バレンティンの本塁打が注目の的ですが、野球史を紐解くと過去にも偉大な本塁打者がたくさんいたことが分かります。

本塁打は球場のサイズ、投手とのパワーバランス、試合数、ボールの反発係数などで本数が大きく変わってくる。
同じ50本でも年度、リーグでその価値が大きく変わる。
今日は2つの指標で本塁打の価値を見て行こう。

まずは、リーグ総本数に占める本塁打の割合。
この値が大きければ、傑出した本塁打者だと言うことになる。
名前はついていないが、これを仮にホームラン%とする。

NPBの歴代ホームラン%ベスト10。戦後。ただし球団数が7〜8球団あった時代もあるので、修正をしている。

終戦直後、新人でホームランを連発した大下弘がトップ。西鉄全盛時代の4番、中西太が2位、そして統一球時代に48本塁打を打った中村剛也が3位にいる。
この3選手の下には王貞治や野村克也がいるが、数字には大きな隔たりがある。
一昨年の中村の凄さが分かる。

MLBの歴代ホームラン%ベスト10。

10位までにベーブ・ルースが8度入る。本塁打が少ない時代にルースは圧倒的なスラッガーだった。ベーブ・ルースが野球を変えたと言っても過言ではない。
以後、本塁打記録を更新した打者たちも、ホームラン%が10%を超えることはなかった。

さて、ホームラン%とともに、歴史的な打撃記録を見るときに使う指標がある。
TBA(True Batting Average)だ。これはセイバーメトリクスよりもはるかに前からアメリカで使われていた指標。
リーグの打撃の平均値を出して、これをもとに修正値を作る。

(選手の本塁打×0.0248)÷そのシーズンの本塁打率
0.0248は、NPB通算の本塁打率。

このTBAでシーズン本塁打記録をみるとこうなる。

2011年の中村はMLBのバリー・ボンズが作った73本塁打さえ上回る74本を打っていたことになる。
今年のバレンティンがどこまで数字を伸ばすかわからないが、TBAで見る限り、この年の中村には及ばないはずだ。
今年の本塁打率は0.0221であり、NPB通算の平均本塁打%0.0248と大差がないので、バレンティンの本塁打もTBAに換算しても大して積み上げることはできない。
中村の数値を上回るのは無理だろう。

おかわり君、中村剛也は膝の手術から復帰したようやく打線に戻った。まだ30歳。和製大砲として、これからもどんどん新しい記録を作ってほしい。

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広尾 晃
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。ライター。日米の野球記録を専門に取り上げるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドアブログ奨学金受賞。そのほか、プロ野球の名選手の記録を紹介する「クラシックSTAS鑑賞」などのサイトも運営。合わせて月間70万PVを集めている。著書に「プロ野球なんでもランキング」(イーストプレス刊)

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