第1回のプレミア12が終わった。優勝した韓国では、代表監督を務め優勝に導いた金寅植(キム・インシク)監督の評価が改めて高まっている。彼は今年で68歳。韓国プロ野球で歴代3位の980勝を残した監督なのだが、国際大会でも2002年の釜山・アジア大会監督で金メダル、06年の第1回WBCでベスト4、09年の同大会で準優勝といくつもの場数を踏んできた。今では「国民監督」という称号すらもたれている。そういう意味では、文字通り経験がものをいう国際大会だからこそ、彼のような実績ある監督が「実力」を発揮できた。

この大会が始まる前、「韓国はモチベーション次第で強くもなれば、脆くもなる」という主旨のことを記した。結果的に見ればモチベーションが維持された大会だったともいえるが、そこには金寅植監督だったからこそという見方が、韓国では根強い。
カリスマ、と言ってしまえばそれまでだが、「金寅植監督は選手をその気にさせる雰囲気作りがうまい」と韓国の球界関係者は言う。決して選手におもねるわけでも、甘やかすわけでもない。ただ常に選手とは一定の距離を持ち、必要なときだけ声をかける。ときに感情的な言葉を投げかけることもあるが、多くは冷静で簡潔。
なにより彼が評価を受けるのは、国際大会の代表監督という困難な役目を逃げずに引き受けてきた、その責任感にある。韓国ではナショナルチームを「国家代表」と称する。それはどんな大会でも一緒だ。ただ大会規模が大きくなればそれだけ、重みと責任も増大する。その重圧は、日本の比ではない。

あれは09年、第2回のWBC大会の代表監督に選ばれたときのことだ。金寅植監督は第1回大会を務めたあと「次大会は後輩世代に委ねる」と“代表監督卒業”を明言した。しかし3年後の後任選びは難色を極めた。当時、代表監督は勝負勘の鈍っていない現職から選ぶ方針だったが、多くの監督が尻込みをした。所属するチームへの責任感もあるが、同時に「無様な負け方をしたら取り返しが付かない。割の合わない役目」と考える人たちも少なくなかったからだ。結果、ふたたび金寅植監督にお鉢がまわってきた。彼が引き受けなければ収拾が付かない、そんな野球界の空気だった。

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