26日の2016年AFC・U-23選手権(カタール)準決勝・イラク戦を制し、6大会連続五輪出場権を獲得していた手倉森誠監督率いるU−23日本代表。30日にはファイナルに挑み、永遠のライバル・韓国とアジアの頂点を争った。

個のパワーと打開力、組織的な連動性を併せ持つ韓国に対し、日本は立ち上がりは大いに苦しめられた。2014年9月のアジア大会(仁川)準々決勝でも相手の底力にねじ伏せられる格好となったが、やはり今回も同じような苦戦を強いられる。そして前半20分、韓国の左クロスからクォン・チャンフンにゴールを許してしまう。岩波拓也(神戸)の足に当たってラインを割るというアンラッキーな失点ではあったが、日本は今大会初のビハインドを背負う。その後も思うように中盤が落ち着かず、前線の久保裕也(ヤングボーイズ)とオナイウ阿道(千葉)がシュートまで持ち込めない。手倉森監督もじっと腕組みして戦況を見守るしかなかった。

迎えた後半、日本はオナイウに代えてイラク戦で決勝点を挙げた原川力(川崎)を投入。基本布陣を4−4−2から4−3−3へと変更して巻き返しを図ったが、開始早々の2分に韓国のスピーディーなコンビネーションから1トップのチン・ソンウに2点目を叩き込まれてしまう。

これで勝負は大方、決したと思われたが、今大会の日本は簡単に諦めるような集団ではなかった。手倉森監督も選手たちも仁川のリベンジを是が非でも果たそうと考えていたのだろう。手倉森監督がアップを命じていた浅野拓磨(広島)を投入すると一気に攻めのスイッチが入る。21分には矢島慎也(岡山)のスルーパスに反応した浅野がGKの位置をよく見ながらゴール。1点を返すと、その1分後には左サイドを駆け上がった山中亮輔(柏)のクロスに浅野がおとりで飛び込み、空いたファーサイドから走りこんだ矢島がヘッド。ネットを豪快に揺らし、瞬く間に2−2の同点に追いついたのだ。

こうなるとメンタル的には完全に日本の方が優位となる。足が止まった韓国は前半の迫力が見られなくなり、パワープレーも精度を欠く。逆に日本はいい守備から鋭いカウンターを繰り出し、36分には中島翔哉(FC東京)のラストパスを浅野が押し込み、勝ち越しに成功する。そのまま歓喜の瞬間を迎え、日本は3−2で劇的な逆転勝利を飾り、とうとうアジア王者の座をつかむところまでたどり着くことができた。

ユース年代で世界の壁に阻まれ、手倉森ジャパン発足後も4強以上に勝ち上がることができなかった彼らが大躍進を遂げたのは、やはりコンディショニングの成功が大きい。指揮官らは大会前にカタール、石垣島で合宿を張り、1月頭から現地で調整しながら、チーム全体の底上げを図ってきた。そして大会期間中も選手を入れ替えながら疲労を最小限にとどめるように配慮した。大黒柱の遠藤航(浦和)や中島、久保、守護神・櫛引政敏(鹿島)らも第3戦・サウジアラビア戦では休養が取れており、うまく体力を維持しながら3週間の長丁場の大会を乗り切ることができた。それも2011年アジアカップ制覇などの経験値が生かされたからだろう。日本サッカー界にカタールというのはかつて悲劇の起きた場所だが、今ではセカンドホームと言ってもいい環境だ。ここで大会が開かれたことは幸運だったと言っていい。

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