東アジアカップを終えた日本代表は、8月のウルグアイ戦以降、強豪チームとの戦い、経験値を積み上げることになる。これまでのメンバーに、東アジアカップで活躍した3〜4人を加えて、チームの骨格を完成させていくことだろう。4年前には、ワールドカップ予選突破後にアジアカップ予選を戦わざるをえず、ワールドカップ前年にこうした強豪との対戦経験がほとんどできなかった(南アフリカとオランダと対戦しただけ)。そして、ワールドカップの年の2月には東アジア選手権(当時)が入っており、強化スケジュールは遅々として進まず、岡田武史監督は本大会直前に戦い方を変更するという綱渡りの強化を強いられた。

その点でいえば、アジアカップで優勝したおかげで予選突破決定直後にコンフェデレーションズカップを経験。秋には強豪との試合を入れることができるなど、強化スケジュールは4年前とは見違えるほどに改善できた。その合間に行われた東アジアカップも、普段、代表の試合を経験できない選手に公式戦を体験させることができ、たいへんに有意義な3試合となった。しかも、東アジアカップではまったくの寄せ集めで戦ったにもかかわらず、チームとしての一体感を持って戦えたし、選手個々の特徴も見られたのでザッケローニ監督にとっても貴重な機会だったはずだ。

そのザッケローニ監督は東アジアカップで優勝を決めた直後に「もう1試合あればよかった」と語っていた。つまり、かなりの強行日程の中での大会だったので、初戦(中国戦)のメンバーは2戦目(オーストラリア戦)はお休み。最終戦(韓国戦)では初戦の先発メンバーをそのまま使うことになったためだ。もう1試合あれば、オーストラリア戦で起用した選手たちにもう1試合戦わせることができた……。それが、残念だというわけだ。たしかに、あれだけの試合をしたメンバーだ。このまま解散してしまうには、じつにもったいない。オーストラリア戦のメンバーと、韓国戦のメンバーを一部入れ替えて、違った組み合わせも見てみたいものである。

そのためには、常設のBチームを結成するしかない。ナショナルチームというのはクラブチームとは違って、試合数が少ない。しかも、予選というのはミスが許されない試合が続く。1つの試合でなにかミスが起こった場合、取り返しがつかなくなってしまうわけだ。したがって、監督としては新しいやり方、新しい選手を試したくても、冒険ができなくなってしまう。ザッケローニ監督に対して、「メンバーが固定化しすぎている」という批判が渦巻いている。だが、こういう批判が起こるのは、別にザッケローニ監督の場合だけではない。岡田監督でも、ジーコ監督でも同じようなことを言われ続けた(オシム監督は、そういう非難が出てくる前に退任してしまったが)。意図的に「メンバーを固定しなかった」のは、北京オリンピックを目指した反町康治監督くらいのものだろう(それはそれで、「メンバーが固定できていない」と批判された)。

そこで、Bチームである。

普段、代表に招集されていても出場機会の少ない選手。才能はありながら代表に縁のない選手を呼んで、B代表の試合を経験させておけば、いざ、故障者が出たりしてA代表にバックアップが必要になったときに迅速に対応できるはずだ。Bチームでも、レベルの高い試合ができることは、東アジアカップで十分に証明できた。フル代表によるAマッチと同時に(前座試合として)Bチームの試合を開催すれば、大観衆の前で試合をする経験も積めるだろう。韓国となら、Bチーム同士で試合をしても、お互いのために有意義な経験が積めるはずだ。(韓国とは、Aチームも定期戦をすべきだろう。かつての「日韓定期戦」は代表と大学選抜のダブルヘッダーだった)。

まあ、これから急にB代表を結成してマッチメークをするのは不可能だし、もう、ザッケローニ監督のチーム構想もほとんど固まっているはずだから、喫緊の課題ではない。ザッケローニ監督の次の、2018年ロシア・ワールドカップを目指すチームを作る際に検討してみてはどうかという提案である。

さて、ウルグアイ戦に向けてのメンバーに、東アジアカップのメンバーから何人が、そして、誰が招集されるのかが楽しみになった。ウルグアイは、コンフェデレーションズカップでは準決勝でブラジルと互角の勝負を展開。とくに、粘り強い守備が目を引いた。とかく淡白な日本の守備陣にとっては大いにお手本にしてほしいし、また、日本の攻撃陣がウルグアイの堅守にどこまで通用するのかも期待したい。

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後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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