2007年01月18日
銀になる - 「好き」が原動力でフィギュアスケートをがんばる少女
おかざき真里『銀になる
』集英社(2006)全1巻
コーチの男が好きでフィギュアスケートを頑張る女子高生の話し。
主人公絵里依は「ジュニアグランプリ2年連続優勝で天才少女と騒がれたのにある日いきなりスケート界からいなくなった」という設定である。
なぜスケートから離れたのかを聞かれた絵里依はこう答える。話しながら過去の辛い記憶が絵でオーバーラップされる。
「"好き"がなかったのあの頃は 練習は辛いもんだし 先生は怖いものだったし でも子供だったから そういうもんだと思ってて がんばっちゃって 勝って 余計つらくて」(『銀になる』P59)
そんな傷を負った絵里依を、コーチである小林恭一への想いが、再びフィギュアスケートへ向かわせる。
小林はクールで「ドS」な男だ。その彼が過去の傷をぐちぐち話すのを聞いて絵里依の恋は急加速する。
「好き!そうか!好きか!最強入りました」(『銀になる』P34)
そもそもフィギュアスケートを再開した動機がコーチへの恋愛的興味であるものの、なぜぐちを聞いているうちに「最強入」るのか、恋愛部分はよく理解できない。
絵柄は安野モヨコ風で、子どもの描写が抜群にかわいい。
■初出:『クッキー』集英社(2006)
【ストーリー】
つまらない高校生活を送っていた小川絵里依は、ある日公園で見かけた男に惹かれて後をつける。向かった先はフィギュアスケートスクールだった。絵里依すぐにそのスクールへの入学を決める。
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2007年01月17日
愛のアランフェス - ペアに光を当てるフィギュアスケートマンガ
槇村さとる『愛のアランフェス
』集英社(2003)全5巻
フィギュアスケートの中でも、特にペアを主題材として扱っている。
主人公森山亜季美は、幼少時から元フィギュア選手である父の手ほどきを受け、釧路にある自宅前の沼でフィギュアの練習を積んできた。フィギュアスケート版『巨人の星』のような親子だ。
東京に舞台を移し実力を認められ始めた亜季美だが、母の死から受けたショックで滑れなくなってしまう。
その亜季美を救ったのは、父母と3人で苦しい練習に耐えてきた「時」だった。
「人はみんな1人ぽっちだけど 1人きりでは生きていけない 10人の人間には10の人生 関わり方は百も千もあるけれど(中略)おたがいを高めあい 尊敬しいつくしみ そんな人生を送りたい!!」(『愛のアランフェス』第1巻 P236)
『ヒロインの条件』の記事で書いた「人と人とのつながり」というテーマが、ここで既に描かれている。
その後亜季美は日本トップスケーターの黒川優一とペアを組み、少女マンガのお約束通り、恋愛関係に陥る。
これでハッピーエンドなら並みの少女マンガだが、黒川との恋や別離、関係者の死などが入り乱れ、ドロとした雰囲気を加速させる。
競技のパートナーとして互いを割り切っているソ連ペアが、2人に転機をもたらす。恋愛は演技の妨げになるのではないかと悩む黒川は、単身スペインのアランフェスに留学する。
離れ離れになった2人が出した答えは、演技を愛で昇華させることだった。
亜季美と黒川の愛が勝利したのか、ソ連ペアのプロフェッショナリズムが勝利したのか、その判断は読者に委ねられている。
■初出:『別冊マーガレット』集英社(1978~1980)
【ストーリー】
フィギュアスケートの大会に押し入って天才的な滑りを見せた謎の少女が、日本フィギュア界で大きな話題となっていた。関係者の捜索で発見されたその少女森山亜季実は、北海道から東京の高校に転校。フィギュアスケートクラブに入会し、本格的に選手としての道を歩み始める。
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2007年01月16日
ヒロインの条件 - 人に救い救われるフィギュアスケートマンガ
槇村さとる『ヒロインの条件
』集英社(2006)全1巻
ジュニアフィギュアスケート界のいびつさの描写から、本作は幕を開ける。
ステージママよろしく子供の扱いについてクラブに口を挟む親、競技者として大成しそうな子供にしか興味を示さないコーチ。こういった状況を前に、名門フィギュアスケートクラブでコーチを務める山本リサは惑いを感じている。
リサは選手時代の敗北を引きずり、自分の足跡を信じられなくなっていた。そこに現れたのが、抜群の身体能力と、9歳という年齢に見合わない精神的な傷を感じさせる少女吉川奈々だった。
奈々はリサにかつての自分を思い出させる。自分が絶望に陥ったときに、何を求めていたのか。心の奥底に押し込めていた自分の気持ちに向き合ったとき、リサは奈々に正面から向かい合おうと決意する。
「自分はひとりぼっちでだれともつながっていないって思っていたから 奈々ちゃん 今度は私が奈々ちゃんに渡したいものがあるの」(『ヒロインの条件』P184)
リサは奈々に救われ、奈々はリサに救われる。人と人とのつながりを、フィギュアスケートを通じて描く、短いながらも重厚な作品だ。
■初出:『YOUNG YOU COLORS』集英社(2005)
【ストーリー】
名門フィギュアスケートクラブでコーチを務める山本リサの前に、抜群の運動能力と強い精神を持った9歳の少女吉川奈々が現れた。同クラブNo.1コーチ滝沢良江は早速奈々に目をつける。滝沢の指導方針に疑問を感じるリサは奈々をどう育てるのか。
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2007年01月15日
クリスタル前奏曲(プレリュード) - 表現力で世界を席巻する女子フィギュア選手
主人公は3歳からバレエを続け、優れた表現力を持ちながら技術の未熟なフィギュアスケート選手である。
自分の才能を全く信じていない、ゆえに上を目指すことなど考えたこともないしのぶが、コーチである陽介への憧れから大きく脱皮する。
「見てみたくなった---この人が見てきたものを 感じてみたい この人が感じたものを」(『クリスタル前奏曲』P30)
陽介はコーチとしてのみならず、恋人(のような者)としてもしのぶを解き放つ。
「最初あたしは 外に出ようとしない鳥だった だけどそれをあなたが 扉を開けた---」(『クリスタル前奏曲』P48)
その後日本を代表する選手へと成長するしのぶ。1冊の3分の2程度の分量ゆえ、コーチを好きになるのも選手として成長するのも拙速な感はある。しかし最後の試合結果の無理のない着地点は、スポーツマンガとして好感が持てる。
■初出:『りぼん(別冊ふろく)』集英社(1997)、『りぼん早春のびっくり大増刊』集英社(1998)
【ストーリー】
フィギュアスケート選手しのぶは、技術こそないものの、3歳からやっているバレエのおかげで豊かな表現力を持っている。ある日所属するクラブの責任者である三枝から、息子であり前年度日本チャンピオンの陽介をコーチとして紹介される。しのぶと陽介の二人三脚が始まる。
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2006年12月26日
ほったゆみ・河野慶『ユート
』集英社(2005)
フィギュアスケートのマンガは少女マンガを中心に結構な数がありますが、スピードスケートのマンガは珍しい。というか今のところこれしか知りません。他にご存知のものがあったらコメント欄にて教えてください。
原作のほったゆみは、大ヒット囲碁マンガ『ヒカルの碁』の原作者として有名ですね。
東京に転校してロングトラックのスピードスケートができなくなった少年がショートトラックに取り組むというストーリーです。ロングとショートのいいところを両方吸収してライバルに勝つ、という展開になるのかなーというところで残念ながら連載終了。単行本の最終3話は書き下ろしです。
珍しいジャンルなだけにもうちょっと読みたかったですね。スケートの靴に関する説明が細かくて勉強になりましたし。
■初出:『週刊少年ジャンプ』集英社(2005)
【ストーリー】
北海道北見でロングトラックのスピードスケートをやっている瀬尾雄斗は、東京の小学校へ転校することになった。東京でスピードスケートのリンクを探すが、ショートトラックのリンクしか見つからなかった。冬に開催される大会でライバルである帯広の高月和也を倒すため、雄斗はショートトラックのリンクで練習を始める。
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