2007年03月16日
『校舎うらのイレブン』 - 貧しき時代のド根性サッカー
ちばあきお『校舎うらのイレブン
』 集英社(2004) (文庫版『チャンプ』第2巻所収)
かつて日本は貧しかった。本作に出てくる家も、着るものも、車もボロボロだ。昨今話題になっている給食費滞納どころの話しではない。そもそも学校に行くことすら出来ない子供までいるのだ。そんな貧しき、しかしこれからの成長を予感させる時代の中学生たちが、サッカーに取り組む。
当時最も人気のある学校スポーツは野球だったろう。サッカー部は日陰の存在であり、部費も与えられていない。ユニフォームもスパイクも買えず、ゴールはござを張り渡したものを使用している。所属メンバーは、他所の運動部に入部できない落ちこぼれたちだ。手癖も悪く、『あしのたジョー』に登場するドヤ街の子供たちそのままである。そんなサッカー部の監督になった新人教師の杉本は、悪童たちに苦戦しながらサッカーを教え込んでいく。
いよいよ向かえる初の対外試合で、悪童たちは狂気の活躍を見せる。キーパーがゴールポストに激突、シュートを顔面ブロックで防ぐなど、『キャプテン翼』のディフェンスを先取り。オフェンス陣は骨折した腕を「ブラーン」とさせることで相手を恐怖に陥れる。彼らの善戦は杉本を教育に目覚めさせ、見るものを感動させた。ちばあきおらしい、爽やかでほのぼのした短編作品だ。
ちなみに杉本が赴任する学校は「隅谷中学校」。野球マンガの名作『キャプテン』に登場した学校である。この悪童たちは、谷口くんたちの先輩にあたるわけだ。
■初出:『別冊少年ジャンプ』集英社(1971)
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『校舎うらのイレブン』
【ストーリー】
叔父が校長を務める中学校に体育教師として赴任してきた杉本。新人教師として希望に燃えてやってきたものの、跳び箱すらない状態で授業もままならない。さらに他の運動部に入れない落ちこぼればかりのサッカー部を監督することに。

