今シーズンのプレミアリーグは、シーズンが深まるとともに面白みが増してきている感がある。これまでビッグ4と称され特権階級的に上位を占めてきたビッグチームとそれに準ずるチームとの戦力的な開きが狭まり、その結果として第9節を終えた時点でリーグ上位から8位あたりまでの中位チームとの差が大きく開いておらず、これからも混戦が期待できそうなのである。実際、現在の順位表に目をやると、すでにビッグ4の牙城が瓦解し始めていることがわかる。とは言っても、まだシーズンは4分の1弱を消化したに過ぎず、シーズンが進むにつれてこの混戦から脱落し始めるチームも出てくることだろう。だが、今、この時期はビッグチームとそれに続く準4強たちが入り乱れた混戦模様を楽しもうではないか。
そういうわけで土曜はくだんの準4強たちにスポットを当てたいと思う。今週末の対戦カードだと、スポットを浴びる事になるのは言うまでもなく、アストンビラとトッテナムである。今シーズンはこれまでのところ両チーム共に監督の手腕が如何なく発揮されており、ビッグ4相手の試合も善戦している。勝敗はともかくとして、内容的には決してひけを取っていない。ビッグ4と比べると選手層の厚さという部分においては見劣りする感は否めず、今後の浮沈は怪我人の有無など人員的な台所事情に左右されるであろうが、今のところはどのチームもビッグ4相手の試合であっても善戦が期待できそうである。となると、今後もビッグクラブを向こうに回しリーグ戦を渡り合っていく上で重要となってくるのが下位チームを相手にいかに取りこぼしを減らすかということになる。今週末の土曜に話を戻そう。アストンビラは敵地にてウォルバーハンプトンと対戦し、トッテナムはホームにストークシティを迎える。アストンビラにとってもトッテナムにとっても格下との対戦となるこのカードは勝ち点3を得るべき試合であり、そうならなかった場合は「取りこぼし」ということになる。
今シーズン開幕当初、中盤の核であったバリーの損失が懸念されたアストンビラだったが、中盤のペトロフやシドウェル、ミルナーといった面々がこの損失を補って余りある活躍を見せており、この中盤の安定の上にA・ヤングやアグボンラホールら攻撃陣のパフォーマンスが成り立っている。リバプールやチェルシーといったビッグ4に土をつけた戦績が今シーズンのアストンビラの質の高さを裏付けている。しかし、すでに幾つかの取りこぼしをしている事実も見逃す事はできない。開幕戦のウィガン、そして9月中旬のブラックバーンと今シーズンの二敗はどちらも格下相手のものである。そして今週末の対戦相手は昇格チームのウォルバーハンプトン。上位陣を追走する上で落とす事は許されない試合となる。
準ビッグ4の中で一番戦力が充実しているのはトッテナムという事になるだろう。怪我で離脱中のモドリッチが戻ってくれば、戦力的にアーセナルやリバプール辺りと比べても全く遜色ないと言っても良いくらいである。実際、トッテナムの現時点での暫定順位(4位のアーセナルなどよりも一試合分多く消化している)はビッグ4に割り込む3位である。今週末の対戦相手であるストークシティは簡単な相手ではないが、アウェイでいまだ勝ち星がない内弁慶であるため、恐らく取りこぼしの可能性は低いだろう。ただ、トッテナムにとってこの試合は単純に取りこぼしの許されない試合であるばかりでなく、翌週のノースロンドン・ダービーへ向けて弾みをつけたい試合という意味合いもあるので、キックオフから15分までの時間帯をどのようにプレイするのかが見どころとなる。
そして日曜日のビッグ4直接対決である。リバプールがホーム、アンフィールドに目下首位を走るマンチェスター・ユナイテッドを迎える大一番である。ここ数週間の状況を考えると(リーグ戦、チャンピオンズリーグ共に二連敗中)、ベニテスにとってこのタイミングでファーガソンを迎えるのはまさに泣きっ面に蜂である。今シーズンのリバプールの敗戦の根底には迷いや、それが母体となった脆さがあり、その脆弱性に対する突破口を見つけられない状況に陥ってしまっている。かたやマンチェスター・ユナイテッドは、内容的に素晴らしい出来とは決して言えないながらも、終了間際に追いついたり勝ち越したりしながら勝負強さを発揮し、気が付いてみればリーグ戦でもチャンピオンズリーグでも首位を走っている。このように、事前に提示された全ての材料は王者有利を示唆しているが、舞台はアンフィールドである。試合内容によっては一気にベニテスの進退問題へと発展しかねないこの状況でアンフィールドの魔法はリバプールを蘇生させる事ができるか。リバプールにとっては早くもやってきた大きな山場である。
平床 大輔
1976年生まれ。東京都出身。雑文家。1990年代の多くを「サッカー不毛の地」アメリカで過ごすも、1994年のアメリカW杯でサッカーと邂逅。以降、徹頭徹尾、視聴者・観戦者の立場を貫いてきたが、2008年ペン(キーボード)をとる。現在はJ SPORTSにプレミアリーグ関連のコラムを寄稿。
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10月24日(土)20:39〜 ウォルバーハンプトン vs. アストンビラ J sports Plus ※生中継
10月24日(土)22:54〜 トッテナム vs. ストークシティ J sports 2 ※生中継
10月24日(土)25:24〜 チェルシー vs. ブラックバーン J sports Plus ※生中継
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