皆さんご承知の通りモンテカルロに次ぐ歴史を誇るグレートブリテンは今年で初開催から80周年を迎えます。1973年にWRCが創設されて以来モンテカルロがシーズン開幕戦、グレートブリテンが最終戦というのが相場でした。モンテカルロはIRCに移った数年は別として今でも開幕戦を勤めていますが、グレートブリテンは2005年に今回と同じドイツの後9月開催がありました。通常は10月末―11月に行われているグレートブリテンは晩秋〜初冬の英国北部の暗く冷たい気候の中で年度チャンピオンを決定する激しい戦いがそのイメージでしたが今年はまだ9月、天候もそれほど悪くなく、おまけにロウブ独走の状態ですから従来とは別種の戦いになるでしょう。

まず、大幅にリードを許したフォードは地元でもあり、シトロエンと互角に対抗できると考えられているグラベル(短いターマックは混在しますが)なのでここで勝たねばどこで勝てるのかという意気込みが必要です。現役ドライバーのなかでラトバラ、ロウブ、ヒルボネンそしてソルベルグが過去の優勝経験者です。

英国では、日本と同様、公道での自動車競技は禁止されており公営林や私有地がSSとして使用されます。次の森に移動するリエゾンが比較的長いのもその特徴ですが、一般の人々が近くを通るリエゾン中のラリーカーを見物する光景も見られます。観客100万人以上などとメディアがよく取り上げています。

勝負は森林地帯の天候、特にタイヤ選択が勝敗を決めます。道路の形状がかまぼこ状で肩が外向きに傾いており踏ん張りが利かないのでコースアウトしやすい形状です。林道には切り出した木材が随所にうずたかく積まれており独特な風景です。深い森林地帯の紅葉はグレートブリテンの風物詩ですが今年はちょっと違う風景でしょうか。

イベント概要は次の通りです。

Day SS本数 SS km Liaison km Total km SS% vs. Total km
9/14 6本 146.46 km 470.88 km 617.34 km 23.7 %
9/15 7本 95.36 km 467.99 km 563.35 km 16.9 %
9/16 6本 83.10 km 342.22 km 425.32 km 19.5 %
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福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。