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フィギュア スケート コラム 2012年1月23日

全米フィギュアスケート選手権プレビュー

フィギュア通信 by 田村 明子
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1月22日、カリフォルニア州サンノゼで全米選手権が開幕。シニアレベルは26日木曜日、ペアと女子のSPから開始となる。

今季の女子は、アリサ・シスニーがタイトルを守ることができるかどうかが注目だ。これまで試合での結果に浮き沈みの激しかったシスニーも、このところ評価も安定して2年連続でGPファイナルに到達した。だが今季のファイナルでは、体調不調で本来の滑りが見せられなかっただけに、全米では名誉挽回を願って調整してきていることだろう。

シスニーの最大のライバルは、今季も惜しいところでファイナル進出を逃した長洲未来だ。子供のころから天才少女と騒がれてきた彼女は、まだ18歳ながらもうすっかりベテランの感がある。体型も大人の女性らしくなり、滑りにスピードと安定感が加わった。もし優勝すれば2度目、5年ぶりのタイトルとなる。

またほかにもアシュリー・ワグナー、カロライナ・ザン、レイチェル・フラット、アグネス・ザワツキー、クリスティ・ガオなど、そこそこ実力のある選手たちが控えている。いずれもそれぞれの理由でGPでは安定した演技を見せられなかったが、この数ヶ月でどのくらい調整をしてきているかが勝負の分かれ目となるだろう。

男子はタイトル保持者のライアン・ブラッドリーが競技引退し、夏には復帰宣言をしていたエヴァン・ライサチェックも結局不参加となった。そんな中で注目されるのは、ジェレミー・アボット2年ぶり、3度目のタイトルを取るかどうかだ。今季のプログラムはSP、フリーともに素晴らしく、内容的にも密度が濃い。ノーミスで滑りきることができれば、彼を上回ることのできる選手は米国内にはいない。その意味で、この試合は彼自身との戦いとなる。

今季試合でずっと4回転ルッツに挑んでいるアダム・リッポン、リチャード・ドーンブッシュ、ロス・マイナーなども着々と経験を積んで実力を伸ばしてきている。また忘れてはならないのは、夏に史上初の4ルッツを試合で成功させたブランドン・ムロスである。NHK杯では不本意な演技でGPシリーズを終えたが、虎視眈々と雪辱をはらう機会を狙っていることだろう。その意味で、トップ5,6人のうち誰にでも表彰台に乗るチャンスのある男子の試合になりそうだ。

ペアは興味深い展開となる。タイトル保持者のヤンコウスカヤ&コーフリンは、昨年シーズン終了直後に解散してしまった。そしてジョン・コーフリンが2010年度の全米ペアチャンピオンだったケイディー・デニーと新ペアを結成。新ペアのデニー&コーフリンは、結成からほとんど時間のたっていないGPシリーズで、すでにかなり完成度の高い演技を見せていた。実力者同士の新ペアだけに、全米選手権に焦点を合わせて練習を積んできた成果を見せてくれることだろう。アマンダ・エヴォリン&マーク・ラドウィッグ、メリーベス・マーリー&ロッキー・ブルベーカーらも、新タイトルを目指して白熱線を見せてくれることが期待できる。

アイスダンスは、現世界チャンピオンのメリル・デイビス&チャーリー・ホワイトが、今季も全米タイトルを守ることが予想される。またよほど予想外の事がない限り、世界銅メダリストであるマイア・シブタニ&アレックス・シブタニの2年連続2位も固い。そんな中でマディソン・チャック&エヴァン・ベーツ、マディソン・フベル&ザカリードナヒュー、エミリー・サミュルソン&トッド・ギルズら、新結成した若手たちの間で3位争いが繰り広げられることが予想される。

代替画像

田村 明子

盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。

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