今年○を付けるべき日本人メジャーリーガーは、成績の面では上原浩治、田澤純一のレッドソックスコンビや、最終的には例年通り立派な成績を残した黒田博樹と少なくとも故障するまでの田中将大のヤンキース組だろう。しかし、個人的な経験や思い入れからここではイチローを取り上げたい。理由は最後まで読んでいただけると理解いただけると思う。

ぼくは、9月上旬にアメリカ東海岸・中西部・西海岸を廻る野球の旅に出た。そして、滞在4日目の9月6日、ニューヨークのヤンキー・スタジアムで、イチロー取材を巡る日本メディアの特異な慣習に遭遇した。

もともと、日本メディアのイチロー取材に関しては「書かれざるルール」があることは知っていた。それは、あらかじめ決められた人以外は質問してはならないというもので、ちょっとというかかなり奇妙だ。

また、その取材旅行に関しては、パスを発行してくれた某誌編集長さんから「くれぐれも現地の日本メディアの(「現地メディアの」ではない)規範から外れた行動は慎んでください」と釘をさされていた。これは、2年前に試合後のダルビッシュ有にぼくがズケズケ質問をし、その場の雰囲気を崩しかけたことを踏まえての忠告だった。したがって、今回はイチローの取材に関しても聴き役に徹するつもりでいた。

その日はロイヤルズ戦だった。試合後、ヤンキースのクラブハウスにイチローがシャワーから戻って来ると2人の記者が彼に近づいた。もっと大勢いるはずの他の日本人記者たちはどうしたのだろうと訝りながらぼくも近づき、イチローのコメントに耳を傾けようとしたその時のことだ。

イチローがぼくを睨みつけた。その時の彼の表情は、驚き、怒り、戸惑い、怯えがミックスされたような何とも形容しがたいものだった。無言ではあったが、「どうしてこいつがいるんだ?」というメッセージをぼくと他の2人の記者に伝えていたことは明らかだった。「あ、ここは」と記者の1人が、ぼくに言葉少なげにその場所を去ることを促した。ぼくは彼らの立場を慮り、イチローの前から別の場所へ移動した。

どうやら、イチロー取材の書かれざるルールは、許された記者以外は質問をしてはならないだけでなく、その場にいてもいけないということだったのだ。要するに、一部の記者だけが代表してコメントを取り、それを他社の記者に伝言し、それを各社は報道する、というのが内輪の了解事のようなのだ。このような取材のあり方はコンプライアンスの観点からは大きな問題だと思うが、それ関し論評するのが今回の主旨ではない。

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