穏やかな夏を過ごしている。

ラダメル・ファルカオ(ASモナコ)、エディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)との接触が噂されたものの、代理人の情報操作だったようだ。ルーカス・ピアゾン、ガエル・カクタ、ナサニエル・チャロバといった有望株は、2014/15シーズンの戦力になるべく、新シーズンはふたたび武者修行の旅に出るが、ローンバックしたロメル・ルカク、ケビン・デブライネはトップチームへの昇格が現実味を帯びてきた。

また、再三にわたって退団報道が流れているファン・カルロス・マタはまもなく5年の長期契約を結ぶ予定で、ダビド・ルイスも基本的には残留する方向だ。したがって、開幕時点で計算できる新戦力は、バイヤー・レバークーゼンからやって来たアンドレ・シュールレと、フラムから新天地を求めたマーク・シュウォーツァーだけになるかもしれない。

ただ、ウェイン・ルーニーは獲得できる可能性が高くなってきた。「われわれが欲しているのはルーニーただひとりだ」と訴えたジョゼ・モウリーニョ監督に対し、マンチェスター・ユナイテッドのデイビッド・モイーズ監督は、「センターフォワードの一番手はロビン・ファン・ペルシ」。信頼を寄せない上司のもとでは、気持ちよく働けるわけがない。

あとは両チームがスケジュールをすり合わせるだけだ。8月26日のチェルシー対マンチェスター・ユナイテッド戦終了後から、マーケットが閉まる9月2日までに、ルーニーの入団が決まるのではないだろうか。それが、おとなの都合というものだ。

それでも、補強の遅れは否めない。ルーニーの獲得も決定事項ではなく、ガラタサライ・イスタンブールとリンクされているジョン・ミケルが退団を決意すると、中盤センターは人材不足に陥る。レアル・マドリーからローンバックしたマイケル・エッシェンも、体力的には下降線を迎えた。

しかし、アシスタントコーチのスティーブ・ホランドは自信ありげに証言した。

「大きなけがもなくアジアツアーを終え、次のアメリカツアーにはコンフェレデーションズ・カップに出場していた主力6選手が合流し、戦術的なレベルアップを図る。すべてスケジュールどおりだ」

プレシーズンのプランにブレはない。

さらに、特効薬であると同時に劇薬でもあるフランク・ランパード、ジョン・テリー、アシュリー・コールの3名がモウリーニョ監督に心酔しているため、内部分裂の恐れがほとんどなくなったことも、近年にはなかった大きなプラス材料だ。全盛期を過ぎたとはいえ、試合の、シーズンの勘所を心得た彼らのモチベーションが刺激されている事実は、このうえない補強である。

マンチェスター・シティに比べると選手層は薄いが、今シーズンのチェルシーは一枚岩だ。モウリーニョ監督はマウンドゲームの達人で、メディアをも味方につける。風は、マンチェスターからロンドンに流れていくのか。

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粕谷 秀樹
月刊ワールドサッカーダイジェスト初代編集長を務めた。海外サッカーの解説者としても活躍。

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