なぜか日本の多くのメディアが、29日のインテル・ミラノ(イタリア)戦後、マンチェスター・ユナイテッドのMF香川真司は、ファンハール監督から「高評価を得た」と報じた。だがそれは誤報だ。試合後の会見で「なぜ香川は今日プレーメーカーとしてプレーしたのか?」と聞かれ、指揮官は厳しい表情でこう答えた。

「彼のことは、ボルシア・ドルトムントのときから知っている。ナンバー10(トップ下のMF)のポジションでプレーしていた。いま我々のシステム(3−4−1−2)のなかで、ナンバー6や8(ボランチやセンターMF)で試している。最初の2戦はそこで試した。彼をキープしたいから、今日はナンバー10としてチャンスを与えた。彼がそのポジションでプレーしたがったからだ。前の2戦よりはいいプレーをした」

最後の「前の2戦よりはいいプレーをした」の部分だけを取れば、「高評価を得た」とならなくもないが、発言全体から主旨を汲み取れば、「前の2戦よりもましだったが…」というニュアンスのほうが強い。実際、香川は何度か好パスを出し、見せ場も作ったが、決定的な仕事はできなかった。トップ下のポジションを競っている、ルーニーやマタと比べたら、個人での突破力や力強さが足りなかったのだ。

つまりファンハール監督の頭のなかを読み解くと、こういうことになる。23日のロサンゼルス・ギャラクシー(米国)戦と26日のローマ(イタリア)戦で、香川をボランチやセンターMFとして起用したが、物足りなかった。そこでインテル戦では、香川が最も得意とするトップ下のMFとしての能力も見たが、こっちも物足りない。仕方ない。香川は放出して、ディマリアとか、もっと優秀な選手を獲得しよう…。

残念だが、これが真実だろう。香川がマンチェスターUへ移籍して以来、ずっと追いかけて来た身としては寂しい。もし絶好調の香川に対し、能力が足りない、と指揮官が判断したのなら諦めもつくが、まったくそうではない。昨季以来の不調が続いていて、香川なら、わずかなきっかけで、突然復調するのではないか、という気がしてならないからだ。

2日にミシガンでの最終戦、レアル・マドリード(スペイン)が残ってる。どこのポジションでもいいから、ピッチを暴れまわって、ファンハール監督をうならして欲しい。見たい。香川の一発大逆転劇を…。

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原田 公樹
1966(昭和41)年8月27日横須賀生まれ、呉育ち。国学院大学文学部中退。週刊誌記者を経てフリーのスポーツライターとして独立し、99年に英国へ移住。ウェンブリースタジアムを望む、北ロンドンの12階のアパートメントに住んでいる。東京中日スポーツやサッカーマガジンに寄稿し、ロンドン・ジャパニーズの不動の左サイドバックでもある。 »Twitterアカウント »メールを送る

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