1年前、京セラドーム大阪。開幕戦プレーボール数十分前、誰よりも早くベンチに姿を見せたのは亀澤恭平だった。

僕は今でもあの背中が忘れられない。入試を控えた受験生のようだった。ベンチに座り、1冊のノートに目を落とし続けた。ごくごく一般的なノートに、書きなぐってある言葉。 はっきり読むのは憚られたが、自分で書いた投手の絵、その周りに多くの注意事項や自分へのメッセージが見えた。声をかけたが返ってきた言葉は「そうですね…」くらい。表情は硬く、緊張を隠せない様子だった。

去年、阪神との開幕戦。4安打、素晴らしい1軍デビューを飾った。当日にスタメンを告げられた。「あの日の4安打は出来過ぎですね。試合前は緊張していたのを覚えてますよ。打席の中身をほとんど覚えていない。無我夢中だった。あんな緊張は初めてでした」。

もう一つの顔は”ムードメーカー”。そんな自分の一面を積極的に表に出す。シーズン終盤ドラゴンズは負けが込んでいた。ベンチのムードは当然暗くなり、選手は自然に下を向いてしまう。

しかし、そんな中でも一人ベンチで声を出し盛り上げようとした。「終盤はキツかったですね。みんな僕に乗っかってきてくれない。でも、ここで自分が盛り上げ役やめてしまったら、何も変わらない」。

守備から戻る選手を先頭で迎え、言葉をかける。ヒット1本に手を叩き、声を張り上げる。健気にも見える亀澤の姿勢、何よりもそれをやり続けた事に拍手を送りたい。

亀澤の中には、入団した時のソフトバンクホークスのチームカラーが強烈なインパクトとして残っている。「ホークスは、普段はみんな、あっさりしているんです。ユニフォームを脱いだら、オッス、くらいで。みんな個人個人の時間を大事にするというか」。

「でもいざ、ユニフォーム着たらスイッチが変わる。さっきまで静かだった選手たちがベンチに集まると、まさにお祭りチーム。この人達、なんなんだ?ってびっくりしました。同時に、プロとして今でもカッコイイなと思う」。

僕は、亀澤恭平の武器はメンタルコントロールにあると思う。よく言う、”折れない心”の持ち主。そう言うと本人は「そんな強くない」と謙遜するが、自分の意思をはっきり言葉にできる人間。感情をストレートに表現できる。ゆえに言葉のキャッチボールがとても気持ちいい。

お知らせ

J SPORTSオンデマンドに
中日ドラゴンズ戦シーズンパック登場!

1軍、2軍の主催試合を60試合以上LIVE配信!
シーズンパックなら3月〜9月の7ヵ月×1800円=12,600円が
37%OFFの8,000円(税抜)です!

≫ご加入はコチラ
※配信予定から中日戦の番組をクリックしてから購入画面に進んでください。

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ