6月6日から中国広州で行われたナイキ・アジア・キャンプは、日本を含め中国、韓国、台湾、オーストラリアのジュニア世代のプレイヤーが参加する恒例のバスケットボール・イベントだ。ダラス・マーベリックスに所属する中国人ビッグマンのイー・ジャンリャンは、このキャンプがきっかけにNBA入りへの道を切り開いたプレイヤーの代表例。アジアのジュニア世代には自身をレベルアップさせる絶好の機会である。今年日本から参加したのは、強豪高校に通う以下の7人だ。

4 土屋真人(能代工3年、キャンプでの所属チームはナゲッツ)
7 野里惇貴(能代工3年:キャンプでの所属チームはレイカーズ)
17 山本健太(市立船橋2年:キャンプでの所属チームはヒート)
24 前山卓矢(尽誠学園1年:キャンプでの所属チームはマーベリックス)
14 秋山皓太(福岡第一1年:キャンプでの所属チームはナゲッツ)
41 大橋聖也(福岡第一1年:キャンプでの所属チームはレイカーズ)
16 濱田健太(福岡第一1年:キャンプでの所属チームはレイカーズ)

キャンプの流れを簡単に紹介すると、セッションが午前と午後の2回あり、ポイントガード、シューター、ウイング、ビッグマンのポジション別ドリルと体力強化トレーニング、1試合15分の試合を3本行うという感じになる。チーム分けは初日に行った5対5の後、キャンプのコーチ陣がプレイヤーをドラフトして決められた。それぞれのチームにはサンダー、レイカーズ、ヒート、ニックス、マーベリックス、ナゲッツという名前が付けられ、2日目から4日目までに3回総当たりのリーグ戦を行い、最終日にプレイオフが行われた。また、4月に行われたナイキ・フープ・サミットのビデオを見ながら、バスケットボールを学習するセッションもあった。

参加者で目立ったのは、18歳以下の中国代表候補たちとオセアニア勢。196cmのガード李麒(17歳:95年生まれ)は、ダンクコンテストでパンプを入れたリバースを決めるなど、この年代のアジア人としては運動能力が高い。ジャンプシュートは向上の余地ありと感じたが、プレイにセンスのよさを感じさせた。日本の高校生たちが「こいつはすごい」と言っていた高尚(17歳:94年生まれ)は、李よりもさらに身長が高いスイングマンで、ドライブからのフィニッシュでフィジカルの強さを発揮していた。8月にモンゴルで開催される18歳以下のアジア選手権では、この2人が日本にとって脅威になってもおかしくない。

オセアニアでは、195cm、104kgという体格を生かしたパワフルなドライブが特徴のスイングマン、ルーベン・ランギ=ウア・テ・ランギ(17歳:94年ニュージーランド生まれ)がキャンプのMVPを獲得した。しかし、将来ということでは、ポイントガードのドリルに参加していたオーストラリア人、テビン・ジャクソン(17歳:94年生まれ)に可能性を感じさせた。運動能力の高さとシュート力に加え、195cmというサイズはポイントガードだと大きな武器になりうる。ジャクソンは今年アメリカに渡り、サンフランシスコにあるジュニア・カレッジに進み、そこからNCAAのディビジョン気妊廛譽い垢詭槁犬鯲てているという。2年後強豪校に転入ということになれば、NBAスカウトの注目を集めることもありうるし、オーストラリア代表に入っていても驚くべきでない。

先に紹介した中国人2人以外で、近い将来日本にとって厄介な存在になりそうなのが、台湾人ポイントガードのリン・グアンジュン(16歳:95年生まれ)と韓国人スモールフォワードのキム・ジンヨン(17歳:94年生まれ)。リンは181cm、91kgとフィジカルの強さを生かしてのドライブで、得点機会をクリエイトできる。ダンクを難なく決めるなど、すばらしい跳躍力も特徴。右足首を捻挫した影響でオールスターに選ばれなかったが、ポイントガードとしてスキルは参加者の中でNo.1だった。キムは198cm、88kgと細身で、体のタイプが尽誠学園の渡邉雄太と似ている。インサイドよりもアウトサイドのプレイを好み、キャンプ中は得点の大半がジャンプシュートだった。18歳以下の韓国代表候補に入っているということもあり、18歳以下アジア選手権で渡邊とのマッチアップが実現するかもしれない。

ここまで簡単に紹介したプレイヤーたちは、名前だけでも覚えておくことをお勧めする。数年後の国際大会で、実際にプレイが見られると思えるからだ。なお、参加した日本人7人のキャンプについては次回から3回、彼らのインタビューを含めながら紹介していくことにする。

[写真左]土屋と写っているのがオーストラリアのジャクソン
[写真右]左から大橋、前山、秋山、山本、土屋、野里、濱田、前列のコーチはデイブ・ホプラ

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青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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