ペップ・グアルディオラ監督

しばらく前からその去就に注目が集まっていたバイエルン・ミュンヘンのペップ・グアルディオラ監督が退任し、後継者としてカルロ・アンチェロッティの就任が発表された。ドイツ・ブンデスリーガがウィンターブレークに入った直後のこと。つまり、シーズンも半ばのこの時期に監督の退任が発表されるのはかなり異例の事だと言える(シーズン開幕直後に退任を発表したゼニトのアンドレ・ビラス・ボアス監督の例もあるが……)。

なにしろ、グアルディオラ監督と言えば、毎試合のように選手を代えて、さまざまな選手にさまざまなポジションでプレーさせる独創性の高いチームを作り、しかも、文句のつけようもない「結果」も残してきた指導者だ。天才を感じさせる監督と言ってもいい。さて、先日のコラムで、こちらも退任したばかりの(退任の原因や事情はペップの場合とは違うが)ジョゼ・モウリーニョのことを僕は「劇薬型」の指導者だと書いた。

選手に「力の限り以上」のものを要求し、選手の力のすべてを絞り出す。もちろん、それでチームは多くのタイトルを獲得できるが、モウリーニョの下でプレーする選手にとっての負担は大きく、モウリーニョ退陣の後はどのクラブも苦労することになる……。そんな性格の監督モウリーニョは「劇薬」である。そういう趣旨である。そして、チェルシーでモウリーニョの後任となったフース・ヒディンクも「劇薬型」の一人と言うことができる。

一方のグアルディオラ監督は、「芸術家型」とでも言うべきか。選手に要求するのはハードワークではなく、彼の頭にひらめいた彼の数多くの独創的なアイディアをピッチ上で表現することだ。選手は、肉体的な疲労よりも、おそらくは精神的、頭脳的な負担が大きくなることだろう。たしかに、長期間にわたってグアルディオラが監督を務めていたら、モウリーニョの場合と同じように選手たちの頭の中は飽和状態になってしまうことだろう。その意味で、長期政権は望ましくない。そして、そのことを自身もよく分かっていた。それが、周囲が思っていたよりもずっと早くバイエルンを離れる決断をした理由なのではないだろうか。

さて、そのグアルディオラ監督の後任に切まったのはカルロ・アンチェロッティだった。こちらは、どちらかと言えばコンサバティブ、保守的な指導者のような印象がある。独創的なアイディアを駆使するよりも、クラブにいる選手をうまく組み合わせて、イタリア人らしい勝負へのこだわりを持つ。ここでは「通常型」監督とでも言っておこう。どちらももう10年以上前のことになるが、僕は「劇薬型」の代表格のモウリーニョと、世界有数の「通常型」アンチェロッティの双方にインタビューをしたことがある。その時のインタビューでの2人の人物としての印象が対照的なものだった。

お知らせ

J SPORTSオンデマンドサッカーパックは
サッカーコンテンツ盛りだくさんで月額1800円!
・プレミアリーグ全試合
・ブンデスリーガ毎節4試合
・デイリーサッカーニュースFoot!
【会員無料動画】Un Poco Foot! 月曜日〜水曜日
サッカーパック :月額1,800円 (税抜)
※25歳以下の方は、U25割で月額900円 (税抜)でご利用いただけます!
詳しくはこちら »

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ