2007年01月29日
GO AHEAD(ゴーアヘッド) - 惜しいアイスホッケーマンガ
樋口大輔『GO AHEAD
』集英社(2005)全4巻
本筋に入るまでの布石が最も有効に機能したマンガは、『あしたのジョー』ではないかと思います。矢吹丈が少年院で過ごした日々がなければ、力石戦があれほどの興奮を読者に与えることはなかったでしょう。
しかし長く続く布石は諸刃の剣です。布石段階の描写自体が面白い(『スラムダンク』などはこのケースに当たるかと思います)、あるいはそれが後の展開にぐっと効いてくるような仕掛けになっていればいいでしょう。しかしそうでない場合、布石は余計でしかない。
本作でもったいないと感じたのは、この布石段階にあります。主人公相羽は、弟の死から受けたショックでアイスホッケーを封印する。当然封印したままでは話しが進まないので動き出す時は来ます。しかしそこまでの葛藤が長く、しかも後の展開に全く影響を与えていない。だったらさっさとアイスホッケーを始めてほしいのです。
エピソード5でようやく相羽が監督するアイスホッケー部ができます。その後初の練習試合を経て、面白くなって来たところで(打ち切りなのでしょうか)終わりを向かえます。絵も人物造詣も上手く、試合に入ってからは抜群に面白かっただけに惜しい作品です。
■初出:『月刊少年ジャンプ』集英社(2005~2006)
この作品の関連商品をAmazon.co.jpで購入する
『GO AHEAD』
【ストーリー】
カナダでプロのアイスホッケー選手を目指していた中学生ユウキは、父の仕事の都合で宮崎に引っ越すことに。ろくにリンクもない南国で焦燥感に駆られるユウキの前に、新しい担任教師相羽がやってきた。プロ並のホッケーテクニックを見せる相羽は、アイスホッケーとの関わりを否定する。ユウキは相羽の真意を質そうとするが…。
この記事へのリンク | その他・アイスホッケー・樋口大輔 | コメント (0) | トラックバック (1) | ページトップ

