山本昌のコールにナゴヤドームのファンは暖かい声援を送った。

ファンの皆さんにとっても、我々にとっても、ナゴヤドームに響く“山本昌”最後の場内コール。球界最年長の32年間を全うした大きな背中は喜びや寂しさ、色んな物を背負って見えた。そしてマウンドに向かう目には光る物が。

ヤクルト1番は元中日、森岡良介、試合前本人は「僕は2軍暮らしだった。だから雲の上の存在でした。1軍に呼ばれた時も声をかけてもらいました。優しい方でした。野球に向かう姿勢は勉強になりました。今日の1打席は本当に光栄な事です。僕自身、この1打席をしっかり味わいたいです」と語った。

緊張の面持ちで投じた114キロの初球、審判のストライクジャッジが鳴り響いた。2球目、109キロ、見事に2球で追い込んだ。「引退登板はやっぱりスクリューを投げたいね」。

山本昌の代名詞だった。入団から芽が出ない日々が続いた。そしてアメリカで習得したスクリューボールが今の山本昌を作った。3球目、107キロ、曲がり落ちたスクリューボールに森岡のバットは空を切った。

32年間、想像を絶する日々だっただろう。現役時代は「丈夫な身体に産んでくれた親に感謝」と謙虚に語り続けたが、それだけでは渡り切れない距離を、山本昌は完走した。惜しまない努力と工夫の賜物だと思う。そして、何よりも大事にしてきた感謝の気持ち。

この日も“感謝”を行動で表す山本昌らしい1日のスタートだった。ナゴヤドームに来る前、無名だった山本昌を発掘した元ドラゴンズ高木時夫スカウトの墓標に手を合わせてきた。

そして、多くのファンの皆さんに、少しでも良いものをお見せしたい気持ちからブルペンで15球肩を作り、マウンドへ向かった。

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