ユルゲン・クロップという人は良く笑う。それも、含みある微笑などではなく、とにかく盛大にガハハと大笑いする。ドイツ語は何を言っているのか分からないので、ドルトムント時代はクロップさんの会見映像を見ることなど皆無だったけれど、リヴァプールの監督となってからは、勿論会見やインタービューは全て英語で行われるので、無精髭に大きなフレームの眼鏡の似合う指揮官がカメラの前で話す姿を目にする機会が増えたのだが、それは笑い過ぎだろうと指摘したくなるくらい良く笑うのである。

人は完全無欠のガハハ笑いを目の当たりにすると、つられて笑わざるを得ない。故に、会見場は笑いに包まれる。現地メディアの報道するところによると、クロップの監督就任以来、リヴァプールの選手たちの間に漂う空気も一変してポジティブなものになったようだが、ガハハ笑いが牽引するクロップのオプティミズムが奏功しているであろうことは想像に難くない。

気の早い話ではあるが、ガーディアンやテレグラフのサイトにはリヴァプールを優勝候補に推す記事も散見されるようになった。確かに、アウェイでマンチェスター・シティに大勝を収めるなど、ここ最近のリヴァプールの勢いからからすると、その可能性もあながち否定できない。なにしろ、今季のリヴァプールは、ブレンダン・ロジャース体制で臨んだ公式戦11試合で3勝6分2敗(11得点13失点)と大きく足踏みをしたのに対し、クロップ体制となってからの公式戦11試合では7勝3分1敗(21得点8失点)と躍進を遂げているのである。

それに加え、6-1でサウサンプトンに大勝したミッドウィークのキャピタルワンカップ準々決勝では、ここへ来てようやく戦列に復帰したダニエル・スタリッジが、先発出場から約60分間のプレーで2ゴールを挙げるなど、ガハハの要因がまた1つ増えた。奏功するオプティミズムにエースの復帰も重なったとあって、監督のみならず、リヴァプールファンの間でもガハハの大笑いは誘発されていることだろう。こうなると、優勝云々と誇大妄想的な記事を書きたくなるのが人情というものである。

ちなみに、テレグラフ紙の記者はリヴァプールが優勝してもおかしくない理由の1つに、アウェイゲームの日程を挙げており、確かにマン・シティ、マン・ユナイテッド、アーセナル、トッテナム、エヴァートン、そしてチェルシーといった強豪クラブとのアウェイゲームを既に終えているのは、リヴァプールにとって好都合である。また、今週は降格圏に身を置くニューカッスルとのアウェイゲームになるが、こうした本来的な戦力に見合わない順位につける古豪とのアウェイゲームを、まだ尻に火がついていないクリスマス前に済ませられるのは大きい。

今後、プレミアリーグは怒濤のホリデーシーズンに突入するわけで、特に欧州戦線で生き残っているクラブはコンディショニング面で厳しい戦いを強いられることとなり、プレミアリーグ、FAカップ、キャピタルワンカップ、ヨーロッパリーグの全てで優勝の可能性を残すリヴァプールとて、その例外ではない。それ故、クロップ監督本人も言うように、現時点でリヴァプールのリーグ優勝を占うのは“クレイジー”な話ではあるのだけど、ガハハと大笑いするクロップ流オプティミズムの先になにがあるのか、ちょいと想像力を働かせてみたくなるのも事実である。とにかく、今週末、日曜の深夜はJ SPORTS 4のニューカッスルvs.リヴァプールにチューンイン、である。

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平床 大輔
1976年生まれ。東京都出身。雑文家。1990年代の多くを「サッカー不毛の地」アメリカで過ごすも、1994年のアメリカW杯でサッカーと邂逅。以降、徹頭徹尾、視聴者・観戦者の立場を貫いてきたが、2008年ペン(キーボード)をとる。現在はJ SPORTSにプレミアリーグ関連のコラムを寄稿。

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