メジャー通算66本塁打の実績を持つダヤン・ビシエド外野手の中日への入団決定が秒読み段階に入ったようだ。数日前からスポーツ紙を中心に噂されていたが、11月27日(現地時間)には『NBCスポーツ』の電子版でも「契約近し」と報道されている。

キューバ出身のビシエドは、ホワイトソックス在籍の2012年に25本塁打、2014年にも21本塁打を放った正真正銘のパワーヒッターだ。しかも26歳の若さ。今季はリーグ最低の71本塁打に終わった中日には待望の四番候補だ。しかし、中には疑問に思われる方もいるのではないか。それだけの実績がありしかも若いスラッガーを、どうしてメジャーが手放すのか?そして中日は獲得できるのか?

実は、ビシエドは大変粗い打者なのだ。25本塁打の2012年も、ホームラン打者でありながら28四球しか選んでいない。一方、それだけの早打ちでありながら120三振を喫している。21発の2014年も32四球&122三振。出塁率は.281でOPS(出塁率+長打率)は.686でしかなかった。現在のメジャーの価値観では、打力が重視される外野手は7割未満のOPSでは常時出場は難しい。また、3割未満の出塁率は完全に失格と言って良いだろう。さらに言うとビシエドは守備も最悪で故障歴もある。これらのネガが相まって、今季はメジャーでの出場はなし。ずっとマイナー暮らしだった。

しかし、ぼくはビシエドに期待している。いくらフリースインガーといったところで、シーズン25本塁打のパワーは魅力だ。忘れてはいけない。あの松井秀喜ですら、NPBで50本塁打の実績を引っ提げメジャーに移籍した初年度(2003年)は、16本しか打てなかったことを。一方で、メジャー通算559打席でわずか15本塁打のウラディミール・バレンティンは2013年にはNPB記録の60本塁打を記録したではないか。

ビシエドに話を戻すと、早打ちで四球を選べないため出塁率が低いのは大きな欠点だ。しかし、だからこそ獲得できるのだ。振り返ってみると、近年メジャーでは立派な実績がありながら、年齢的にはまだ若くしてNPBに「都落ち」した選手が少なくない。DeNAのホセ・ロペスは、メジャーで球宴に選出されたこともある大物だったが29歳でNPB(巨人)に渡って来たし、2013年に楽天に在籍したケーシー・マギーは実質メジャー初年度から4年連続114試合以上の出場を果たしながら、翌年は30歳で海を渡った。また、今季限りで阪神を退団したマット・マートンは、ドラフト1巡目指名でプロ入りしたトッププロスペクトで、メジャー昇格後もレギュラーとして活躍した経験もあるが、彼も29歳で日本にやって来た。

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