WEC世界耐久選手権のLMP1-Hクラスに参戦する4つの自動車メーカーが送り込むレーシングカーは、スポーツプロトタイプカーというカテゴリーに属する。もともとWECはル・マン24時間耐久レースを中心に育まれてきたスポーツカー耐久レースのレースであり、「なぜあんな形をしているのか?」ということを理解するには、スポーツカーレースの起源をたどると分かりやすい。

もともとル・マンを中心としたスポーツカー耐久レースは、市販車の新技術を育むレースとして歴史を築いてきた。その主役となったのは、ヨーロッパ大陸を移動するのに適した『グランドツーリングカー』であり、そのボディスタイルは2ドアクーペだった。やがて、さらなる新技術を投入したものとして、市販前のものであるとするレーシングカー『プロトタイプカー』がル・マンに登場したのだ。

これが現在のLMPカーの先祖であるが、もともとがGTスポーツカーのレースであるため、オープントップ(スパイダーとも呼ばれる)でもクローズトップ(クーペとも呼ぶ)でも構わないが、座席は必ず2人分が必要。また、市販車でも出ていないため、タイヤは覆われていなければならない。F1をはじめとしたフォーミュラカーのレースとの大きな違いはここにある。ちなみに、現代のLMP1カーは非常にコクピットはタイトで、助手席部分にはさまざまな機器が積まれるため、実質はふたり座ることは不可能に近い。ただ、その理念を踏襲していることが大事なのだ。

そんなスポーツプロトタイプカーは、かつてはグループ6やグループC等のカテゴリーが存在したが、グループCの消滅後はワールドスポーツカー(WSC)というカテゴリーとして存在した。やがてそのカテゴリーがLMPとなり、現在のLMP1はLMP900という流れから続いている。その成長過程で、外観上特徴があるさまざまな安全のための装備が設けられている。スピンした時マシンが舞い上がるのを防ぐために、ホイールハウス内の圧力を逃す前後のフェンダーの穴や、ホイールベース内の車高が高くとられていること、スピンして体勢が乱れるのを防ぐためのシャークフィンなどがそれにあたる。

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◆FIA世界耐久選手権(WEC)

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