2008年05月28日
『スポーツには“興奮”が必要…?』
毎年5月に約3週間かけて行われる自転車ロードレースであるジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)がいよいよ終盤戦に突入します。賞金総額約2億円のこのレースを制するのは誰か目が離せないところでですが、今回はこの自転車ロードレースと「興奮」の関係についてお話しましょう。
からだが興奮するとは?
私たちの身体が活発に運動するためには、身体が「興奮」することが必要です。身体が興奮すると、エネルギーのもととなる「糖」を貯め込んでいる肝臓が血液中に糖を送り出します。また肺に送り込まれる空気の量が増えます。これにより血液中にはエネルギーや酸素が豊富に存在する状態になり、身体の各器官・組織が活発に活動をすることが出来るようになるわけです。また神経系も活性化することで動きが機敏になり疲労を感じにくくなります。
自転車ロードレース競技と興奮の関係…?
自転車ロードレースは、1日200kmにも及ぶアップダウンの激しい道のりを、何時間にもわたり漕ぎ続ける非常に苛酷な競技です。生身の身体が露出した状態での高速走行による緊張の持続は他の競技にも類を見ないため、精神的な疲労度は他のスポーツの数十倍といわれることもしばしばです。そんな選手たちは、高い運動パフォーマンスを持続させエネルギー供給をスムーズにさせるために、常に高い興奮状態を維持する必要があるわけです。
ドーピング問題
しかし、世の中のスポーツ選手の中には、たやすく身体の高い興奮状態を持続させるために薬物に頼ってしまうこともあります。今ではよく耳にする「ドーピング(※1)」ですが、遠い昔から競技スポーツの世界では良い成績を上げるには、身体を興奮させることが重要であることは知られていました。古代ギリシャのオリンピアの祭典では、競技へと向かう選手達が、興奮剤である羊の睾丸を食べたり、コカの葉を噛んで出場したと記録されています。近代に入り世界の大きなスポーツの大会でこのドーピングが話題となったのは、自転車ロードレースがはしりであったようです。自転車ロードレースはまさに過酷な競技…とはいえやってはいけない行為であることは皆さんもご存じのとおりです。
自転車ロードレースのチャンピオンは人格者である!
自転車ロードレースは精神的にも肉体的にも切磋琢磨しないとチャンピオンになれない競技であることはもうお分かりになったと思います。今回のレースでチャンピオンになる選手…それは自らの体と心を律することができる素晴らしいアスリートであることは間違いありません。
なるほど!ザ!スポーツ用語辞典<※1>
■ドーピング:
競技パフォーマンスをアップさせる可能性がある薬物などを不正に使用することで、スポーツの基本的理念であるフェアプレーに反する行為。選手の健康に悪影響を及ぼすことにもなりうる。1968年のグルノーブル冬季オリンピックとメキシコオリンピックから正式にドーピング検査が実施された。男子ハンマー投げで室伏選手が優勝した2004年アテネオリンピックでは、尿検体のすり替えと検査拒否によってアドリアン・アヌシュ選手が金メダルを剥奪された。
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