ロベルト・バッジョに憧れ、ファンタジスタを目指していたかつての少年は、その自らの職業を『最後まで汗をかくこと』に定めた。それから14年。彼は今でも最後の1秒まで汗をかきながら、Jリーグのピッチを駆け抜けている。羽生直剛。35歳。堂々たるゴールデンエイジの一員として、プロとしての誇りと畏れを同時に抱えた男が語るPre-match Words。

Q:ここまでの今シーズンのチームのパフォーマンスをどのように捉えてらっしゃいますか?

A:監督が来て2年目なので継続している部分と、基本的にはやることはあまり変わってもいないですけど、武藤(嘉紀)がいなくなったりして、武藤がいる時の勝ち方と変えなくてはいけない部分がある中で、彼がいなくなってセカンドステージが始まって、やっとこの間のガンバ大阪戦とかは自分たちがやっていることというのは自信を持って良い部分もあるかなという手応えみたいなものが、多少芽生えている感じですかね。これを続けることがまた大事だと思いますけど、どちらにしても監督は凄く結果から、勝ち点から逆算して、そのために何が必要かを意識している監督だと思うので、それに選手が向かってチーム全員でハードワークするというのが、まずやらなくてはいけないことだと思っています。

Q:フィッカデンティ監督は試合中に何回もシステムを変えたりする中で、昨年よりはその回数も減ってきているような印象もありますが、形を変えなくても選手たちが監督のやりたいサッカーを判断できるようになってきている部分はありますか?

A:そうですね。監督がシステムを変えるにしても、「こういう時にこうやって変える」とか「ここがうまく行っていないからこうする」というのが選手もわかってきたので、逆に「そうならないためにまず何をやらなきゃいけないか」とか、ここが自分たちの強みでここが弱みというのをわかるようになってきたと思います。監督との意見というのが一致してきたと思うので、そういう意味では確かに去年とかは「(システムを)何回変えるんだ?」という、多少なりとも戸惑いがあったとは思うんですけど、それをしっかりと自分たちが判断できるようになってきて、落ち着いてやれているという意味では、そういう所が大きいと思います。

Q:ファーストステージは明らかに去年より成績も良くて、結果も出ていて、羽生選手自身もスタメンで出る試合が非常に多かったと思いますが、去年と今年は何が一番違うと感じていますか?

A:選手も東京は今までのサッカーからしたら「もっと繋ぎたい」とか、もっと内容にフォーカスして、極端に言ったら「負けても内容はウチの方が良かった」とか、そういう所に目を向けていた部分もあると思うんですけど、それがやっぱり結果をまず付けなければ、結果が付いてこなければ何も意味がないというのを監督からは学んだと思いますし、逆に「内容が良ければ」というのは、もしかしたら自分たちの弱さだったり、逃げ道だったりという部分でも見方によってはあったと思うので、そこを1回取り払って、自分たちがまず結果を出すことで存在感を出すというか、それをみんなが意識し始めたのかなと思いますね。本当は選手1人1人とっても「俺はこういうサッカーが理想だ」とか「これが一番いいサッカーでしょ」というのもみんな持っているとは思うんですけど、今チームとしてまとまった時に「じゃあまず何をする」というのは90分終わって勝っていることを目指しますし、その中で「守備の時間が長くても絶対やられない」と。でも、その後には必ずチャンスが来るし、そのチャンスの時に研ぎ澄まされている状態でいるとか、そういうのが少なからずできるようになってきたのは大きいかなとは思っていますね。

Q:ご自身のプレーに関しては去年と今年で変わった所はありますか?

A:自分はやることはさほど変わらないので、意識しているのは本当にコンディショニングとかの部分しかあまりこだわってはいないですけどね。監督が4−3−1−2とか、中盤の枚数を3枚にしたりする時には、より考えることとかも多いですし、自分は他の選手と比べて判断力というか、バランスを取ったり、守備でも行く所なのか、行くのを1個止めて穴を埋める所なのかとか、そういうのを一番買われているとは思うので、その流れみたいなものをとにかく意識してやる所の精度を上げるという感じですかね。去年と変わったというのは。監督が思っていることはわかってきましたし、試合の後とかにそういう部分を凄く僕には言ってくるので、その判断の精度だけは上げて行けるようにというのは自分自身でやっています。

Q:今おっしゃった4−3−1−2のシステムだと、羽生選手と米本選手の所でチームの“疲労”を全部吸い取るというか(笑)、あそこに“疲労”が行くことで2トップ下の選手や2トップの選手が攻撃に力を入れられるようにも見えますが、そのあたりはいかがですか?

A:そうですね。もちろん色々な考え方があると思いますし、前の選手も本当に守備の意識は高いですし、監督からの要求も高いので、僕らだけ必死で走っているということではないと思いますけど、ただ自分たちがしっかりと走ってハードワークして後ろも楽にさせられたり、自分たちの所で例えば他のチームが4人で請け負っている所を3人でできたとしたら、その前の選手たちは楽だろうなというのもありますし、楽しくできると。で、結果的に自分たちが勝利に近付くためには、僕らがあそこを何とかやりこなして、前の3人の攻撃力に賭けるというか、ちょっと分業制みたいな感じもあるので、「俺らがちゃんとやったら、前の3人は点を取って下さいね」という印象でもあるので、やりこなして「オマエらどうなんだ?」と言わないといけないというか(笑)
だから前の3人にはできるだけ守備での負担を掛けないですし、後ろの選手にも守備をしやすくするという所で、そういうメンタリティは失わないようにしていますし、それが僕らは今の監督に求められていることだと思っているので、逆に言ったら3人でやっている時にそこまで「ゴールを取れ」とか「アシストしろ」とかというのは求められていないというか。でも、仕事をする仕事量だとか、やることがその分多いと思っていますし、難しさもありますし、でもそれをやりこなせなければ監督が目指している4−3−3はないとも思っているので、そこの仕事としての難しさとか、やりこなせた時の充実感というのは大きいと思っていますね。

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