2007年01月17日
愛のアランフェス - ペアに光を当てるフィギュアスケートマンガ
槇村さとる『愛のアランフェス
』集英社(2003)全5巻
フィギュアスケートの中でも、特にペアを主題材として扱っている。
主人公森山亜季美は、幼少時から元フィギュア選手である父の手ほどきを受け、釧路にある自宅前の沼でフィギュアの練習を積んできた。フィギュアスケート版『巨人の星』のような親子だ。
東京に舞台を移し実力を認められ始めた亜季美だが、母の死から受けたショックで滑れなくなってしまう。
その亜季美を救ったのは、父母と3人で苦しい練習に耐えてきた「時」だった。
「人はみんな1人ぽっちだけど 1人きりでは生きていけない 10人の人間には10の人生 関わり方は百も千もあるけれど(中略)おたがいを高めあい 尊敬しいつくしみ そんな人生を送りたい!!」(『愛のアランフェス』第1巻 P236)
『ヒロインの条件』の記事で書いた「人と人とのつながり」というテーマが、ここで既に描かれている。
その後亜季美は日本トップスケーターの黒川優一とペアを組み、少女マンガのお約束通り、恋愛関係に陥る。
これでハッピーエンドなら並みの少女マンガだが、黒川との恋や別離、関係者の死などが入り乱れ、ドロとした雰囲気を加速させる。
競技のパートナーとして互いを割り切っているソ連ペアが、2人に転機をもたらす。恋愛は演技の妨げになるのではないかと悩む黒川は、単身スペインのアランフェスに留学する。
離れ離れになった2人が出した答えは、演技を愛で昇華させることだった。
亜季美と黒川の愛が勝利したのか、ソ連ペアのプロフェッショナリズムが勝利したのか、その判断は読者に委ねられている。
■初出:『別冊マーガレット』集英社(1978~1980)
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『愛のアランフェス』
【ストーリー】
フィギュアスケートの大会に押し入って天才的な滑りを見せた謎の少女が、日本フィギュア界で大きな話題となっていた。関係者の捜索で発見されたその少女森山亜季実は、北海道から東京の高校に転校。フィギュアスケートクラブに入会し、本格的に選手としての道を歩み始める。

