みなさんこんにちは。ナショナルチームコーチの舛田圭太です。今月2回目の代表だよりはみなさんからの質問に答えるコーナーです。今月は3問の質問にお答えしたいと思います。

まずはこの質問から
「 ゲーム中のイン・アウトのジャッジが苦手というか、出来ません。どうすれば、身につくでしょうか。」

この質問はもちろんプレーヤーとしての悩みですよね??まさか線審での話ではないとは思いますが、私もここ数年で審判3級を取ったものなので・・・(笑)

本題に入りますと、ゲーム中にジャッジが苦手な方に多いのが、シャトルの落下地点まで動かずにジャッジしてしまう人が非常に多いです。たとえば、相手のクリア(ロブ)がバックアウト又はサイドアウトかどうかのジャッジする場合にシャトルの落下地点までしっかりさがっていれば、自分の立ち位置がコート内のギリギリの所まで動いて、それでも自分よりもシャトルが後ろやサイドの場合は間違いなくアウトですよね。その行動をせずに真中や中途半端な位置でジャッジすれば距離感がでてしまうのでジャッジするのが非常に難しくなってしまい、万が一インの場合そのポジションから打つのが難しくなり、結局相手にポイントを奪われる事になります。

海外の試合では体育館に風が吹いてる事がほとんどで5gのシャトルが風で左右される事が多いのでこの行動が非常に重要になります。私が現役の頃、どんなにバックアウトになろうとも常に自分がシャトルを追い越してジャッジする事を心がけていたので、試合中によくフェンス広告にぶつかるアクシデントが多かったです。しかし、その行動をしておくと、万が一入っていた場合でも打つ事ができますので損はありません。

では、サイドレシーブはどうジャッジするかと言いますと、常に練習の時から(特にフットワークの練習など)サイドギリギリまで足やラケットを出す練習をしておけば、それよりサイドにシャトルがでていれば間違いなくアウトですから、そこが判断の基準となります。初速400キロ近いスマッシュを目の判断だけで、アウトかインかを見分けるのは非常に難しいですから、参考にしてみてくださいね。

続いての質問は
「素朴な疑問ですがトップ選手のガットのテンション35とかになっていますが特別使用のラケットなのでしょうか?また、そんなラケット使いこなすにはパワー以外に何が必要ですか?」

この質問はよく聞かれる質問です。選手が使ってるラケットはみなさんも使っている市販のラケットと全く同じです。たしかに日本リーグのプログラムなどには、選手のガットのテンションが35ポンドなどの選手もいます。張れるのか、張れないのかと言われれば「張れます」しかし、ラケットへの負荷は相当なもので、ラケットの破損する可能性もかなり高いです。実際、メーカーでは適正ポンド以上で張り上げた場合は保証がきかない事やショップでも張ってもらう事は難しいと思います。このテンションで張ろうと思った場合はラケットをセットする段階で、少しでもポジションがずれれば間違いなくラケットは折れますから、ガット張りに相当自身がある方しか張る事はできないと思います。

あと、こんな落ちもありました、私も現役時代からガット張りには相当自信があり、正直ショップさんとも対等に戦える腕はあると思ってます。何人かの選手に頼まれて、言われたポンド数で張り上げてあげました。ある女子選手は「28ポンドでお願いします」と言うので正直、女子にしては堅いなと思いましたが、28ポンドで張り渡すと「すごい堅過ぎる!!」と言われたので、実際、その女子選手が張り上げた他のラケットを確認すると実際は20ポンド程度の強さしか張れてなかったという事もありました。ラケットを機械にセットした段階でラケットに緩みがあったり、ガットの太さやガットを引っ張る場所でガットがずれたりすると、機械は一生懸命引っ張っているのですが、ガットはすべっているという場合もありました。

実際、ナショナル選手が普段35ポンドで張っているラケットをナショナル合宿の時にボランティアでガット張りに来てくれる有村君が30ポンドで張るとそれより堅かった事も多いです。しかし、実際に有村君も35ポンドで張る時は相当神経を使うので、選手が練習をしていない昼休みに、全く誰もいない時間帯に集中して張らないと張り上げるのは難しいそうです。ですから、そこまでの高テンションのラケットは1日に数本しか張れないそうです。張る方も気持ちが続かないそうです。

では、そんなラケットを使いこなすためにパワー以外に何が必要ですかと言われれば、間違いなくしっかり筋トレをして、その衝撃に耐えられる体を作ってくださいとしか言えませんね。相当、体への負担は増えますし、肩や肘の怪我にも繋がります。私自身、高テンションラケットは正直、おすすめできません。シャトルの球離れは早いのでシャトルコントロールは難しくなり、シャトルを飛ばすための力もさらに必要になります。私が現役時代のラケットのテンションは1番堅い頃でも28ポンド、北京五輪の頃にはだいぶ筋力が低下していたため、体の負担も考えて24ポンドでした。その方が、ラケットにシャトルが食いついてくれるので、コントロールがしやすく、ガットも切れにくいので省エネです。それでも、爆発的なスマッシュは引退まで健在でしたよ!!

さぁ、今月も3つめの質問です。
「ジャンプしてスマッシュを打つと球が失速するような感じがします。 どうすればジャンプして打っても球が伸びるようになりますか?」

たしかに、スマッシュとジャンプスマッシュでスマッシュの方が体重を乗せやすいですからスマッシュの方がシャトルの伸びや速いでしょうね。スマッシュの場合は足の踏ん張りなどを使えますが、空中で打つジャンプスマッシュは体重を乗せるのが非常に難しくなるので通常のようなスマッシュを打つのは難しいですね。しかし、ジャンプすることで角度をつける事ができる利点もあります。

では、どうやったらジャンプスマッシュでうまく体重を乗せて、速くて角度があるスマッシュを打つかといいますと、ジャンプスマッシュを打つ時は必ずシャトルが自分の目線より前にある時のみに使い、ジャンプした段階でシャトルが自分のジャンプしている位置より前にある事が大前提です。そのシャトルを打った瞬間から体が前に出ながら打てれば体全体の力が利用ですきますから、速いスマッシュが打つ事ができ、その後の対応もしやすくなります。よく、ジャンプした時点でシャトルが自分の体の真上にあった場合は絶対に体の力を使う事ができず、ラケットも振り切れないためスマッシュは速くなりませんから気をつけてくださいね。

来月もご質問お待ちしております。

◆舛田コーチへの質問◆

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舛田 圭太
1979年2月生まれ、石川県出身。インターハイ男子シングルス2連覇。全日本総合シングルス5回・ダブルス5回・ミックスダブルス4回。全種目通算14回の優勝は歴代最多記録。バドミントン日本代表初オリンピック3大会連続出場(シドニー・アテネ・北京)。昨年の日本リーグを最後に現役引退。2009年から日本代表コーチに就任し、現在は男子シングルスをメインで指導にあたる。

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