2007年03月07日
『SEKIDO(セキド)』 - 「水オタ」からトップスイマーへの道
山本康人 『セキド
』 小学館(2005) 全2巻
泳ぐことの快楽を、本作は思い出させてくれる。
主人公飛男は、「水オタ」と呼ばれる水泳好きである。競技者として結果を求めるよりも、「空を飛びたい」という気持ちで、高校生活の全てを水泳に捧げている。同級生からは変体扱いだ。
「俺はこの水の声が好きだ!!陸の上のくだらない雑音は聞きたくねえ!!ここにあるのは俺だけの水の歌だ!!」(『セキド』 第1巻 P61)
プールの中は孤独な世界であり、聞こえるのは「水の声」だけだ。
元日本記録保持者のコーチ就任と、天才新入生赤土(セキド)の入部をきっかけに、飛男は「水オタ」ではいられなくなる。過酷で見返りの少ない、競技としての水泳の世界へ、飛男は本格的に踏み入る。
そこで味わう初めての挫折。才能という大きな壁に直面した飛男は、一時水泳から離れてしまう。高校生らしい遊びに身を投じるも、心は満たされない。
そんな飛男を救ったのは、ルルという一人の少女だった。
「あるじゃん、才能。そこまで何かを好きになれるって才能じゃん。」(『セキド』 第3巻 P128)
心を新たにした飛男は、セキドを追いかけてトップスイマーへの道を歩みだす。アスリートしても、人間としても成長していく飛男の姿に胸がすく。
■初出:『週刊ビッグコミックスピリッツ』小学館(2005~2006)
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『SEKIDO(セキド)』
【ストーリー】
泳ぐことが好きでたまらない熱血高校生青山飛男は、高校生活の全てを水泳に捧げていた。気持ちよく泳ぎたいだけの「水オタ」飛男の前に、謎の新入部員赤土(セキド)が現れる。彼との出会いが、飛男の運命を大きく変えていくことに。


