2014年J2も約3分の2が経過し、いよいよJ1昇格争いも佳境に突入しつつある。24日の首位・湘南ベルマーレ対ジュビロ磐田の上位対決は1−1の引き分けに終わり、2位・松本山雅も10位につけるモンテディオ山形と熾烈なバトルを繰り広げた結果、0−0のスコアレスドローで幕を閉じた。上位陣が足踏みする中、ギラヴァンツ北九州やファジアーノ岡山といったプレーオフ圏内にいるチームは確実に勝ち点3を積み上げ、上との差を縮めつつある。

そんな中、かつてJ1昇格経験のあるアビスパ福岡、京都サンガ、ジェフユナイテッド千葉、山形、横浜FC、コンサドーレ札幌などは中位にとどまっている。京都、千葉あたりは戦力や陣容、スポンサーや練習場などの周辺環境を考えても自動昇格を目指せるはずなのだが、なかなか順位を上げられないでいる。99年にJ2降格を余儀なくされ、10年以上もJ2にとどまる事になったかつての湘南も「万年J2」のような空気が流れていた。

小林伸二監督(現徳島)の堅守をベースとする戦い方が機能し、2008年シーズンにJ1初昇格切符を手にして、2009年から3シーズントップリーグで戦ったことのある山形も、なかなか上に戻れずに苦しむチームの1つと言える。2012〜2013年の2シーズンは長年、鹿島アントラーズでヘッドコーチを務めた奥野僚右監督が指揮を執ったが、1・2年目ともに10位に甘んじた。1年目は序盤戦は結果がついてきて中盤戦までは首位に立つことも多かったが、そこから急激に失速。2年目は守備の不安定さが随所に垣間見え、最終的にはリーグワースト4位の61失点を喫した。

そこで、今季は守備立て直しに定評のある石崎信弘監督を16年ぶりに招聘。最終ラインは、西河翔吾、石井秀典、石川竜也ら実績ある選手達を軸に据えて修正を図った。攻撃陣はディエゴや川西翔太らを獲得し、昨季までの中心選手だった中島裕希や秋葉勝、宮阪政樹らと組み合わせる形を取った。石崎監督も様々なクラブで昇格・降格を経験したうえ、昨季は岡田武史監督が率いていた中国の杭州緑城のU−18チームの監督を務め、より幅広い視点で山形再建に取り組む決意を固めたのだろう。

しかし、序盤戦は勝ったり負けたりと戦い方が安定せず、開幕ダッシュに成功した湘南や松本山雅に大きく水を空けられた。5月には守護神・清水健太が負傷し、浦和レッズで実績を積み上げ、イビチャ・オシム監督率いる日本代表に選出されたこともある山岸範宏を急遽補強し、テコ入れを図った。その成果もあって、27節終了時点の総失点はリーグ3位の25と前年の大幅減に成功している。だが、その反面で得点力が伸び悩んでいる。期待のディエゴはここまで10点を奪っているものの、シュート数に比べると決定率が低い。ディエゴ以外は、スピードのある中島とFK名人・宮阪が5点ずつ挙げているものの、ディエゴ以外の絶対的な点取屋が不在の状況は間違いない。

松本山雅戦でもその傾向が顕著だった。百戦錬磨の石崎監督らしく、山雅最大の武器であるリスタート対策を徹底した事もあり、守備は簡単には崩れなかった。だが攻撃の方は、ディエゴやロメロ・フランクらが決定機を決めきれない。山雅の守護神・村山智彦やFC東京戦でJ1との実力差を思い知ったことで奮起した多々良敦斗らの体を張った守りが功を奏した部分もあったが、爆発的な攻撃力とは程遠いのが実情だった。

「今のウチは平均年齢が30歳近くて、選手たちの意識を変えようとしてもなかなかうまくいかない。攻撃にしてもサイドバックが追い越して分厚い攻めを仕掛けたりと工夫が必要なのだが、そういうダイナミックさにも欠けている。若い選手で底上げを図りたいが、現在のチーム事情を考えるとうまくいかない」と石崎監督も考えあぐねている様子だった。

シーズン途中に加入した山岸は「山形に来て皆すごく大人しい」と実感したようだ。「このチームはトレーニングでもゲームでも選手個々が要求を出し合うような場面が少ない。自分が間違っていてもいいから建設的な意味でぶつかって欲しい。いい時の浦和は(田中マルクス)闘莉王(名古屋)らがいて、まさに個性派集団だった。あの頃の浦和と同じチームは出来ないし、目指している訳じゃないけど、もっと皆が言い合える関係や雰囲気を作っていく必要がある。そうしないと、もう1回J1に上がるようなエネルギーは生まれないと思う」と彼は、厳しい意見を口にした。

山岸が言うような状況は、京都や千葉など何年もJ2にとどまっているチームに共通する事なのかもしれない。上に上がった事のない松本山雅は彼らとは違って、兎に角がむしゃらでアグレッシブだ。個の力が多少なりとも劣っていても、チームの一体感や方向性がハッキリし、選手皆が前向きに発言しあう環境を作れれば、上を目指せる。それを多くのJ2の選手たちに再認識して欲しい。

photo

元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

お知らせ

◆14/15 イングランド プレミアリーグ 第3節
08月30日 (土) 午後08:39 バーンリー vs. マンチェスター・ユナイテッド J SPORTS 2
08月30日 (土) 午後10:54 マンチェスター・シティ vs. ストーク J SPORTS 4
08月30日 (土) 深夜 01:24 エヴァートン vs. チェルシー J SPORTS 4
08月31日 (日) 午後09:24 トッテナム vs. リヴァプール J SPORTS 4
08月31日 (日) 午後11:54 レスター vs. アーセナル J SPORTS 4

◆プレミアリーグ全試合LIVE配信!PC、スマホ、タブレットでいつで もどこでも見られる!
もれなく最大1ヵ月無料キャンペーンコードが貰える!
吉田麻也選手サイン入りユニフォーム他豪華プレゼントが当たるキャンペーン実 施中!
≫特集ページを見る
≫キャンペーンページ を見る

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ