アヴタンディル・チリキシビリとロイック・ピエトリのどちらが優勝するか!?

男子81垉蕕麓体麓圓劼靴瓩混戦階級であるが、優勝候補は昨年2位のアヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)、対抗は昨年王者のロイック・ピエトリ(フランス)と考えておいてほぼ間違いない。この2人、特にチリキシビリの地力の高さは他を一段引き離している。

チリキシビリはグルジア選手らしいパワーファイター。内股、払巻込に裏投と持ち技はオーソドックスだが、この選手の厄介なところは左右が効くこと。それも技の左右、構えの左右だけでなく、組み手と技自体をスイッチしてくることだ。左右の奥襟とクロスグリップを使いこなして、技の威力も左右遜色がない。組んでしまえば強いチリキシビリに対するに当たり、左右どちらを絞っても必ず奥襟が飛んできて固定されてしまうというこの状況は対戦相手にとって恐怖そのもの。昨年の世界選手権では決勝でピエトリに苦杯を喫したが今年2月のグランドスラム・パリではきっちり借りを返しており、今大会は間違いなく優勝候補筆頭である。

対するピエトリはチリキシビリのように相手に恐怖をまき散らすようなタイプではないが、いつの間にか勝っているという体のいかにもフランスらしい手堅い選手。素早い動きからの左右の担ぎ技、接近戦を強いられれば威力抜群の裏投と、持ち技が勝負どころをしっかり押さえており安定感がある。

2強以降、この階級のハイランカーは柔術系寝技ファイターのトラヴィス・スティーブンス(アメリカ)、手足の長さを利して相手の嫌がる行動を選択し続け「指導」を積み重ねるトータルファイターのアントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)、そして現時点ドイツでの第一人者スヴェン・マレシュ(ドイツ)といずれも爆発力のあるタイプではなく、どちらかというとワールドツアーに数多く参加し、一定以上の成績を確実に残すことでランキング上位に留まり続けている選手たち。彼らは、例えばチリキシビリを一発投げつけて頂点に上り詰めるというようなアップセットが期待出来るタイプではない。

昨冬デビューした永瀬貴規に注目

敢えてこれらのグループの中から頂点取りの可能性があるタイプとして挙げられるのは永瀬貴規とヴィクトル・ペナウベル(ブラジル)。

ペナウベルはブラジル選手らしく、足技から左の背負投に繋ぐ準日本スタイルの綺麗な柔道スタイル。左右の大外刈も効き、接近戦、スクランブル体勢で繰り出す技もしっかり持っている。

アップセットが期待できるもう1人、永瀬は得意の大外刈や内股以上に、体幹の強さを生かした浮落など「際」の上手さが出色。これはトップファイターでも封じるのは容易ではない。国際舞台にあっては「新顔」の永瀬の実績はまだ実質2大会のみだが、デビュー戦となった昨冬のグランドスラム東京でなんとピエトリとチリキシビリを破って優勝。続くグランドスラムパリではチリキシビリに敗退して3位だったが、調整期とはいえ昨年の世界選手権ファイナリスト2人を破った東京大会のインパクトがよほど強かったのか、パリ大会ではチリキシビリの永瀬に対するアプローチは東京大会とは全く違い、上位陣の警戒の強さが垣間見えている。

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古田 英毅
柔道サイト 「eJudo」編集長。国内の主要大会ほぼ全てを直接取材、レポートを執筆する。
コラム「eJudo's EYE」の著者でもある。自身も柔道六段でインターハイ出場歴あり。J SPORTSワールドツアー中継ではデータマンを担当。

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