破ったのである。その内容もファンを楽しませるものだった。課題だったスクラムを安定させると、自陣深くからでも果敢に攻め、FBジェイミージェリー・タウランギ、WTBアンドリュー・エブリンハムらが次々にディフェンスを突破。アクロバティックなパスで観客を沸かせながら、5トライをあげた。チーム史上初めて東芝を破った宗像サニックスは、いま、もっとも熱い視線を浴びるチームかもしれない。

この結果、宗像サニックスは、4勝1敗として4位に浮上。第6節で5戦全勝のサントリーに挑戦する。東芝戦後、カーロス・スペンサーBKコーチは、こうコメントしている。「良いアタッキングラグビーをすることで勢いが出た。いま大事なのは地に足をつけること。勝利を喜びながらも、それを忘れてはいけない。次の週末にはサントリーという強豪との試合が控えています」。地元での勝利を狙い、開幕前から東芝戦にターゲットを絞っていたようだが、それをクリアしたことで精神面がどうか。また東芝とのタフな肉弾戦で疲労のたまっている選手も多いかもしれない。心身ともに良好なコンディションで戦えるかどうかは、試合内容に直結する。

ここまで5試合のトライ数は、サントリーが20(リーグ3位)、宗像サニックスが18(4位)、ディフェンスラインを完全に突破する「クリーンブレイク」の数字では、サントリーが41で1位、宗像サニックスが、27で2位と、リーグ屈指の攻撃型チーム同士の戦いとなる。ほとんどの数字はサントリーが上回るが、タックルされながらパスを出す「オフロードパス」については、宗像サニックスが「57」(2位)で「44」(6位)のサントリーを上回っている。特徴を生かして勝利をもぎ取るのはどちらなのか。

サントリーは前節、キヤノンイーグルスに37-22で勝ったが、ボールを持って突進した回数、前進した距離、パス回数など攻撃面の数字ではことごとくキヤノンを下回った。そんな苦しい展開の中で、粘り強く守り、キックを多用しながら最後は突き放している。それは、サントリーが懐の深いチームになっている証でもあった。FBで起用された松島幸太朗の後半開始早々の独走トライは圧巻だった。自陣からの攻撃で一人二人とタックラーに接触しながら、足腰の強さとバネで抜け出し、追いすがる選手がタックルに飛び込もうとした刹那、走るコースを変えて一気に振り切ったもの。コンタクト後、スピードアップする能力では松島の右に出るものはいないかもしれない。この松島とCTBナイジェル・アーウォンの突破力はディフェンス側には脅威。サニックスのWTBエブリンハム、FBタウランギとの戦いは楽しみだ。

互いにキックを使って陣地を進める手堅い戦い方もできるチームだが、東芝戦に続いて波乱が起こるとすれば、宗像サニックスの自陣からの攻撃が有効に機能したときだろう。グラウンドを横幅一杯に使うアタックは、タウランギとエブリンハムだけではなく、SO田代宙士、CTBロビンス ブライスらインサイドBKの選手達も果敢に突破を試みるだけに止めにくい。ここにパワフルなLOジャック・ポトヒエッターが縦突進を加え、後半は日本代表のインパクトプレーヤーでもあるカーン・ヘスケスが投入される。

5戦全勝のサントリーといえども、この攻撃を受け続ければ防御は破綻する。相手のミスを誘うような激しいプレッシャーをかけ、ミスボールを拾って攻めるような展開に持ち込みたい。スコアは、宗像サニックス次第という気がする。チャレンジャー側のパフォーマンスが悪ければ点差が開く可能性もあるが、グラウンドをいっぱいに使って縦横無尽にボールが動き回る試合になるのは間違いない。

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村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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