敗れたが、兄に負けない体格とスピードは全国の舞台でも十分に通用した。高校バスケットの日本一決定戦、ウインターカップは26日に東京体育館で女子の準々決勝を行い、オコエ桃仁花を擁する明星学園(開催地・東京)は、45−64で3連覇を狙う桜花学園(高校総体1位・愛知)に敗れた。夏に兄のオコエ瑠偉(関東第一高→楽天イーグルス)が甲子園を沸かせたことで一気に注目度が高まっていたオコエ桃仁花は、チーム最多15得点を挙げる活躍を見せたが、女王の牙城は崩せなかった。兄からは打倒・桜花学園を期待されていたが、応えることはできず、課題も出た。オコエは「大会を通じてスピードは通用したけど、ポロポロと落としてしまうところが課題。兄にもスピードは褒められたけど、シュートを落とすなと言われてしまう。兄は、辛口ですよ」と苦笑いを浮かべた。夏以降は、兄の活躍によって急激に注目が高まって戸惑う部分もあったが、今は良い刺激として捉えている。「お兄ちゃんの存在があって(注目されている)というのもあると思うけど、自分の中では自分が軸で、お兄ちゃんは、良きライバル。あまり会えないけど、こうやって(報道陣に囲まれて)あっちに報告されるので、見ていろという気持ちはあります」と笑った。

オコエは、U−16日本代表に招集された経験がある2年生の期待株。180センチと長身だがスピードもある。身長が高いため、ゴール下で勝負するセンターのポジションで起用されているが、この日はスピードを生かしたアウトサイドからのドライブで勝負を挑んだ。一番得意なプレーは、パス。そして自信を持っているのは、スピードだ。インサイド勝負を任せたくなるが、本人の思考はアウトサイド向きというギャップが存在している。椎名真一ヘッドコーチは「どう育てるか? 悩むよ。彼女は、器用貧乏。中で点を取れるようにならないといけない。フリースローラインくらいでパスを受けてくれればもっとできるのに、接触を嫌がって外に出過ぎる。散々、練習でやっているんだけど、逃げて行く。そこが弱い。もっと、しっかりと課題を受け止めて、やるべきことをやらないとダメ。まだまだ、騒がれるような選手じゃない」と期待を込めながらも厳しく指摘した。

オコエ自身も、課題は認識している。将来的な起用法については、指導者に任せると話したが「センターの選手は、スピードがないというイメージがあると思う。だから、そういうセンターを引っ張り出して外からの1対1を勝負したい。中でも外でもできる選手になりたい」というイメージを持っている。相手センターとマッチアップするのなら、インサイドでも勝負ができなければいけない。この日の試合についても「外角(の選手)が煽られていたので、引っ張り出された部分もあったし、自分が(得点奪取への勝負を)やらなければいけないと思って、外に出てしまった」と言葉の中に課題への意識をにじませた。インサイドでの接触に強くなり、ゴール下で相手に競り勝ってシュートを決め切る強さが必要だ。高校レベルでは、すでに優秀な選手だが、兄にも負けない活躍を続けるためには、ハイレベルな要求に応えていかねばならない。兄妹そろっての五輪出場も期待される未完の大器は「東京五輪のことは考えてはいるけど、今が大事。まずは、今を一生懸命にやりたい」と足下を見つめ直し、最終学年を迎える来季に再び勝負を挑む。

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平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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